(当コーナーの記載事項はある程度実際のプレイに基づいていますが、時として嘘・強調・紛らわしい表現が多分に含まれている恐れが有ります)
ドル足掻記
「STAGE60:ドルアーガの塔・60階−起−」
ギルスは59階最深部に在る祭壇の前に立っている。
祭壇には3つの窪みが有り、そこに奉納物を差し込めるようになっている。
ギルスはそこに奉納物を差し込んでいった。
穴開きお玉・泡立て器・菜切り包丁のお料理3点セットを。
ギルス「何も起こらないな・・・」
当たり前だ。
ギルス「はっはっは冗談だよ。こんな事もあろうかと用意していたんだ。」
どんな事を想定していたんだ。まさか筆者が最近ネタを練りこむ間も無くてムリムリにギャグもあまり入れないまま前回分をアップしたなんていう事を想定していたとでも云うのか!?
ま、そんなどうでもいい事は置いときまして。
ギルスは3つの窪みにクリスタルロッドを奉納していく。
まずはSTAGE40でフェニックスより貰い受けたグリーンクリスタルロッド。
続いてSTAGE46でギルガメスが使っており、そのままアヌ神より授かりしレッドクリスタルロッド。
そして、先程ドルアーガのサファイアメイスを浄化して生まれたブルークリスタルロッドを取り出したところで、ギルスは手を止める。
ギルス「そうだ忘れてた。・・・カリア・・・一緒に終わらせよう・・・」
ギルスは懐からティアラを取り出す。
カリアが身に付けていた、イシターのティアラである(ぷりーず こんてぃにゅー?参照)。
ギルスはティアラを頭の上に乗せると、ブルークリスタルロッドを改めて祭壇に納め、その前にひざまずき静かに祈り始めた。
ギルス「(今年もどうか豊作で・・・もとい、アヌ神様、イシター様、その他天界冥界地上界にあまねく神々よ、魔王ドルアーガに封印を、そしてこの地上に光を満たして下さいませ・・・)」
ギルスの祈りに呼応するが如く、3本のロッドから光が迸(ほとばし)り、それが空中で一点に集まったかと思うと、大きな光球となって輝きを増し始める。
ギルス「あれれ?」
しかし祭壇に据えた筈の3本のロッドは消失していた。まるでロッドが光に変換されて空中の光球と成ったかのように。
その光球は更に輝きを強め、最早ギルスは目を開けることすら出来なくなる。
そして・・・
ギルス「白い・・・ロッド!?」
祭壇の上方に今まで見た事の無い、白い宝珠をあしらえたクリスタルロッドが淡い輝きを保ちながら浮かんでいる。
ギルス「なんなんだ・・・コレ?こんなの、伝説には無いよ・・・」
そう。ギルスの知る限り、ブルー・レッド・グリーンの3種以外のクリスタルロッドが出現したという伝説は存在しない。では、このロッドは一体何なのか。
いずれにせよ、ギルスはこのロッドを手に取ろうと腕を伸ばした。
その時。
地の底から響くかのような低い轟音と共に『塔』が揺れ始めた。
さながら『塔』自体が、稲穂が風に靡(なび)くかの様に大きく横に震動する。
まるで立っていられない程に。
ギルス「わああホントに超高層ビル地震を再現するつもりなのかぁ?ヤだようボクは『まるでゴミの様だ(ムスカ氏談)』って感じで落ちたくないィィィ!(STAGE58前編参照)」
そういうリアクション出来る間はまだ余裕だろうて。
しかし、一瞬体勢を崩した途端に、頭の上に乗せたカリアのティアラが転げ落ちる。
ギルス「しまった!」
そのままティアラは転がって壁の蔭に隠れてしまった。
やがて震動は収まり、ギルスは立ち上がって祭壇に背を向け、ティアラを拾いに行こうとする。
『のひょほひょほひょひょひょ!!』
ギルス「・・・え?」
一陣の風がギルスの背後を横切った。
ギルスが振り返ると・・・
『風』の主・・・妙ちくりんな嬌声と共に現れたそれは、祭壇の上に輝く白いロッドを奪い去っていた。
『うきょきょきょきょきょ・・・・・・エクスタシィィィィィィィィィッッ!!』
『風』が一層けたたましい叫び声を揚げたかと思うと、そのロッドが徐々に変質していった。
そのフォルムはあちこちに奇妙な突起の生えた奇異なものに、その色は白でありながらどこか翳りのある、灰色とも銀色ともつかないくすんだ白に。
その妖しげな白き光が一層強まり出した。
まるで魅入られるかのようにギルスは身動きせずその光を見つめている。
???「ギルス、避けてっ!!」
突然の声と共に、何者かがギルスを突き飛ばした。
いや正確には、背後からその何者かがギルスの延髄目掛けラリアットをぶちかましたのだが。
ギルス「げふっ!?」
ギルスはそのまま前方に転がり倒れる。
次の瞬間、ギルスの立っていた位置に光の矢が突き刺さり、床を粉々に打ち砕いた!
ギルス「なああっ?一体何が!?」
???「間に合わなかった・・・。『彼』は上の階に逃げたみたいね。」
ギルス「えっ?」
ギルスは声の方に頭を向ける。自分を突き飛ばしたその声の主の方に・・・
それは、ギルスの見た幻影だったのであろうか。
目の前に少女が立っている。
緑の法衣をまとい、その額には先程までギルスが持っていた筈のティアラを被っている。
潤んだ瞳でギルスを見下ろし、額から伸びる触角からはビームが・・・
カリア「出るかっ!コレは触角じゃないっちゅーに!!(STAGE46後編参照)」
ギルス「か・・・カリア?本当に?ホンモノなの!?(STAGE51参照)」
カリア「あたしはあたしよ。もう忘れたの、ギルス?」
ギルス「む・・・よく見るとボスマーカーが無い!ホンモノのカリアだ!!(STAGE11参照)」
カリア「そー云う方法でしか判別出来ないンか!!」
まあコレだけホルス並の早い反応のツッコミを返す辺り本物のようである。
カリア「あのね・・・筆者まで・・・」
ギルス「でもどうして?何でココに?一体!?」
カリア「説明は後にしましょう。それより早く行かないと。ギルスあなたも見たでしょう?『彼』・・・ドルアーガはまだ封印されていない。」
ギルス「まさか?3本のロッドを納めたのに?」
カリア「それどころか、さっきのあの白いジュエル・・・あれはブルー(サファイア)・レッド(ルビー)・グリーン(エメラルド)の3種の高位ジュエルの力を集約して生まれた窮極、いや至高の闇のジュエル『ダイヤモンドメイス』なのよ。あれを手にした魔王の力はきっとこれまでの比にならないわ。気をつけてね!」
ギルス「あの光か・・・。そう云えば、カリアさっきボクを思いっきりラリアットでブッ倒したでしょ!?」
カリア「あれ無かったら今頃あなたはミンチになってたのよ、感謝して欲しいわ。」
ギルス「でも他にやりよう無かったの?お蔭で首がムチ打ちに・・・」
カリア「じゃあフランケンシュタイナーで投げ飛ばした方が良かったとでも云うの?」
ギルス「そっちの方が酷いじゃないか。あ、でもあの技って首を足で挟んで投げるワケで・・・えへへへへ。」
カリア「・・・(スカートの裾を手で押さえながら)、ナニ考えてるのよスケベ!もう、早く行くわよ!!」
カリアが手を差し伸べる。
ギルスは手を伸ばし、その手を取る。
ギルス「カリア・・・。解った、行こう、一緒に!今度こそ、本当に、最後の戦いだっ!!」
60階。
『ドルアーガの塔』の最上階。
100年前の戦いにおいて、魔王ドルアーガが封印された場所であり、そのフロア一帯が一つの巨大な祭壇となっている階である。
カリア「ギルス・・・あれを見て!」
カリアが指差した方向に、『彼』が居た。
いや、本当に『彼』なのか。
ダイヤモンドメイスを手にしたそれは前回までギルスが目の当たりにした『彼』とは何かが違っていた。
それは磯野家世帯主とその双子の兄の頭髪の本数や、お団子頭女子中学生と水兵服美少女戦士の違い(←同一人物やん)と云った瑣末で微妙なものではない。明らかに『彼』と同じようでいて、そして決定的に違っていた。
その体躯はこれまでよりも一回りは大きく、その身を包んでいる胴鎧や兜は先程までの茶褐色ではなく、あの窮極もとい至高の闇のジュエルと似た様な翳りの有る白色で彩られていた。
ドルアーガ?「むひょひょひょひょ・・・来たわねねねね、ぼぼぼ坊や・・・」
ギルス「でもオカマ口調はそのままかい。」
カリア「こんな奴が最後の敵だったの?幻滅・・・って云うか、それにしても少し喋り方がヘンよ!?」
ギルス「一体どうなっているんだ、ドルアーガ?」
ギルスのその問いかけに、魔王は目を細めながら嘲うかのように答える。
ドルアーガ?「うきょきょきょきょ・・・アアアアタシは、もももう『ドルアーガ』では無いわわわわン。きき窮極の魔王のの肉体にシシシ至高の闇の魔力ををを受け、この世界にに来臨した、ゴゴゴゴ極上の魔王、それれれがこのアタタシ、『ドルルルアーガ』なのよよよン!!」
カリア「ドル・・・ルル・・・アーガ!?」
ギルス「風邪引きさんなのか?」
カリア「そのルルじゃないってば!」
ドルルルアーガ「ウフフフフ、坊やににには、本当にお世話わわになりりりっぱなしねんん。あののおバカ(アンシャー)を懲らららしめてももらった上に、アタタタシまでパゥワワァアアップしてもらえるるるんなんてン。是非ともお礼をしななくちゃねねねねン・・・・・・(ダミ声で)そこここの小むむ娘と二人りり仲良くナーガルルの元へ送ってくれるるるるわァ!!」
『極上の魔王』の叫び声と共に、『彼』の肉体からいくつも何かが飛散した。
暗緑色の・・・まるで魔王の
ギルス「垢?それともフケ?」
カリア「発想が下品!!」
少なくとも魔王の体の一部である事には変わりが無い様である。
その妖しげな物体は床に落地すると、ぶくぶくと泡立つ様に膨らんでいき、だんだん形を成していった。
『うひょひょひょひょ!』
『むきょきょきょきょ!』
『のひょひょひょひょひょ!』
その物体は口々に嬌声を揚げる。
それは、まるで魔王の姿を模した・・・いや、そのものなのかもしれない。
『極上の魔王』が、『最兇の魔王』を産み出したのだ。
ギルス「分裂・・・した?」
ドルアーガA「うひょひょひょひょ、」
ドルアーガB「もけけけけけけ、」
ドルアーガC「にょほほほほほほほ、」
ドルアーガD「みょへへへへへ、」
ドルアーガE「むぐめぐむぐまぐぐむ、」
カリア「あー煩いっ!!段々ワケ解らん笑い声になってるし!」
ドルルルアーガ「すぴぴぴぴぴぴ、」
カリア「そこまで来たらなんか鼾(イビキ)みたいじゃない!?」
ドルルルアーガ「むふふふふん、でもももこのコ達相手ててに勝てるるののン?」
カリア「う・・・」
ギルス「確かに、『奴』を何体も相手にするなんて・・・でも、やるしかない!」
ドルルルアーガ「まア『ヤる』るるなんて、相変わららず大胆ねン?」
カリア「ギルスのえっち!」
ギルス「違う!カリアまで真に受けないでよ!!(STAGE59前編参照)」
・・・そして、いよいよ本当の、最後の戦いの幕が開く。
しかし、まさかここに来て漸くタイトルの「ドルルルアーガ」の意味が解るとは。
このゲーム、知らん人にはタイトルが「セガ△ガ」とか「近藤△るる」とか「ゆみ△みっくす」とか「桃も李(スモモ)もモモの内」とかのパクリだとか色々云われてきましたので結構感慨深いものがあると思います。
勿論「パワーアップしたのは解るが『ル』が二つ増えた意味が解らない」なんて野暮なツッコミは無しです。
こだわり過ぎるとカリアさんが襲来して触角を突き刺して来ますよ。
カリア「するか!!」
ギルス「久々登場なだけに、結構筆者もカリアをいじってきてるね。」
では、次回よりラストバトルの開始。
☆つづく☆