当コーナーの記載事項はある程度実際のプレイに基づいていますが、時として嘘・強調・紛らわしい表現が多分に含まれている恐れが有ります)

 

ドル足掻記

「STAGE60:ドルアーガの塔・60階−承−」

 

 

 フロア60。『塔』の最上階であるそのフロアは、東西に伸びる五列の通路と、それらを繋ぐ東端の南北の通路で構成された階であった。「ドルアーガ」シリーズに精通されている方ならば、これが旧来シリーズに於ける『塔』の最上階を模した構造である事が御理解頂けると思う。
実はシリーズの総てに於いて、通路の本数や並び(水平か垂直か)の違いは有れど、最上階の構造は概ねみな同じである。「カイの冒険」も含めた正伝シリーズは同じ建築物の話なのだから当然なのだが、今回は取り敢えず新築(?)なワケであって、他フロアはそうでも無いのに最上階だけ似せた意図はドコに在るのだろうか。
しかも「カイ〜」を除けば『彼』はあの階で登場した事が無いのに?

  ギルス「イシター様降臨の地である階にこだわる理由・・・、そうか!一部の深読み好きの間で真しとやかに囁かれている『ドルアーガ、実は女神イシターに片想い!?』説は事実だったのかっ?そこまで想い人との関連物と繋げようなんて、実は結構純情さん?」
  カリア「何なのよそれ?」

勿論真偽の程を筆者が知る由も無いのですが、皆様はどう思われますか?

  ギルス「でもここまで長い通路だと、何か廊下の雑巾がけを連想しなくない?♪頓智はあさはかだよ一級品〜
  カリア「何かもう訳解んない!!」

それは無いで御座るよさよちゃん殿(←誰だ?)。

  ギルス「まあ冗談はさておいて、防衛クリーチャーの配置を開始しよう。既に『奴』の傾向と対策は把握済みだから(STAGE59参照)楽勝楽勝!先ずはミラーナイトと。」
  ミラーナイト「イーッ!」
  カリア「
あたしの居ない間に相当登場人物が濃くなったのね・・・」

いえいえアナタの居た頃から充分に濃かったと思います。

まあ斯くして、ギルスはジュエルルームにカリアとミラーナイトによるピケを生成に掛かった。
今度はギルスは59階から攻めCOM(こむ)形になる訳であり、STAGE59の構造上ジュエルに一点集中でピケを張るのが最も効率の良い手段である。その点でギルスは正しい。
しかし、このクリーチャー選択が後にギルスを絶望と苦悩に追いやる事になるのであった。

 

 

 

・・・30ターン経過。

  ギルス「来ない・・・」
  カリア「どう云う事なの、この期に及んで、余裕を見せてるの・・・?」

ギルスは自ジュエルのピケで待機してドルルルアーガを迎撃するつもりであったのだが、一向に『彼』が動こうとする気配は無い。

  カリア「どうやら今度の『奴』は待機型夕イプのようね。」
  ギルス「みたいだね、ターンを無駄にしちゃったよ。・・・ところで待ちくたびれてお腹空いてきていない?」
  カリア「そりゃあ少しは・・・、でもあたし地上で寝たきりからここへワープしてきたから何も食べ物なんか持ってきていないわよ。」
  ギルス「大丈夫だよ、
筆者がズルズルと連載を引き延ばしてるおかげでボクも新ワザを修得したんだ!(一枚のカードを取りだし、クリスタルロッドに挿し込む)べント・イーン!!
  『マクノウチべント。』
  カリア「げっまさか!?」

カリアの懸念通り、どこからともなく弁当箱が回転しながら飛んできた。ギルスはその箱を掴み蓋を開け、中味に箸を付ける。

  カリア「・・・・・・」
  ギルス「(もぐもぐ)どう、ざっとこんなモンだよ。
他にも『ハンバーグべント』とか『トリソボロべント』とか各種取り揃えてるけど、カリアも食ベる?」
  カリア「止めとく。
何かべタべタだから。」
  ギルス「御飯が?それともネタが!?」
  カリア「・・・
両方よっ!食ベたらさっさとカギを集めに行きなさぁいぃぃっ!!

よもやクウガ・アギトに続き龍騎までネタに出来るとは筆者も思わなかったス。

 

 

ところで、セティ(STAGE21参照)やバルスツーカ(STAGE31参照)の様にボスには初期行動が待機型のタイプが居る。本ステージのドルルルアーガもそうなのだが、当然動かないままだと勝負にならないのでいずれは行動を開始する。行動を開始するには何らかの条件が必要なわけで、逆に云えばその条件を満たさない限りはボスは動かない。この間の初期アドバンテージをどう活用するかがポイントとなる。カギを取りにいくか、ピケを充実させるか、敵ダンジョンにすぐ入らずにMPを溜めるか、それとも先のギルスの様に腹ごしらえと行くのかはたまた一眠りしちゃうか財テクに手を伸ばすか(?)、ボスの能力や自分の戦術に応じて見極めるペし。
因みにドルルルアーガの行動開始条件は、「ギルスと同室になる」「ギルスが一つ目のカギを入手する」「200ターン経過する」のいずれかである。大抵はカギ入手で動き出す事が多いだろう。
そして、問題となるのは一度動き出した
『彼』の侵攻は尋常で無く速いと云う事。先の戦闘で「倍行動だから速い」と云うのは御理解頂けるとは思うが、その他にも敵ジュエルとワープが意外と近いとかアルゴリズムの問題とか注意すベきポイントは在る。
よって、結局書いている事は毎回同じになってしまうのだが、
如何にボスを喰い止めるかが攻略のキモとなってくるのだ。

ともあれ、ギルスが一つ目のカギを入手した途端に『彼』は動き出した。
それを察知したギルスはリターンでジュエルへ戻る。

  ギルス「カリアいよいよ来るよ、気を付けて!」
  カリア「そう、とうとう来るのね、
プロダクションのスカウトがっ!あたしも遂に念願のアイドルデピュー、
  ギルス「・・・なんでやねん。」

そして、魔王がルーム内に姿を現した。

 

 

 

  ドルルルアーガ「ルルルルルル・・・・・・感じるる・・・感じるわわわわン・・・」

八本の腕を後ろ手に回した魔王が呟く。
その兜から両脇に伸びる衝角が、うねうねと錐揉み状に回転をしている。

  カリア「な、なんなの、アレ・・・?」
  ギルス「ボクの想像だけど、
何か未来予言をして来るんじゃ・・・?」
  ドルルルアーガ「ウフフフフ・・・
預言してあげるるるるわン・・・」
  カリア「ええっ?」
  ギルス「ホラ云った通りでしょ。そう思ったんだよ、
耳がクルクル回るのは『予感』の予感なンですよルルルルー。」
  カリア「
また旧いネタを・・・

よもや同じ文の中に現在放映中の仮面ヒーローから20年以上前の某国営放送人形劇まで触れるとは筆者もこれまた思いもよりませんでした。

  ドルルルアーガ「預言よン・・・、坊や、アナナナタが、アタシににひれ伏されれれる様が見えててキたわわわわン・・・。そこのお嬢ちゃんが泣き叫ぶぶ状景もねねン・・・・・・アナタタタタ達人間風情では、真ののの闇の王に勝利する事なんて叶わないのよヨよよん・・・・・・?」
  ギルス「何を戯言を!?」
  ドルルルアーガ「戯レレ言・・・?果たしししてそうかかしらららン?(ダミ声に変わり)
これを見てもももそう云えるるるるかァァァ!!?
  ギルス&カリア「!!!」

『彼』が後ろに回していた手を一斉に前に出した。
その手に握られている得物を見た二人は思わず絶句する。

 

・・・それはホイップクリームのたっぷり載ったパイケーキ。
それは
黒の油性フェルトペン。
それは
駅の売店(ドコよ)で売っていそうな透明のビニール傘。
それは
手鏡。
それは
紙ナプキン。
それは
宴会芸で使いそうなグリグリ眼鏡。
それは
上に毛虫が這っている木の枝。
それは
卓球のラケット・・・

 

  カリア「・・・・・・(そりゃ絶句するわよこんなん見たら)
  ギルス「す、凄い!
前はまだ剣とロッドとメイスと云った武器を持っていたのに、今度は武器を一切持っていない!!STAGE59中編参照)ナニ考えてんだコイツ!?」
  カリア「あたしに訊かないでよ!」
  ドルルルアーガ「
グヒヒヒヒヒ、これれで完成だだだァ!オレ様が夢にまで見てていたたた、窮極の『デモニックラッシュ』が!ダイヤモンドメイスのパゥワワァを得て、初めめめてこれれにて完成するるるるぅ!!
  ギルス「これでなの?」
  カリア「
て云うかダイヤモンドメイスが無くても出来るんじゃないこの武装なら?

と、云う事で宜しければこの「窮極のデモニックラッシュ」とやらを予想してみませんか?
ヒントは、
「パイケーキの腕だけ金色の篭手が嵌められている」ですが・・・解るかな?

  ドルルルアーガ「(オカマ口調に戻り)さて、それれれじゃア、いよいよ、最期ののとと時のようネぇン・・・」
  ???「クックック、貴様のか・・・?」
  ギルス&カリア&ドルルルアーガ「???」

 

 

 

声の方に頭を向ける勇者と巫女と魔王。
そこには、薄汚れたフードが宙に浮いていた。
そのフードの奥には、弱々しくだが憎悪の光の込められた双眸が淡く輝く。
そのフードの存在は、これまた弱々しい声で再び呟き始めた。

  ???「ククククク・・・」
  ギルス「アン・・・シャー・・・?」
  ドルルルアーガ「あ〜ら、アンシャーちゃゃゃン、何の用かかしらン?」
  アンシャー「クックック・・・
『何の用』とは云ってくれるでは無いか・・・私をあんなカードに押し込めておきながら・・・(STAGE59前編参照)。幸いにも先の闘いで貴様がカードを落としてくれたお蔭で何とかあの縛めから抜ける事が出来たのだがな・・・(STAGE59後編参照)。」
  カリア「ナニ、あいつドルアーガの部下じゃ無かったの?」
  ギルス「ボクも良くは知らないけど
何でもギャラの遣い込みがバレて解雇になったらしいんだけど、」
  アンシャー「
どう云う展開なんだそれは?大体貴様はSTAGE59で状況を聞いていた筈だろう!?・・・・・・閑話休題(それはさておき)、」
  ギルス「
わあ懐かしいフレーズ!!
  カリア「それって
ヤミに更新ペースが遅いって云う皮肉でしょ・・・」
  アンシャー「よくも、よくも貴様の復活にこれだけ尽力した私を、あんな目に遭わせてくれたものだな・・・ええ、ドルアーガよ?」
  ドルルルアーガ「ふふふん、『様』付けけにしなないいなンンンて、本性を顕ししした様ねねン?」
  アンシャー「クク、始めから気付いておきながらよく云う・・・だがまあ良い・・・ここで貴様も、そこな王子もまとめて片付ければ同じ事よ・・・」
  カリア「よく云うわ!ギルスとあたしがそんな事はさせない!あんたの野望も、ドルルルアーガの野望も!!」
  アンシャー「威勢だけはいい様だな・・・・・・ぬ?貴様は!?・・・何故だ?貴様の魂は『魂の牢獄』に喰い尽くされた筈では(
ゆー ざっぷ とぅ・・・参照)?・・・ま、まあ良い・・・不測の事態も折込済みよ、ここで総ての片を付ければな!!」
  ギルス「
まだ『折込済み』なんてそんな事云ってるのか、当たりもしない予想ばかりしやがってこのヘタレ策士!!
  アンシャー「黙れ黙れェェッ!!わ、わ、私はヘタレなんかでは無いっ!その減らず口を利けぬ様にしてくれるわっ!・・・
『時の縛めよ、金色の縛鎖もて彼の者どもを封じよ!!』

アンシャーはゴールド・タイマーを床に置いた。途端にギルス達の時間は停滞し、意識が有るままに動きが封じられる。

  ギルス「(ぐ・・・)
  カリア「
(マズいわ、なんて卑怯なの?こんな動けない状態にしてあたしの体をそのイヤらしい手で・・・)
  アンシャー「
なんだ↑のモノローグは?相変わらずお主は自意識過剰だな!?・・・・・・閑話休題。では先ずはドルアーガ、貴様からだ!先程の仕打ちの礼をしてくれるわ!!」
  ドルルルアーガ「
(アナナナタみたいなヘタレにに、出来るるるのかしららン?)
  アンシャー「(テレパシーかなんかで会話してるらしい)だ、黙れぇぇ!私はヘタレなんかでは無いと云っているだろうう!?み、見せてくれるわ、私の力を!ダークホール!!」

アンシャーの妖しげなジェスチャーと共に、暗黒の球体が魔王の体を包み込む。球体は集束し、魔王の精神と肉体にダメージを与えたかと思いきや・・・、『彼』がダメージを受けているような素振りは見えなかった。寧ろ、先程よりも血色が良くなったかの様に感じられる。

  ドルルルアーガ「(ウフフフフ、こののの程度なの・・・?)
  アンシャー「
ば、馬鹿な!そんな筈は無あぁぁいっ!うわあぁぁぁっっ!!

自信を持っていた筈の技が全く効いていない。そんな状況を目の当たりにして、アンシャーは恐怖に駆られたの様にダークホールを連発する。その総ては過(あやま)たずドルルルアーガに命中したのだが、一向に『彼』に効いた様子は無い。
そして、タイマーの時封効果が切れた。

  ギルス「・・・ぷはぁっ!」
  カリア「な、なんなのよ、どうしてあんな物凄い魔力攻撃が効かないって云うの!?」
  アンシャー「・・・何故だ?何故全く効かない?我ら上位魔族は確かに高い魔法防御能力を持つが、それでも全くダメージを受けないなんていうのは有り得ん、有り得ないのだぞぉぉっ!?」
  ドルルルアーガ「ウフフフフ・・・
(ひゅん)

タイマーの効果が切れた途端、微笑と共に魔王は姿を消した。
瞬時に、魔王はアンシャーの眼前に、ギルス達に背を向ける形で姿を現した。

  ギルス「・・・速い!」
  ドルルルアーガ「甘いわわよよン?こののの程度でアタタシに挑ももうなんて。
アナタ流に云うなららら、さなががら『1000カラット早いわ!!』って感じかかしらン?

<知ってる人も多そうだから別に必要も無いかもしれないが説明しよう!!「カラット(carat)」とは宝石の質量を表す単位である!結構「大きさ(体積)」と勘違いされている人が居るようだが実は1カラット=200mgと云う、実際の数値を知ってしまうと結構幻滅してしまいそうな「知らなきゃ良かった」かも知れないちょっと不遇な単位なのである!!>

  カリア「ナニよそれ?(STAGE58前編参照)」
  アンシャー「バ・・・バカな・・・」
  ドルルルアーガ「バカは・・・ア・ナ・タ、よよよン?(ダミ声になり)
それれでは死ねねやァ!!

魔王が八本の手を広げる。その手には先程の妖しげな得物が握られている。

  ドルルルアーガ「真!!デモニックラッシュ!!!
  アンシャー「
むごっ!ふぎっ!・・・あががっ、ぬぬぬぶ、ぶははははふごっ?げひ、め、めがぬぇぇぇぇぇっ!!?

 

 

 

それは刹那の出来事であった。
魔王は背を向けていたのでギルス達には
『彼』の挙動を見る事が出来なかった。
しかし・・・気が付けばアンシャーは魔王に頭を踏みつけられて突っ伏していた。

  ドルルルアーガ「バイバイねン・・・ナーガルルルに、宜しくく云っててておいててねン・・・(グシャ)」

魔王が一層強く踏みしめると、フードが空気が抜けたかの様に萎れた。
中身(アンシャー)が消滅したのであろうか。

  ドルルルアーガ「さて・・・では・・・(ダミ声で)次はキキサマらららの番だだだぁぁぁっ!?

 

 

・・・次回、「極上の魔王」の秘密が明らかに?続く!

 

 

☆つづく☆  

 

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