当コーナーの記載事項はある程度実際のプレイに基づいていますが、時として嘘・強調・紛らわしい表現が多分に含まれている恐れが有ります)

 

ドル足掻記
「STAGE46:アヌ神殿(前編)」
 
 

 

 そこは、「空中神殿」の神殿群の中でも一際巨大な建築物であった。正に神々の王の拠点に相応しい荘厳な威圧感を放っている。
今ギルス達は、アヌ神の神殿の前に立っている。・・・アヌ神。神々の王にして、英雄ギルガメスの黄金の鎧、ゴールドアーマーを創造した主、そしてそのゴールドアーマーを天界へと持ち去っていった当人でもある。

  ???「ギルスか・・・。生身の身体でよくぞここまで来たものだ。」

まるで、神殿全体が発声源ではないかと思える程の声が響いた。

  ギルス「(きょろきょろ)
  ホルス「(小声で)こらアヌ神様の御前だぞ、
スピーカなんて捜さなくていい!STAGE38参照)」
  セティ「(やはり小声で)でも・・・アヌ神様は本当にゴールドアーマーを再びわたし達に授けて下さるのでしょうか?」

そんなセティの囁きを聞き取ったかの様に、神殿からの(勿論アヌ神の)声が再び響く。

  アヌ神「それはお前達次第だ。見事この私の、神々の王が課す最後の試練を突破出来るか、お前達の持てる全てを駆使して挑むが良い!」
  ギルス「はい!」
  ホルス「よっしゃあ来いやぁ!」
  セティ「でも、アヌ様の
『試験』の対戦相手ってどなたなんでしょう?」
  ギルス&ホルス「うーーーん。」

このWORLD6、これまで登場したのがトリックスター的存在の道化師ユーメル(STAGE41)、イマイチ目立たなかったけどやたらリキ入ったセリフ回しのアクルガル(STAGE42)+左遷コンビ、「ガールー神のやたら厳しい修行でも文句を付け(られ)ない魔法人形」ファイヤゴーレム(STAGE43)、何か頭のネジが一本どっかに逝っちゃってる美少女戦士ワルキューレ(STAGE44)、そしてクチは悪いがカリア亡き後(!)のセティのライバル(?)に名乗りをあげたシルバードラゴン(STAGE45)、と筆者の思惑と云うかそれを逸脱する程に珍妙な連中が揃っている。正直不安だよ筆者もどんな奴が出てくるのか。
だが、アヌ神はそうしたギルス達(+筆者)の不安を見透かすかの様に笑みを押し殺した声でこう告げる。

  アヌ神「最後の『試験』には、当然それ相応の相手を用意している。お前も良く知る、正に神々の最後の試練に相応しき男をな。・・・・・・・・・出でよ、光の勇者・ギルガメス!!!
  セティ「え・・・」
  ホルス「な・・・・・・」
  ギルス「ええええええええええええっっ!!?」

突如ギルス達の眼前に落雷が発生した。その落雷の跡から、一人の騎士が足を踏み出してくる。聖なる色とされる青色をそこかしこに彩った黄金の鎧を纏い、足には両脇に羽根をあしらえた長靴、左腕にはやはり聖なる色の青でラインを描かれた黄金の盾、右腕には黄金の神剣、頭には両横にやはり青色の衝角を象った黄金の兜で身を固めている。目を合わせた者を畏怖せん程の鋭い眼光を放つその瞳には、何故かギルスと似た趣をも感じさせる。

  ギルガメス「良くここまで来たな、我が子孫よ。我が血、我が意志を継がんとする者ギルスよ!私が今ここに纏いし神の鎧を手に入れたくば、私を倒して見せよ!私を・・・乗り越えて見せよ!!」
  ホルス「なんてこったい!よりによって、英雄ギルガメス様と対決だとぉ!?」
  セティ「あのドルアーガを倒した、ギルガメスさまと・・・!?」
  ギルス「でも、燃えるぜ!やっぱ
師匠越え・兄貴越え・親父越え・先祖越え・天城越え(by石川さゆり)ってのはお約束のシチュエーションだっ!!」
  ギルガメス「・・・フッ、その意気だ。私はアヌ神殿で待っている。来るが良い!」

ギルガメスは転移魔法で消えた。

  セティ「(ため息)はあ・・・流石はギルガメスさま。勇壮で、ご立派で・・・」
  ホルス「
流石に筆者もヒンシュク買うのを恐れてギルガメス様まではギャグキャラには出来なかった様だな。
  ギルス「
果たしてそれはどーかな(?)。さてそれじゃボク達も攻めCOM(コミ)元を決めよう。」

マップを御覧になれば解るが、アヌ神殿へはナブー・ナンナル・イシターの各神殿から侵攻が可能。この後で思う存分知ってしまう事だが、ギルガメスの圧倒的な力の前ではこちらのダンジョンが広くてもあまり時間稼ぎにはならないので、むしろこちらが早く攻め込めるナンナル神殿から入った方が良いかもしれない。・・・まあ好き好きですが。

 

 

 

  ギルス「それじゃ、ここのカギはキミ達に任せたよ。」
  ホルス「おう任せておけ。」
  女王イシス「よもや我が国にも名声轟きし英雄ギルガメスと合い見(まみ)えるとはな・・・」
  ハイプリースト「私も精一杯サポートします!・・・エヘヘ初めてセリフ貰いましたけど皆さん宜しくお願いしまーすっ☆」
  シルバードラゴン「ケッ、ブってんじゃねーよ。・・・だが、ギルガメスの力はマジヤバだからな、オメーら気ィ抜くんじゃねェぞ!」
  ワルキューレ「ホホホホホ、
ミンナで逝けば怖くないですわっ!?
  ホルス「
いつの間にレギュラー化したんだアンタは?
  セティ「あぅぅ何だか個性有り過ぎて怖いメンツですぅ・・・」
  フェアリー「(囁く様に)
特に怖いのはアンタだって。
  ホルス「・・・・・・しかし、なんか知らんがなんで女性キャラばっかりなんだ?」
  ゴブリン「
オレも居るしね兄貴!
  ホルス「
お前はオスだろうが!!
  ギルス「良いじゃないかホルス。
女のコばっかりの方がキミも嬉しいだろ?ギャル(?)達にカッコいいところを見せるチャンスチャンス!
  ホルス「(少しニヤケ顔で)・・・・・・、ま、まあな・・・」
  セティ「・・・・・・・・・・・・兄さん不潔ですぅ。」

いやあホルスも男のコだねぇ。・・・でも、筆者がそう簡単にホルスの勇姿を描いてやるなんて思ってるのかいクックック?・・・・・・閑話休題(それはさておき)。
一つのルームに対してギルスが展開出来るカードの総数は8枚。つまり、最大で8体のクリーチャーを召喚可能になる。なんでゴブリンが居るのかは置いといて、「数の暴力」ってのも時には有効な手段と成り得る。筆者は
処理落ちの速度低下が厭なのであまり使わないけど。
ギルスはバラエティに富みまくった8人にカギ防衛を任せて手近のワープホールへ飛び込む。

今回の敵ダンジョン、アヌ神殿はこれまでと較べて段違いに広い。構造上の特徴として、中心に有る十字路型のルームとその上下左右の隣接ルームを境界線として左上・左下・右上・右下の4つにエリアが分かれたようなルームの接続になっている。ギルガメスのスタート地点であるジュエルルームが左下エリアの隅に在り、残る3エリアの隅にそれぞれワープホールが在る。他のエリアへ移動するには基本的に前述の十字路ルームを基点とする境界部分を通る必要があり、最初ギルガメスがこちらのダンジョンに進入するには少々時間が掛かる。しかし・・・

  『ギルガメスがギルスのダンジョンにワープしてきた!』

ギルスがアヌ神殿内にワープすると同時に、ギルガメスも自ダンジョン(結局イシター神殿になりました)に進入、一瞬のうちにホルス達のピケのあるカギルームへと入ってきた!
先程のギルガメスの描写で見当は付くと思うが、彼は標準装備としてジェットブーツを履いているのか倍行動出来る。その為最初こそ(ワープホールへの距離がある為)移動に時間が掛かってる様にも見えるが、
一旦ギルスのダンジョンに入れば異様に侵攻速度が速く見えたりするから怖い。

  ホルス「ギルガメス大王!是非お相手願います!!行くぞセティ!」
  セティ「は、はい行きます!」
  ワルキューレ「ホホホホホ!
『行く』じゃなくて『逝く』って云って頂戴!!
  ホルス「
誰が云うか!
  ギルガメス「・・・ホルスとセトの末裔か。なんか
名前と得物が逆になっている様だが。しかし、まだ太刀筋が甘い!!」

とか云いながら別にホルスの剣撃を受けたわけでもなく、ギルガメスは先制を取って一刀の元にホルスを轟沈!・・・・・・ほーらやっぱり活躍出来なかった。いい加減自分の役割を理解しなさい・・・って、理解してるからこそこの様にすぐヤられてくれるんだね!

  ホルス「るせぇ!・・・畜生筆者めオレになんの恨みがあって・・・」
  ギルガメス「それは違う。この手の交互に行動ターンが回ってくるゲームでは敵との距離を一マス空けて敵から隣接してくるようにして先制を取るのが戦闘における鉄則。なのにお前は
倍行動の機動力をフルに使い過ぎて自分から間合いに入ってしまったではないか愚か者!・・・これだからCOMキャラは困る・・・」

と云いつつギルガメスは倍行動の残りターンでセティに隣接した。

  セティ「あのぅ・・・言動と行動に矛盾があるのですが・・・」
  シルバードラゴン「・・・まあ、
オレ達も奴も結局はCOMキャラだしな・・・」

ところでさっきのギルガメスの科白ですが。「ザ・ブルークリスタルロッド」に登場するスーマールの戦士、ホルスとセトの兄弟。彼らが本作のホルス・セティ兄妹のモデルであるのは改めて述べるまでも無い事柄ですが、「ブルークリスタルロッド」側では槍を操り「マンティコア」の異名を持つ知性派戦士がホルス、スーマール最強の戦士「グリフォン」の異名を持つ熱血(ややバカ)剣士がセト、と云う事で本作と名前と得物が逆になっています。因みに(筆者の記憶では)どっちが兄かの記述は無かった様な気がしますが、恐らくセトの方が兄ではないかと思ってたりします。違ってたら連絡下さい。でも最近リライトが多いよなオレ。スミマセンロクに検証もせずに書き殴って。

  セティ「えいっ!」
  女王イシス「はあっ!!」

セティとイシス様の同時攻撃がギルガメスを襲う・・・が、与えたダメージ僅か4。

  シルバードラゴン「マジかよ?」
  ワルキューレ「ホホホ、
まじか(間近)で見てるクセに!」
  フェアリー「(囁く様に)それやったら発音
『マヂカ』やっちゅーねん。」

・・・書かなきゃ良かったかな。ま、まあそれは置いといてここでギルガメスの初期能力を紹介しておこう。

 HP55(ゴールドアーマー修正有) 攻撃力21(エクスカリバー修正有)
 物理防御8 魔法防御3(ホーリーゴーントレット修正有)
 命中率115%(ホーリーゴントレット修正有) 回避率0%
 攻撃光属性 闇属性弱点 倍行動

どれを見てもトップクラスの戦闘能力。普通にクリーチャーをぶつけては勝ち目が無いのは当然とも云える。特に防御性能の高さが問題。防御力が無ければ如何に相手の攻撃力が高かろうとも前述の通り「数の暴力」でダメージを蓄積させて倒せなくも無いのだが、コレだけ防御が高いと肝心のこちらが与えるダメージ量が低すぎる為に使えない。唯一の穴とも云える闇属性弱点もこの防御力の前では意味が無い。
ただ、ブレス攻撃のブラックドラゴンを4体用意すれば話は別かもしれない。また、セティに
前回触れた「イシターのティアラ」を被せ、「サモンズ・オン・ナンナル」も追加すれば回避率が大幅に上昇し、倒せなくても足止は出来るかもしれない。だが、それさえも通用しない局面が発生する事も有る。それは・・・・・・

  ギルガメス「ギルスは・・・? 既にアヌ神の神殿か。ならここで時間を掛けている場合ではないな・・・。」

ギルガメスは懐からカード・・・「神のプレート」を取り出し、高く頭上に掲げる。アヌ神を召喚する、「サモンズ・オン・アヌ」である。

  『求めに応じ、裁きの神雷で総てを焼き尽くさん!!』

轟音とともに、巨大な稲妻の柱がイシター神殿の天井を突き破って・・・・・・・・・あやまたずギルガメスに命中した!!

  ギルガメス「くぅ・・・」
  セティ「えっ?えっ?ええッ!?」
  ハイプリースト「凄い大ダメージですよアレでは?」
  女王イシス「必殺技を出そうとして自爆しおったか?」
  ゴブリン「やるねぇ兄貴、
自虐はボケの基本だもんね!」
  シルバードラゴン「違う!アレは・・・・・・」

シルバードラゴンの言葉を待たず、落雷を受けたギルガメスから数条の光芒がほとばしり、それは段々輝きと強めながら広がっていき・・・ルーム全体を、セティ達7人を包み込んでいった!

  セティ「ああっ・・・」
  女王イシス「これは・・・」
  シルバードラゴン「だから云ったんだ・・・・」
  ハイプリースト「
私・・・何の為に出てたのでしょう?(←勿論人数合わせやんか)」
  ゴブリン「
兄貴・・・生まれ変わってもアンタの事、『兄貴』って呼んで良いかい・・・
  フェアリー「(囁く様に)
↑アンタ絶対別のゲームかなんかサブカルチャーを意識してるでしょ・・・
  ワルキューレ「
ホホホホホ、遂に逝けるのねワルハラに!?ヒアウィィゴーーーー・・・・・・

目も眩む閃光が収まる中、その部屋に立っていたのはギルガメス一人だけであった。後の8人は床に突っ伏して微動だにしない。
ギルガメスの使った「サモンズ・オン・アヌ」はルーム内の敵味方問わず総てのクリーチャーに30ポイントの光属性ダメージを与える。ごく一部のボスを除けば、殆どのクリーチャーはこの神雷の一撃で倒れる。使用する局面はただ一つ、先程のギルガメスの様に物量で勝る敵を一掃したい時である。しかし自分も大ダメージを受ける為に使用の際にはHPに注意。
無論ギルガメスは普通に闘ってもここの連中を一掃出来たはずだが、ギルスを追撃する為に敢えて自らのダメージを省みずに早期決着を試みたのだ。
ギルガメスはこの部屋のカギを奪うとギルスがアヌ神殿へ侵入したワープルームへと飛び込む。

  『ギルガメスが自分のダンジョンに戻った!』

カギ配置やギルスのカギ集め状況によっても変化は出るが、基本的にギルガメスはギルスを追尾する。その為、いくらギルガメスがケタ違いの戦闘能力を持っていて闘うのが厭でもいずれ対峙する必要性が出てくるのだ。

  ギルガメス「逃げてばかりいては勝利はおぼつかないぞ、我が末裔よ!」
  ギルス「逃げてるんじゃないですよ御先祖様。勝利を確実に掴む為に、無駄な戦闘を回避して居るだけですよ!」
  ギルガメス「
それが『逃げ』口上ではないのか?いつかは逃げられない事態も生じよう。その時に際してお前はどうするつもりなのだ?それで、愛するものの魂を取り戻す事が出来ると思っているのか?」
  ギルス「
『愛するもの』なんていやあそんなまだカリアとはそこまで関係はやだ照れるなぁ・・・
  ギルガメス「何を照れている?普段ボケトークをしているせいか隙だらけだぞ!!」

猛然と突進するギルガメス。しかしギルスは・・・「ニヤリ」

  ギルス「甘いぞ御先祖ちゃん!アナタが近づいてくるのを待っていたのだ!『しらべる』コマンドで今のアナタのHPは21(55−1(セティ)−3(イシス様)−30(アヌ召喚)=21)なのは確認済み。ボクが持っているゴーレムをぶつければ2回攻撃命中すれば倒せる(攻撃力20−防御力8=12を2回)!今ここでこのシルバー・タイマーを使えばアナタの行動を4ターン止めている間にゴーレムの2回攻撃が出来る!これでアナタを倒せばエクスカリバーやゴールドアーマーを失ってそれで良し、そうでなくても十分に時間稼ぎ出来る!凄い完璧だ!」

そうか?ゴーレムの命中率考えたら少し穴が有るような・・・

  ギルス「いいんですコレで、計算間違いが得意ワザな筆者とは段違い!(←悪かったなぁ!)ゴーレムに篭手を着けさせても良いんだし!それじゃ覚悟しておくんなまし御先祖ちゃん!『時の縛めよ彼の者を・・・』
  ギルガメス「
・・・・・・0.0278秒遅い。

まるで特A級ビジネスコマンドーの様な科白を放ったギルガメス、その手にはシルバー・タイマーが握られている。

  ギルガメス「私が倍行動出来るのを忘れていた様だな。倍行動出来ると云う事は、1ターンに2枚のカードを使えると云う事。『時の縛めよ!彼の者を捉えよ!!』」
  ギルス「
(なああ、そんな事は知ってるよう!ただアナタがそんなシルバー・タイマーなんて持ってる事を知らなかっただけだよう・・・・・・)

ま、ここで敗北したヒトはみんなこう思ってるに違いない。でも、時の呪縛に縛られたギルスはその口を開く事すら出来ない。
完全に身動きの出来ない状態で、ギルガメスの神剣エクスカリバーの一撃が容赦なく襲う!!

 

 

  ギルガメス「・・・まだまだだな、我が末裔よ。これしきの実力では地上から闇を払う事も、愛するものを救う事も出来ないぞ!?・・・再び立ち上がれ、そして見事この私を乗り越えて見せるのだ・・・・・・!!」

 ギルスが全てのHPを失い意識が遠のく瞬間、ギルガメスがそう云った様に聞こえた。
しかし、余りにも強大すぎるギルガメス相手に勝利を掴めるのであろうか?

 ・・・えっと今回は段違いに長引きましたので続きは次回「後編」にて決着致します!
・・・・・・
遂に前後編持ち出したよドンドン長引くぜこのコーナー・・・

 

 

☆つづく☆
 
・一話先に
・一話前に
・戻る