当コーナーの記載事項はある程度実際のプレイに基づいていますが、時として嘘・強調・紛らわしい表現が多分に含まれている恐れが有ります)

 

ドル足掻記
「STAGE58:ドルアーガの塔・39階(前編)」
 
 

 

 ただ独りで黙々と『塔』を昇り続けるギルス。その顔には、僅かならぬ疲労と諦めの表情が垣間見られる。大いなる「闇」の重圧に常に曝(さら)されていたが故に・・・

  ギルス「違うよ!ずーっっと延々狭い螺旋階段グルグル昇ってるからイヤになって来たンだい!」
  ???「クックック確かに
筆者の様に三半規管に少し問題ある人間ならば目が回ったりして厭になるであろうな!・・・・・・閑話休題(それはさておき)。どうやらここまでやってこれた様だな、ギルスよ!?」

前方で声がする。ギルスがその方を向くと、闇に光る妖しい双眸が、こちらを凝視している。

  ギルス「・・・つ、次の停車時間は六時間六分六秒?
  アンシャー「何故にそのネタをまた蒸し返す(
STAGE15参照)?と云うか何故に銀河鉄道はああもゾロ目停車時間が多いのだ!?それから私は別に風呂嫌いでは無いぞ!?・・・・・・閑話休題。しかしここまでだ王子よ。この場でケリをつけてやろう。我ら『闇』の真の力の前に、絶望の淵で死んでいくが良い!私が大人しく見逃してやった時(ゆぅ ざっぷ とう・・・参照)、何故それに従わなかったのかを後悔しながらな!フハハハハ!!」

では今回も色々有るのでもう戦闘に入りましょう。

 

 

 

  ギルス「うわぁ広いや、でもコレだと『塔』の形状としてはイビツ過ぎないかなぁ?

本ステージは前々回STAGE56・前回STAGE57と較べると各段に広い。まあSTAGE55も外周だけだが相当広かったのでWORLD中でグンバツの広さという訳でもないが(と云うかココ最終WORLDだから最終面の方が広いのが普通ではないか?)、思わず戸惑っちゃうかもしれない。恐らくデッキからブック・オブ・マップなんか外しちゃってるだろうしね。
でも『塔』型建築物の形状として、
「一番下が太く、真ん中が細く、またその一部が太くてまた細いところが続いて一番上がまた太い(ネタバレだよう!)」と云うのはどーなんだろうか。「ハノイの塔」チャレンジ途中であるまいし形状としては変だと思う。最上階を除いて全部が細い「カリン塔」型なら現実的にはおかしくてもヴィジュアル的にはまあOKだけど・・・

  シルバードラゴン「けッ、前々回の『マッスルタワー』といい、今度はDBネタの応酬かよ。」
  ギルス「
ダークブ△ング?
  シルバードラゴン「なワケ無ェだろうがッ!!」
  セティ「あうぅでも今の若い世代ならきっとこっちの方を連想すると思いますよぅ・・・」
  シルバードラゴン「んじゃナニかテメーは
オレが若くないって云うのかゴルァ!?」

・・・ドラゴンでも女のコは年齢が気になるものなのでしょうか?

  セティ「あぅあぅ、あ、えとですね(話題振替)、実はこの塔ってテナントビルにする計画があった(前回参照)らしくって、だから今まで攻略してきた階も本当はあんな狭いんじゃなくて別個にテナントのスペースが在ったんじゃないですか?」
  シルバードラゴン「
(なんでオメーそんな敵方の事情知ってんだ?)まあ確かに60階ある塔だからな、そんなに細けりゃ建ちゃアしねェか。」
  ギルス「
グラグラ揺れたりして。
  セティ「あぅーなんかそれ厭です・・・」

でも高層ビルの耐震設計ってのは「柳に風折れ無し」の例えの如く、振動に対してビル自身が揺れる形で振動を拡散吸収する、っていうのらしい。そーいやガキの頃に読んだ地震に関する書籍で、「最新の耐震構造の超高層ビルでは震災時に最上階部分は大きく揺れる為に窓から人が放り出される危険も云々」、とか書いていたけど人が窓破って「まるでゴミの様だ(ムスカ氏談)」って落ちるくらいならビル自体が既に折れてるか倒れてるかするな、と三十路前になって漸く気付いたっス筆者。

  ギルス「でもまだ良かったと思うよ。ゲームブック版(東京創元社)『ドルアーガの塔』なんかだとフロア46が直径10メートルの円柱になっててそれが以降のフロアを支えてるんだよ!?こっちの方が余計危ないんじゃ?って云うかここ攻撃すれば上の階は総て崩れ落ちてドルアーガ墜落死で速攻クリア!?
  セティ「
カイさまも墜落死するからダメです速攻ZAPですよぅ!!
  シルバードラゴン「
(しかしギルスの奴も何でンな事知ってるんだ?)

ところで・・・筆者小学生の頃なけなしのお年玉はたいて1/60ドムのプラモ買ったのですが、腰部分のポリキャップが緩んでしまってて腰のすわりが悪く、いつも筆者学校から帰る度に文字通り「腰砕け」でキャメルクラッチ喰らったブロッケンパパみたく蹲(うずくま)ってたんですよドム。今回『塔』が「折れる」だの「崩れる」だの書いたら唐突にこんなコト思い出しちゃいました。

  セティ「なんか無意味トークが続いてますね・・・?」
  ギルス「ふふん、この面はアンシャーとの決着バトルと見せかけて実は楽勝モードだから行数埋める為にやってるんだよ!?何せ奴の弱点(弓)は
STAGE54で発覚済み!飛行型相手だからボクはナンナル弓、あとサポートで射程攻撃扱いのお銀ちゃん(シルバードラゴンの事らしい)とセティを配してるんだよ。」
  セティ「流石ですねギルスさまっ!」
  シルバードラゴン「
ふぅん別に『両手に華』(?)モードにしたいからホルスを外した訳じゃア無ェんだな?

いやそれも有るかもよ・・・

 

 

  アンシャー「ククク甘い甘いな王子よ!その程度の婦人もとい布陣でこの私に勝とうなどとは笑止千万、30万パーセク早いわ!!
  ギルス&セティ&シルバードラゴン「・・・・・・
パーセク??

<説明しよう!!「パーセク(pc)」とは、天文学で天体との距離を測定する際に用いる単位である!具体的には、「1天文単位(1AU=地球と太陽との平均距離≒約150ギガメートル)を底辺として先端の角が1秒(1°/3600)の二等辺三角形の高さ」を表す!その長さなんと約30857000000000000m≒3.26光年に相当する、「長さ」では最大級の単位なのである!!>

  シルバードラゴン「だからどーだってンだよコラ?」
  アンシャー「クックック解らぬか?良く有りがちな
『10年早いんだよ!』『いや10万年早い』『いやいや100万光年早いぜ!』『「光年」は距離の単位だよ』『ギャフン!!』と云うボケトークを捻ってよりアカデミックに昇華させたハイパージョークなのだ!!」
  セティ「捻りすぎですよぅ・・・」
  ギルス「しかも
30万パーセクは約100万光年、そこまで合わせてきたのか!?やるな!」
  アンシャー「ほほぅ王子は我が
ハイレヴェルなギャグを少しは理解出来ると見える・・・」
  セティ「あうぅぅ・・・アンシャーさんはギルスさまとギャグのレベルが近いんですか・・・羨ましい・・・」
  シルバードラゴン「オレは羨ましくねーぞ!?・・・・・・・・・多分。」

 

 

  ギルス「でもそんな事云っても無駄だモンねー。お前の弱点は既に把握済み!『しらべる』コマンドで能力見てもただSTAGE54と較べて魔法防御が5上がった(ハイパーヘルメット装備による)だけじゃんか!?その程度でボクに挑むなんて、それこそ980ガル早い!

<またまた説明しよう!!「ガル(Gal)」とは1秒間につき1cm/秒の加速度を表す単位である!しかし通常は同じ内容の「センチメートル毎秒毎秒」と表現されるし国際単位系=SI単位系では「メートル毎秒毎秒」を使うのが規定の為まず日の目を見ない非業の単位なのである!!>

  アンシャー「それならば『早い』でなく『速い』が適切であろう?しかも980ガルとはつまりは約1G(重力加速度)なのかっ!?・・・・・・閑話休題。クックック、能力がさほど変わらぬのは私と云う存在が既に『完成形』であると云う事なのだよ。」
  シルバードラゴン「よーするにレベルアップしない、
『頭打ち』って事だろがよ。」
  セティ「
勇者の血筋が覚醒しないとAIも使えずレベルも上がらないフローラさんみたいなものですね!
  アンシャー「そう云えば筆者はアンチPS派を気取りながらも、若し
シリーズ中で結構気に入っているドラクエX出たらプレステ買うか兄御のをブン捕る(註:筆者の兄は既にプレステもプレステ2も買ってやがります)かと云う不埒な事を考えているらしいがだからといってここでそのネタを使うのかね?・・・・・・閑話休題。だから『甘い』と云うのだ。確かにもう私はレベルアップは望めぬやも知れぬが、そもそも私はSTAGE54の時点で本気を出していなかった。・・・王子よ憶えているかな?私がクローヴィスに斬られる瞬間、『何かを出そうとしていた』事に。私の切札は何もダークホールだけと云うわけではない。『真の策士』はいくつも切札を温存させておくものなのだよ。・・・今こそ見せてやろう、これが私の次なる切札だッ!!」

云うなりアンシャーは自分の懐をごそごそまさぐり始めた。

  ギルス「ま、まさかまたも自分の服を御開帳させて『どうだいお嬢ちゃんこれがボクの大リーグセットだよ』ってやるつもりなのか!しかも今回はボク以外女性キャラだし効果抜群?おのれ変態道堕ちるトコまで堕ちるかっ!?」
  セティ「いやぁ不潔ですぅっ!!
どーしてこのコーナーこんな変態さんばかりなんですかぁっ?
  シルバードラゴン「筆者の人徳の賜物、って奴かよ・・・」
  アンシャー「ええい確かに筆者は変態を
絵にも描くまでも無いような奴だが閑話休題!!何故にまたその様な連想になるのだ?私に露出癖が有ったならお下劣ネタ好きの筆者が今の今まで放っておく訳は無かろう!?
  ギルス&セティ&シルバードラゴン「・・・・・・なっとく。」

あのな・・・・・・

  アンシャー「兎に角、これを見るが良い!」

アンシャーは懐から所々が金で縁取りされて更に金色の砂の入った砂時計を取り出した。

  ギルス「なぁんだシルバー・タイマーじゃんか。4ターン封じられてもお前の攻撃は9×4=36ダメージ、ボクはゴールドアーマー装備+ブック・オブ・プロテクションでHP50、時間止まってる間だけ耐えきれば今度はボクがタイマー使ってお前を倒す!無駄無駄ァ!!」
  アンシャー「フン・・・良く見るが良い、これは
金色の時計なのだぞ?シルバー・タイマーの様なオモチャと同じにするでないわ!貴様にこのゴールド・タイマーの恐怖を見せてやろう!!・・・『刻の縛めよ、金色(こんじき)の縛鎖もて彼の者どもを封じよ!!』

アンシャーが砂時計を床面に置くと、ギルス達の周囲の時空が停滞し、彼らの動きが止められる。・・・しかし、ギルスはその呪縛の重圧がシルバー・タイマーのそれとは格段に違う事を動きが封じられながらも認識した。

  アンシャー「クックック気付いた様だな?このゴールド・タイマーはシルバー・タイマーの2倍、8ターンの間貴様らの動きを封じ込めるのだ。この力を以ってすれば、貴様らを葬り去るのなど赤子の手を捻るより容易い事よ!フハハハハ!!」
  ギルス「
(でも赤子の手を捻るときっと泣き出すからボクにはそんな惨(むご)い事容易くは出来ないよ!?)
  セティ「
(さすがギルスさまお優しいんですねっ!)
  シルバードラゴン「
(でも今はそんな事考えてる場合か?)
  アンシャー「そこな銀竜の考える通りだ!何故に貴様ら事態を無視してそう云う連想をする?
しかも時間を封じられて言葉なんて喋れない筈なのにいきなりテレパス万歳かっ!?(←オマエもだ)・・・・・・閑話休題!兎に角死ぬが良い!ダークホール!!」

アンシャーは続けざまにダークホールを8発連射。これ一個の攻撃力は9。よってHP50のギルスは6発目でKOされ、ついで残り2発分でシルバードラゴンが倒れた(闇属性弱点による)。

  セティ「ギルスさま!シルバードラゴンさん!!・・・酷い!酷いですっ!!・・・・・・コノド外道ガ、死ニクサレェェッ!!
  アンシャー「クッククク、お主もそのバーサーク属性を高く買っておったが故に利用させて貰った(
STAGE21参照)のだがな・・・・・・閑話休題。しかし、私は貴様如きに割いている時間など無い。すぐに王子のジュエルを奪って引導を渡さねばならぬでな。貴様の相手は・・・こ奴らに任せる。狂戦士同士、お似合いだぞ?クックック・・・」

アンシャーは転移魔法で消える。その背後に、2体の黒い影(またですか?)が蠢(うごめ)いているのが見える。

  セティ「誰ダロウガ・・・コロス!コロシテヤル・・・・・・
  ???「
斬ル・・・・・・ヲヲヲヲヲ!!

 

 

 

 一方アンシャーは猛スピードでギルスのダンジョンへと進んでいた。だけど考えてみたらソレはここから10階下(前回参照)であり、若しワープホールで繋がっていなかったら階段の往復は相当面倒だったよねぇ・・・
ところで、「猛スピード」と形容したのはアンシャーが初期装備でマッハブーツを装着している事を仄(ほの)めかしてるのだ。これはジェットブーツの強化版で、ゴールド・タイマーみたく倍の16ターン倍行動が持続する。因みに
STAGE54でも彼はこれを履いている。実質ギルスと会う頃には効果切れてるけど。またゴールド・タイマーも彼の弁の通りSTAGE54から所持しており、これを使用してくる事もある。それ故に、アンシャーとの同室はなるだけ避けたい。ナンナル弓で狙撃するつもりならば、やはり一撃で倒せるくらいに攻撃力を高める事をお奨めする。

  アンシャー「ククク、しかし既に王子は一回倒れ、その武装は失われた!最早私を止める術など無いぞクックック!!さて、ではカギをゆるゆると集めるとするか・・・」
  ミラーナイト「イィィーーーッ!」

カギルームに侵入したアンシャーを待ち受けていたのは戦闘員A・B、もといミラーナイト2体であった。

  アンシャー「ククク甘い!!いくら私の能力をコピーしようとも、私は魔法防御には絶対の自信が有る!!自分の攻撃では私を倒す事などどだい無理なのだ!!ククク、ファッハハハハハハハ!!」

・・・毎度のバカ笑いモードのアンシャー。しかし・・・4ターン後、彼は足元にひれ伏していた。

  アンシャー「ぐはっ、まさか?・・・・・・ぬぬぬ、しくじったか?私の攻撃が魔法属性でも、ミラーナイトの攻撃は、・・・物理?

そう。ミラーナイトはその武器が剣の為、例えコピー対象がマジシャンやドラゴンであっても、物理攻撃扱いになる。一見これはデメリットの様にも思えるが、アンシャーに対してだけは決定的な切札となる。
その理由はもうお解りだろう。アンシャーは
絶対的な魔法防御を持つ反面、物理防御力は皆無。若しアンシャーの攻撃をミラーナイトが完全コピーすれば攻撃も魔法扱いになりその高い魔法防御に阻まれるのだが、ミラーナイトは物理攻撃をするのでアンシャーに額面通りのダメージが入る。反面、魔法防御は完璧にコピーするので、アンシャーの攻撃はあまり効かない。
つまり、一見最強クラスに見えるアンシャーも、実はミラーナイト2体程度でピケを張れば難なく動きを封じ込められる(ハイプリが居れば万全)。
STAGE54も同様にすれば防衛は万全となる。本ステージの敗北メッセージでセティが「魔法防御の高いクリーチャーを盾に」と云うが、真っ先に思いつくのがグレートデーモンだったりするが最も魔法防御が高いのがアンシャーをコピーしたミラーナイトなので注意。そー云えばSTAGE54は敗北してもアンシャーがバカ笑いするだけで何もヒントくれないのだが、折角くれるこのステージも誤解を生みやすいヒントだったりする。当てにならんなぁセティ。カリアもだけど。
・・・しかし。そのセティが・・・

 

 

 

  ギルス「・・・・・・これは?」

ジュエルで復活したギルスは再び先程倒されたルームへ侵入していた。
そしてそこには、アンシャーに倒されたシルバードラゴンと、セティが静かに横たわっていた(ボスが居ないので時間経過がしていないのです)。

  『クックック!!懲りずにまた来たか、ギルス!』
  ギルス「・・・アンシャー!?」

何処からとも無く声がする。だが少なくともこの部屋にアンシャーの気配はしない。

  ギルス「くそうどっかで隠しカメラ使って見てやがるな!しかしボクはここで理性を失ってセティ達にイタズラするなんて事は出来ればしないぞ!?
  
またもエロネタかっ?と云うかまさか懐かしの「お笑いウルトラクイズ」の「人間性クイズ」か!?しかも「出来れば」って理性が負ける方が確率が高いのか!?・・・・・・閑話休題。今私はジュエルルームからそちらを見ている。丁度私も復活したばかりだ。・・・ミラーナイトを使ってこの私を止めるとはなかなか考えたものだ。しかし・・・、貴様もここを通過する事は出来ぬ。そこな娘どもを屠(ほふ)った、私の最後の切札を相手に、どう戦うかな、ククククク・・・』

アンシャーの声は消え、代りに不気味な絶叫の様な唸り声が前方から起こる。

  ???「・・・・・・ヲヲヲヲヲヲヲヲッ!斬ル!斬ル斬ル斬ル斬ル斬ルッッ!!
  ギルス「・・・あれは・・・まさか!?」

前方から二つの黒い影がにじり寄ってくる。額に1本の角を持ち、セティのものらしい返り血を浴びて不気味に赤黒く彩られた影が。

 

 

・・・・・・最上階まであと21階。しかしその途上には厚く大きな壁が立ち塞がっていた。

 

 

☆つづく☆
 
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