(当コーナーの記載事項はある程度実際のプレイに基づいていますが、時として嘘・強調・紛らわしい表現が多分に含まれている恐れが有ります)
神の鎧「ゴールドアーマー」を身に纏い、ギルスは「黄泉の国」へと下っていく。
ギルス「カリア・・・遂に、ここまで来たよ・・・・・・」
ギルスはふと目を閉じる。短い日々であったが、カリアとの思い出が脳裏を駆け巡っていく。
女神イシターの奇跡によりフェニクの神殿に飛ばされたギルスを見て驚くカリア。
ギルスにスペルカードの使い方をレクチャーするカリア。
出立の直前、見送る振りをしてちゃっかり足元に自分の旅荷物を用意していたカリア。
サヘル砂漠の広大さに目を見張るカリア。
バビリム城でギルスを潤んだ瞳で見つめるカリア。
トーストを咥えながら「遅刻遅刻!」と全速力で駆けるカリア。
入浴シーンを覗かれてしまい悲鳴を上げながらこちらに手桶を投げ付けてくるカリア。
・・・なんか最後の方違う気もするが、それに対してツッコミを入れてくれるカリアは居ない。
サキュバスに抱えられ連れ去られていくカリア。
スーマール城で「黄泉の門」開放の儀式の生贄にされ、磔にされたカリア・・・
今、カリアは居ない。失われてしまった。失くした大切なものを取り戻す為に、ギルスは今ここに居る。
ギルス「待っててくれ、もうすぐだよ、必ず、必ずナーガル神の元へ辿りつき、キミを取り戻してみせる・・・」
「黄泉の門」から続く暗い隧道(ずいどう)を抜けて、ギルスは「レテの河原」に辿りつく。
ギルス「えーと、『ギルガメスの道』の伝説によると・・・、・・・・・・。記述が無い!」
「ギルガメスの道」、つまり「ザ・ブルークリスタルロッド」の中でギルガメスは黄泉の国に赴いている。しかし本作とその趣は全然異なる。まず「黄泉の門」の位置がラジャフ村(STAGE15)西部、つまりサヘル砂漠だったし、黄泉の門には「〜〜だーね」とか妙に間伸びした語尾の昆虫人間の様な変に気さくな門番が居たし(註:恐らく、デザイン的には「ギルガメッシュ叙事詩」に登場する冥界の番人とされるサソリ人間、パピルサグをモデルにしている様です)、いきなりナーガル神の御前に向かう事も出来た。まあ100年も経った事だし、ナーガル神が風水の流れとかも考慮してリフォームしたのかも。でもそれってヤなリフォームだね・・・
だって、「レテの河原」は亡者の魂の通過点である嘆きの河原。亡者達の魂は生前の事、未練や執着を想い起こしすすり泣きながらこの河を渡り、渡り切る頃にはそれをすっかり忘れ去ってしまうと云う。死の世界へ向かう際の蟠(わだかま)りを棄てさせる配慮とも云えるが、なんかのイニシエーションを想起させる。あっ、なんかバックでピンクのゾウさんの帽子被ったエキストラがショコショコ踊っ【以下検閲により削除】
・・・ふうアブネェアブネェ。カリアやホルスみたいなツッコミが居ないと筆者まで際限無く暴走しそうだ。(オイオイ)
で、この河を渡ってる間に棄て去る事の出来る程度の未練や執着なら良いのだが、余りにもその念が強過ぎる場合、黄泉の国はそう云った者達の入国を阻み、彼らは永遠にこの河原を彷徨い続けると云う。これが何かの形で地上に迷い出ると幽霊とかなんとか云われるのであろうか。
永遠に叶う事の許されぬ「生」への執着に呻(うめ)き続ける亡霊達。そこに、「生」有る体でギルスが現れるわけである。当然の様に、亡霊達はギルスを取り囲み、恨み・辛み・哀願・怨嗟の言葉を吐き続ける。
エキストラ亡霊A「ニク・・・ニクのカラダを持って居やがる・・・」
エキストラ亡霊B「なんで・・・オマエだけ・・・」
エキストラ亡霊C「カラダ・・・欲しい・・・ワタシも・・・・・・」
エキストラ亡霊D「どうして・・・欲しい・・・カラダ・・・教えろ・・・」
ギルス「え、えっと、そーゆーご相談は是非ミノさんにTELしてくれます・・・?」
そそくさと退散しようとするが、亡霊どもはしつこくギルスに付きまとう。
メイジの亡霊「よくも・・・殺してくれたな・・・」
ギルス「ええっ十勝っち!?(STAGE6参照)」
オーグルの亡霊「キサマも・・・キサマも・・・・・・」
ギルス「今度はのりお??(STAGE5参照)」
ランスナイトの亡霊「ヨコセ・・・そのカラダ、よこせェ・・・・・・」
ギルス「わああ今度は・・・・・・・・・誰?」
ランスナイトの亡霊「オイ!キサマと激戦を繰り広げたこのオレを『誰?』だと!?ようし思い出させてやる、オレは・・・オレは・・・・・・、あれオレは一体誰だったんだぁぁ!?」
ゲーム本編では、この様にメイジ、オーグル、ランスナイトの順に亡霊さんが登場します。最初の二人は前述の様にそれぞれSTAGE6、STAGE5のボスと云う解釈が出来ますが、このランスナイトは誰なんでしょう。STAGE16の赤騎士メルザか、はたまたSTAGE29の赤騎士マルガか。候補が複数いるから却って判らない。この「ドル足掻記」のキャラ設定ではマルガっぽいんですがね。
どうにかまとわりつく亡霊達を振りきって先に進もうとするギルスを、淡く、それでいて妖しく輝く光球が行く手を阻む。亡者の一人の様だが、肉体のイメージを持って居ない。闇に魂を捧げた為に、死後にその姿を保つ事さえ許されなくなった者の特徴である。
???「ギルスゥゥゥ・・・、オまエなのカあァぁ・・・・・・」
ギルス「その妙にカナ文字化けした口調!まさか、ヘロドトー!?(STAGE14参照)」
ヘロドトー「何で聴ィいたダけで文字化けシた事がァ判るのだぁぁ?だがそノ通りさぁオレ様だよォう。グィヒヒ待ってヰたぜぇ、見ロヨぉこの姿を。何も食べズにお前を待ち続けて、どォんドん体重が減って今や宙に浮いちゃう程だゼイ!!」
ギルス「凄いやダイエットの効果覿面(てきめん)だね!」
ヘロドトー「ってユーかそレ以前に『アンタ霊体だから浮いてンだろ!』って突っ込ミやがれげッへへへぇ。・・・だが、待った甲斐ィィが有ったゼぇ。お前がノコのコ来てくれて。お前の肉体をォォ、魂をヲゥ喰らい尽くせば、オレが、オレ様が蘇ルのさグヒャゲヒャホヒャ・・・・・・」
ギルス「・・・余りにもボクへの怨念が強過ぎてここに留まっていたのか。ようしこうなったらここで印度カレーをわたし食べる、じゃない引導を渡してやる!迷わず成仏しろ天魔覆滅ゥ!!」
ギルス「うわぁんだけど昏(くら)いよ狭いよ怖いよう!」
ギルガメス「・・・さっきの意気込みはどうしたのだ?」
狭い。ここのステージの第一印象がこれ。前回アヌ神殿の広さに較べりゃ段違い。殆どWORLD1と大差無いだろう。おまけに侵攻ルートの関係上スーマール城(STAGE31)から攻めCOM(コム)ので、双方のダンジョン合わせても相当狭く感じる。
ギルガメス「で・・・。何故私とカイを召喚した?」
ギルス「いや御先祖ちゃん前回『必要なら私を呼べ』ってカード下さったじゃないですか。折角頂いた物だし、やっぱシリーズの主要キャラには登場機会を与えなきゃいけないかなーと云う強迫観念が・・・」
ギルガメス「しかしそれだと一旦息子に主役を明渡しながらも結局その座を奪い取った多段変身型戦闘民族親子の様になったりしないか?特に次男坊の扱いは一体何なん・・・」
カイ「ちょっと五世代間弾道ボケ合戦している場合じゃないでしょう?」
ギルガメス「・・・ゴホン。兎に角だ、私達は尋常じゃないMPコストを要する。ファンデッキを組むのも結構だが、その事には十分注意して欲しい。聴くところによると今回の相手は生前は邪悪な変態死霊術士ではないか。その場合はやはりSTAGE22の様にエクソシスト、そしてバイブルを軸にした方が良いだろうな。」
カイ「こんな事云ってるけど別にわたし達は出演するのが鬱陶(うっとう)しいと云うわけじゃないのだけどね。」
・・・正直、ギルガメスの有効な利用法を見出すのは難しい。強力なクリーチャーなのは間違い無いけどもそのコストを考えると別のカードやクリーチャーで代替が利かないことも無いから。
じゃなんで出したかって?・・・くっくっくネタ振りに決まってるだろう?・・・まあそれは置いといて。
ギル・カイ夫妻をジュエルに残し、ギルスは侵攻を開始。しかし、敵ダンジョンが狭いことも有って、ヘロドトーは先にこちらに侵入、ジグザグ狭路のルームで遭遇した!
ヘロドトー「ギヒャグヒャゲヒャ、待タせたなぁ、さアあ喰っテやる、喰ってやるじぉォぉ!!」
ギルス「!!道を塞がれた・・・」
今回のボスは正式な名称は「ヘロドトーソウル」。オレの熱い魂のビートを聴けぇぇ!!ってなのでは無くて単なる魂。人魂。つまりウィル・オー・ウィスプ。
ウィスプは絶対的な防御属性を持ってるので倒すのは困難。しかも攻撃力が9も有る。だが、
ギルス「肝心のHPが6しかない!スピンを使って攻撃を回避すれば時間は掛かるがなんとかなる?」
ヘロドトー「ところガどっこイ!!」
ヘロドトーは一枚のカードを使った。「ブック・オブ・プロテクション」である。いや一枚ではない。ギルスが近づくまでになんと連続で4枚も使ってきた!
ブック・オブ・プロテクションは最大HPと現HPを5増やす。プロテクション(防護)でHP?と云うのは不思議かもしれないが本来HP(Hit Point)は体力ではなく耐久力を指す言葉なのでコレで良いのだろう。ポーション系と異なり何かのパラメータが減ると云うのが無いのが特徴。その分コストが掛かる。それを4回も使われたのだ。HP26。普通に進めばヘロドトーとは上記の通り狭路なエリア付近で遭遇する。道を塞がれる事になるので倒して先に進みたいのだがコレをガチンコで倒そうとする奴はまず居まい。
ギルス「ホルスならやりそうだけど・・・」
ホルス「(スーマール城で)っくし!・・・クソまたギルスか筆者がオレの悪口云ってるな・・・」
ギルスはやむ無く方針変更、リターンを投げてヘロドトーを追い返し、敵ダンジョンへワープする。
しかし、ワープ先ではゴーストの集団による呪文攻撃の洗礼を受け、更に再びこちらを追って来たヘロドトーが迫ってくる!
このステージは狭い反面、各ルームには大量に設置されたアンデッド(特にゴースト)の集団とひたすらHPを増やしつつ迫るヘロドトーに悩まされる事になる。
結論から云えば、ギルガメスの科白通りエクソシストとバイブル、あとアンサモンを各4枚用意して挑むのが上策。あとはこれらの遣り繰りをうまく考えよう。STAGE22同様、いくらヘロドトーのHPが有ろうともエクソシストやバイブルの一撃で昇天(ジュエル強制送還)と云うのも覚えておこう。ヘロドトーがこちらを追尾する関係上、防衛用にはエクソシスト1〜2体で良い。アンチデッキさえ組めればここはそう悩むステージでは無い筈。
そうして後は省略してギルスは勝利を得る。
ヘロドトー「うグワげワァぁァ!!畜生ちクしょウ、オレは生きタい、生きたインだぁぁ!ギルスめ恨んデやる呪ッてやる殺シテやるぅぅぅ・・・・・・・・・」
魂を維持する力さえも失い、ヘロドトー(の人魂)は収縮していく。
ギルス「闇より来た者は、闇に還るのが定めだ・・・・・・」
ぱぴ〜〜ぷ〜〜ぴ〜〜〜
ギルス「ナニこの笛の音、まさかガオの宝珠が!?」
そんなの持ってるワケ無いだろうが。少し離れたところでギルガメスが横笛を吹いている。横ではカイが怪訝そうな顔をしている。
ギルス「・・・・・・、ああっしまったあ!!」
カイ「ど、どうしたのギルス?」
ギルス「そうかボクは思わずゲーム本編通り『闇より〜』なんて云ってしまったけれども、ここでは『ダークより生まれしものは〜』って云わなきゃダメだったんだ!スミマセン御先祖ちゃん、じゃなかった教授!!」
カイ「(ずっこける)ネ、ネタ振りってコレの事だったの?今の子供達には解らないわよこのネタは!もうギルもギルよ!そんな旧来のファンの神経逆撫でする様な真似はもう止めて!恥ずかしいから、もう行くわよ!!」
・・・ぷりぷり怒ったカイに引き摺られて去っていくプロフェッサー・ギルガメス。(しつこい)
一方、すっかり消失したヘロドトーの魂の有った所に、一本のジュエルをあしらえたメイス(鎚鉾)が落ちている。
ギルス「・・・?これは・・・ルビーメイス!?」
そう。かつて魔王ドルアーガが愛用したジュエルであり、今ギルスが使っているレッドクリスタルロッドと同等の魔力を持つ超強力なジュエル。
ギルス「こんな場末の位置に居る相手がこんな物を持っているなんて・・・この先は一体どうなっている・・・?気を引き締めて掛からないといけないかな・・・」
ギルスは珍しく真剣な表情になりながら、レテの河原を後にする。
・・・また一方、まだカイに引き摺られたままのギルガメス。
ギルガメス「・・・・・・しかし、まだギルスは少し勘違いをしている。」
カイ「・・・もう!また無意味にボケる気なの?」
ギルガメス「いや違う。冷静に考えれば、ギルスがこの場に来ると云う事は通常は「ギルスが死んだ」と云う事を意味する筈。その場合は結局ギルスもヘロドトーと同じく肉体を待たない亡霊であり、それだとヘロドトーはギルスを喰らっても復活出来ない事になる。それでは意味が無い。となると、ヘロドトーがここで待ち受けていたのは彼の怨念以前に彼に『ギルスが生身で冥界に下ってくる』事を吹き込んだ者が居ると云う事になる。」
カイ「え?つまりそれは・・・」
ギルガメス「ルビーメイスは強力な分生成には相当な手間暇が掛かる。そうそう大量にバラまける代物ではない。つまり、ヘロドトーにギルスの冥界下りを吹き込んだ奴(誰か、は判るよな?)が、明らかにギルスを妨害する目的でルビーメイスをヘロドトーに渡したと云う事だ。要するに、ギルスの行動は既に敵に筒抜け。この調子では、この先も相当な罠が待ち受けているに違いない。・・・ギルスよ、生半可な『気の引き締め方』ではこの先苦戦するぞ・・・・・・」
カイ「・・・・・・そうね。でも、シリアスな顔して話してても、わたしに引き摺られてる状態だと絵的に見て少々間抜けかも・・・・・(くすっ)」
ギルガメス「ハッ!?」
いいのかなぁこの二人こんなキャラにして。しかし実は流石のギルガメスもまだ見落している事が有ったのだ。
・・・ギルスが去った後のレテの河原。実は、まだヘロドトーの魂は完全に消失していなかった。
彼の強過ぎる執念が、燃え尽きる寸前の線香花火の如く僅かに燻りを残していたのだ。
ヘロドトー「シ・・・・・・な・・・・・ギ・・・・き、・・ヲ・・・」
ふと、遥か東から何かが飛来してくる。複数居る様だ。その内の一体は、編隊の中心に有って、まるで赤黒い血の色をした卵の様な球体。そしてその周りには、その「卵」を守るかのように付かず離れず随行する円盤体。外周部に8つの突起物が有り、金属質の様だが何故か半透明でおぼろげである。赤いコアが妖しく輝く。
謎の飛行編隊はヘロドトーの周囲に舞い降り、中心の「卵」が彼の消えかけた魂を呑み込むと、再び舞い上がって東の方向へとふらふらと飛び去っていった・・・
いきなり↑でゲーム本編に無い描写を行って面喰らった方も居らっしゃいますでしょうか。
ちょっと伏線を張るつもりが洒落っ気が出ちまいましてこんな奴らを出してしまいました。
実はこの謎の飛行編隊はナムコキャラで有るのですが判りますでしょうか?(但しドルアーガシリーズでは有りません)
まあこんな拙(つたな)い表現なのでお判りになるには無理が有るのですが、おヒマなら考えてみて下さい。
別に正解者に何か差し上げるとかは有りませんし、次回でタネ明しはしますが。
では次回、「凍てついた神殿」でお会いしましょう。