(当コーナーの記載事項はある程度実際のプレイに基づいていますが、時として嘘・強調・紛らわしい表現が多分に含まれている恐れが有ります)
ホルス「よし、これで残るはイシター神殿だけだっ!」
実はさりげなくギルス達に追随していた「バビリム市民軍」が、バビリム正門の開放後になだれ込み、バビリム市内を制圧し始めた。人数・武装的には劣るはずの市民軍であったが、次々と拠点を落としていく。
セティ「何か、あっけないですね・・・」
カリア「ここまでのあたしたちの活躍で奴らには負けムードが漂ってるのよ。こっちの方が士気で凌駕してるのよ!」
セティ「にしては、何かナイトの数も少ないような・・・」
ギルス「やっぱりおコメな国のIT関連業界の業績頭打ち・先行き不透明感から投資家達の買い控えが進んで株価も低迷、企業も雇用に二の足を踏み役員どもの給与確保の為にリストラ断行した挙句人員不足に陥っているんだ!」
ホルス「ナニ長々とワケの解らない事を!!」
セティ「(目を輝かせて)・・・ギルスさまって、すっごい博識なんですね!わたし感激ですっ!」
カリア「こんなのハッタリに決まってるのに何本気で感激してるのこのコ?」
真相は、アンシャーが退去(前回参照)した時にナイトどももあらかた退去させた、と云った所らしいのだが。
ドラスコル「(あっさりと)尤も、私の直属部隊はナイトでは無いので全く問題は無いのだがね。」
ホルス「な、なに突然脈絡の無い事を云ってやがる!?・・・貴様がドラスコルかっ!」
神殿前に、長髪の黒装束の男が立っている。
ドラスコル「バビリム王子よ、よくぞここまでたどり着いたものだ。」
ギルス「成程うわさに聞きしのあっさり者だ。見事なまでの淡々とした口調だ!」
カリア「ナニ感心してんのよ!」
セティ「『あっさり者』って何か『うっかり者』みたいですね。ハ△ベヱさん!なんちて。」
セティ以外の全員「・・・・・・・・・・・・・・・」
セティ「は、はぅっ・・・、い、いやそのあのその・・・・・・、ちょ、ちょっと云ってみただけなんですぅ・・・。そんな白い目で見ないでくださぁい・・・・・・」
レギュラーに参加した途端大暴走だねセティ。成程カリアが危機感持つ(STAGE19参照)はずだ。
ドラスコル「(あっさりと)だが、それもここまでだ。見るがいい我が真の力!」
ホルス「流石にあっさりしてやがるこっちにお構いなく自分のペースで喋ってやがる。」
ギルス「(セティの真似で)『あっさり者』って『うっかり者』みたいですね!」
セティ「あーーん、ギルスさま酷いですぅ・・・」
カリア「ねえ、最近長くなり気味なんだから、もう少しこのヨタ無くせない?」
でも無くなったら(書いてるこっちが)面白くもなんとも無い。
ドラスコル「(ギルス達を無視して)うおおおおおっ!」
一瞬、ドラスコルの体から膨大な魔力が放出されたかと思うと瞬時にそれは再び彼の体内へと収縮され、同時に彼の体躯は大きく変容を遂げていった。・・・・・・漆黒の皮膚、大きくとがった耳、赤く燃え立つような瞳、背には巨大なコウモリの翼、そして、人間の姿の時よりも更に大きく伸びた犬歯・・・、紛(まご)う事無く吸血鬼のそれである。
カリア「奴は『真祖』なのね!」
ギルス「えーと、」
カリア「これ以上ボケられると行数喰いすぎて先が続かないわ!筆者さんあとお願い!!」
・・・はいはい。「真祖」とは闇の呪法により自らを吸血鬼化したものを指す。吸血により感染した連中との区別に用いる語だが、この世界で吸血鬼が感染力を持つものかどうかは不明である。いずれにしても彼ら「バンパイヤロード」はただの肉ダルマである「バンパイヤ」とはその能力は大きく異なる。それは後述。
カリア「他にもアンデッドの気配がする!アンデッドにはクオックスから貰ったバイブル(STAGE18参照)やエクソシストが有効だわ!デッキに組み込みましょ!」
ギルス「・・・となると、これを組み込むとMPに余裕が無いな、んじゃホルスとセティお休みね。」
セティ「はい・・・、仕方無いですね・・・。」
ホルス「ちょい待ち、それだとオレ結局このWORLD3活躍せずってか!?畜生何とかしろギルス!!」
この企画立ち上げ当時はホルスこんなキャラにする気は無かったのですが、執筆に先駆けてのプレイで、STAGE20でイシス様ごと自滅した事と本ステージでベンチ入りさせられた事が全てを決定付けました。
『ギルスは力尽きた!』
ホルス「見ろ云わんこっちゃ無い!ナニ速攻でKO喰らってやがる!」
バンパイヤロードの攻撃は「吸血」によってダメージ分のHPを吸い取る事が出来る。ローパーと同様の攻撃だが、こちらは物理属性である。最初フル装備したギルスが一旦ドラスコルを潰そうと接近戦を挑み、ちゃんとダメージ計算した筈が、ドラスコルの回復分を読み違えて返り討ちに遭っちゃったのだ。このゲームはダメージ計算にランダム性が発生しない為、きちんと計算を行えば回復を最小限に押さえられる反面、計算を間違えると回復が遅れてこの様にあっけなくやられちゃったりする。こんなの単純な計算じゃないかって?確かにその通り。だが実は筆者、一応工学部出身で世間様的には理系人間と思われているがとんでもなく算数に弱い。小学校の頃、算数の文章題のテストで立式までは完璧なのに全問計算間違いをして先生に呆れられた事がある。そうか数字に弱いから筆者ってばハンバーグ好きなんでごじゃるね御主人様オロローン・・・・・・それからどした?
ドラスコル「(あっさりと)他愛も無い。バンパイヤロードになるまでも無かったか。これなら最初から私が出ていれば良かった。」
ドラスコルはさっさとカギを集め、ジュエルルームに侵入した。
エクソシスト「はいィ一名さん御案内ィィ!!」
(↑PC−8801の「ゼリアード」と云うゲームを御存じならそのボイスを想像して下さい)
ドラスコルがルームに入った瞬間、眩(まばゆ)い光芒と共に・・・、彼は自分のジュエルルームへ御案内されていた。
STAGE17で触れた通り、エクソシストはアンデッドを一撃で「消滅」させる「除霊」の攻撃属性を持つ。その効果はボス相手でも損なわれる事は無い。但し、ボスは死体の消滅と同時にジュエルルームで復活する為、実質はブック・オブ・リターンをぶつけたのと同等の効果(HP完全回復などの差は有るが)になるのだが。ルームで入り口近くにエクソシストを配置して入った瞬間狙撃する様にすれば、実はドラスコルはこちらのダンジョンを攻略する事はほぼ不可能になるのだ。
ギルス「見たか!永続トラップ発動!!」
セティ「(またも目をキラキラさせて)ギルスさま凄いですっ!」
カリア「偶然の産物でしょ・・・」
しかしこれで負ける心配は無いとは云え敵ダンジョンも相当厳しい。なかなか広い上に敵も多い。例の厄介者ネクロマンサーやバンパイヤ、そしてファイヤエレメントの呪文を放つファイヤゴーストが厄介。先程カリアが云った様に、バイブルとエクソシストは必携。自ダンジョン防衛に2体ほど割くとして、残りで如何に敵を一掃するかのやり繰りが勝負。結局ギルスは武装を失ってしまった為、バイブルとエクソシストを使いきった後はひたすら逃げ回り、リターンやUターンを駆使し、それでもKOされて復活したり、その間ドラスコルはギルスのジュエルルームに入っては自ジュエルルームへの強制送還を繰り返し、延々566ターンに及ぶ長期戦(筆者は大抵200ターン以内に勝負を決める速攻重視型です)の末、遂にギルスがドラスコルの「マリンオパールメイス」を奪う。
・・・確かに、最初からドラスコルが出てれば(その当時はエクソシストが居ないから)勝てたのにね。
魔力の源を奪われたドラスコルの体が崩壊を始める。
ドラスコル「(あっさりと)・・・成程。最後になって漸く気付くとはな。王子よ感謝する。さらば・・・」
ギルス「いやあそれ程でも。」
ホルス「ナニ納得してんだ!お前ナニを『気付いて』ナニに『感謝してる』のか解って返事してるのか?」
ギルス「いや知らない。」
カリア「あのね。」
ドラスコル「(あっさりと)これは将来の伏線かもしれないが別に気にしなくてもいいぞ・・・」
実際、この言葉の意味理解したのはこのコーナーの為にメッセージのメモ取り出してからの事だったしね(と云うかこんな事云ってた事すら覚えてなかった)。・・・いずれにせよ、ドラスコルの肉体は黒き灰となってその場から崩れていった。
ギルス「これで・・・、勝利だ!バビリムを、解放したんだ!!」
マリンオパールメイスを「ブルーオーブロッド」に浄化し、ギルスは高々と勝利を宣言する。
・・・戦いすんで日が暮れて。
ささやかな祝宴の後、ギルスは王城の自室で休んでいた。カリアはバルコニーから城下の街を眺めている。点々とだが、家々にも灯りが燈っている。
カリア「バビリムの街・・・、遂に取り戻したのね。本当におめでとう。これからは、あなたがこの国を建て直していくのね。・・・・・・・・・、」
ふとうつむき何かを思案するカリア。
ギルス「うん。ドルアーガ復活の事も有るし近い内にスーマールには行かないといけないけれど、当面はバビリムの復興に力を注ぐ事にするよ。・・・で、カリア、キミはどーする?」
カリア「あたしは・・・、あたしは・・・・・・」
上目遣いになるカリア。見つめ合う二人。しかし書いてる筆者が恥ずかしくなってしまう様なシチュエーションは次の言葉によって破られた。
???「ダメだよカリア。キミはボクと一緒に来るんだから。」
カリア「誰?」
そこには、ギルスと寸分違わぬ姿をした少年が居た。
ギルス「わああドッペルゲンガーだ近いうちにこの紅顔の美少年に非業の死が訪れるって云うの・・・」
カリア「もう大分行数喰ったのにまだボケる気?コイツはきっと・・・、」
???「あっははははは!遅いよ、王子さま!」
カリア「えっ!?・・・・・・きゃあああぁぁっ!!」
そのギルスもどきはカリアに飛び掛るや否や、彼女を抱えて窓の外に飛び出し、宙に浮かんだ。・・・と同時に、その正体を現す。
サキュバス「あっははははは、久しぶりだねえ王子さま!?」
ギルス「お前はサキュバス!カリアを返せ!」
サキュバス「あっははははは、『返せ』と云われて素直に返すバカが居るかい?」
ギルス「居たら結構ネタに出来るぞ!」
サキュバス「あははは、確かにそれも面白いけど(←そうか?)、今回は『闇の司祭』との約束なんでね。この小娘はアタイが預かってくよ。返して欲しいんなら、スーマール城で待ってるからさ、愉しみにしてるよ、王子さま。あっははははははは!!」
サキュバスは飛び去っていく。
ギルス「カリア・・・・・・・・・!・・・せめて、好感度状況だけ教えて欲しかった・・・。そうすればキミかセティかイシス様の誰狙いにするかの指針が決められたのに・・・」
まだ引っ張るんかいそれ。
ナゾの道化師「あーあ、折角ヒトが預言してあげたのに、『夜には気をつけろ』って。」
バビリムの北西のはずれにある廃墟。瓦礫の上に腰掛けていた道化師(STAGE17参照)はバビリム市の方角を向いてこう呟く。
クォックス「これも、『定められし事』なのか?」
「廃墟」といってもここはドルアーガの塔の廃墟(STAGE18参照)らしい。
ナゾの道化師「HAHAHA、アンタも解ってるでしょーに。『結果』が出てれば『定められし事』。でも、結果の出ていない事については何も定められてはいない。当人が決めるものなんだよ。そう、全てはこれから。あの王子サマ次第、ってワケさ。・・・じゃ、ボクもそろそろ行くよ。いろいろ『根回し』の準備が有るからねー。じゃ、シーユーアゲイン!」
道化師は消えた。クォックスは、遥か北方にそびえる山々を眺めてこう呟く。
クォックス「歴史は繰り返す、か・・・。ギル、お前の子孫も大変なものを背負う事になったな・・・・・・」
いやあ今回は大分長引きましたな。少し文章のシェイプアップを図らないといけないのですが。
さてかくして次回よりWORLD4、「スーマール帝国編」です。
・・・でも、次回も文章長引くんだよなぁ・・・