当コーナーの記載事項はある程度実際のプレイに基づいていますが、時として嘘・強調・紛らわしい表現が多分に含まれている恐れが有ります)

 

ドル足掻記

「STAGE60:ドルアーガの塔・60階−転−」

 

 

『いやああああああっ!!』

耳をつんざくような少女の悲鳴が響き渡る。

  ユフタル「ぬをっ!?」(←お忘れの方も居られるとは思いますがフォント四倍角のつもりでお読み下さい)
  クローヴィス「これは・・・・・・セティの声!?」

地上・バビリム王国はイシター神殿に待機していた面々は慌ててセティの病室へと向う。

  クロ&ユフタル&銀竜&ゴブ「・・・!!」

そこで彼らが目にしたものは。
ベッドの上で毛布を抱き抱えながら怯えた表情で座り込んでいるセティ。
そして、その傍らで肩で激しく息をしながら立ち尽くすホルス。

  セティ「・・・・・・」
  ホルス「・・・・・・」
  ユフタル「
ま、ま、まさかホルス殿ォォォ!そそそんな破廉恥なッ!!」(四倍角)
  シルバードラゴン「ホルス手前ェ見損なったぞ!いくらナンでも
実の妹に手ェ出すのは拙いだろォがよ!!」
  ゴブリン「
酷いや兄貴オレが居ながら!
  クローヴィス「それは違うだろう・・・・・・しかし、ホルス君、君は本当に・・・」
  ホルス「あああっ!!違うッ!ナニを勘違いしてやがるッ!オレもついさっきセティの悲鳴を聞いて跳び起きたンだ!!」
  セティ「ああ・・・怖い・・・わたし・・・怖い・・・・・・」

のっけからまたアブな目なネタで恐れ入ります。コレって筆者がヤミに「全日本妹選手権」の読者である、と云う事の反動だなんて仮説はきっと勘ぐり過ぎなので忘れて下さい。
さて、与太はここまでにしておいて、セティが何に怯えていたのか。それは、べッドの上で眠っていた彼女の見た夢によるものであった。
それによると、奇声をあげる暗緑色の怪物によってギルスがバラバラの肉片になって
100グラム88円で取引される、と云う光景が浮かび上がり、思わず叫び声をあげたら目覚めた、と云うものらしい。

  クローヴィス「それは確かに怖い夢だったね。」
  セティ「は、はい・・・」
  ゴブリン「ギルス兄貴の肉が売買される辺りが特にねェ。」
  シルバードラゴン「なンかソレ意味判ンねェぞ?しかも
豚肉並の価格かよ。」
  ユフタル「
いやしかし人肉と豚肉は似たような味だと申すからな。強(あなが)ち的外れとも云い切れまいて。
  ホルス「
そー云う意味じゃ無ェだろが!!
  クローヴィス「これは何かの啓示なのだろうか?でも、それだとあまりにも不吉すぎる・・・カリアさんの部屋にも入れないまま(
STAGE59中編参照)だし・・・」
  セティ「ああ・・・、アヌ神様、女神イシター様、ギルスさまに御加護を・・・」

 

 

 

その頃、『塔』では。
ギルス達と対峙した魔王ドルルルアーガの前に、
へタレ策士こと闇の司祭アンシャーが乱入してきたのだが
、あっさりと『真・デモニックラッシュ』の前に倒れ伏されてしまった(
前回参照)。
 因みにゲーム本編では、
STAGE58クリア時に転移魔法で逃亡するアンシャーであるが、この先彼は登場してこない。
恐らく、将来にまた何らかの形で「ドルアーガ」の続編的外伝が出る機会を見越して、三度黒幕と成り得るアンシャーが再び登場出来るように生死を曖昧なままにしておく、という配慮だったのであろう。そう云えば、ゲーム本編ではサキュバスも
STAGE52ラストで逐電してからは登場しない。
ただ、本コーナーでは、前述の通りアンシャーには消えて頂いた。
天・地・冥の三界の完全支配と云う分不相応な野望を持っていた彼には似合いな末路だと筆者は認識していたので。
閑話休題(それはさておき)・・・・・・

  ドルルルアーガ「これれであのおババカも終わりり・・・、お次は坊ややや達の番ヨン!?」
  カリア「ギルス・・・」
  ギルス「下がっててカリア。奴の狙いはボクだ。
ボクの持っているピュアなハート、って云うかタリスマンかいカオリナイト君!?
  ドルルルアーガ「
何かカンちち達いしてなない?

魔王は再び八本の腕を後ろ手に回し、一拍置いて前に一斉に拡げた。
前回も触れたが、その各々の手には怪しげな得物が握られている。
改めて列挙すると、それは
ビニール傘・油性フェルトペン・手鏡・グリグリ眼鏡・紙ナプキン・パイケーキ・毛虫の這った小枝・卓球のラケット、である。一体こんなので何をしでかそうと云うのか?

  ギルス「心配無いよ!見た目奴の攻撃は八段連続に見えるけども、実質は最初の攻撃さえ躱せば全て回避した事になるんだ!最初さえ注意すれば・・・来い!!」

腰を落として身構えるギルス。

  ギルス「さあどの腕から来る・・・?」
  ドルルルアーガ「うひょぉぉぉぉぉっ!!」

『彼』がパイケーキを持つ腕だけにはめられた黄金色の篭手が淡く輝いたかと思うと、そのままパイはギルス目掛けて飛んできた。ああお約束!

  ギルス「・・・にたり。」

ギルスは大きく横に跳んで回避する。やはりあまりにもベタベタなので読んでいたようだ。
しかし。
避けた筈のパイは
物理法則を無視して直角に曲がり、過(あやま)たずギルスの顔面に命中した。

  ギルス「ぶっ!?」

想定外の展開に慌てるギルスの前に魔王が猛然と迫る。

  ドルルルアーガ「ひょぉぉぉぉぉぉっ!!真!!デモニックラッシュ!!!
  ギルス「
むごっ!ふぎっ!・・・あががっ、ぬぬぬぶ、ぶははははふごっ?げひ、め、めがぬぇぇぇぇぇっ!!?
  カリア「ギルスっ!
前回のアンシャーとリアクション同じよっ!?

・・・そして。
ギルスもアンシャー同様、ドルルルアーガに頭を踏みつけられて床に突っ伏していた。

  ギルス「ぐ・・・・・・」
  カリア「ギルス!・・・何なのよあの技は一体・・・あたしは見たわ・・・」

思わずカリアも前々々々回のギルスと同じリアクションを取ってしまう。ホント似たもの同士だこと。
しかし、その彼女の見た『真・デモニックラッシュ』の実態とは。

 

 

・・・顔面にパイを受けて動揺するギルスに接近する魔王。
ギルスの眼前に立ち塞がったと思いきや、彼の後方にビニール傘を持った手を回し・・・、
傘の柄の鉤状に湾曲した部分で股間を引っ掛けて思いっきり引っ張り上げる!「ふぎっ!」の部分
思わず蹲(うずくま)ったギルスの首筋に、枝を這っていた毛虫を落とし、
首筋を這う異様な感覚に今度は大きく仰(の)け反ったギルス(
「あががっ」の部分)の頭を掴んで紙ナプキンでクリームまみれの顔を拭い(「ぬぬぬぶ」の部分)・・・
すぐさまフェルトペンできゅっきゅと顔になんか書き込んで手鏡でそれをギルスに見せる。
ギルスは
自分の額に書かれた「肉」の文字&目の隈(クマ)&チョビ髭を見て、自分の顔であるにも関わらず思わず指を指して大笑いする(「ぶはははは」)が、
お蔭で
ガラ開きになった喉元に卓球のラケットで地獄突きを喰らう「ふごっ?」)。
魔王は噎(む)せ返って再び蹲った(
「げひ、」)ギルスの頭の上にグリグリ眼鏡をそっと載せる。
眼鏡が頭の上に置かれた途端、ギルスは
何故か両手で床をまさぐり始め、「メガネメガネ、」と云い掛けた所で・・・魔王に隙だらけの頭を踏み付けられる!!「めがぬぇぇぇぇぇっ!!?」
・・・これが「窮極のデモニックラッシュ」の真髄である。
STAGE59『彼』と違い、本ステージの『彼』の攻撃は画面が大きく揺れるのだが実はアレは最後の踏み付けを喰らった衝撃を表しているのである(←違います)。
因みに最初のパイ攻撃が魔球になったのは
『彼』がその手にのみ着けていた「ハイパーゴーントレット」の効果による。最強の篭手で命中率が25%UPする。ドルアーガの唯一の難点であった命中率が改善されており、これも「窮極」の名を冠する一端と思われる。・・・って云うか、攻撃力は変わんないからホントは「窮極」なのはこの点だけなのかも。

 

  カリア「な、な、なんなのよコレはっ!?結局最後の踏み付け以外は攻撃らしい攻撃じゃないしそれじゃああれだけの小道具の意味が解んないって云うか大体ギルスもギルスよっ!ナニが『メガネメガネ』よぉっ!!敵のボケとすっかり意気投合しちゃって、あああもうワケ解んないっ!!!
  ギルス「(頭踏み付けられたままで)いやメガネが頭の上に載った途端、
急にやっさん師匠(レーラァ)が偲ばれたんよ正味なハナシ・・・
  カリア「
・・・なんでやねん!怒るでしかし!!
  ドルルルアーガ「
ウフフフフ西(=西方浄土)の偉大ななる芸人の霊魂をオーバーソウルさささせたこのメメメメガネ媒介からは逃れれられないわン!?
  カリア「・・・ヤな持霊・・・」

魔王はカリアのツッコミには応えず、ギルスを踏み付ける脚に力を込める。

  ギルス「ぐああぁぁっ!!」

更に一層力を込める。

  ギルス「うぐわわわわっ・・・・・・」

尚も力を込めて・・・

ぷっ

  カリア「・・・えっ?」
  ギルス「今の音は?まさか・・・」
  ドルルルアーガ「・・・・・・」
  ギルス&カリア「
まさかまさか、『極上の魔王』サマとあろうお方が下に力入れ過ぎて放屁しちゃったとか?わぁ幻滅!いやって云うかまさかミも出たとか?
  ドルルルアーガ「・・・死になさささい。」(グシャ)
  ギルス「
うっぎゃあぁぁあぁぁぁぁっっ!!

図星を指されて逆ギレしたか、魔王は渾身の力でギルスの頭蓋骨を踏み砕いた。余計な一言の所為で死期を早めちまった感じ。命を賭してまでボケに走るとは正に芸人の鑑(かがみ)だぁっ!

  カリア「ナニ訳の解んない事を!ギルス!ギルス・・・」
  ドルルルアーガ「無駄ムダむだだだヨんお嬢ちゃん。坊やは完全に頭蓋骨つ陥没つつ骨折つつつで事切れてるるるわン。・・・まあ12ターン後には例えバラバララになっていてててもジュエルの魔力で復活するンだけどど・・・」

魔王はギルスのジュエルを庇う様に立つカリアの方へと一歩踏み出す。

  ドルルルアーガ「(ダミ声で)今この場ぱばでジュエルごと消しちちまえばにに二度とシャバには戻れンがなななァァッ!!
  カリア「くっ・・・」
  ミラーナイトA&B「イーーーッ!!」

『彼』の前に2体のミラーナイトが立ち塞がる。前回ギルスが防衛用に配置したクリーチャーだ。
ナイト達は
『彼』同様の俊足で近づき、同時に斬りかかる・・・が、彼らのミラーソードは魔王の皮膚に浅く喰い込んだだけで止まり、逆に魔王は恍惚の表情を見せる。

  ドルルルアーガ「あああ・・・いいいいわわン・・・」
  カリア「な、なんなのよ攻撃受けて感じてるなんて・・・
どーしてこのコーナーってジャンキーとかシスコンとかチャイルドプレイヤーとか変態ばかり出てくるのよぉっ!?

筆者が登場キャラを歪んだ視点から描写してるから、なんて云うのはきっと筆者自身に対して歪んだ見解を持っているんだと信じたい今日この頃です。
それは兎も角、もう見当が付いてるとは思いますが種を明かしますと、ドルルルアーガには
「闇攻撃吸収属性」が搭載されています。前回アンシャーのダークホールでダメージを受けなかったのもその所為であり、またミラーナイトも攻撃属性をコピーしてしまった為に闇攻撃になるわけですね。
因みに闇吸収を持つのは後にも先にも
『彼』独りのみ。この属性を付与するアイテムは無いし「光吸収」も存在しません。

いずれにしてもSTAGE59でミラーナイトに行く手を阻まれた魔王が対策として新たに得た力がコレ。ミラーナイトでは最早『彼』を倒せないし、また『彼』の命中率が向上している為数に任せた足止めも効果が薄い。しかも今度の『彼』ジュエル重視のアルゴリズムを持つ為ザコとの戦闘はなるだけ回避しようとする。その為自分で闘わずにこんな事も・・・

  ドルルルアーガ「アナナナタ達の相手をしててるるヒママは無いの。これでも喰らいななさい!」

ミラーナイトが斬り付けた部分から魔王の肉片が削げ落ちる。と云ってもその傷口は一瞬で再生、いや削げ落ちる前から治癒していた。吸収属性だから。云わばカサブタが取れたようなものか。
しかしその肉片はぶくぶくと泡立つように膨れ上がり、段々魔王の姿を模したものに変貌していく(
STAGE60「起」参照)。

  ドルアーガA&B&C&D「(ハモりながら)うっひょおぉぉぉぉぉっ!」
  ドルルルアーガ「むひょひょひょン!これれぞ魔奥義
『ドキッ!ドルルルだらけの水泳大会』よン!!」
  カリア「(ナニよそれは)・・・くっ!」

しかし分身ドルアーガはミラーナイトそっちのけで一斉に本体のドルルルアーガに殴りかかる。実は分身ドルアーガはナイトメア同様「皆殺し」属性を持ってるので召喚直後にこう云う行動に出る事もしばし。まあ尤も吸収属性だから自滅はしないんだけど、実際にゲームプレイ中にこれやられたら実に鬱陶しくて仕方が無い。

  ドルルルアーガ「(分身の攻撃を吸収して恍惚に浸りながら)あああ・・・キクううう・・・」
  カリア「・・・・・・
バカ・・・でも今がチャンス・・・これで時間を稼いでいるうちにギルスが復活、」
  ドルルルアーガ「(ダミ声で)
甘いぜ小娘ェ!?

いつの間にか魔王はカリアの眼前にまで移動していた。前述の通りジュエル重視のアルゴリズムの為にミラーナイトや分身ドルアーガをスリ抜けてきたのだ。尤も、状況によっては本当に分身達に道を塞がれて足止めされるケースも無いわけではない。倍行動の為分身を大量に召喚する可能性が高いだけに。その場合分身を攻撃して道を開くからこれでハマる事は無いンだけども。

  ドルルルアーガ「これで終わりりねン・・・」

魔王がじわりと詰め寄り、少女の脚はわなわなと震え出す。攻撃能力を持たない巫女では『彼』に太刀打ちする術は無い。頼みとする勇者の少年も前方で無惨で(マヌケな)屍骸を晒している。少女の頭に去来するのは「絶望」。思わず彼女の眦(まなじり)から涙が溢れ出る。

  カリア「いや・・・いやよ・・・そんな・・・・・・。お願い、ギルス、立ち上がって・・・・・・ギルス・・・・・・」

魔王が更に一歩を踏み出し、その八本の腕を大きく振り上げた瞬間、少女の悲鳴が塔内に響いた・・・・・・

 

 

 

  ギルス「どうして・・・こんな事に・・・何故・・・」

ギルスは魂の状態で一部始終を見ていた。一度倒されたボスはその部屋で魂の状態で浮遊しており、12ターン後ジュエルルームへ転移して復活を遂げる。今回はジュエルでKOしていた為にずっと彼はジュエルに居たのだ。
今正にカリアが魔王の攻撃を受けようとしている。しかしギルスには何も出来ない。
前回の妙な預言が的中してしまった。しかし今の彼にはどうする事も出来ない。
だが、魔王がその得物(
でもパイケーキ)を振り下ろそうとした瞬間、ギルス(の魂)は何かに引っ張られる様な感覚と共に別の空間へと転移した!

 

 

  『お前は、こんな結末を望んでいたのか?』
  ギルス「・・・御先祖ちゃん?」

その空間は完全な暗黒。何も見えず、何も聞こえず、何も感じないその領域でギルスは精神の会話を行っている。

  『・・・これでお前は満足なのか?地上は闇に制圧され、愛するものを護る事も出来ず、それでお前は良いと思っているのか?』
  ギルス「でも御先祖ちゃん!あいつにボクは勝てるの?今までもボクより遥かに強い相手に勝利した事はある、でも
『奴』には切り札のミラーナイトが通用しなかった!もうボクに打つ手は・・・」
  『本当に無いと思っているのか?』
  ギルス「!!」
  『私の知るギルスは、私の血統と遺志を継ぐギルスは、如何な状況にあろうとも希望を棄てず、苦境を乗り越える術を探そうとする、ひたすらに足掻く男だと思っていたのだがな。』
  ギルス「でも・・・ボクはもう足掻くだけ足掻いた・・・」
  『そうか・・・・・・ならば・・・』
  ギルス「ならば?」
  『もう一度足掻け。』
  ギルス「!!!」
  『お前は本当に自分の、人間の力がその程度だけと思っているのか?知らぬ内にお前達は、窮地に陥る度に我ら神族の救けを頼みにしていなかったか?お前達にはまだ可能性が有る。いや、人間もいずれは神の庇護から自立しなければならないのだ。若しお前に、もう一度立ち上がる意思が有るのならば、私は今一度最後の、本当に最後のチャンスを与えよう。』

空間に突如ギルガメス達の姿が現れた。

  ギルガメス「さあどうするギルス?決断を下すのだ、もう2話分くらいの行数を遣ってしまったぞ!?」
  カイ「
そんなことバラさなくてもイイじゃない。
  サキュバス「あははは!
もう残り2回ってケツが決まってるからムリムリにでも話を押さえ込めないといけないしねェ?」
  クォックス「・・・
それもバラさなくてもいいよね!
  ギルス「御先祖ちゃん・・・、ボク、もう一度、やってみる!ボクは誓ったんだ、地上を闇から開放する事、ドルアーガを倒す事、そして・・・・・・カリアを救う事を!!もうカリアを見棄てるような事は、カリアを泣かせるような事はさせない!だから、だから・・・もう一度、ボクに力を・・・力を貸してくださいっ!」
  カイ「ギルス・・・」
  ギルガメス「よく云った。・・・では、これを受け取れ。」

ギルガメスは自分が腰に佩(は)いている剣をを外し、ギルスに手渡した。

  ギルス「・・・これは、神剣エクスカリバー?
  ギルガメス「そうだ。闇を斬り裂く黄金の神剣。・・・だが、これはあくまで契機(きっかけ)に過ぎん。
『奴』を止めるのはまた別の話だ。『奴』の能力をよく見極めて・・・そして、対処を考えるのだ・・・。大丈夫、お前なら出来る。・・・ではカイ、頼む。」
  カイ「ええ・・・、でも、ギル、本当にいいのね?」
  ギルガメス「ああ。・・・尤も、君もそうするつもりだったのだろう?」
  カイ「・・・ま、ね・・・」

カイは頭に被ったティアラを外し、ギルスの頭上にかざした。するとティアラは光の輪となって拡がり、ワープホールの形状と化した。

  カイ「さあお行きなさいギルス。それをくぐればあなたはもう一度だけ刻(とき)を超えて『彼』と対峙出来るわ。残念だけど『彼』がダイヤモンドメイスを手にした時までしか戻れないんだけど。ギルとわたしの神力を総て遣ってもそれが精一杯・・・」
  サキュバス「・・・
総て?
  クォックス「
まさか、カイちゃん?
  ギルガメス「そう。
私とカイは持てる総ての力をギルスに託す。アヌ神の命に背いて。総ての力を失った私達がどうなるかは解らない。ただ神性を失うのみか、黄泉へ堕ちるか、はたまた完全に無に帰すか・・・。
  ギルス「そんな御先祖ちゃん!そんな事したら・・・」
  ギルガメス「いい加減にしろ!
もう行数は尋常じゃなく延びきっているんだ!
  カイ「
じゃなくて!いいギルス、これからはあなた達がこの世界を治めていくのよ。わたし達神の眷属に頼らない自立した世界・・・。わたし達も元は人間、子孫達の為になるのならば持てる力を総て託してあげるわ。」
  ギルス「でも・・・」
  ギルガメス「もう時間が無い!行くんだギルス!!」

ギルスの反論を待たず、ギルガメスはギルスを7番アイアンでワープホールへと叩き飛ばした。

  ギルス「ひぇーーーーー(フェードアウト)」
  ギルガメス「ふうナイスオン・・・」
  カイ「・・・
何故にそんな中途半端なボケなの?
  サキュバス「
これが最後の出番かもしれないのにねェ、あっはは!」
  クォックス「(下唇を突き出し)
ダメだこりゃ!
  ギルガメス「・・・・・・
ぺふぺふぺふ。

 

 

 

  カリア「・・・ギルス、ギルス!」
  ギルス「え?・・・ああ・・・。どしたのカリア?」
  カリア「『どしたの』じゃないわよ!さあ早くデッキを組んで配置クリーチャーを決めて!最後の決戦よ!!」

目の前にはカリアが居た。場所は59階の祭壇。丁度本ステージの「起」の終わった直後、再び59階に戻って(考えてみたら面倒なシステムですな)侵攻準備を行う最中の様だ。
と云う事は、
前回から今までの長々とした展開は総て夢?
・・・いや、違う。
何故なら、ギルスの右手には黄金の神剣が握られていたから。
ゲーム本編ではこんな展開も無いしこんな方法でエクスカリバーが手に入るわけでは無いのだが、兎に角もう一度やり直しになったらしい。まあ要は一旦ゲームオーバーになってセーブせずにSTAGE60をやり直したようなものですな。

  ギルス「御先祖ちゃん・・・」
  カリア「・・・で、どうするの?確か前(
STAGE59)はミラーナイトで押さえ込んだのよね?今回もその手で行くの?」
  ギルス「いや・・・今回はこうする!!」
  カリア「ええっ?」

 

 

 

と云うわけで!!気が付いたら従来の2倍以上の行数になりました。話数を決めちゃうと分量が収まんなくて大変ですね。(と云うかもっと計画性を持て
しかも
まだ実質的なステージ攻略も為しておらず後一話でホントに話が収まるのか?
次回本当に最後の決戦、なるだけ早くお送りするつもりですので・・・もちっと待ってね。

 

 

☆つづく☆  

 

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