(当コーナーの記載事項はある程度実際のプレイに基づいていますが、時として嘘・強調・紛らわしい表現が多分に含まれている恐れが有ります)
長い長い旅路の果てに、漸く「黄泉の国」の最深部、冥界神ナーガルの神殿へと辿り着いたギルスとクローヴィス。
ナーガル神殿・・・命の炎尽き果てた亡者の魂がレテの河(STAGE47参照)を越えてから最初に辿り着き、そして最後の審判を受ける闇の神殿。
ギルス「ちょっと待ってよ!それじゃ死んだ人はすぐにこの神殿へ来れるワケ?じゃあボク達がココまで歩いてきたのは一体何?無駄足?方向音痴?」
知らんよ。多分亡者専用の「ナーガル神殿直通高速送迎バス(?)」でも運行してるんじゃない?
???「最近は『上(地上)』も相当ワヤんなっとるさかいな、バスも混んで難儀なモンや。・・・・・・まアそれはええ、よお来たなジブンら。」
すごくコテコテな口調と共に、薄く髯(ヒゲ)を蓄えた蒼白い肌の、甲冑を着た男が現れた。その傍らには剣と盾が彼の指示を待つかのように宙に浮いて侍(はべ)っている。
ギルス「あなたが冥界神ナーガル様?・・・ボクはイシター様のシェラインナイトにしてバビリム王子、ギルスです!!」
ナーガル神「『イシターの』!?おいおいジブン、ゲーム始めた時分はワシの信者やったんちゃうんか(いんとろだくしょん参照)!?」
クローヴィス「しかし、何故このお方は関西弁口調なのだろう?」
ナーガル神に関西弁を喋らせるのは実は相当前から予定していた事でした。筆者自身が所持スキルに「かんさいじん」が有ったのでそんな口調のキャラを出したかったというのと、「あの世」ってよくヤクザ屋様な稼業では「西(=西方浄土)」って云うじゃないですか。そこらへんを掛けた次第です。
尚、筆者は関西出身ですが、両親が関西出身者で無かったせいか、「正しい関西弁」を操ってはいないそうです。メディアの発展によって、ゲームやマンガなどでも関西弁キャラは定常化し、かなり自然な発音にはなっていってますが何気に聴いててネイティブな関西弁とは異なるよーな気もしたりします。でも、「正しい関西弁」を使える術者(?)は一体どれだけいるのでしょう?一口に「関西弁」と云いつつも大阪・京都・兵庫・和歌山・奈良などで微妙に形態が変わりますしねぇ。逆にメディアによって言語が中途半端に統一されて「旧来の正しいことばの継承」が為されていないのも事実です。それの是非は問えませんが、単純に「ことば(ココでは方言を指します)」って奴を紋切り型に一様に決め付けて欲しくは無い気もしています。・・・まあ、筆者自身も本来ハマ弁(?)である「〜〜じゃん」を東京言葉だと思っていたクチですがね。
ナーガル神「どーでもエエ事を長々と・・・、まあエエわ。ジブンがココまで来た理由は知っとるわ、イシターの巫女の件やろ?・・・・・・確かに、その娘の魂はこの『黄泉の国』に在る。それをこっちへ引き寄せて、取り戻す事もワシには出来る。やけど、それがジブンにとって望ましいモノになるかは・・・・・・・・・判らん。それでもエエんか?エエのんか!?」
クローヴィス「・・・なんかセクハラな発言にも聴こえるな・・・」
どーしても関西弁てのは「ガメつい」とか「欲丸出し」っちゅうイメージがあるね。
ところで、ギルスはこのナーガル神の発言に違和感を感じていた。関西弁にではない。ナーガル神が『望ましい結果になるか判らない』のくだりで変に言葉を切った事である。・・・恐らく、ナーガル神はその『結果』とやらを知っている。知っていながら、敢えて自分(ギルス)を試しているのである。不安だ。確かに不安である。しかし、わざわざ三味線を張っていると云う事は、まだ完全に絶望な結末が待っているだけという事でもない様にも思える。都合のイイ解釈かもしれないが。
・・・暫し逡巡した挙句、ギルスは口を開いた。
ギルス「構いません!どんな結果が待っているかボクには判らないけれども、カリアを取り戻すまでは決して帰るつもりは無い!!そうよいくらパパが門限に煩くってもわたしアナタの部屋から帰らないんだからっ!!」
クローヴィス「安物恋愛ドラマのわがまま娘じゃないだろギルス君。」
ナーガル神「・・・よう云うた。やけども、ワシも神の端くれである以上、簡単にジブンの頼みを聞いてやるっちゅーワケにもいかへん。」
クローヴィス「・・・彼が、既に神々の王アヌ神に認められし『光の勇者』でも?」
ナーガル神「アヌの下僕なら尚更・・・・・・やな。」
冥界の支配者は、眉間にシワを寄せて呟いた。
「ザ・ブルークリスタルロッド」で見る限り、アヌ神とナーガル神は決して仲が良い訳でもないらしい。確かに、片や天界に在りて総てを統治する神々の王、片や昏き冥界に潜みし死者の王。それこそ場合によっては「光」の勢力にとって最大の脅威となる冥界のものどもを支配するわけだから、ナーガル神の実力はアヌ神に伯仲するものが在ると推測出来る。・・・それ故に、ナーガル神はアヌ神に対するある種の羨望や嫉妬心を抱いていたのかもしれない。だからこそ、「ザ・ブルークリスタルロッド」では、ドルアーガの朋友だったり、ギルガメスを懐柔してアヌ神に対抗しようなどと企てるシナリオが生まれたのかもしれない。
ギルス&クロ「・・・・・・・・・・・・」
ナーガル神「まァそう怖い顔はしなや。別にアヌの事を持ち出す気は有らへん。要は、ジブンがワシが願いを聞いてやるに値するかどうかを見たいワケや。例の『憲章』に則ってな(STAGE44・STAGE45参照)。・・・・・・もう解ったやろ、ワシの最強のシモベ、ダハックに勝てたらその願い聞き届けたるわ・・・。」
ナーガル神は傍らに浮ぶ剣を掴むと、中空に魔方陣を描く様にその切っ先を縦横無尽に動かした。
ナーガル神「レッドドラゴン・グリーンドラゴン・ブルードラゴン、カモン!!イッツァショウターイムッ!!!」
ギルス「ショウってまさか、コミックショウinトーキョー!?」
クローヴィス「君の御先祖が笛を持って現れない事を祈るよ(STAGE47参照)。」
そういや東京なコミックショーも基本的には三つ首だね。
それは兎も角、周囲の時空が歪んだかのような重圧感が感じられると同時に、ギルス達の目前に巨大な物体が出現していた。ドラゴンである。ギルスがかつて見たどのドラゴン達よりも一回りは大きい。巨大な体躯に2対のがっしりした脚、その巨体には三本の巨大な首が生えており、各々に凶悪そうな竜の頭が据えられている。その首は向かって左から深緑・真紅・濃青に彩られており、先程ナーガル神の叫んだ三種のドラゴンは彼(ら)を指すのだと推測出来る。
その三つの首は、それぞれがギルスとクローヴィスを眺め回した後、一呼吸置いて一斉に声を揚げた。
ダハック3つの首「ハイまいどーーーーーーーーっ!!!」
ギルス&クロ「???」
ダハック緑(左側)「JUNでーーっす!!」
ダハック青(右側)「チョー作ですッ!!」
ダハック赤(真中)「ミナミ貼るオ△パックスで御座い・・・」
ダハック緑&青「アホか!って云うかTVネタは風化し易い上に故人ネタは止めンかいボケェ!!(左右から一斉に炎を吹く)」
ダハック赤「(左右から炎の直撃を受け)がはっ・・・・・・(口から煤(スス)を吹く)」
ギルス「・・・・・・」
クローヴィス「・・・・・・」
ダハック赤「と、兎に角、我ら揃って、」
ダハック緑&赤&青「『ダハツク三匹』ィィィィィッ!!!」
ギルス「・・・・・・な、な、ななななんなんだコイツら!?・・・・・・・・・カッコ良すぎる!!」
クローヴィス「君はどう云う感性しているんだいギルス君?って云うかダハックってこんな奴だったのか?」
ギルス「と云うよりクロちゃん一度出会ってたのと違うの?(STAGE49参照)」
クローヴィス「恥ずかしながらすぐに遁走したから気付かなかったんだよ。・・・にしても、いきなり登場の科白がそうくるとは意外だったな。」
ダハツク・JUN「ツカミはオッケーやったか?」
ギルス&クロ「(沈黙)」
ダハツク・赤い首「えーーーーっっ!?」
ダハツク・チョー作「『えーーーっ』て、しょーじ、オマエがつまらんCMネタやるからアカンやないのか?」
ダハツク・しょーじ(赤)「アカンてそんな、アカン薬缶(やかん)ドラム缶!!!」
(周囲にスキマ風)
ギルス&クロ「・・・・・・・・・・・・」
ダハツク・チョー作「しょーじ・・・・・・」
ダハツク・JUN「・・・ま、まあエエ。わいらはこんなちょっとスベった程度では怯まんからな。何せわいらは見ての通りでっかいド・・・」
ダハツク・しょーじ「ほっかいどーーー!!!」
ダハツク・JUN&チョー作「オマエは黙っとれや!!(左右から一斉に炎)」
ダハツク・しょーじ「(左右から炎を受け)がはっ・・・・・・」
ギルス&クロ「・・・・・・・・・・・・」
このコーナー上のキャラどもの性格設定は殆どが執筆中の突然の思いつきで決まった連中が多いのですが、このダハックだけは例外的に最初っからこんなんにするのが決まっていました。
まあ冒頭のやり取りや各首の名称から元ネタが「レツ△゛ー△匹」(+村上サン?)なのは容易に御理解頂けるのでしょうが(だから「ダハック」でなく「ダハ『ツ』ク」なのです!)、更に云えば、昔某ええ感じなバラエティ番組内のコントでこの御三方が三ツ首宇宙怪獣な着ぐるみを着てらっしゃった事を思い出したので。すっごくベタなので、筆者を知る人間から見ればこー云う展開は読めてたのやも知れませんが如何でしょうか?
さてこちら天上界では。
ギルガメス「・・・むむむいかん。」
カイ「えっ!?」
剣士カンサ「確かにいかんな。」
戦士プルタルコス「拙いですな。」
戦士アクルガル「覇ァァァァ不覚ゥゥゥゥ!!」
ファイヤゴーレム改「バゥゥゥゥゥゥゥ!」
ワルキューレ「コレは逝けませんわ!!」
サキュバス「あーー確かにこりゃマズいねェ。」
カイ「何よ一体みんな揃って、何が拙いって云うの?そんなにダハックは危険なの?確かにわたし達が闘った時も相当苦戦したけど、今のギルスなら決して勝てない相手では・・・」
道化師ユーメル「HAHAHAまだ解らないのかい奥サン!?」
カイを除く全員「こんなにボケに特化したキャラクターが出られちゃあ、我ら『劇団マルドゥック機関』にとって最大の脅威じゃないかっ!!(前回参照)」
カイ「あなた達は一体なにを考えてるのよぉっ!!!」
よもやコミックバンドとして武道館で超人気バンドの前座を受け持つなんて事は考えていないとは思う。
カイ「バッカじゃないの!?」
さあそんな暴走はさておきまして、やっとこ真面目に戦闘開始。
ギルス「クロちゃん、コレを受け取れ!」
クローヴィス「これは・・・ドラゴンバスター!?」
ギルス「そう、STAGE36で手に入れたホンモノだよ!ボクのジュエルの力でココならその剣を使える!ダハックにリベンジをするチャンスだっ!!」
クローヴィス「有難うギルス君。ようし、いくぞダハック!セリアを返せぇぇぇっ!!」
ギルス「(・・・でも、いい加減この『黄泉の国』がセリア姫と関係無さそうな事、気付かないのかなぁ・・・)」
クローヴィス「(聞こえていない)さあ出て来い、ダハック!!」
ダハツク・JUN「呼ばれて、」
ダハツク・チョー作「飛び出て、」
ダハツク・しょーじ「引っ込んだーー!って何でやーーーっ!?」
ダハツク・JUN&チョー作「ってコッチが訊きたいわアホゥ!!(左右から炎)」
ダハツク・しょーじ「(口から煤を吹いて)がはっ・・・」
クローヴィス「もうそんな行数のやたら喰うやり取りは相手してられない!一気に勝負を決める!!僕の技と、この剣の力を一体にした、真・討竜剣!!スーパー垂直斬りッ!!!」
ダハツク・チョー作がクローヴィスめがけ巨大な火炎ブレスを放った瞬間、彼は高く跳躍した。討竜剣「垂直斬り」の体勢である。次いでJUNが放ったブレスもクローヴィスは空中で「何か」を蹴って更に高く舞い上がり、回避した。お馴染み「二段ジャンプ」である。
ギルス「・・・でも、いつも思うんだけど一体何を蹴ってるんだろう・・・?」
クローヴィス「余計な詮索は無用だよギルス君!さあダハック、受けろこの渾身の一撃!!」
ダハツク・しょーじ「『受けろ』ってウケ取るんはワイらの方の仕事やんか!?・・・兎に角甘いで兄ヤン、炎はワイも出せるんや!!」
クローヴィスは既に落下体勢だった為、しょーじが放つブレスを回避出来ず、13ポイントのダメージを受ける。
クローヴィス「ぐっ、でも、僕のHPは15、まだ2残っている!まだ一太刀は浴びせられるし、ギルス君がモアヒールでもしてくれたらまた全快してやり直せる!」
ギルス「ドラバス以外に貴重なポーションまでおねだり?クロちゃんもしかしてすっごい自己虫!?」
多かれ少なかれ、「勇者サマ」って勝手に他人の住居への無断侵入や窃盗を日常茶飯事にしている連中だしね・・・・・・・・・しかし。
ダハツク・JUN「下見てみ、兄チャン。」
クローヴィス「!!?」
クローヴィスの落下点には、燃え盛る炎がまるでリムジンから降りるVIPの為に敷いた赤絨毯の如く伸びていた。
ギルス「??、まさか、アオい奴の?」
ダハツク・チョー作「チョー作って呼んでくれや、チョームカつく。」
クローヴィスはそのまま炎の絨毯の上に落下し、2ポイントのダメージを受けてダウン。
クローヴィス「ううっ!ギルス君、気を付けろ、奴ら、やはり、最強のドラゴン・・・強い・・・・・・!(KO)」
ダハツク・しょーじ「カッカッカ、これこそ正に『跳んで火に入る夏の無視』って、無視したらアカン薬缶ドラム缶っ!」
ダハツク・JUN「(無視して)どおや、わいらの実力見たか?」
ダハツク・チョー作「(同上)とっとと逃げ帰った方が身の為ちゃうか?」
ギルス「ううっ・・・」
ダハツク・しょーじ「わあああホンマに無視せんでくれや!!」
ダハツク・JUN「ハイハイ素人さんはもおエエから。」
ダハツク・しょーじ「ワイベテランやって!そんな殺生なぁっ!?」
ギルス「・・・・・・・・・」
ダハックは、首が三本有り前方及び斜め前方の三方向にブレスを吐く。しかもSTAGE51のサラマンダー同様、その総ての軌跡にファイヤエレメントを残す。更に奴らは基本攻撃力が13と段違いに高く(エレメントがある為実質15ダメージ)、その危険度はサラマンダーのそれを遥かに凌駕する。
おまけにタチの悪い事に、ボスのダハックは標準で火炎吸収能力を持つ。よって、自分達の出すFエレメントで回復が可能な為、Fエレメントで自身の行動が阻害される恐れも全く無い。
ギルス「って云うか、じゃあさっきからの自分で自分の炎を受けるのって、回復手段なの!?」
ダハツク・チョー作「まあ、そーなるんかな・・・?」
ダハツク・しょーじ「(得意満面で)見たか!?こーやってワイは自分を犠牲にして自ら炎を受ける事でHPを温存してやってんやで!?」
ダハツク・JUN「ウソつけやっ(しょーじめがけブレス)!?・・・もう少しオモろいネタ出してからそー云う事云わんかい!!」
ダハツク・しょーじ「ぐわっ!?(炎を受けるが、ちゃっかりHPが回復している)」
ギルス「・・・・・・・・・・・・勝てるのか?ボクは・・・バトルにも、ギャグにも!?」
ナーガル神「(戦況を玉座で見ながら)この程度で窮地になっとるンか・・・?口程にも無い・・・」
いきなりクローヴィスとドラゴンバスターを失いピンチのギルス、そしてこんなベタベタな「ダハツク三匹」なんか出して(しかもそのキャラを活かしきれずに居て)これまたある意味ピンチな筆者共々その運命や如何に?次回へ続く!!