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Kenji Kishimo†o's WebSite

IZM3〜from Trush Box

気紛れにテキストファイルに残された言葉達

声にならなかった言葉
醒めた牢獄
合理の名の下で情熱が幽閉されてしまった世界から



●Toy Soldiers

単車を降りれば、只のひと。

合金とFRPのToy Soldier
或いは、Machine or Material
自分の周囲に並べて、
自分が何者なのか、その本質さえよく考える事なく、
自らのアイデンティティーの大きな部分を、
量産される工業製品に代弁させてきた報いだね。

Toy Soldiers。鮮やかに煌くアメ玉の大砲。
E.T.A.ホフマンのお伽噺“くるみ割り人形”。
後にチャイコフスキーがバレエの組曲を書いたこのお話では、
くるみ割り人形が率いるおもちゃの兵隊達は、
ドミノの様に一斉に倒れてしまうんだ。
脆いね。

Step by step
Heart to heart
Left, right, left
We all fall down
Like toy soldiers

Bit by bit
Torn apart
We never win
But the battle wages on
For toy soldiers


人生を通じて、人間には大きな役割が2つあるという。
ひとつは、誰かから動機づけを与えられることであり、
もうひとつは、誰かに動機づけを与えること。
誰の言葉だったか、いつ聞いたのか、もう忘れてしまったけど、
何故だか憶えてる言葉。


たとえば、

親が好きなもの、
何ら強制する事なく、
いつか、子が勝手に好きになる。

ひとつの理想だ。

他のひとがどうかなんて知らない。でも、
少なくとも、私はそうして育ってきたし、
そんな風に、誰かに何かを伝えるべく生きてきた。

その可能性。
あくまで“たかが”可能性なんだろうけどさ、
摘み取ってしまったものを、
気紛れにそれを奪ったものを、
奪われたまま取り戻さずにいる自分を、
私は許さないだろう。

2004/02/24+21:56:21

岸本健治



●クワガタ虫〜木曜深夜、ホンダのCMに涙する。

BGMは Ben E. King の“Stand by Me”。
色褪せた古い写真。
自宅の前で CB750 Four K0 に跨る半ズボンの少年。後ろから見守る父親。
初めての単車の鍵を握り締める十代の少年。コムスターホイールの MB5。
二十代の青年。防波堤に停めた CBX400 と VT250。
彼女を乗せて街中を走り抜ける Steed400。
ワインディングをひとりで走る CB1300 SuperFour。
“あなたは今もライダーですか。”と問い掛け、
再び、30年後の自宅前で CB1300 SuperFour に跨る少年。
後ろから見守る父親は、かつての少年。
///


“翼ある人。”木曜深夜のホンダのCM。
あのCMをリアルだと感じるのは、子供を載っけて走っていないからだと思う。
ワインディングを走ってゆくCB1300のタンデムシートに、
ヘルメットを被った子供の姿は無い。

ただそれらしく作ろうとするなら、
子供とのタンデムシーンを撮ればいいのかも知れない。
小ぶりのジェットヘルに、幼い笑顔。
だけど、あえてそれをしていない。確信犯。

同じ自宅の前であろう場所で、
K0に跨るかつての少年。CB1300に跨る現在の少年。
無言の継承。
Boys Meet the Motorcycles.
やがて勝手に走り出す。

30年近くも前、
トタン屋根のガレージの隅で、親父のBMW R69Sに跨ってたよ。
ハンドルが遠くて、辛うじてステップにつま先が付くぐらいだったか。
横に張り出したシリンダヘッドやマフラーでよく火傷をした。

そういえば、少し意外だけど、親父が走っている姿を知らない。
いったい、どんなスタイルの単車乗りなんだろう?ってね。
この週末、玄関先で捕まえたクワガタ虫みたいなもんで、
飛べる事は知ってるし、何処かを走っている事を知ってはいるんだけれども、
でも、佇む姿しか、実際には目にしていないんだ。
ガレージに停めたクワガタ虫と同じ色の車体の傍に。

自分が飛べるようになって、
飛ぶ姿を目にする事が出来る、鳥や蝶のような単車乗りを見てきた。
鳥や蝶のように見てきた・・・のかも知れない。
左右に揺れながら遠ざかる先輩達のテールランプとか、
ミラーに映る後輩達のヘッドライト。
若干の歳の差こそあれ、いずれにせよ同世代の仲間達の姿だね。

信じられない動きをする単車達に、
信じられない距離を走って辿り着いた単車乗り達に、
衝撃を受けた。
いつかは・・・それまでは・・・
乗り続けよう、走り続けようと思った動機だね。

それとは別に、
乗ろう、走ろうと思った瞬間が何処かにあった筈だ。

いつか、クワガタ虫のような単車が欲しいと思った。
サービスエリアの片隅で、自宅のガレージで、
火を落とした単車の傍らに、ひとり、静かに佇む単車乗り。
細やかな金属音を奏でながら徐々に温度を下げるエンジン。
10年後 BMW R850R Roadster

2004/06/25+23:42:55

岸本健治


BMW R850R ROADSTER

・・・
だから決めた できれば長生きすることに
年取ってから凄く美しい絵を描いた
フランスのルオー爺さんのように
              ね

〜茨木のり子“わたしが一番きれいだったとき”より

BMW R69S

※このページに記載された内容は、私がテキストファイルに書きなぐったきり、何処にも発表しなかった文章に、加筆・編集を加えたものです。無断転載はご遠慮願います。


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