(本シリーズの内容は一見実際のゲーム内容を模しているようにも思えますが、これまで以上に全くゲーム本編を無視して物語が進みますので余りにも鵜呑みにし過ぎると莫迦を見ます)
ドル足掻記
「STAGE63:パックランド」
〜TRIP17:今は「日本語FEP」って云い方はしないそうだけど〜
筆者も後から見返したら卒倒してしまうようなグダグダな3Fでのワルキューレ戦を経て、よーやく「ナムコッ塔」4Fに到達したギルス一行。
しかし、この4階もまた一風変わった様相を呈していた。これまでの石造りの屋内とはうって変わって周囲は木の柱に紙を貼った木製の引き戸、そして足元は草を編んで造ったらしい床材で覆われていた。
セティ「はあ・・・やはり和風建築は癒されますよねぇ。」
カリア「今さらっと『和風建築』て云ったよね?あんた以前あたしらがあまりにも日本人チックしてるの注意してなかった?(STAGE62・壱あたり参照)」
ホルス「ナンかすっげェ昔の事に思えるよな・・・」
はっはっは何を今更!(もう今となっては笑い飛ばすしかねーな、ここまで延び延びになるとは)
ギルス「でも、『畳と女房は新しいほど良い』とか云うけど、藺草(いぐさ)の香りってイイよね!ナンかソソられるっていうか・・・」
カリア「ちょっと!あたしってばまだ婚礼の儀済ませていないのにもう古女房扱い!?」
セティ「それ以前にもう女房確定なんですかぁ・・・」
ホルス「だいたいイグサの匂いでそそるってどーゆー感覚なんだよ・・・」
ギルス「イヤ筆者の性癖を代弁してみただけで。」
こらー性癖とか云うなーっ!変に誤解されるだろうがーーーッ!?
さてそのように毎度の如くぐだぐだとくっちゃべってるギルス一行の向かいの引き戸(云うまでも無く「襖障子(ふすましょうじ)」のコトですが)がするすると開き、ゆらりと人影が現れた。
紅い長髪を靡(なび)かせたその顔は異形の面に覆われ、異境の戦装束に身を包み、腰に細身の曲刀を佩(は)いたその人物は、嗄(しゃが)れ声でギルスに話しかけてきた。
???「・・・久しき哉(かな)、儀留守殿。」
ホルス「若しかして『ギルス』のつもりか?まだ日本語FEPで一発変換できねーのかよっ!?(STAGE62・六参照)」
ギルス「そうか・・・ここのガーディアンはキミだったのか。しばらくだね、加計゛鬼与。」
セティ「ギルスさま最後の方何とおっしゃってるのか読めませんっ!?」
ギルス「いやボクのとこのFEPだと『カゲキヨ』がこう変換されちゃうんだよ。」
カリア「ウソをつくなーっ!なんで漢字に濁点付けるような変換をするってのよ!?」
実際に筆者のPC(と云うかふつーのWin搭載PCでMS−IMEのデフォ設定)だと「かげきよ」は「過激よ」となると思うのですが、ヴァージョンによってはまんま「景清」も辞書登録されてるみたいです。すげー。
因みに「加計゛鬼与(かげきよ)」は『源平討魔伝』のハイスコアランキングの初期設定名のひとつです。他には「与理止毛(よりとも)」とか「与死津根(よしつね)」とかあるんですが、仮にハイスコアネーム登録時に名前入力しなかったら「名無子」とゆーデフォ名が入るようになっています。矢野健太郎先生だっ!?(旧いネタだなぁ)
カゲキヨ「此度は旧き友との盟約により一時彼の地へと参らん。我も儀留守殿と再び矛を交えるとあらば、我としても異議は無し。」
セティ「あぅっ?と云う事はまだカゲキヨさんはまだ『頼朝』さんを討ちとっておられないのですか?」
ホルス「おいおい・・・そっちの深刻な事情に較べたらこっちなんてホントぐだぐだなお遊びに近い内容だぞ?そんなのに関わる必要なんて無いんじゃねーの?」
カゲキヨ「・・・・・・・・・」
実は『源平』ではゲームクリア=頼朝を斃(たお)すと景清もまた消滅するのである。何故なら景清は本来死人であり、彼が現世に存在できるのは安駄婆(正確には異世界からの「くれじっと」)によって与えられた仮の生命によるものであり、本懐を遂げたことにより景清の存在理由が失われるからである。
この事をカゲキヨが知っていたかはゲーム本編を見る限り(て云っても筆者自身はクリア経験はないのですが)定かではない。だが、恐らくは薄々は感づいているものと思われる。だからこそ、頼朝を討つ前にパックマンの招聘に応じ、念願のギルスとの再戦(STAGE62・六参照)に臨むというのは彼にとってはこれ以上のない好機だったと云えるのである。
ギルス「・・・まあいいさ。別にカゲキヨだって自分の世界の事を忘れたわけでもないだろうし。それに、多分この時を逃せばボクと戦える機会はもう・・・」
セティ「ギルスさま?」
カゲキヨ「・・・・・・忝(かたじけな)い。」
ホルス「よっしゃ!それならオレがリベンジと行かせてもらおうか!!」
ギルス「・・・いや、ホルスは下がっていてくれないか。ここはボクが・・・一人でやる。」
カリア「ギルス!?」
セティ「ギルスさま・・・目がいつになく真剣です・・・」
ホルス「判ったよ。・・・へっギルス、ワルキューレの科白じゃねーが(TRIP16参照)、お前も流石にカゲキヨ相手だったらギャグ抜きのマジモードにならざるを得ねーよな。」
ギルス「いやあホルスが先に出たところでどーせやられるだけでワンパターンなネタで行数稼がれていると思われてるから、ねぇ☆」
ホルス「ギルスてめぇ・・・」
かくして、ギルスとカゲキヨが対峙する。
ギルス「それじゃボクから掛からせてもらうよ、てやあっ!」
云うなりギルスは大きく踏み出して剣を一閃するが、カゲキヨはそれを剣すら抜かず僅かに身を反らして回避する。
ギルス「!!!」
ホルス「やはりな・・・」
カリア「えっ?」
ホルス「ギルスにゃ悪ィが、カゲキヨの奴はオレと互角以上の遣い手だ。純粋に剣のガチでは相手にはならねェんだよ。」
セティ「では、カゲキヨさんはわざと剣を抜かずにギルスさまを弄(もてあそ)んでると?」
カゲキヨ「・・・然に非ず。迂闊に打ち合えば、刃欠けるが故。」
カリア「・・・ホルス・・・やっぱりガセか。使えない奴・・・」
ホルス「ガセってナンだよ!オレって結局そんな認識?って云うかカゲキヨ!てめー前の時はオレと散々打ち合ってたじゃねーかっ(STAGE62・伍参照)!!思いつきで元ゲーの設定ぽんぽん掘り起こすンじゃねーよッ!!」
念の為に補足すると、『源平』では敵の武器や鎧、要石などの強度の高いものに攻撃を当ててしまった場合、剣力(攻撃力に相当)が減少するフィーチャーが盛り込まれている。
ギルス「くっ!」
しかしカゲキヨも避けてばかりではいない。躱(かわ)しざまに放った一閃がギルスの頬をかすめ、蒼い血しぶきが舞った。
ホルス「あ・・・青い血だと?」
カリア「アンタじゃなくて?(STAGE62・伍参照)」
ホルス「おいっ!」
セティ「あわわわ・・・ギルスさま、若しかして本当は人間じゃなかったのですか・・・?」
ギルス「ククク・・・とうとう知られてしまったか。」
ギルスの口元に邪悪な笑みが浮かぶ。
ギルス「クカカカカカカーーーっ!!そう、これまで秘密にしていたけど、ボクの正体はなんと軟体動物門頭足綱十腕形上目に属する・・・」
カリア「それはただのイカだーーーッ!?」
ホルス「て云うかネタのためだけにポーション・オブ・キュア撒き散らかすんじゃねーよ勿体ない!」
セティ「あぅぅ結局ギルスさまボケに走ってますぅーっ!?」
これまた念の為、ポーション・オブ・キュアは青色の薬です。また、タコやイカなどはヘモグロビンでなくヘモシアニンの酸素結合作用を利用しているので血は青い・・・・・・はずなんですが、実際見たことないんでどーなんでしょ?辞書等によるとヘモシアニンは酸素と結合しないと無色だそーだし。
とか例によって余計な事を書いている間に。
ギルス「と見せかけて不意打ち!」
ギルスはカゲキヨに向かってカードを投げつける。カードはジャイアントトード変化して襲いかかるが、カゲキヨは大きく跳躍してそれを躱す。
ギルス「なんのまだまだ!」
ギルスも後退しながらジャイアントトードのカードを連発するが、カゲキヨはそれをことごとく飛び越える。
セティ「あぅ・・・なぜカゲキヨさんはトードを攻撃しないんでしょう?いくらカウンターを持っているからと云っても一撃で倒せば問題ないはずなのですが・・・」
カリア「・・・多分キノコに変化するからだと思う。」
セティ「ええっキノコを取ったら巨大化するんじゃないんですか?」
ホルス「いや・・・一応元ゲーの空気読んでやれよ・・・」
ギルス「春はあけぼの!夏は夜!秋は夕暮れ!冬は・・・・・・わっかりっませーん!?」
ホルス「そっちかよ?お前もネタ振ってるんなら元ゲーの・・・」
ギルス「『極パロ』のは兎オンリーでカエルは出さないけどねっ!」
勿論これは『源平』における「琵琶法師」が元ネタなんだけど、ちょっと判り辛かったかなぁ?
ギルス「く・・・トードのカードが切れた!」
カリア「そりゃ限界4枚だからねぇ・・・」
ホルス「ってトード4枚持ちってどんなデッキ構成だよっ!」
ギルス「こうなれば・・・・・・『さらばじゃ』」
カリア「消えるなーーーっ!?」
ギルス「と見せかけてドン!」
いつの間にか弓に矢をつがえてカゲキヨを狙っている。
セティ「あっあれはナンナル弓です!」
ギルス「悪いけどカエル達は距離を取るための足止めに使わせてもらったよ。やはりボクの剣技では敵わないようだったから飛び道具を使わせてもらうことにした。どうするカゲキヨ!?」
カゲキヨは無言で、懐から巻物を取り出す。
カリア「あ、あれは!」
ホルス「必殺旋風剣かっ!!(と云いつつセティの方を振り向く)」
セティ「(スカートを押さえつつ)兄さん・・・」
しかし、カゲキヨは「ひっさつせんぷーけん」の掛け声も無いままに剣を大上段に構える。
ギルス「そりゃあ!」
カゲキヨ「哈アアアアアッ!」
ギルスが白光の神箭を放つと同時に、カゲキヨもまた剣を振り下ろす。当然その切っ先がギルスに届くはずもないのだが、その剣が描く軌跡が白い衝撃波となってギルスへと襲いかかった!
実は『源平』における「巻物」の効果はゲームモードによって異なり、キャラクターが大きく表示されるBIGモードでは前出の「必殺旋風剣」となり、SMALL(横・平面)モードでは剣先から衝撃波が飛び道具として発射されることとなる。しかもこの衝撃波の威力はかなり高く、大ゴマ(STAGE62・参参照)や大ムカデ(同じく四参照)、果ては小型の要石までも破壊可能ときて・・・
セティ「えええっと云う事はあの巻物はカイ様キラー?」
カイ「(何故か天界で)・・・・・・頭突くわよ?」
・・・最近筆者某東方Projectを知ってしまったから「頭突き」とか「要石」とかで別のキャラクター連想してしまうよなぁ。
それはさておき(←あ、珍しくかな表記だ)、両者の放った神箭&衝撃波が互いに衝突し、その衝撃か巨大な光が膨れ上がり、ギルスとカゲキヨを呑み込んだ!!
ギルス「うわっ・・・」
カゲキヨ「ぬ・・・」
カリア「ぎ、ギルスーーーっ!?」
☆まだつづく☆