(本シリーズの内容は一見実際のゲーム内容を模しているようにも思えますが、これまで以上に全くゲーム本編を無視して物語が進みますので余りにも鵜呑みにし過ぎると莫迦を見ます)
ドル足掻記
「STAGE62:壇ノ浦〜四〜」
・・・・・・ここはだじゃれのくに。
異世界よりの武者・カゲキヨを追って異界のダンジョンを巡るギルス一行であったが、これまた一風変わった世界に辿り着いてしまい、些か困惑の色を隠せない。
ギルス「だじゃれの・・・くに?」
そのギルスの呟きに反応するかの様に、突如ギルス達の耳に言葉が響く。まるで周囲の空気が声帯の如く震えているかの様だ。
『だじゃればかり いっているのは だじゃれ』
びしっ!!!
ギルスを除く全員が一斉に彼を指差した。
ギルス「なんだよう?そんなにボク駄洒落ばかり云ってるの!?布団が吹っ飛んだってボクは駄洒落なんてこれっぽっちも云わないよ?」
ホルス「お前・・・わざとらしいのは止めとけ・・・」
ところで、流石に元ネタ旧いゲームですので読者諸兄(諸姉・・・は居らっしゃるのかなぁ?)の中には何の事やらさっぱり、と云う方々も居られると思います。なので、少しばかり解説を。
本ステージ「壇ノ浦」の元ネタが往年のアーケードゲーム『源平討魔伝』である事は既に前回で触れておりますが、この『源平』に於ける最も印象深い要素のひとつがこの「だじゃれの国」です。
『源平』のゲームはプレイヤーキャラであるカゲキヨが地獄より復活した後、壇ノ浦の在る地である長門の国から「頼朝」の居る鎌倉へと転戦を続けるわけなのですが、途中「摂津」と「越中」の国が「だじゃれの国」として登場します。で、これらの国では少し進む毎に先程出てきたようなハイブロウな駄洒落がビシバシ出てきてプレイヤーを爆笑と失笑と失禁(ウソ)の坩堝(るつぼ)に叩き込んできちゃいます。
とは云いましても、この駄洒落類はただ出てくるだけではなく例えばそれに関連した敵が出たりして何らかの意味は存在はしてはいるのですが。それに、実のところはゲームを攻略する意味では絶対必須アイテムの『三種の神器(念の為、「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」「八咫鏡(やたのかがみ)」「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」ですね)』を入手するにはこれらの「だじゃれのくに」を通るルートを選んだ方が極めて効率が高い為に、『源平』に慣れ親しんだ人ならば絶対に押さえている筈のポイントでもあったりします。ま、筆者はまだクリアした事無いのですが!?
兎にも角にも、先へと進む事にした一行。
ホルス「で?カゲキヨの野郎はここに居るのか!?」
ギルス「(セレクトボタンを押しながら)うん、だいぶ離れているけどもどうやらこのエリア内には居るみたいだ。」
カリア「じゃあ急ぎましょう。」
・・・と、足を踏み出した途端。
『やはやだ』
ギルス「・・・え?」
先程と同じ謎の声が響くや否や、突如空を覆い尽くすかの様に無数の矢が雨霰(あめあられ)と降り注いでくる!!
ホルス「や、やべぇ!とりゃあ!!(←剣で矢を弾き落とす)」
セティ「い、イヤ、矢は厭ですぅ・・・・・・厭ダト云ッテルダロウガ糞ガァッ!!!(←カウンターの要領でホルスの三倍のペースで矢を落としていく)」
カリア「は・・・だから『矢はヤだ』なワケ・・・」
ギルス「(矢を落としながら)なに一人で納得してるのさカリア?キミも手伝ってよ!そのお得意の触角攻撃でビシバシ矢を落としてよぅっ!?」
カリア「出来るか!」
残念ながら「触角(カーボナディウム・アンテナ)」を縦横無尽に振り回して全方位を攻撃する<ハイパーX>『カリア・デストロイヤー』を発動させるにはまだゲージが足りないのだ。
カリア「違うッつーに!!」
ギルス「はぁ、はぁ・・・何とか、矢は全部落としたみたいだね・・・」
ホルス「ぜぇぜぇ・・・その様だな・・・どうやらここは『だじゃれ』の通りに敵やトラップが作動する仕組みになってる様だな・・・」
セティ「ふぅふぅ・・・つまり、まだこれからもこんな感じのワナが待ち受けてるって事ですか?」
カリア「(ひとりケロっとして)ふーーん。でも、ま、大丈夫よ何とかなるって。」
ギルス「キミ何もしてないじゃん!」
ざざざざざざ・・・
セティ「あぅ?」
先を進んでいると、はるか遠くから何かを引き摺るような音が聞こえてくる。それは段々と近付いて来る様に大きくなり・・・
『むかでが むかってくる』
セティ「厭ぁぁぁぁ出ましたぁ!!」
見るや全長10メートルを超えるような超巨大百足(ムカデ)がこちらへとにじり寄ってくる!!
ホルス「げげっデカい!こんなの相手するの相当骨折れるぞ!?」
ギルス「ムカデか・・・大丈夫だよホルス、ムカデが相手なら。ボクはムカデを追い払う魔法の呪文を知っている!」
セティ「はぅっさすがはギルスさまですっ!」
カリア「ホント?ナンかヤな予感が・・・」
ギルス「大丈夫だって・・・じゃ行くよ。」
ギルスは大きく息を吸って・・・声を張り上げた。
ギルス「(フォント四倍角でお読み下さい・・・うわ懐かし)おーーーい!そこのムカデくーーーん!!北崎サンがしっぺをしにこちらに向かってるよーーー!!?」
カリア&ホルス&セティ「・・・は?」
意味不明の言葉に硬直するカリア達。しかし彼女達の意に反して、はるか前方の大ムカデもまた動きを止めてしまっていた。
大百足「(声にならないような声で)ひ、ひ、ひ・・・」
この時、大ムカデの脳裏にはきっと次の様な科白が去来していたに違いない。
「あははは、ヤだなぁ琢磨く〜ん、僕が勝ったんだから約束通りしっぺさせて貰うよぉ!?」
大百足「ひ、ひゃああああ救けて冴子さーーーーんっ!!!」
たちまちにして大ムカデは走り去っていった。
ギルス「・・・ね?効果覿面(てきめん)でしょ!?」
カリア「やっちゃった・・・」
ホルス「やってしまったな・・・」
セティ「やってしまったですぅ・・・」
・・・ホントにやっちゃった。
実は本コーナー、所謂「平成版仮面ライダー」のパロネタをシリーズの度に登場させてしまっていたりします・・・しかも、ネタ登場させた時はいずれもリアルタイムに放映中。うわああああつまり足掛け4年って事じゃん!?更にこのままだと来年の次回シリーズにも跨(またが)っちゃうよ?これって何気に大長編連載!?
ホルス「ソレは違うだろッ!!?」
・・・て云うか、ライダー観てない人にはワケ解んなくてゴメンなさいね。
『やしがやしい』
『ほしがほしい』
更に進むと、道端に蓆(むしろ)が敷かれており、椰子(ヤシ)の木とヒトデ型した如何にもな星の模型が転がっており、その脇に笊(ざる)と値札が掲げてあった。如何にも地方に有りげな「無人野菜販売所」なアレな感じである。
ギルス「ヤシの木が3ゴールド・・・や、やし(安)い!!」
ホルス「そー来たか!」
セティ「『スーパースター』2000ゴールド・・・わたしこれ欲しいですぅ。」
カリア「で『星が欲しい』・・・いい加減にしなさい!」
セティ「でででも、これがあると点滅して無敵になれるんですよ!?」
ギルス「そうそれもスーパーアラビアンに。」
ホルス「それは違うだろ・・・」
ギルス「あ、そうか、ボク達はスーパーバビロニアンだね。」
カリア「そー云う問題じゃない!」
しかし、無敵状態になる「サモンズ・オン・ガールー」を使用すると★マークのステータスマーカーが付くのですがコレは単なる偶然でしょうか?
カリア「でも・・・ヤシの木は兎も角(て云うか何に使うのよコレ?)流石に星を買うにはお金が足りないわよね・・・」
『かねがね かねがねえ』
ギルス&カリア&ホルス&セティ「出たーーーーーっ!!!」
遂に出ました。
『源平討魔伝』数々の明言有れど、筆者の周囲での『源平』流行語大賞(?)は間違いなくコレですな。兎に角当時学生だった筆者達は何かにつけて「予々金が無ェ(かねがねかねがねェ)」でしたもん。
ギルス「かねがねかねがねえ。」
ホルス「かねがねかねがねェ。」
セティ「かねがねかねがねぇ・・・ですぅ。」
カリア「かねがねかねがねー・・・貧乏小国の課題よねェ。ギルス、経済復興政策考えといてね。」
ギルス「・・・しくしくしく。」
こー見えて弱冠15歳ながら国家元首。悩みは尽きません。て云うか国をほっぽってこんな事してていいのかよ?
ずーーん、ずーーーん、ずーーーーん・・・
ホルス「なんだ?この腹に響く様な音は?」
ギルス「カリアの足音!?」
カリア「何でやねん!あたしはそんなに重くない!!」
セティ「(しれっと)じゃあ体重いくらなんですか?」
カリア「ぐ・・・何気にこのコ痛いトコ突いてくるわね・・・」
筆者的推察!!セティやイシス様、お銀ちゃん(シルバードラゴン)といった女のコボス(一部違う?)は「アマゾネスのサンダル」とか「レビテイトブーツ」とか「イムドーグブーツ」とか何か身軽になれそうなアクセサリを装着してるのですが多分コレって「少しでも体重を軽く見せたい」って云うヲトメ心の顕れだと思いますですの!?どーかしらん?
カリア「ホラ見なさい、アンタだってちゃっかり体重誤魔化してるんじゃないのよ!?ヒトの事云えるの?あたしはそんなインチキアイテムなんか付けていないわよ!?」
セティ「あぅ・・・・・・シカシ貴様モ『いしたーノてぃあら』ヲ標準装備シテルノダロウ!!アレハ『勇気ヲ身軽サニ変エル』ジャネェカ!?同ジ事ダロウガ!?」
カリア「ううう・・・云ってくれるじゃないの・・・」
セティ「むーーー・・・」
ギルス「あの・・・ここでいがみ合ってる場合じゃ無いのですが・・・」
カリア&セティ「ギルス(さま)は黙ってて(ですぅ)!!!」
ギルス「ひいいっ!?」
ホルス「ま・・・お前が云いだしっぺだしな・・・諦めろや。」
流石にツッコミ役ホルスもこの姦(かしま)し娘(←三人居ないけど。でもこの漢字充てるとナンか卑猥に思える・・・)達には敵わないみたい。しかし、ギルス達のプロフィールって年齢以外は明確にはなっていないのでこー云った身長・体重って色々想像の余地がありますよね?ゲーム本編のイベントCGから察するとギルスの方がカリアより身長高いようですが、筆者的にはギルスの方が年下&まだ15歳で成長期に在ると云う理由で彼の方が小柄なイメージが有ったりします。
あと筆者的に凄く気になるのはやっぱり「カリアとセティ、どっちが巨乳!?」でしょうか。(←おい)
カリアは御存知の通り胸元を某アン△ラの様に強調してますが、セティも意外と胸にサラシとか巻いてたりして隠れ巨乳っぽいので・・・
カリア&セティ「ってナニ考えてんのこの色情狂!!」(←槍と触角のダブルパンチ)
ホルス「ってオレじゃねえ!?」(←予想通りにとばっちり)
因みにギルスのあの仰々しいブーツも実はシークレットブーツと云う疑惑も有ります。
ギルス「うそっ!ボクって実はチビっ子!?」
てか今思い付いたんだけど。・・・って、お前自分で気付かんのか。
ホルス「それより取って付けた様にネタ書くなよ!マジ進まねぇ!!」
すまぬ。で、その音の正体なんだけど、やっぱりどうやら遠方から何かが近付いてくるようだ。どんどん音が大きくなり、それと共に地響きも激しくなってくる。やがてギルス達の肉眼でも認識出来るようになったソレは、直径3メートル、全高5メートルは優に超えるかといった、注連縄(シメナワ)を張った逆円錐状の岩塊の群れであった!!
『かなめいしには かなうめえ』
セティ「あうーーーーーっ!?」
その要石達は各々が地面に落下したり、また中空に浮かんだりの反復運動を繰り返しながら徐々に近付いてくる!
ホルス「く、今度はアレでオレ達を踏み潰そうって肚かッ!!」
セティ「あ、あぅあぅあぅあぅ、あんな巨大な岩なんて対処の仕様が無いですようっ!やっぱりさっきのところで星を買っておけば・・・」
カリア「だからお金が足りないんだってば、」
『かねがね かねがねえ』
カリア「しつこいわよ!!どーするのギルス、さっきのムカデみたくなんか(インチキくさい)撃退法って無いの!?」
ギルス「・・・・・・非常の手段だけど、一つあるよ。」
おもむろにギルスはカードを一枚取り出した。その間にも要石は目前にまで近付いて来る。
セティ「あぅーーーっ!も、もうダメですぅ!?」
カリア「は、早くギルスっ!?」
ギルス「行くよ。・・・目には目を、歯には歯を、要石には要石をッ!!!」
ギルスはカードを要石の群れに投げつけた。宙を切って進むそのカードは・・・やがて『要石』に姿を変えた。
カイ「って、ちょっと待てええええええええぇえええぇぇぇっ!!?」
・・・・・・ずどん。
・・・彼らはその時、光る宇宙(そら)を見た・・・
一条の流星(ほし)が、宙を覆う闇を粉々に打ち砕き、その破片は月の輝きを受けて満天の星空の如く煌いていた・・・
セティ「わあ、綺麗・・・」
カリア「ホント・・・これで、この地に平和が戻ってきたのね・・・」
ホルス「・・・ああ。でも、オレ達の戦いはまだこれからなんだ・・・」
ギルス「そう。だから、あなたの犠牲は無駄にはしない。ボク達はあなたの事をいつまでも忘れない。ただ一言、『ありがとう』。そして『さようなら』・・・」
カイ「って待ちなさい!勝手に殺すな!!て云うかわたしは神族だから死なない!!!いやそれよりも御先祖をなんだと思ってるのよ?祟るわよ!?」
ギルス「HAHAHAいやいや軽いバビロニアンジョークですよ?」
ホルス「おい・・・」
セティ「あぅ、でもあの要石を一瞬にして殲滅出来るなんて、流石はカイさまですぅ!」
カイ「(頭をさすりながら)痛つつ・・・わたしじゃなかったら、どうなってたか判らないわよ・・・」
ギルス「流石は『バビロニアン・キャッスル・サーガ』世界最強の必殺技ですね、『カイの頭突き』。」
カイ「最強なんかい!!」
ギルス「次点は『カリア・デストロイヤー』だけどね。ゲージが溜まってたらそれで迎撃は容易かったんだけど・・・」
カリア「だからそんなの使えないってば!?」
また往年のファン感情を逆撫でする様なネタになっちゃいました。因みに東京創元社ゲームブック版「ドルアーガの塔」でドルアーガを撃ち抜いた『あの魔法』の正体も実は『カイの頭突き』だと・・・
カイ「云われてません!!」
セティ「・・・・・・!?」
そうしてわいのわいの騒いでいる中、セティは妙な視線を感じる。
ギルス「どーしたの?若しかして痴漢の視線?若しくはシスコン兄貴の!?」
ホルス「うるせぇ!!」
セティ「あぅ・・・なんか、あそこから、気配が・・・」
セティが指差した先には、暗がりに石灯籠が一つ、ぽつねんと立っていた。しかし、確かに彼女の云う通り何か怪しい気配・・・いや、魔力をギルスはひしひしと感じ取っていた。
ギルス「・・・誰だ!?」
『とうろう みつかったか』
カリア「シリアスっぽい展開なのにここでもダジャレ?」
だって「だじゃれのくに」だもん。
それは措いといて、ギルスの声を受けてゆらり、と灯篭の蔭から人影が染み出てくる。それは前へと一歩踏み出し、月光を浴びてその姿を顕わにした。
ギルス「・・・・・・カゲキヨ!?」
まだ続きます。しかも「だじゃれのくに」で。
☆まだつづく☆