(本シリーズの内容は一見実際のゲーム内容を模しているようにも思えますが、これまで以上に全くゲーム本編を無視して物語が進みますので余りにも鵜呑みにし過ぎると莫迦を見ます)

 

ドル足掻記

「STAGE63:パックランド」
〜TRIP2:その名は829〜









  セティ「ここが、最後の『島』なんですね・・・」
  ギルス「!!!」
  ホルス「ん?どーしたギルス?」
  ギルス「これは・・・」
  カリア「あ、あたしも感じる。この気配・・・
近くに闇のジュエルがあるわ!?

ギルス一行はカゲキヨの創り出した「壇ノ浦(STAGE62)」のダンジョンから脱出し、いよいよ異界からの群島の最後の「島」へと上陸せんとしていた。
しかし、ギルスとカリアは「島」に辿り着いた瞬間に違和感を感じる。生粋の戦士であるホルスやセティと異なり、魔力を持つ二人にはジュエルの持つ波動を感じる事が出来たのだ。

  ギルス「・・・・・・上かっ!?」

見上げた一行が見つけたもの・・・・・・それは何故か中空に漂っていた。
手には赤い手袋を着けて、足には淡く輝く靴を履いており、ついでに羽飾りをあしらえた赤い帽子を被る
等身大の月見団子のようなそれは、やや子供っぽい口調で言葉を発した。

  ???「
ナンだいアンタら?








最早説明するまでもなく、ギルス達が遭遇したこの巨大団子(?)は、前回長々と独白を連ねていたナムコのスーパースター、パックマンその人である。
「妖精の森」の女王タイタニアから貰った魔法の靴の力で空を歩いていたパックマンは、ギルス達に気付くとゆっくりと降下してその眼前に降り立った。

  パックマン「・・・で、この唄って踊れて
実は妻子持ちなスーパースターのオイラになんか用かい!?」
  ホルス「なんなんだコイツ、
ドッジボールみたいな図体してからに何がスーパースターなんだ?」
  パックマン「
うるせェぞこのシスコンが!喰っちまうぞ!!
  セティ「はぅぅっ、外見に似合わず怖い発言する人ですっ!?」
  カリア「・・・でも、初対面の相手にまでシスコン呼ばわりされるなんて・・・」
  ギルス「有名になったもんだねホルス・・・親友としてボクは嬉しいよ(ほろり)。」
  ホルス「
うるせーーーーっ!?
  ギルス「・・・と、冗談は措いといて、実はボク達
これこれしかじかの、
  パックマン「
かくかくうまうま、と。ナルホドね大体は解ったよ。」
  カリア「
今のやり取りでナニが解ったって云うの?

まあ行数の都合と云う事で。

  パックマン「でも、オイラはそんなジュエルとか云うモノなんて見た事も食べた事も無いよ。」
  ギルス「うーん、でもジュエルの気配はするんだよね。さっきは空の方に気配を感じたんだけど、今はなんか地上に降りたような感じで・・・」
  セティ「そんな、鳥さんじゃあるまいしジュエルに羽が生えて飛んだり歩いたりしてるっておっしゃるのですか?」
  パックマン「って云うか、
宝石形のキャンディ食べたくなってきたなぁ。ホラよく駄菓子屋で売ってたじゃない、こんな感じの・・・」

そう云ってパックマンは前回手に入れた謎の棒を取り出し、先端の宝玉をギルス達に示した。

  カリア「ち、チョット待って?それって、まさか、ジュエル・・・!?」
  パックマン「ん?コレがジュエルなの!?『ジュエル』なんて云うからてっきり宝石のカタマリだとか思っていたけど、この棒が!?棒付きキャンディの一種かと思っていたけどなァ。」
  セティ「キャンディって思っていたなんて凄く喰い意地が張っておられるのですね・・・」
  パックマン「おうよ!!」
  ギルス「それも、その蒼い輝き・・・まさかまさか、
サファイアメイス!?そうか、キミがジュエルを持っていたのかっ!!」
  ホルス「・・・・・・
ジュエルの気配を感じたところにコイツが居たんだから、そう考えるのが自然じゃないのか・・・?」





  ギルス「と、兎に角!ボク達はそのジュエルを集めているんだ、ソレを渡してもらえないかい!?」
  セティ「お願いします!」
  パックマン「・・・やだね。」
  ホルス「なンだと!?」
  パックマン「
やだいやだいやだいっ!コレはオイラのものなんだっ!!オイラが拾ったんだいだからオイラのモノなんだコレを持っていたら何だかスゴい力が湧いてくるみたいなんだもうドツクゾーンがどうにかなっちゃうくらいに!!だから渡すことなんて出来るモンかいこのパゥワァはオイラのもんだうひゃあはあぁははは・・・
  カリア「と、突然に壊れちゃった!?」
  ギルス「
闇のジュエルの魔力に憑かれてしまっているんだっ!
  セティ「
そんな設定有りましたっけ?

・・・・・・多分
無かったと思う。
でも、ゲーム本編でも闇のジュエルの出現によって突然ゴブリンやオーグルが近隣の村を襲いだした(STAGE2STAGE5参照)とか、「黄泉の門」が開いた関係で本来野生動物であったアックスビークが凶暴化した(STAGE32参照)とかの事実は存在するので、「闇の魔力」が(同じ闇の属性を持たない)生物に対して何らかの悪影響を及ぼすのは間違い無いと思うけどね。

  ギルス「えええっ!?それじゃもう
かれこれ何十個もの闇ジュエルを『浄化』したボクは既に大量の闇魔力被曝に晒されているとかっ!!?そんな、この紅顔の美少年が白血病で亡くなるなんて何たる皮肉!?
  ホルス「えらい話を飛躍させてないか?」
  カリア「(顔を赤くしながら)
そ、そしたら若しかして生殖機能なんかにも悪影響が出てたりして、だったらあたしギルスの赤ちゃん産めなくなっちゃうっ?
  セティ「
更に話を飛躍させすぎですぅっ!!ってお二人はそこまで関係が進んでらっしゃるのですかぁっ!?あぅーーーーーっ!?
  ホルス「
ってまた話が脱線してるじゃねーかーーーッ!!!
  パックマン「
うるさーーーーーーーーーーーいッ!!!

パックマンがそう一喝すると共に、彼の手に握られていたジュエル・・・・・・サファイアメイスが強く輝き、ギルス達は思わず目を覆ってしまった。ギルス達にジュエルを奪われる事を拒むパックマンの意思に呼応する様に一層ジュエルは輝きを増す。
 ・・・・・・暫しして、輝きが治まった時、ギルス達が目にしたパックマンのその手にはサファイアメイスは無く、代わりに銀色をした小箱のようなものが握られていた。

  パックマン「・・・どうしても、あのジュエルとやらが欲しいと云うのなら、力ずくででもオイラから奪ってみるんだね!」
  ホルス「どのみち戦闘かよ!まあコレまでの展開から考えりゃ当然の流れか!?よっしゃ来い!いくぜギルス!!」
  ギルス「・・・・・・」
  セティ「ギルスさま?」
  ギルス「・・・あのパックマンの手にあるもの・・・気になる。まさか・・・」
  セティ「!?」
  ギルス「いよいよ出るのか!
筆者が一年半以上も前にネタを考えておきながら更新が全然進まなかった関係で旬が過ぎた今頃になって出さざるを得なくなったあのネタが!?
  カリア「ナンなのよソレは?」

・・・ゴメンなさい、本当にこの点については反省しております・・・





 パックマンは無言で、手の中にある小箱のようなものを開ける。その中は箱のような空洞ではなく、いくつかの数字と文字の描かれた文字盤のようになっていた。
パックマンは何故か慣れた手つきで、文字盤の数字を押していく。
ぴこりん。
ぴこりん。
ぴこりん。

  カリア「
『8』・・・『2』・・・『9』・・・・・・?」
  ホルス「ナンなんだ?その数字に一体何の意味が!?」

次いでパックマンは文字盤の下部にある「ENTER」と書かれた部分を押す。
と同時に、その謎の物体から、無機質で奇妙な音声が発せられた。

  
”standing by...”

  セティ「はわわわっ!?」
  ホルス「なんか、ヤな予感がするぞ・・・
色んな意味で・・・」

パックマンはおもむろに箱(?)を閉じると、それを頭上高く掲げ・・・

  パックマン「・・・・・・
変身!!
  ギルス&カリア&ホルス「
うわーやっぱり!?
  セティ「あぅ?」

その箱モドキを何故か出現していた腰のベルトに挿し込むパックマン。
因みに巨大団子に目鼻眉口手足をつけたようなパックマンの容姿では、
ベルトはまるで猿轡(さるぐつわ)のように見えるのは秘密である。

  
”......complete.”

再び発せられた謎の音声と共に、パックマンの身体は今度は紅い光に包まれる。
全身を駆け巡る
紅いフォトンブラッド(←おい!?)の奔流が静まった頃、ギルスたちの目の前に立っていたのは・・・





それは、先程までの巨大月見団子(しつこいなオイ)なパックマンとは似ても似つかぬ存在であった。
それは等身大、と云うか筋骨隆々とした人間型の形態をしていた。その右手には素朴なつくりをした木製の戦棍が握られ、左手には妙に無骨な皮製の弓篭手のようなものが嵌められていた。頭には「N」の字が大きく描かれた赤い帽子を被り、その身体はところどころに紅いフォトンブラッドのラインが描かれた白い着衣を纏っていた。

  パックマン?「今の俺はパックマンに非ず!俺は
さすらいの四番打者、その名も『仮面バッター829(ぱっく)』だ!ジュエルとやらが欲しいのならば、この俺と勝負だ!!」
  ギルス「つ、遂に現れたな『ぱっく』!」
  カリア「ってちょっと待ってよ?
ここは『パックランド』のステージでしょ!?
何の因果でこーゆーキャラクターを持ってくる展開になるのよっ?脈絡無さ過ぎ!!
  ぱっく「
前のステージで『クイズミ△オネア』をパクった展開になるSTAGE62・弐参照)方がよっぽど脈絡が無いだろうが!?
  セティ「それはわたし達のせいじゃないですぅっ!」
  ホルス「それ以前に
何でテメーがその事知ってやがる?
  ギルス「兎に角!その勝負受けた!!でも、そちらが『変身』なんてしてきた以上、ボクも対抗させてもらうよ!・・・
このネタも結局放映中に出せなくてその結果更新休止を宣言してしまった大きな一因になったって噂の・・・」
  カリア「
わーその話はオフレコでしょーーっ!?

重ね重ね申し訳ありません・・・
しかし今回は色々とハジけてますね。大丈夫か筆者!?
さて、兎にも角にもギルスは懐から二枚のカードを取り出した。

  セティ「イシスさまと・・・?」
  ホルス「バルスツーカだと?ナニをする気だ!?」

ギルスは答えずに、左手の手袋の中に女王イシスのカードを挿し込む。
すると何故か先程パックマンが行ったと同様に、しかし別の声色の音声が流れた。

  
”...absorb "QUEEN".”

  セティ「はぅっ今度はナニが始まるのですかっ?」
  カリア「まさか!?」

次いでバルスツーカのカードが挿し込まれる!

  
”......evolution "KING"!!”

直後!ギルスの周りに一陣の旋風が巻き起こり、懐から13枚のカードが舞い上げられてギルスの周りを周回し始めた!!

  カリア&ホルス&セティ「
おおおおおおっ!?



・・・・・・妙な引きですが次回に続く。






 

☆まだつづく☆  

 

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