当コーナーの記載事項はある程度実際のプレイに基づいていますが、時として嘘・強調・紛らわしい表現が多分に含まれている恐れが有ります)

 

ドル足掻記
「STAGE50:闇騎士の館(前編)」
 
 

 

 ひょんな事からクローヴィスと再会したギルス。いつの間にやら二人してナーガル神の神殿へと赴く事となった。

  クローヴィス「(路傍の立札を見る)『この先、《闇騎士の館》』とあるが・・・」
  ギルス「館かぁ。きっと
明るく健気だけど芯は強いメイドとか、目元は鋭くてややタカビーだけど体型はグラマラスなメイドとか、大人しくてドジっ娘だけどメガネと雀斑(そばかす)がチャームポイントなメイドとかがお出迎えするのかなぁ。」
  クローヴィス「(爽やかに)ははっ、ギルス君
物凄く別のゲームを想像していないかい?」
  ギルス「でもクロちゃん、そこの館のディナーでデザートに
羊羹(ようかん)出されておまけにバトラー(闘士ではなく執事)に『よう噛んで食べなはれや』なんて云われるよりはマシでしょ?」
  クローヴィス「でもそのようなベタっぽさが筆者向けと云えなくも無いけどね。」

因みに、筆者いわゆる「館モノ」は一般・18禁の区別無くプレイする事が無いので幾分かの偏見と誤解が混入している恐れの有る事を予めお断りさせて頂きます。

 

 

 

  エンカイド「・・・ところで、実はこのステージも次のSTAGE51と連結がややおかしい事に気付いたかな?」
  ギルス「そう!実はここも
ホントはSTAGE51を経由しないと到達出来ないんだけども、STAGE51って実はやっつけステージだし、大きな問題も無いからって結局ステージ数通りに話を進めているんだよ!」
  クローヴィス「って云うよりもいきなり出てきた彼に驚くのが先じゃないのかな。・・・って、ギルス君と同じ顔?ううむどっちがホンモノなんだ?」
  エンカイド「おいおい俺は
髪も瞳も鎧の色さえも違うのだから見分けつくだろ?(STAGE30参照)」
  クローヴィス「うん、そうかもしれないけども
明らかにハッキリ区別出来るものでも取り敢えず真偽が判断出来ず慌てふためくのが特撮ものの登場人物の役目かと思って。」
  エンカイド「これはカードゲーム風RPG(?)であって特撮ヒーローモノじゃないぞ!?なあオマエら!」
  配下のミラーナイト達「イィーーーーーーッ!!(
前回参照)」
  ギルス「
・・・まんまじゃんか。

それよりも、当初は爽やかツッコミ系(?)で行くつもりであったクロちゃんまでボケに回してしまう方が問題ではないかと筆者は密かに思う。

  エンカイド「それは兎も角、(突然ポーズを決めて)どぅええぇぇい!!ふはははは、やっと来た様だな、ギルス!」
  ギルス「まだ特撮ノリかいな。・・・・・・エンカイド!!お前が、闇騎士だったのか!?まあいい、いずれにしても『黄泉の国』入りした時点でアンシャーやお前と決着をつける必要が有るのは解っていたし。今度こそ、お前を倒す!!」
  エンカイド「・・・そこに有るゴールドアーマーや、神からせしめた武具でか?」
  ギルス「!!!」
  エンカイド「ククク浅はかだな、キサマがその装備を集めている間、俺が何もしていないと思っていたのか?
ずっと自分の城の玉座で座ったまま配下の殆どが倒されて自分の部屋に勇者どもが侵入してくる状態に在っても今だ自分が壊滅的危機に有ると判断出来ずに勇者に『良く来た世界の半分あげるから仲間にナン無い?』とかパーティジョークにすらならん的外れトークをかます大魔王とかなら兎も角、俺や我がマスターがそこまで抜けてると思うか?」
  ギルス「
STAGE30見たら抜けてるって思うよ、ぷっ。」
  エンカイド「あああキサマ、ヒトの古傷(?)をを!!それも元はと云えばキサマの性格をコピーした所為だろうが!」
  クローヴィス「(二人のやり取りを無視して)
『何もしていないと思ったか』だと?・・・・・・こう云う時、大体囚われのヒロインに危害が及んでいるケースが多い・・・・・・・・・・・・まさか?(急に激昂して)貴様ァァァァ!!セリアに何をしたぁぁっ!!!まさか、まさか嫌がる彼女に無理やりアンな事やコンな事でトびたいなアンアンアンって、うわああああああっ!?」
  エンカイド「なあああコイツいきなりなにハジケてやがるんだ、
って云うかセリアって誰だ?
  ギルス「・・・まさかと思うけど、
クロちゃんHなゲームの影響受け過ぎ?
  エンカイ
ド「って云うか筆者の影響だな。

まあ、STAGE23のアンシャーの科白では有りませんが、家庭用ゲーム機の倫理基準ではンな心配は無用でしょう。アドバンスの「ストリー△ファイター’89(旧名)」なゲームでも、「市長令嬢に下着姿させるのは忍びない」と服を着せてあげるくらい悪の組織にはイイ人揃ってますし。

  エンカイド「キサマが神から光の武具とやらを手に入れたように、この俺も闇の武具を手に入れたのだ、見ろ!!」

と云いながらエンカイドはそそくさと着替え出す。

  エンカイド「(小声で)あ、すいませんディレクターさんここカットしといて下さいね。
  クローヴィス「(正気に戻った)まるで『明石△マンション』のニュー△マンみたいだね。」
  ギルス「
って云うかさっきの『どぅええぇぇい』のポーズもニ△ースマンそっくりだったよ。
  エンカイド「(着替えながら)
へっへっへどうだツッコミ入れたくなっただろう?
  ギルス&クロ「別にー。」
  エンカイド「(のけぞりながら)クソー負けたぁーーーっ!」

なんなんだお前ら。
 そうこうしている内に、エンカイドは着替えを終了した。それまでの白銀の鎧ではなく暗青色の鎧をまとい、右手には女性の胴回りはあろうかと云う巨大な、まるで始祖鳥か恐竜の足を連想させるような篭手を装着している。もともとエンカイドは邪悪なオーラ(とボケボケ怪電波)を放っているが、この二つの装備からはそれにも劣らない禍禍しい気配を感じてしまう。

  エンカイド「待たせたな。どうだ感じたかこの禍禍しさを!これが『イビルアーマー』そして『イビルゴーントレット』だ。さらに・・・」
  ギルス「
妖刀ざっくり丸?
  エンカイド「違う!!」

エンカイドは傍らのミラーナイトから布包みを受け取ると、それの中身を取り出し始めた。剣の様だ。しかし、その剣はこれまた小柄の女性の身の丈はあろうかと云う巨大なもので、妖しく黒光りし、刀身の真ン中にはまるで生きた目玉のような紋様が施されている。

  エンカイド「コレが、マスターが俺に授けてくれた呪いの魔剣『ソウルエッジ』だ!!この暗黒の武具を以ってして、今度こそキサマを倒してくれる!」

 

 

 

  ギルガメス「・・・・・・まずい!!」
  カイ「あ、ごめんなさいギル、
あなたの焼き魚少しだけ焦げ目が入っちゃったの。」
  ギルガメス「いやいいんだカイ。君の作る料理は絶品だから不味いなんて事は無いよ。」
  カイ「ギル・・・」
  ギルガメス「カイ・・・」
  道化師ユーメル「
HAHAHAアンタ達そんな呑気に惚気(のろけ)てる場合かい?ところで奥サンおかわり。」
  カイ「
と云うよりどうしてあなた人の家に上がり込んでいるの?
  ギルガメス「しかも飯までご相伴かい。」

ギルガメスとカイは一旦天界の自分達の住居に戻っていた。迂闊に自分達が勝手に動くのはアヌ神の意向に反する(STAGE48参照)し、また変にアンシャーを刺激しない様にする為でもあった。しかし、それでもギルスの行動は逐一チェックをしていた。

  ギルガメス「・・・そうだ!私が『まずい』と云ったのは、アレだ!『ソウルエッジ』・・・アンシャーめ、あんなものを持たせていたのか・・・自分の部下に・・・」
  カイ「なんなのそれは?まるで
バレーボール部のサーブする時の声援みたいなのは。」
  道化師ユーメル「HAHAHA
『そーぅれっ(じ)』てかい?相当無理のあるダジャレだよまるで王子サマとどっこいどっこいだね!・・・ソレは置いといて『ソウルエッジ』は、魂を喰らう魔剣さ・・・。」
  ギルガメス「破壊と殺戮しか知覚しない、闇の戦士を生み出す呪われし魔剣・・・・・・」

 

 

 

話を戻しまして「黄泉の国」。
 エンカイドがソウルエッジを手に掲げた途端、剣の「目玉」が大きく見開かれた。そして、剣から異様な咆哮が響き出す。

  ソウルエッジ「クホォォォォォォォォォォォォォ!!」
  ギルス「あの剣・・・生きてるの?」
  クローヴィス「ギルス君!見ろ!!」

剣の咆哮に呼応するかのように、エンカイドが身に着けている邪悪なる鎧と篭手から幾条もの暗黒のベルトの様な物がせり出し、彼の五体に絡みつき、締め上げてくる。

  ギルス「クソウ!やはりあいつ緊縛マニアだったのか!?STAGE30参照)」
  クローヴィス「それは
オリジナルである君もそのケが有るって事をヤミに云ってないかい?それにこの事態はそれどころじゃないだろう?」
  エンカイド「違う、これは・・・。フ、そうか、そうだったのか、マスター、アナタの狙いが判りましたよ、アナタは、俺を・・・」
  ソウルエッジ「クハァァァァァ!!」

エンカイドの言葉の終るのを待たず、魔剣が再び奇声を発すると、剣が真ん中の溝(樋)からパックリと割れ、そこから血の様に赤い、まるで異形の怪物の舌のような物体が伸びてきて、最早頭部以外は完全に拘束されたエンカイドの口めがけ飛び込み、ずんずんと彼の体内に侵入していく。

  エンカイド「ぐっ、ご・・が・・・・・・」
  ギルス「あわわわわ・・・」
  クローヴィス「まさか、アイツ、
剣に喰われてるんじゃないか?」
  ギルス「ええっそんな!?止せやめるんだエンカイド!このままだとキミは存在出来なくなる!!
キミは、ボクとお笑いユニットを作るのが夢だったんだろう?」
  クローヴィス「それは違うと思うよギルス君。」
  エンカイド「ぐぐぐ・・・・・・。か。か・・・、構わん!!」
  ギルス「!!!、そ、そんな・・・。
ボクとユニット組みたくないと云うのか?
  クローヴィス「そこから離れた方がいいよギルス君。」
  エンカイド「ぐぐ・・・お、俺は・・・。ホンモノに、なりたかった・・・。キサマを倒す事で、俺が、正真正銘の、オリジナルで、居たかった・・・・・・。だが、俺は、キサマに勝てなかった。偽者は、どこまで・・・いっても・・・偽者でしかなかった・・・・・・。俺が、俺が、偽者ではない『何か』に成れるのならば、俺は・・・・・・俺である事を棄てる事も厭(いと)わん!!」

ゲーム・マンガ・アニメなどでいわゆる「主人公のコピー」な偽者の悪役が登場する事がまま有りますが、彼らのアイデンティティって一体なんなんでしょう。生まれながらにして「偽者」と云う認識しか持たれない彼ら。そんな彼らがオリジナルである主人公に抱くのは憧憬?羨望?嫉妬?憎悪?・・・彼らが主人公に敵対するのは、彼らを作った悪の親玉に対する忠義心では無くて、「主人公に取って代わりたい」自我の顕れなのかも知れません。そして、その想いが途絶えた時、彼らは何を思うのでしょう。「オリジナル」に成れないのならば、「オリジナル」で無くても「偽者」ではない何かに成ろうとするのではないでしょうか?・・・・・・例え、それがこれまでの自分を棄て去ることでも。いや寧ろ、これまでの自分が「偽者」であったからこそ。

  ソウルエッジ「ゴフェフェフェフェグハァ、」
  エンカイド「ぐぐぐぐぐ、ぐがぁぁぁぁぁ!!」

魔剣から伸びる「舌」がエンカイドの体内を蹂躙していく中、彼が大きく悶えると同時に、再び鎧から伸びる黒い条鞭が、彼の頭部を、そして既に拘束された右手の魔剣をも覆い尽くす。漆黒のベルトに覆われたその異様な姿は、さながらボンデージ風の木乃伊(ミイラ)で有るかのようだ。全身を完全に拘束された途端、エンカイドは動きも声も発しなくなった。

 

 

 

  ???「グググググ・・・」
  ギルス「もう昼時か。クロちゃん腹時計正確だね。」
  クローヴィス「違うよギルス君。音の発生源は僕じゃないし、何より、あれ・・・」

如何ほどの時が経ったのか。少なくとも、そう長い時間ではなかった筈。ここが「地獄」にも関わらず、まるで地獄の底から響くかのような唸り声と共に、エンカイドを包む黒い帯皮に亀裂が生じ、分断されていく。
そして、そこから現れたのは・・・

  ギルス「い、一本角!!デュークオ△グ!?

ちげーよ。そこから現われたのは、暗黒の騎士。「黒」では無い。アックスナイト(ブラックナイト)の黒とは違う、総ての光明を喰らい尽くさんとするかの様な深い暗黒。先程の鎧の色は暗青色であった筈なのに。
右手には、巨大な鳥か恐竜の手足を思わせるような篭手。それもやはり深い暗黒。その手には、ギラギラと妖しく瞬(またた)く眼球を持った漆黒の魔剣。
騎士の頭部には、それまで無かった筈の兜が据えられていた。やはり鎧その他と変わらずの暗黒で、その額には鋭い衝角が一本長く伸びていた。

  ギルス「エンカイド・・・?一体・・・・・・」
  ???「
えんかいど?誰ダ、ソレハ・・・

騎士がしゃがれ声で喋った。いや、若しかしたら剣が喋ったのか。

  ???「我ガ名ハ『ないとめあ』。ないとめあ?誰ダソレハ?ソレハ我?ソウ・・・我カ、我カモ、シレ・・・うおおおおギルス、今度こそ俺は、キサマを・・・・・・、きさま?きさま何サマ俺サマ??誰ダオ前、誰ダ誰ダ俺ダオ前ダ誰彼構ワズ斬ル、斬レ斬ラレテ斬ッテ斬ル時斬ラレバ・・・・・・・・・
  クローヴィス「何だこいつ、記憶が混乱してる?」
  ギルス「クロちゃん構えろ!迫ってくるよ!!」
  ナイトメア「
・・・ヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ!!!
  ジョッ△ー、で無くてミラーナイトの皆さん「イーー・・・・・・」(←完全に無視されて、ちょっと寂しい)

 

 

・・・うわぁナイトメアの登場だけで一話分使ってしまったよぅ、大丈夫かこの配分で?
 さて、遂に登場した暗黒騎士ガ△ア、で無くてナイトメア。彼との死闘は次回後編で。

 

 

☆つづく☆
 
・一話先に
・一話前に
・戻る