バイオリン工房 OUCHI
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2005年ドイツ修業
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新作・修理可能な楽器は
受けますが、
生徒は受けていません。

 



 

Stradivari Ex-Hilton 1726
Caporale & Ochandoにて。


今日もスローに暮す
八王子のバイオリン製作研究家



無骨な楽器は今の技術で鳴るようになるのか。

ドイツから帰り楽器のイメージは古いドイツ風の楽器であった。
ストラドに比べて表板と裏板が膨らんでいる。
鳴らない楽器だ!!
さて無骨な楽器は鳴せるであろうか?
ある部分を交換したところ、ネックまで振動するようになった。
演奏者は戸惑うかも? 笑

   




ガルネリタイプを作ってみた。
諏訪内晶子さんはストラドからガルネリデルジェスに
楽器を変えた。彼女は手に取った瞬間に感じた
「運命のバイオリン」と言ったとか。

ストラドに比べ少々小振りなので、低音部に一抹の
不安があったが全体のバランスは取れているようだ。

    


 



簡単で懼れる事ないニスの塗り方

ニス塗りには高度な技術は必要ではありませ
ん。 ニス塗りにはアルコール、オイルなど幾
つかの方法があるが、固着すれば何でもOK。
今回は絵の具を使った塗り方を紹介したい。

塗り方
白木に下処理をし、透明ニスを塗り、乾燥させ
る。
次に絵の具(オイルニス)をポリッシングしただけ
で斑なく塗れる。
左は白木、右は1回塗っただけ。
乾燥器で一時間待つと、次の作業に進める。

 
               1回目の塗布

表板だけ剥離し再塗装した。



二回目の塗布は全体に塗ってみた
    




この小さな楽器を鳴り響かせるのには。


またまだバイオリンの不思議について語ることは出来ないが、
現時点で小生が考えている良い音を生み出す基本的なバイオリン製作方法についてお話ししたい。
ここでご紹介するのは弦から発せられる振動を駒を通してバイオリンのボディーに効果的に伝えられ増幅される手段についてである。.


実験を繰り返す中で判明してきたことは。

@過去の先人が伝えるように板厚とニスに何かが?
簡単に言えば振動する振動板を作ることで、木材の振動にニスを塗布することで音に張りを付けるということである。

A駒とバスバーと魂柱の設定方法ではないだろうか。

B音を増幅させるために表板と裏板の振動差を探る。




見方を変えたバイオリン製作。

木材の経年変化で木材に結晶が発生し、名器特有な音に
影響している可能性があるのではないかと検討した。
2011年一年かけて素材を探した。当時セルロースナノフアィ
バーの結晶を開発していた東大の磯貝明教授から実験用に
頂いたくことになった。
早速楽器の下地に塗布したのだが、音が硬くなり時間を待
った。

2016年重たく硬い音に変化が無く手直しをすることにした。
表板の裏面を削ってみたが硬い音には変わりはなかった。
楽器自体も重たい。
下地のセルロースを塗り過ぎたようだ。
塗布したニスの面を水引きしたところ音の響きに変化が。

さて今後は?

     





   4年ぶりに日本バイオリン製作研究会の
展示会が開催されることになった。

こんな楽器は如何ですか?

特に薄板作りではない、ニスは松脂+オイルだ。
時間が経つに従いネットクラックが発生するが、音は良い。

松脂を入れるとニスとしては失敗か

          

見えますか?ネットクラックです。
鳴ります。




裏板の接着に失敗したが、裏打ちをして使ってみた。
古楽器に見えますか?

この楽器は無量塔蔵六先生の評価は良いニスとの評価であり、
 裏板の張り合わせについては一言もなしには小生も驚き。

     



 大ホールでも響く二胡

実際の音を聴くために中古品を購入した。
駒は無かったので製作し、弓は毛替えした。
蛇の皮恐るべし。


                    
     



闇の中で光をつかめ
ベートーヴェンにまつわるエッセイ集

ドイツ文学者向井みなえさんが女性の視点から見た
ベートーヴェンの作品を歴史背景から世に問うエッセイで
す。


ウエーブアドレス  https://sites.google.com/view/schneeweiss



  ALSと闘うマエストロ富川智さんの
バイオリン製作への篤い思い。

 富川さんは昨年まで福島只見の工房で活動していたが、
 現在は神奈川のご自宅に。
   

        


身体の痛みと闘いながら205台目の
バイオリンを製作していた。
   


2005年ミッテンバルトコンペティションに参加した
富川さんとイタリア・クレモナの製作者と
  




   2022年新春コンサートは鎌倉芸術館での
 ゾリステン49を楽しんだ。
 徳永ニ男先生の指導の下で続く演奏会だ。
 新年早々キラキラ遠鳴りのストラドの響きを聴ける事
 になった。
 ソリストの方の演奏を聴いていてキラキラ遠鳴りする楽
 器の正体を知らなかった。(漆原啓子さん演奏)
 徳永先生に確認したところストラドと知った次第でした。

       

      



早いもので東日本大震災は10年が過ぎた。

2021年8月東北の旅で石巻に寄ってみた。
石巻の楽器屋さんは廃業していた。




小生は震災の3年後に被災地を訪れていた。
津波に遭ったサルコヤ楽器店の様子から改めて津波の怖さを実感した。


ビオラケースを開けたところバラバラになっていた。
修理はしないで震災の遺物として市に寄贈するとの事。
         


泥に塗れたピアノが数台置かれていたが、
ボランティアにより修理されたピアノでの演奏会は行われたようだ。
         

ご主人が製作したチェロは流されずに残ったのだが、
大きなベースは流され今だに発見されていない。
           

      
 当時ご主人は新潟に疎開し奥様に震災の写真を拝見しながら説明を受
けた。
       



1


日本初のマイスター無量塔蔵六親方が逝く
2020年1月30日 享年92歳
ご冥福をお祈り致します。

2年前にバイオリニスト川畠成道氏と
ご自宅を訪問した懐かしい写真。











17年前に製作した裏板を生かして造り直しているが
果して鳴るのか?
昔し製作したパーツを再製利用だ。


ラベルは手書き


ニスを剥がしたのでこんな色に。趣きがある。

裏板に合った上板を探したが、少し合わない。
裏板のM5の振動数Xヘルツに合わせバスバーを切って行く事に。


スクロールも小さくしてみることに。




駒の形を変えて検証した。


果して楽器の音は如何に変わったでしょうか???

・左端はごく普通の駒、
・左から二番目は目玉の下左右脇を削ってみた。
・三番目は足のブリッジ部を丸く削ってみた。
・四番目は目玉を大きくしてみた。
五番目は足のブリッジ部を丸く削ってみた。

・四番五番は目玉が大き過ぎると世間では異端児の声が?



駒を作ってみよう!!


古い書物だが。
鈴木政吉氏の三男鈴木真一氏が昭和12年に発刊した著書。

この時代既に日本でもバイオリンの駒に関する研究が進められて
いて現在でも古くない内容だ。

  

  








2019弦楽器フェアー開催
オリバー・ラトケ(ドイツ)出展
ノイシュバンシュタイン城の麓の町フッセンより




バイオリニスト松村純子さん

  
バイオリニスト川畠成道さん

 


バイオリン制作の匠紹介


ドイツマイスター庄治昌仁さんのブースの前にて


弦楽器協会会員 朝光利明さん


イタリアで活躍しているKenji Miyagawaさん





機器での測定値と人の評価に違いが

120年前ドレスデンで製作されたシュタイナーの模造品を
プロの先生方に弾いて頂いたのですが弾き難いと不評であった。

この楽器振動を測定したところ3,4,5オクターブと激しく
振動していたので、鳴る楽器と勝手に思っていた。  
しかし再度表板の厚みを調べてみると表板の厚さに
問題があることが解った。                
上下回りが3,2mmで中央が1,9mm〜2mmとなっていた。
全く反対の厚みなので裏打ちをし厚みの調整をした。

楽器の修理を石膏で固定して薄板を裏打ち。
面の曲線が強く平らな板で補強すると板が割れるためだ。
ダイソウで容器を購入し、手持ちの1KGの石膏で作業開始。

 

石膏を流し込んで型を取った。
右が貫き方だが凹んでいるのだ。
    

薄板を粘土と砂だ圧着させ、接着させてからグラッドニー測定の結果だ。



 






過去に失敗した部品を再利用して組立ててみた。

表板が側板と少しズレているが気にしない。
指板は折れてしまったのを繋いで使用し、良く見ると繋ぎ目が!!
ニスは全部剥離し2日半で6回塗りでフィニッシュだ。
ピカピカに仕上げるには9回程度だが6回でもこの程度。
次は5回フィニッシュにも挑戦だ。

でも不思議だ鳴らないので捨てた部品が今度はなるようになった。
バイオリンは不思議な楽器だ。??????

下町バイオリンはまだまだ楽しめそうだ!!
 



   暫く振りの新作に挑戦です。

このところ新作を製作はしていなかった。望みの音はなかなか出な
いものだ。そこで過去に製作した楽器に手を加えて変化を調べてき
た。裏板と表板の振動による音の変化である。幾つもの組合せを試
してみなければならない大変な作業である。
何が掴めるのか分らないが基礎実験を繰り返しているわけである。

今回は作者不明のメシアのモールドと著名な製作家から頂いた裏板
で製作することにした。
裏板の上下に新聞紙が貼られているのには意味がある。この部分
が最も剥がれ易いのだ。板の接ぎにはセンター部を少し湾曲させ隙
間を明けて切削すると、接着時にセンター部にクランプ一つで固定で
き上下の接着面に強い圧力が掛かり剥がれ難くなる。

  
    作者不明のメシアのモールド    著名な製作家から頂いた裏板
                        新聞文字は可也古い字体だ。

      
   泊川式のモールドに作り直した。


裏板表面の切削は光を当てみた
左右の面が綺麗に切削されている。

 


完成です。
新しい事に挑戦しましたが響きません!
下町バイオリンは失敗か?
暫くニスの乾燥を待つことにする。







 ITALIAN VIOLIN GARDEN 開催
 
カポラレ&オチャンド主催
2018年11月21〜23日


大手町の三井住友銀行東館ライジング・スクウェア1階アース・ガーデン
  

Antonio Stradivari NACHEZ 1716
これ20億円だそうです。


主催者のMrパコ氏が演奏するこのチェロもストラドなんですよ。



成田達輝氏による試奏
Strad 以外にAndrea Guarneri 1638, Del Gesu 1730,を試奏。









2018弦楽器フェアー開催

ドイツマイスターのオリバー・ラドケが来日
早いもので昨年初来日し2年目となる。
小生にはとても出来ない素晴らしい楽器を展示した。


イタリアクレモナで活躍し世界に素晴らしい作品を発信している
高橋明氏と菊田浩氏
 

ドイツマイスター庄治昌仁氏はバイオリンの音を知っているマイスターで、
製作・修理・調整と代官山ミュージックプラザで活躍。
 





この楽器鳴りますかね。

勿論Stinerではありません。ドイツの専門家に確認してもらった結果ドイツの
ザクセン州(州都ドレスデン)製で120年ほど前ものであることがわかった。
木材が古いので研究の一環として手直しをしてみた。
中を開けてみると、バスバーは後付でなく掘り込んである。ペグボックスの左
側は亀裂があり補強した。両サイドのブロックは無かった。当然亀裂があるが
補強した。

              
    

修理
  

手直し完了
  

振動測定をした。
測定は駒の中心部にシリコン玉を45度角で当てた。
測定に当たり比較する為に2台の楽器を用いた。

偽物Stiner
 
鳴っている。不思議だ?

1833年製
 
そこそこ鳴っている。

小生の楽器
 









StradとDel GesuのF孔面の面積を調べてみた。
楽器には音に与える様々な要因がある。
F孔面のG部を30mmでH部は100mmにして楽器を製作してみた。普通の
楽器のG部は41mm程度であろうか。
全体的に硬い音になり、特にE線は極端に硬い音になったしまった。F孔
面の面積が狭くなるので当り前といえばそのとうりであろう。
ならばどの程度にすれば良いのか調べてみる事にした。
今回は過去の名器のデータを調べてみた。
データはStradのC1666年〜1734年までの7台とDel GesuはC1727〜
C1743年の7台を調査した。(資料は専門誌からのものである。)

結果
Stradの1666年の作品はアマティの影響が強く面積は狭いのだが、1679
年頃から面積が広くなっていった。相対的にStradに比べDel Gesuは多
少面積が狭い傾向にあることも解った。しかし例外にDel Gesu1743年の
CannonはStrad並の面積であった。
一概には言えないが最も振動の影響を受ける部分の面積が音に影響す
るのは事実であろう。
ちなみに小生の過去の楽器はDel Gesuに近い傾向であった。

   
         StradとDel Gesuの年代別面積チャート        測定箇所

                                     


 
古く見えますか?
汚く見えますか?

オールド加工はなかなか大変です。
ニスを塗ってから使い込んだようにするわけです。
内部はセンターにパッチを貼りセンターの剥がれを修理したかのよう
に加工し、白木の状態なので薄く色付けし汚れを付けます。
今回ある展示会に出展したところいろいろご意見を頂きました。
ニスの塗り方が下手だ、センターの貼りが上手くない、内部のパッチ
は何ですか? 等でした。
しかし不思議な事に出展前に91歳になる某製作家に評価して頂い
たのですが、良いニスだね、と評価を頂き少々驚き!!

      



第16回日本バイオリン製作研究会2018開催

日時 2018年5月19日〜20日
場所 池袋自由学園明日館

重要文化財明日館は2年間の耐震工事を終え戻って来た。




バイオリンの試奏は三澤裕美子さん
2日に渡り素晴らしい試奏を披露して頂いた。


チェロの試奏



会場風景
 





ピアノ大瀬戸亜紀子さん バイオリン三澤裕美子さん




遠鳴りは本当に起こるのか?
おもしろ話し

名器は音が遠くに飛ぶと語られてきました。
NHKの特番などでもストラドの実験の結果で指向性が優
れていると報告されている。

本当に音を遠くに飛すことはできるのだろうか?
まだ原因がよく解っていないが音が遠鳴りする事実をご
紹介したい。
その分野を研究されている慶応大学の武藤佳恭教授に
お話を伺った。
 
VSJ川原会長 武藤教授

武藤教授の基礎的な実験を湘南キャンパスで拝見する
ことになりました。
実験の内容
一見"下敷き"としか見えない薄板にオルゴールを右手
で押さえて音を出すもので、その下敷きを曲げていくだけ
のシンプルな構造だ。エレキは全く使っていない。
ご存知だろうか、オルゴールは機械部分だけを鳴らして
も少し離れると音を確認することはできない。
教授は実験を見せると屋外での実験を実施して頂けまし
た。検証人は小生とVSJ川原会長と教授の助手でした。
実験の結果
小生は50mまで離れて音を確認す事ができた。更に助手
の方は30m以上離れ手を振った。結果として80m以上離
れても音を確認する事ができたのだ。ちなみにキャンパ
ス内には学生の話し声などの雑音があった。
このような現象が起こる原因についてまだ良く解っていな
いのだ。






弦楽器フェアー2017開催
ドイツマイスターOliver Radokeが初出展した。




バイオリニストが試奏して下さいました。

     
松村純子さん            川畠成道さん




   

権龍模さんがこの場でお客さんを指導








Stradのニスの真実は?

Stradのニスからは松脂が検出はされていますが、密着力が弱いのです。
この何百年ニスの研究は進んでいて、きっと良いニスになっているのでしょう。
当時のニス技術はどうだったのだろうか? 単純に調べています。

小生が勝手に製作したStradのニスです。
まだ2回しか塗っていませんが、よく密着しています。
これからが楽しみです。

 

次第に色が出てきました。光っているでしょ。
 

フレンチポリッシングで一気に色が出た。
オールドにするために表面を処理し、またポリッシング。
   

完成です。
 







           綺麗な塗りとオールドの塗り

オールドにするのは意外と大変。
上は普通に綺麗に塗りました。(ストラドのニスです)
下は普通に塗ってから面を剥がしたりとして古く見せました。
色素を用いて特殊な塗装をします。
いづれの塗装も刷毛は使いません。慣れれば色付きもよくなります。

上はストラドのニスで処理し、下はアルコールニスとのコラボです。

            

           





ドイツマイスター無量塔蔵六親方に会いに行きました。

親方はご高齢ですがお元気でお過ごしでした。
バイオリニスト川畠成道さんとお弟子さんの芸大大学院
卒佐藤さんと三人でお伺いしました。
親方は日本人で始めてドイツマイスターを取得され、日
本を代表するバイオリン製作家として国内外で知られて
いる方です。
この五反田のご自宅から多くのお弟子さんを輩出され、
日本のバイオリン界に多大な偉業を残されました。




 
川畠成道さんと佐藤さんに小生の楽器を弾いてもらいました。


川畠さんは一度お会いしたい方と忙しいスケジュールを
調整し同行してくれました。





 




ストラドのニスの研究

Stehan-peter Greiner著書のニスの解析が正しいのか検証をしてきた。
まだまだ解らない事が多いいのだが現状を報告する事にした。


既に翻訳内容を記述しているようにニスの成分は松脂が検出されているよう
である。
松脂を用いて幾つかの実験をしてみた。
@松脂を焼いてそのまま塗ってみたところ、黒い面が強くあのストラドの
  色ではないことが判った。しかもネットクラックが酷く現れた。    
  接着力が弱い。
A松脂を焼かないでアルコールで溶解し塗ってみた。          
  接着力が弱い。     
B松脂にリンシードオイルを加えて塗ってみた。              
 その配分を半々にしてみたが、乾燥が遅く可也時間が掛か った。
Cリンシドーとダンマー、セラックに松脂を小量加えてみた。      
  光沢や硬さもあったが、乾燥に時間がかかり音に影響した。
D極性の違う材料を使用すると問題が起きることがある。

どうも松脂は小量艶出しに用いるのが良いのではないだろうか。
               


 


  熟成作品の紹介

15年物のガルネリモデルです。
このタイプの楽器はストラドモデルに比べ容積が小
さく、板が厚いことが特徴です。
従って音が出難いのです。
小生はこんな楽器に興味があり一時期4台ほど制
作してみた。
一時ギブアップした。
いろいろ手直をしてようやくバイオリンの音になっ
た。

 

 


11年物です。
高音は誰でも出せるが、低音はなかなか出ないんですよ
これも制作上の技術で解決した。

 


9年前の実験作品。
最先端技術が生み出した物質を塗布してみた。
このところ世界的に注目を集めて来たセルロースナノファイバーの
結晶を9年前に東大大学院磯貝教授より研究用として試料の提供
して頂きました。
木材の主成分の結晶を塗布することはごく自然であり、人工的に
古木の音がでるのか挑戦した。

 

  



国立で松村純子先生のストリートパホーマンス




演奏前のご挨拶
 




 


川畠成道さんニコロ・アマティを弾く 

既に川畠さんはストラド2丁を弾いている。今回は1682年製アマティを弾くことになった。
このアマティは弟子のアンドレア・ストラデバリに強い影響を与えた楽器だ。
アマティとしては珍しく面がフラットになっていて、現代バイオリンの原形ともいえる。
バイオリンの原点を知り更に演奏に磨きをかけるのではないでしょうか。





 

八王子の小さな演奏会

ドイツ文学研究家の向井みなえさんはビオラが好きで2005年に小生が製作したビオラを持参
されて演奏をして下さった。
向井さんは先月もご夫婦でオーストリーに旅をされ楽しんでこられました。
大学でドイツ語の先生をされていた向井さんは最近リンデ・ザルバー著書のザロメを翻訳さ
れ、リルケを世に出したザロメの生涯を女性の目線で翻訳されました。

週に一度開かれるこの小さな演奏会場には直木賞作家芦原すなおさんが中心となる演奏会
で芦原さんはエレキギターを演奏しています。芦原さんの代表作は青春デンデケデンデケでお
馴染です。

 



ミュンヘンの演奏家の処へ嫁ぐことになった。

愛称草(Grass)は特に思い出深い楽器だ。
スクロールに草の彫刻を施し、大胆に穴を開けた。
日本では馬鹿にされるが、ドイツでは比較的珍重視され、
シュタイナーの彫刻は有名である。

娘を嫁に出す気持ちだ、
可愛がって下さい。
 


フェルナンブーコの特性を生かした
バイオリンの製作研究

フェルナンブーコと言えば弓の材料で知られてる。
この材料を科学的に評価した松永正弘先生の論文か
らヒントを得て実際にバイオリンを製作し検証する
ことにした。
松永先生は現在森林総研にお勤めで京都大学大学院
の時にフエルナンブーコの特性を研究された方で
す。


仙台石巻のサルコヤ楽器店へ

震災復興のシンボルとして報道されているサルコヤ楽器
店を訪れた。
表通りのお店は津波で流され駐車場になっていた。
今は裏通りのお店で楽器販売を開始していた。

ピアノは10台程流されのだが店員やボランティアの方々
によって再生され、震災当時石巻で震災に遭ったシャンソ
ン歌手のクミコさんが再生したピアノの伴奏で歌ったので
す。
大きなコントラバスは発見されませんでした。
ビオラを拝見しましたが、ケースの中でバラバラになりカビ
だらけでした。
再生はできるのだが費用がかかることや臭いがあり震災
遺品として保存されたままでした。

石巻から気仙沼へと足を延ばした。


バイオリンを弾き込むと何故
良い音になるのだろうか?

演奏者や製作者は弾き込むと音が良くなることは経験的
に理解している。
果して理由、原因は何であろうか?

1,楽器完成直後と振動数150Hzを20H与えFFT測定した
結果を比較した。

2,楽器の弾き込み経験のあるバイオリニストに実体験を
聞いた。

3,木材に振動を与えた場合の影響を調べた論文を探し
た。


デルジェス風楽器の改造
厚板は本当に鳴るのだろうか?

10年前にガルネリ・デルジェスのCannonを真似て製作した楽器は音が出ないので、お蔵入りしていた。
実物の音を知らないのだが、取り合えず作ってみたが、当然板の質が
違うので無駄な努力であった。
裏板のタッブトーンを少しづつ落として様子を見ることにした。

結果は良いものではなかった。
Cannonの裏板本当に6.2mmなのと疑うところだ。


倍音を発生させる

好みの音にするのにはどの様に製作すればいいのか?

Surene Arakelianの著書The Violinの中に経験的な記述があり
振動波形を計測したところ、製作条件を変えると共振による
倍音の発生変化が見られた。
演奏者は敏感に倍音を感じ取り、測定結果と同様の評価をし
た。
この技術で響きがあり張りのある明るい音、また柔らかく甘
い音の楽器の製作にすることが可能になった。

遠鳴りと倍音の関係については今後大きな会場での検証が必
要である。

バイオリン名器の音色、現代物と大差なし?

パリ大学の研究チームが3日米化学アカデミーで発表した。

2010年米インディアナ州で開かれた国際コンテストに集まった21人のバイオリニス
トに協力してもらい、奏者に楽器が見えないようにブラインド演奏してもらい18世
紀のストラディバリウスや、現代の最高級バイオリン6丁を演奏してもらった。
一番良い音を尋ねたところ安い現代のバイオリンの評価が高く、ストラディバリウス
などはむしろ評価が低かった。
これまで、材料、塗料、製造法などの分析でストラデバリィウスなどが優れている
特段の理由は解明されていない。研究チームは「今後はストラデバリィウスの秘密
を探るより、演奏家が楽器をどう評価しているのかの研究に集中した方が得策」
と、名器の歴史や値段が聞き手の心理に影響している可能性を指摘している。

読売新聞1012年1月4日報道

小生の意見。

小生は材料についての指摘には疑問がある。
木材の経時変化による結晶化は明らかであり、音に影響する。
しかし心理的な面を知ることも重要である。
奏者が好む音にも傾向があるのではないか。
音量、音質など測定可能なデーターから演奏者や視聴者にどのような反応がある
かである。
古典バイオリンの多くが本当に良いとする妄想から、今後はバイオリンの評価基準
が変わる事を期待する。

しかしバイオリンは不思議な楽器で機械的な評価では分らないものがあることは
事実で、小生も古楽器を聴いて違いを感じるのは事実だ。
奏者の腕でしょうか?


Stradivari Vanish

ドイツ滞在中に抽選に応募し当選したストラディバリウス
のニスの分析本。
ストラドのニスの内容を翻訳してあるのでご覧下さい。

研究チームはストラドのニスに類似したニスを完成させた。

Brigitte BrandmairとStefan-Peter Greiner著書で
Scientific Analysis of his Finishing Techniqe on
Selected Instraments