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from bookland 232号   ★今月の新刊紹介★ <2005年3月>



「水ぬるむ頃」というのはちょうど今頃ではないかと思います。木々の冬芽もしっかりふくらんで、 「いつでも若葉を出しまっせ」というところです。 冬の間、全く放ったらかしにしていたメダカたちも、「水がぬるんできた」せいか、動きが激しくなってきました。 昨年の12月頃からは全くエサもやらず、氷の張っている日が何日もありましたが、屋外の4つの水槽のメダカたちは、 一匹の脱落者もなく春を迎えています。もう少し暖かくなったら、水を替えて、水草も新しくして、と思っています。 昨年は各地へもらわれていきました。今年も昨年同様たくさん孵化してくれたらいいのですが...。



2月16日(水)には、美土呂のフルーツフラワーパークに早い春を探しに行きました。 というと、何だか詩的でオシャレな気分に感じるかも知れませんが、「HPに梅の写真を載せたいが、近場でええとこないか」と、梅の花を撮るためだけに行ってきました。木によっては結構花をつけているのですが、まだまだです。 温室の中は別として、1年で1番花の少ない時期に行ったのでしょう。実に殺風景でした。しかも、 ウィークディの夕方、雨模様、客は数人しかいません。ぶらぶらと歩くにはかえっていいかもしれません、 ところが、歩いていると何か違和感があるのです。敷地内の何ヶ所かにスピーカーが設置され、音楽が常に流れているのです。 さすがに演歌やロックではなくイージーリスニングといった曲でしたが、それでも、はっきり言って、「小さな親切、大きな大きなお世話」以外の何ものでもありません。 加古川市営だと思いますが、入場無料だし、小さな子ども連れの家族や老人たちも安心して行けるところだし、 春から秋にかけては人の手が入っているとはいえ、フルーツもフラワーも見たり採ったりできるようだし、手頃な施設だと思っていたのですが、全くの興ざめです。いつもにぎやかな場所ではないはずです。 静けさを求めて行く人もいるはずです。少なくとも音楽を聞きに行く人はいません。喫茶店でさえBGMをやめているところが増えているというのに、何という感覚なのでしょう。これだけは即刻やめるべきだと思います。 こういう例は他にもあるかも知れません。公共施設からタバコを締め出すように、よけいな“音”も締め出してほしいものです。



冬から春へ季節が変わると、読みたくなる本も春の香りがします。
いわむらかずおさんのリスの三兄弟の四季を描いたシリーズの春の巻、『もうはるですね』は春を見つけた子リスたちの喜びが、押さえた色調で描かれます。
もう一冊の『もりのあかちゃん』は鮮やかな桜の花を背景に、おなかをすかせた小鳥のあかちゃんを助けます。(各1,260円)
また、水ぬるむ季節ですから、水の中の生き物たちが登場する絵本もこの季節にはぴったりです。
まずは、おたまじゃくし。おたまじゃくしといえば、 『おたまじゃくしの101ちゃん』
(かこさとし作 1,050円)ザリガニ、ミズカマキリにおそわれてピンチ!
『999ひきのきょうだい』(木村研・文、村上康成・絵 1,050円)は一匹だけおたまじゃくしのままの一番上のお兄ちゃんが大活躍。こちらはヘビに狙われます。折りたたみページのしかけも見どころです。
メダカが登場するのは『そらまめくんとめだかのこ』(なかやみわ作 780円)水たまりで迷子のめだかを見つけたそらまめくんたちは、めだかを小川に運ぶために知恵を出し合います。
このほかにも春をみつける絵本、読み物がたくさんあります。ぜひ手にとって見つけてください。


さらに、この季節は卒業(園)、入学(園)の季節でもあります。『谷川俊太郎詩集どきん』(1,733円)文庫版(567円)もあります。この中に収められている「卒業式」という詩はとても素敵です。
『みんなともだち』(中川ひろたか・文、村上康成・絵 1,365円)は卒園しても、いつまでも友だちでいようと約束して別れにのぞむ子どもたちです。
『いちねんせい』(谷川俊太郎・詩、和田誠・絵 1,050円)は新しい世界に飛び込んでいった期待、喜び、ちょっぴり不安を平明な 言葉で著した詩の絵本です。小学校1年生だけでなく、すべての一年生に通じる心情かもしれません。


何かが終わり、何かが始まる、春はそんな季節です。人との別れ、新たな出会い、そんな季節でもあります。 何となく心騒ぐ季節です。巡る季節の一番初めは春。北海道の大地に根をはって巡る季節を見続けてきた「はるにれ」の大木。 その四季を映像だけで表現した写真絵本『はるにれ』(姉崎一馬・写真 945円)は、 この季節のジオジオのイチオシです。今月の”気になる本たち”で紹介しています。



2005年3月 もとはる


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