■救済詩<URGE編>
Devil
黒い翼に包まれて眠りについた
しめやかで心地よい静寂に身をゆだねて
鋭い無数の鋼の羽
やわらかい肌が震えている
あなたが私を見ている
三日月のような優しく残酷な瞳で
まどろむ私は願う
この美しい魔物の餌食となることを
その鋭いくちばしで胸を裂かれれば
血反吐を吐いて恍惚にふるえる喜びを……
安らかな悲鳴を、深紅の肉片を、暗闇に堕ちていく身体を……
私は本当の喜びを知り
真実の涙を流す
流れでる深紅の血は涙とともに
深淵の谷間に注がれ
切り裂かれた肉片は
瑠璃色の結晶にかわる
まどろむ私は目覚める
生まれかわった意識となって
私は羽ばたく果てのない闇を
いまこの身体は
美しい魔物の翼となり瞳となり
私は永遠の眠りについていく
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