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PC-9800シリーズの転換期

資料が不足しているため現在集めています。間違いがありましたら申し訳ありません。

1992年の、いわゆるコンパックショック(ソフト的に日本語処理をするDOS/Vを搭載した低価格のパソコンをコンパックが売り出しました)の後、NECも低価格戦略とWindows完全対応を目指したマシンを作りました。前者が98Fellow、後者が98Mateです。

この、コンパックショックを機にNECもアーキテクチャの転換を進めることになります。

PC−9801Bシリーズ(98Fellow)

従来のPC-9800シリーズの路線ながら、PC/AT互換機に対抗するため低価格を打ち出したものです。Cバスは1スロット削減して3スロットに、FM音源ボードは非搭載、そしてFシリーズにあった「ファイルスロット」や「SCSI専用スロット」はありません。

後のモデルではPC-9800シリーズとしては破格の10万円を切るものも出現しました。これは主要部品を中国製にしたことで実現したものでした。

最初は1.44MBフォーマットやVGAは「9821仕様」と言うことで非サポートでしたが、後のモデル(PC-9801BX4)では9801型番でもサポートするようになりました。

変わり種として、Pentiumオーヴァードライヴプロセッサを最初から搭載したものもありました。ただし、ベースはi486のものでしたから、本物のPentium機と比べるとスペックは落ちました。

なお、PC-9801型番で純粋なPentium搭載機は最後まで出ませんでした。

PC−9821Aシリーズ(98Mate A−Mate)

Fシリーズの基本機能(ファイルスロット、SCSI専用スロット)を継承し、さらにPC/AT互換機との親和性も図ったモデルです。1.44MBフォーマットの読み書き、VGAのサポート、256色対応、ローカルバス搭載(NESAバスとは互換性がありません)、PCM機能を持ったPC-9801-86音源搭載と当時としては驚異的なスペックでした。PC-9800シリーズのアーキテクチャーで切り捨てたものはないため、PC−9801Fシリーズを先に買った人は臍を噛んだ逸話が残っています。

しかし、Windows3.1が動くようにマルティシンクディスプレイなどをあわせて購入すると70万円〜100万円もしました。

PC-9800シリーズのDOSゲームをするには必要十分なスペックなので、今もPC-9800シリーズの愛用者はA-Mate使用者が少なからずいます。

さらにPC-9821Afは国産最初のPentium搭載パソコンでした。ただ、癖が強いのでA-Mate愛好者の間でも人気は余りありません。

後のモデルでは1MBフロッピーインターフェイスの省略、マウスコネクターの形状変更、14.6MBを越えるメモリ増設の可能など、従来のPC-9800シリーズからの脱却が始まっています。

なお、A-Mateだけの特色としてオプションにハイレゾボードが存在します。ローカルバスに接続するボードですが、これによりPC-98X,PC-98RLシリーズやPC-H98シリーズのハイレゾ用のソフトを動かすことができます。

A-Mateの詳細についてはこちらをどうぞ。

PC−9821Cシリーズ(98Multi 後のCanBe)

A-Mateからローカルバスとファイルスロット、SCSI専用スロットを省略し、代わりにCD-ROMを標準搭載したモデルです。ディスプレイとのセット販売、ソフトのバンドルが標準で今でこそ当たり前ですが、当時としては画期的でした。

主に家庭用を意識していました。他社のDOS/Vパソコンでもこうした志向の製品(例えばPanasonicWOODYなど)がこの時代は存在していました。

初期のPC-9821CシリーズはPC-9801-86相当音源を、後期のマシン(Pentium100MHzクラス以降)のシリーズはPC-9801-118相当音源を搭載しています。後者のFM音源はWindows上で高速な反面、DOSゲームで使うには特殊な方法が必要です。

また、CanBeの中にはCバスを全く持たないものもありました。

家庭用パソコンと言うジャンルは結局普及はしませんでした。PC98-NXへアーキテクチャを転換する際、CanBeNXも構想にはあったようですが、実機は登場しませんでした。

PC−9821Bシリーズ(98Mate B−Mate)

98FellowをベースにWindows3.1を快適に動かすためのグラフィックアクセラレーターボードを内蔵したモデルです。A-Mateのファイルスロットの代わりにファイルベイを用意してあり、CD-ROMなどが内蔵できました。

Mateを名乗らせるには少々物足りないスペックと言うのが正直なところですが、98Noteなどで採用した仮想FDD機能や初代A-Mateと違って14.6MB以上のメモリを実装できるところなど、細かい部分では手が入っています。

B-Mateは4機種のみの発売でX-Mateへと発展解消します。

PC−9821Nシリーズ(98Note 後のLavie)

A4サイズのノートパソコンです。後のモデルではCD-ROMが標準搭載になりました。最終モデルのPC-9821Nr300はSVGAですが、過去にはXGA対応モデルも存在しました。

Windows95対応を意識したマシンから、vf1vf2Windowsキーなどを装備するようになりました。

PC98-NXになってもLaVieNXVが大文字)の名前で名前は継承しました。ビジネスユースにはVersaProと言う別な名前になりました。

PC−9821Lシリーズ(Aile)

Lavieより少し小さい、B5サイズのノートパソコンです。基本的にFDDは外付けで、専用の接続端子を持っていました。Aileの名称はPC98-NXにもAileNXの名前で継承しましたが、いつの間にか使わなくなってしまいました。

PC−9801P

キーボードはなく、スタイラスで操作するパッド型パソコンです。登場が早すぎた、悲運のパソコンでした。PC-9800シリーズでのペンタイプパソコンは後にも先にもこれだけでした。


なお、A-Mateや後述のX-MateにはPC-PTOS対応モデルが存在しました。これはN5200システムの置き換え用を意図したものでした。

 

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