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PC-9800シリーズの終息期

資料が不足しているため現在集めています。間違いがありましたら申し訳ありません。

Windows3.1とそれに続くWindows95はGUI(グラフィカルユーザーインターフェイス…コマンド入力のようなおまじないを打たずにパソコン操作が可能)ベースで使いやすく、あっという間に普及していきました。それと同時にパソコンの性能が上がり、日本語処理をハード的に処理するメリットが薄れつつありました。

こうした中でPC-9800シリーズを始めとした国内メイカーは性能競争と価格競争を行いましたが、独自規格では価格競争に勝てません。X68000を作ったシャープも、FM Townsを作った富士通もPC/AT互換機に鞍替えする中、それでもNECはかつての圧倒的なシェアを武器に、独自規格で頑張り続けました。しかし1997年、ついにNECも事実上のPC/AT互換機であるPC98-NXに鞍替えしました。そして2003年、PC-9800シリーズの生産は終了しました。

PC−9821Xシリーズ(X−Mate)旧タイプ

初期のX-Mateにはi486マシンのPC-9821Xp/Xs/XePentiumマシンのPC-9821Xn/Xfがあります。

元はB-Mateの発展形でした。PC-9801FシリーズやA-Mateのファイルスロットに代わり、PC/AT互換機で一般的なファイルベイを搭載しています。

CPUPentiumを搭載した機種からPCIバスを搭載するようになりました。音源はWindows用にPCM音源だけ搭載しました。また、廉価仕様のものの中にはPCM音源がオプションのものもありました。

PC−9821Xシリーズ(X−Mate)新タイプ

シリーズはX-Mateのままでしたが、大きな変革が起きました。

マイクロソフトとインテルの提唱するPC95規格に準拠するようになったのです。これにより、PC-9800シリーズのPC/AT互換機化が加速することになります。

まず、シリアルポートの高速化と2ポート実装が標準になりました。うち1ポートは主にIrDA規格の赤外線通信受光器をつけることを意識した仕様です。これはPC/AT互換機のシリアル端子と同一の形状、ピンアサインです。

型番にはクロック周波数を示す数字が入るようになりました。PC-9821Xa7ならばPentium75MHzPC-9821Xa12ならPentium120MHzと言った具合です。

タワー型の一部では型番がPC-9821Sとなっているものもあります。

もちろんPCIバスはサポートしており、標準で2スロット差せるようにしてありました。うち1スロットはグラフィックアクセラレーターボードをつなぐのが、一般的でした。

PCIボードは多くがPC/AT互換機と共用できるためユーザーもメーカーも便利でした。それまでのNESAバスやローカルバスは過去の遺物となってしまいました。(PC/AT互換機にしてもEISAバスやVLバスが同じ運命をたどっています。)

これが1990年代後半のPC-9800シリーズの標準となりました。PC-9800アーキテクチャのマシンで最も入手がしやすいのはこのX-Mateです。

なお、変わり種として、USB標準搭載機種もありました。

PC−9821C/Vシリーズ(Cereb)

PC-9821の中でも変わり種の機種98Cerebがありました。28型のワイドTV型のモニターを付属したものもありました。

キーボードはワイヤレスで、マウスはキーボードに有線でつけました。そして、98CerebUSB端子を持っていました。

最上位機種はDVD-ROMを搭載していて、PCと言うよりはTVに近いイメージでした。

PC−9821Vシリーズ(Valuestar)

X-Mateの機能を一部省略(PCIスロットを1つ減らすなど)し、代わりにバンドルソフトを大量につけたコストパフォーマンスの良いモデルです。

最初はX-Mateの廉価版と言う位置づけでしたが、タワー型モデルも出るなどPC-9800アーキテクチャーの最後の頑張りを見ることができました。

後のモデルはデザインが変わる(山猫モデル・青札モデル・流星モデルと言う俗称があります)など、個人ユースをターゲットにしていました。このため、NECがPC98-NXに鞍替えした時、個人用のパソコンにはValuestarのブランド名をつけました。これに対して企業向けのブランド名にはMateを採用しました。

PC−9821Fシリーズ(98Fine)

主に企業ユースを想定した、デザイン重視のスタイリッシュなPC-9800シリーズです。液晶モニターを搭載した省スペース一体型で、背中合わせに置くことを考慮した作りになっていました。PC98-NXに鞍替えした後もFineNXで愛称が残りました。

なお、以前98Fineを個人ユースを想定と記載していましたが、「蘇るPC-9801伝説」によれば企業ユースの想定だそうです。訂正します。

PC−9821Rシリーズ(R−Mate)

主に企業向けを意識したモデルで、X-Mateの機能に加えセキュリティー対策に重点を置いています。また100Base-TPCI直結で持っており、この辺りも企業のイントラネットユースを考慮したものでした。

この頃になると、ハードウェア的にはほとんどPC/AT互換機同然になり、PC-9800の互換機能を持ったPC/AT互換機と言ったイメージになります。初期のPC-9800シリーズのソフト(N88BASICのもの)には動かないものがあります。

R-Mate初期はCPUPentium Proを搭載していました。16bitソースの残るOSであるWindows95では十分な速度が期待できなかったため、プレインストールOSはWindowsNTでした。

タワー型(Rv型番)のものもあり、これはPCIバスを3本搭載していたため、拡張性に優れていました。

末期は個人ユースの販売を中止し、First Pointなどの専門店で細々と販売をしていました。

 

20039月、PC-9800シリーズの生産は終了しました。これをもって、コンピュータの国産アーキテクチャは全て消滅しました。かつて、MSX、FM Towns、X68000と多様なアーキテクチャがあって、互換性に苦しんでいた時代が、妙に懐かしいです。

かつてのPC-9800シリーズの宿敵(?)だったMacintoshもハードウェアレヴェルでWindowsが動くようになりつつあります。これも時代の流れなのかも知れません。

 

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