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PC-9800シリーズの発展期

資料が不足しているため現在集めています。特にEPSON互換機についてはほとんど情報がありません。記事に間違いがありましたら申し訳ありません。

PC-9801VMの登場で揺るぎのなくなったPC-9800シリーズは、基本的なアーキテクチャを変えないまま、高性能化を進めて行きます。その過程でEPSONから98互換機が登場しました。

PC−9801Vシリーズ

PC-9801VF/VM/UVの後継機種として80286を搭載したPC-9801VXとその3.5inchFDD版と言えるPC-9801UXがありました。PC-9801VXも名機で、長くPC-9800シリーズの標準となりました。

なお、互換性の観点から80286V30の両方を搭載しており、ディップスイッチを切り替えて使うようになっていました。(両方同時には使えません。)これは後述のPC-9801Rシリーズも同様です。これはV30独自の命令セットが存在し、それは80286では使えなかったからです。光栄のゲームソフトが遅くまでV30命令を使っていたようです。

80286搭載機種が出現してもまだV30は現役で、PC-9801UVは小型化したものを継続販売していました。

PC−9801Rシリーズ

Vシリーズの後継機種でCPUV30も装備しているグループです。このモデルからキーボードにVF1VF5キーがつくようになりました。でも、メカニカルタッチなので人気があります。

なお、最上位機種のPC-9801RA80386を搭載している32bitパソコンでした。CPU換装なしでWindows95が動作するのはこの機種からです。

なお、3.5inch仕様のものではPC-9801EXがありました。

PC−9801Dシリーズ

このシリーズからCPUV30を装備しなくなりました。また、PC-9801-26K相当のFM音源を搭載しています。Rシリーズと能力的な差異が余りなく、スペック的にはぱっとしない機種でしたが、最初からFM音源ボードがついているのがホビーユースには親切でした。

PC−9801Fシリーズ(FA/FS/FX)

Dシリーズ同様、PC-9801-26K相当のFM音源を搭載しています。また、この後のA-Mateが継承する「ファイルスロット」、「専用SCSIボードスロット」を装備しています。

しかしこの時代、フラッグシップモデルはFシリーズではなく、後述のPC−H98シリーズでした。

なお、最上位機種のPC-9801FAi486SX 16MHzを搭載しています。サードパーティーのCPUアクセラレーターに換装すると、PC-9821Apにオーヴァードライヴプロセッサを載せたのとほぼ同じ性能になります。

ただし、Fシリーズは1.44MBフォーマットには対応せず、ファイルスロット内蔵フロッピードライヴPC-FD321を使っても、1.44MBフォーマットは読めません。

PC−9801Nシリーズ(98Note)

東芝のダイナブックが売れたことで作ることになったPC-9800シリーズのノートパソコンです。初代PC-9801NV30を搭載していました。

液晶は当然、カラーのはずはありません。この時代は白黒ではなく白青のモノクロ液晶でした。(後に白黒液晶になります。)

初期のノートパソコンはハードディスクを内蔵せず、代わりにプロテクトメモリーの一部を不揮発性のRAM Diskにできるようになっていました。これをRAMドライヴと呼んでいました。ハードディスクが標準搭載となった後も機能自身はWindows3.1搭載モデルの頃まで残っていました。RAMですので高速起動が可能で、DOSユースには便利でした。

後にPC-9821NPC-9821Lシリーズに発展しました。

 

この他に変り種として以下のものがありました。

PC−98Xシリーズ

1120×750と言う変わったハイレゾモードを持つもので、初代のPC-98XAはNEC初の80286搭載機です。ただし、これはハイレゾ専用で普通のPC-9801のソフトは動きませんでした。

キーボードが少し特殊で、カーソルキーの真ん中にHOMEキーがありました。これは他のPC-9800シリーズでも使うことはできます。

PC-98XL以降はノーマルモードも装備するようになり、ハイエンドのPC-9801と言うイメージになりました。

これらはPC-H98シリーズへ発展します。

PC−H98シリーズ(ハイパー98)

PC-98Xシリーズの後継機種です。ハイレゾモード、従来のCバスに代わるNESAバス装備(Cバスのボードも使うことができました)など、ハイスペックを売り物にしたPC-9800シリーズです。しかし、非常に価格は高く、普通の人には手が出せませんでした。

なお、後期の一部にハイレゾモードのないPC-H98シリーズがあります。

これらはA-Mateへと発展解消していきます。

PC−98LTシリーズ

ラップトップのPC-9800シリーズで、後のPC-9801Nシリーズへと発展します。

PC−98DO PC−98DO+

PC-8800シリーズとPC-9800シリーズの両用機です。PC-9800モードではPC-9801VM相当の能力を持っていました。

PC−98GS

PC-9800シリーズに「マルティメディア機能」を追加した意欲的な機種でしたが、当時のCPUスペックでは今一歩でした。この機能は後のA-Mateが引き継ぎます。

PC−98HA(HANDY98)

PC-9800シリーズのポータブル版と銘打ったものですが、一般のPC-9800シリーズのソフトは動かないため、使い勝手は良くありませんでした。グラフィック系で互換性の低い、専用のN88Basicで動かしました。

PC−9801CV

10インチディスプレイ一体型で、コンパクトにできています。(Macintosh Classicに通じるデザインですね。)

後のPC-9821Cシリーズに通じるモデルです。教育実習の時、これでテストを作った記憶があります。

PC−9821(98Multi)

CD-ROMを標準搭載する、次世代のPC-9800シリーズと銘打ったものです。A-Mate以降の型番がPC-9821となりますが、そのルーツはここにあります。ただし、無印PC-9821自身はPC/AT互換機との親和性を考慮した設計にはなっていませんから、1.44MBフォーマットは読めません。

後のPC-9821Cシリーズに発展していきます。


蛇足 サブ型番について

比較的古いPC-9800シリーズにはPC-9801FAPC-9821Asなど、シリーズを表す型番の次にサブ型番があります。

これはマシンの能力を表していて、速い順に以下のようになっています。

PC-9800シリーズ(大文字です) A→S→X

PC-9821シリーズ(小文字です)  n→f→p→s→e

(傾向としてnとfはPentiumでp、s、eはi486です。そしてnがPentium 90MHz、fがPentium 60MHzのことが多いように思えます。)

なお、PC-9821シリーズの後期型では末尾にクロック周波数を示す数字がつぎ、サブ型番は別な意味を持つようになりました。

a…標準

b…一部機能省略

e…エコノミー仕様(かつてのPC-9801Eの型番を彷彿とさせます)

t、v…タワー型

r…R-Mate相当?(ノートパソコンのみの表記です)

これ以外にもサブ型番はある(PC-9821CxPC-9821Xcなど)のですが、詳細については調査中です。またbとeの使い分けも良くわかりません。

 

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