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from bookland 231号   ★今月の新刊紹介★ <2005年2月>



オヤジが子どもの頃、「科学」が日本を支えると、学校教育だけでなく、いたる所で「科学」が奨励されていました。
1956年にスプトーニクが打ち上げられて、欧米(もちろん日本も)は大きなショックを受け、 科学と技術がさらにクローズアップされたようです。もっとも、根底には軍事的な側面が強かったのですが。
オヤジもこの頃は「科学少年」でありました。子ども向けの科学の本などあまりない時代ですが、 それでも偕成社の「絵とき百科」というシリーズを何冊か買ってもらい、何回も何回も繰り返し読んだ記憶があります。
T・レックスはゴジラ歩きをしてたし、月へはロケットごと着陸していたけれど、知らなかったこと、解らなかったことが解き明かされていくのは、 物語同様ハラハラ・ドキドキ・ワクワクの楽しい瞬間でありました。
「知的好奇心」というとおおげさに聞こえますが、幼い子どもから大人まで知りたい欲求はあると思います。 近年、日本の理科教育が世界のレベルに追いついていない、理科嫌いが増えた、と言われています。 しかし、興味、好奇心を刺激するような題材を子どもたちに示しているだろうか、解き明かしていくおもしろさを子どもたちに伝えているだろうか、 というあたりから考え直さないと、教科書を小手先でいじっても、あまり有効ではないと思うのです。 もっとも、科学少年(少女)は、教科書だけでは飽きたらず、自分で題材をさがすものですが。

という訳で、こういう風潮を反映してか、主に小学生を対象とした週間の科学雑誌が2点、創刊されました。
1点は「そーなんだ!」−マンガでわかる不思議の科学−
(創刊号100円、2号バインダー付き240円、3号から490円)
もう1点は「週刊かがくる」−なんでもわかるビックリ科学誌−
(創刊号240円、2号490円)
いずれも、マンガ、イラストを多用した科学入門誌という作りです。また、両誌ともページが外れるように製本されており、 テーマ、ジャンル別に読者が再構成できるしくみになっています。
それにしても宇宙はビックバンから始まっただの、羽毛を持つ恐竜がいただの、最新の研究成果が取り入れてあるし、オヤジの時代と科学の入口が全く違っています。(当然だけど) そして、自然科学だけではなく、科学的な見方、思考を身につけて、社会科学や人文科学の分野にも目を向けてほしいと思います。 科学というと理論先行の無味乾燥な世界と思われがちですが、決してそれだけではないとオヤジは思っています。



月刊誌についての情報がもう一つ。NHKの朝の連続ドラマが4月から新シリーズになりますが、その中で、 主人公の弟の愛読書として、今月の「こどものとも年中向3月号 イガイガ」が何度も登場するそうです。
川をはさんで対立する赤いイガイガと青いイガイガたち。ある時大きなくりのイガが流れてきて、 争ってる場合ではなくなってしまう。こういう話ですが、内容まで放映されるのか、なぜ「イガイガ」が好きなのか、 というようなところまで紹介されるのかはわかりません。NHKがドラマの中で、 こういう本を「実タイトル」で取り上げるのは珍しいと思うのですが...。




2月ともなると春の便りが南の方から聞こえてきます。オヤジが春が近い、というか、春だなと思うのは菜の花畑に咲く一面の菜の花の黄色を目にしたときです。
絵本の中でも、まだ雪の残る山の駅から、菜の花が一面に咲き乱れている海辺の駅まで、いくつものトンネルをくぐりながら電車が行く。 さらに、乗客たちの人間模様も描いた電車でいく話。これを反対側から見ていくと山の駅へ帰る話になります。1冊で2回楽しめる本です。
「でんしゃでいこう でんしゃでかえろう」(1,050円)この時期におすすめです。



2005年2月 もとはる


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