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from bookland 220号       ★今月の新刊紹介★ <2004年3月>



山本義隆著「磁力と重力の発見」(全3巻)を読みました。 磁力、重力という目に見えない「遠隔力」をどのように捉えたかを、古代ギリシャからニュートンまでの3500年にわたるヨーロッパ科学史として著した大作です。 単に科学だけでなく、その時代の文化の中で、それらがどのように位置づけられていたかもよく解ります。 かつて天文少年だったオヤジは、特に第3巻「近代」が、とてもおもしろいと思いました。 コペルニクス、ガリレオが地動説を唱え、ケプラーが惑星の軌道が楕円であることを発見し、 ニュートンが万有引力の法則を発見し、古典力学、天体力学が出来上がっていく過程に、とても興味を引かれました。 特に、著者はケプラーが楕円軌道を発見したことを高く評価し、天動説であれ、地動説であれ、等速円運動というギリシャ以来の呪縛から 解き放ったことこそが、天体力学を完成させる原動力となった、と述べています。 オヤジにとっては「ケプラー発見」いや「ケプラー再発見」という楽しい読書でした。
子どもの本を読むのとはひと味違った「知の冒険」とでも言える読書も、当然のことながら必要であると痛感させられました。 尚、山本義隆氏はオヤジ達団塊の世代には「なつかしい」名前です。 現在は予備校で物理を教えているそうですが、アカデミズムを離れて、在野にあってこそ、 こういう研究ができたのではないかと勝手な推測をしているのですが。



今年は1、2月が暖かくて、桜の開花が早いのだそうです。予報では卒業式の頃になるとか。 桜の花は、入学式の方が似合うと思うのですが、天気まかせだからどうしようもないのでしょう。
3月、4月は出会い、別れの季節です。ジオジオの隣家のお孫さんも転勤で神奈川県へ引越しです。 おじいちゃんの所へきては、毎日のようにジオジオに遊びに来てくれたのですが、さびしくなります。 今度会うときはどんな成長のしかたをしているか、楽しみでもあるのですが...。
オヤジも若い頃は、別れといってもそれほど感傷的な気分にはなりませんでしたが、 最近はまた会えるのだろうかという気になることがあります。 自分自身は20代、30代とそれ程気分は変わっていないつもりですが、 まわりの見る目が変わってきたのを意識するからかもしれません。
2月5日に55歳になりました。四捨五入すれば(せんでもええけど)60歳。 中年というよりも初老かなとも思いつつ、ついに老眼鏡を作りました。日常生活のほとんどの場面では必要なかったのですが、 薄暗い所で小さな活字が読みにくくなり、近所にメガネ店がオープンしたのでセール中にと思い立ちました。 あまりいかついのも、ファッショナブルすぎるのも似合いそうもないと思って、 「笑福亭鶴瓶がかけているような丸いのを」と言うと、「ジャン=レノがかけているようなやつですね」ときたもんだ。 まあ、多少似ている(目も2つあるし、耳も2つあるところが)ところもあるので、「そうだ」と答えて、 出てきたのは「ジョン=レノン」。丸いメガネはそう呼ばれているのだそうです。で、本を読むときと字を書くときは、 オヤジはジョン=レノンになっています。まあ、多少似ているところもあるし(目も2つ、耳も2つ)。

別れといえば、我が家で約22年間を過ごしてきた猫の「ひらめ」が2月1日の深夜、永眠いたしました。 ジオジオの店頭でもお客さまにかわいがっていただき、マスコット的存在でした。 あまりにも長く共に過ごしてきたので、ペットというよりは家族の一員でありました。 「ひらめ」に代わるものはありません。二度と動物は飼わないと家族全員で決めました。
長い間、ひらめをかわいがっていただいてほんとうにありがとうございました。

2004年3月 もとはる


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