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from bookland 203号       ★今月の新刊★



今年も夏休みは帰省だけで終わったので、9月になって、水曜日の定休日を利用して 日帰り旅行に出かけました。目指すは「余呉湖」。琵琶湖の北にある周囲4km足らずの 小さな湖です。夏休みは終わり、秋でもない、ウィークデーの午前9時。観光客は一人も いません。釣り人が二人だけ。かつて秀吉と柴田勝家が戦った、「賤ヶ岳の合戦」の舞台と なったところですが、静かな所でした。時折、水質保全のため空気を送り込んで水面が 泡立つのですが、音が聞こえる訳でもありません。秋も深まれば周囲の山々も色付いて 美しい景色になるのでしょう。落ち着きのないオヤジには静か過ぎます。 早々に切り上げて、秀吉つながりで長浜へ。思った以上に観光地でした。ちょっと やりすぎの感もありますが、観光客向け以外にも古くからやっているような店もあり、 歩き回れば意外な発見があるかもしれません。我ら中年二人連れは、時間も体力もなく、 パンフレットに載っているような所しか行けませんでしたが、それでも、駅前通りの 荒物屋で使いやすそうな箒を見つけました。ジオジオの前の大きな欅が色付き、葉を 落としはじめます。この箒が大活躍することでしょう。



  

晶文社  
さて、秋といえば、行楽、スポーツ、食欲、と様々な言葉がつきますが、ジオジオと しては、まず「読書」であります。仕事柄、本は一年中読んでおります。でも秋ですから。 そこで、秋は本を読むに加えて、本を読む楽しさを一人静かに考えたり、語り合ったりする 時間を持ちたい、と思っています。 最近出版された「本の話をしよう」(1,200円)という対談集があります。長田弘さんが、 江國香織、池田香代子、里中満智子、落合恵子の4人の方と本のこと、本を読む楽しさの ことについて、対談をしています。長田弘さんは詩人として広く知られていますが、子どもの 本との関わりも深く、子どもの本に限らず「本」をテーマにしたエッセイも数多く 著しています。この本を読むと、本好きが出会って、本の話をする「いい時間」が感じられます。 本読みの達人、長田弘さんの「本読みの極意」に触れた様な気がします。 本好きが読む楽しさを語り合う時間は、至上の喜びを味わう時間です。久しくこういう経験をして いなかったように思います。この秋は、「いい時間」に酔うことにしたいと思います。

この誌上でご紹介する本は、目を通してからを原則にしておりますが、信頼できる筋から おもしろそうな本の情報が入りましたので、お知らせします。10月初旬に入荷予定の「洲本八だぬきものがたり」 (1,300円)。作は木戸内福美さん。●入りました●この本は、淡路島の洲本市に伝わる民話を洲本の方言で書いた、語り口のとても おもしろい本です。昔、洲本にはたくさんの狸がいて、特に有名な八ひきの狸の物語です。 A5版、104ページの読み物ですが、長野ヒデ子さんのさし絵の域を超えた イラストがお話にぴったり合って楽しさを倍増しています。 洲本の子どもたちは、この狸たちの話を聞いて大きくなるのだとか。
アリス館  

 

講談社  
「風切る翼」(1,500円) オススメです。 「あらしのよるに」のシリーズの作者 木村祐一さんと幅広く活躍されている画家の黒田征太郎さんが 創作の現場を公開しながら作り上げた絵本。昨年の9.11の事件の後、中断されていたこの企画が 再び、観客も加わった中でのライブ絵本として生まれました。アカハネヅルの群れの中の一匹が キツネにおそわれ、命を落とした。重い気持ちの中で、その責任を問う言葉が行き交う。 9.11の後、我々の中に起こった様々変化と、無関係とは思えないような迫力のある集団の姿、そして個の命、人生 への思い。我々のとるべきこれからの道のひとつとしてこの絵本を読むこともできるのでは…


HP開設以来、二ヶ月が過ぎようとしています。少しずつですが更新もいたしております。 お時間がある時にのぞいて見てください。また、ご意見、ご感想などありましたら、どしどし E-mailの方にお寄せ下さい。


2002年10月 もとはる


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