簡易デジタル水温計自作



 9Rは冷却系にトラブルが多かったので2005年に簡易水温計を装着しました。といっても、
そんなえらそうな代物ではなく、ラジエター表面温度計でした。それでも誤差数度で有用でした。
9Rの簡易水温計製作はこちら
 2010年夏にVTRは謎のアイドリング不調に見舞われ、結局それはチョークが破損し、燃調が
狂っていたのですが、当初、渋滞でアイドリングがおかしくなったので、現象からパーコレーション
を疑いました。冷却系ではなかったのですが、脳裏に9Rでのトラウマもあり水温管理をもう一度
VTRでもやりたくなりました。ラジエター交換のためクーラントを抜く作業が必須なのでついで、
ということもあります。さらに同じアイディアを考える方もいるらしく、汎用温度計にテーパーネジ
をとりつけて売っているものを見つけました。ちょうどVTRの標準水温計もサーモスタットの所に
テーパーネジが切ってあり、そこにサーミスタがあるのでポン付けが可能と判断しました。

9Rのときの簡易水温計。水漏れなどのトラブルを嫌ってラジエター表面温度計としました。
アイディア自体は捨て難い簡便さです。ラジエターとの接触をもっとスマートにできれば
もう少し探ってみたい気もします。

これが見つけたプローブ部にテーパーネジを取り付けた改造温度計。
VTRもサーミスタがサーモスタット部にテーパーネジで取り付いているので
ポン付けです。今回はこれを使います。

温度計自体はこちらの製品です。

今回は温度計自体は改造が済んでいるので、マウントを工夫して遊ぶことにします。
マウントを試行するためだけにメーターカバーをオークションで購入です。
直接引き取りにいけるショップが出品していたので楽でした。
先日VTRに電圧計を取り付けたので、水温計を取り付ける場所がメーター上部にありません。
 取り付けた電圧計。
今回は、ノーマルのサーミスタを外すので標準の水温計は死んでしまいます。そこで
標準の水温計のところにうまく設置できないか、メーターカバーを採寸しました。

採寸してみると配管用の塩ビパイプのキャップに手ごろなサイズがあったので数個購入です。

そのままメーター部にかぶせるとこの羞恥。アラレちゃんに出てくる鳥山明みないなガスマスク顔。

少しでも見栄えを良くしようとスライス敢行。万力もないプアな作業環境。
平行にカットが難しいですが、机上に金鋸を寝かせてカットしたら、思ったよりも
刃が立ちます。いけそうな感じです。


結構キレイに切れました。狙いの厚さになるまで敷物を敷いて高さを変えながら
カットを繰り返しました。何度もやりたい作業ではないですが、予想以上の快削性でした。


紙やすりでカット面を平坦にしていきます。これも思ったよりキレイに仕上がりました。

次はメーター取り付け穴です。必要な穴あけエリアをけがいて、ハンドドリルで穴あけします。

ニッパーで切り取って穴をつないでいきます。厚いので両方からのカットが必要でした。

穴あけ完了です。


金ヤスリでがりがり成形です。少しづつ温度計をあてがいながら、穴を開けすぎないように
注意しながら作業を進めます。あまり目詰まりもせず、これまた快削でした。

メーター周りは黒なので塗装したいところですが、塗装でうまくいった例がありません。
すぐに垂れたり、ムラになります。せっかちな自分には向かない作業です。

と、思っていましたが、この仕上がりです!垂れない、ムラもなく、質感も塩ビ感触のままで
ラッカーの塗膜みたいな感触は皆無です。あたかも黒の樹脂のような仕上がり!

苦手だった塗装、適当に数回せっかちに重ね塗りしただけなのに。しかも速乾。
思わずにやけてくる出来ですが、
秘密兵器がありました。

ちなみに、配線取り出し用の穴を塗装前に開けておきました。
見つけたのが染めQ。塗るのではなく、染める!塩ビなので塗料がのるか不安だったので
遊び感覚で染めてみようと、樹脂用の染料を調べていたのですが、その捜査線で見つけたのが、
この染めQ。素材の質感、手触りそのままに塗り替えてしまうすごいスプレーです!
秘密は通常のスプレーより塗料の飛沫が極小ということらしいです。

バイクのシートの塗り替えで火が付いたアイテムらしいです。この結果、納得です。

温度計をホルダーの穴にはめ込んで完成です。コネクターはギボシ端子に変えました。

サーモスタットのサーミスタを外します。コネクターを抜いてメガネで外します。
この前にクーラントを抜いておきました。

左がノーマル。右が今回のセンサー。PT1/8です。センサーも短いので
流路を妨げることもなさそうです。

サーモスタットに新しいセンサーをそのままねじ込みます。締め付けにメガネを
使いたかったのでコネクターを切ってギボシ端子に変更しました。

問題はこの温度計はスイッチがあること。常時計測でもいいのですがスイッチがあるので
使えたら使いたくなります。外して裏のスイッチを入れるだけなので、暖機運転中に
十分できるレベルです。取り付けは両面テープでもいいのですが、粘着力の持続性が問題です。
取り外しが簡単で、吸着力も変わらないものを探しましたが、結局小さな磁石にしました。
機器への磁力の影響も心配しましたが問題なさそうです。裏に瞬間接着剤で取り付けました。

温度計側の磁石に、メーター側の磁石をくっつかせて、両面テープの台紙をはがして
粘着面を出しておきます。うまくいくか不安でしたが、メーターにホルダーをかぶせると
ちゃんと磁石がメーターに押し当てられる手ごたえがありました。メーターと温度計の隙を
ざっと計算して、合いそうな磁石を探しましたが、ビンゴだったようです。うまく磁石の
位置を相手側に転写することができました。

磁力でピタッと吸い付きます。

取り外しも簡単。早速スイッチを入れてみました。問題なく動作しているようです。

暖機運転開始です。だんだん温度が上がります。サンプリング周期は10sくらいでしょうか。

給油にいって試運転です。クーラントの漏れなどはないようです。温度計は100℃まで
測れます。100℃を超えると100.6℃とかまでは表示します。101℃はダメです。
意地悪でアイドリング放置しましたが、それ以上あがると、
hi表示!
水温計としては心憎い演出です。ただしラジエターファンはhi表示でも回りませんでした。
マニュアルを見るとファンの始動温度は、98−102℃なのでまぁ高めなのでしょう。
水温を下げるには高性能社外のラジエター交換は高いので、高性能クーラントに
交換して、冷却能力だけ高める方法もあります。クレバーな方法です。
web拍手 by FC2













ZX-9R掲載九龍’s WINDはこちら!