(当コーナーの記載事項はある程度実際のプレイに基づいていますが、時として嘘・強調・紛らわしい表現が多分に含まれている恐れが有ります)

 

ドル足掻記
「ぷろろーぐ」

 

 

 
 IN ANOTHER TIME
  IN ANOTHER WORLD・・・
 今とは別の時間、別の世界でのお話。

 

 

 

 辺境の島・フェニク島にひっそりと佇む小イシター神殿。
 大陸の東端に位置するこの島に朝日が差す頃、神殿内に二条の人影。一人は若い少年。もう一人は巫女の装束に身を包んだ少女。少女が少年に最後の確認をする。

  カリア「そう、バビリムに帰るのね。準備は出来た?忘れ物は無い?生水飲んじゃダメよ!?」
  ギルス「生水って・・・、別に
この時代に浄水施設なんて無いんだから」
  カリア「そーじゃなくって。そこらへんの水溜りの水をそのまま飲んじゃダメって意味よ!」

確かに中近世ヨーロッパなんかは河川水はいわゆる「硬水」(最近ミネラルウォーターだのもてはやしてるけど)で飲むと不味いから煮沸して飲むのが一般的だったと云うしな。・・・っと、脱線が過ぎた。
 少年の名はギルス。15歳。本編の主人公にしてバビリム王国の王子。そしてバビリムの大イシター神殿を守るシュラインナイト(神殿騎士)でもある。
・・・「イシター神殿」で決まってるんなら信仰神を決める必要(前回参照)無いやんか!?
 もう一人の少女の名はカリア。17歳。フェニク島の小イシター神殿の巫女。
 取敢えず人物に関する説明はここまでとさせて頂く。より細かい設定は後のゲーム本編中で追い追い触れられる事になるからである。本ゲームは「ドルアーガの塔」シリーズの流れをくむが、ドルアーガシリーズを知らない人の為の配慮として、冒頭に基本設定を山のように提示するのではなく本編中で小出しにする方式を採用している。・・・尤も、正直云ってこの作品は
ドルアーガファン以外の新規層を引き込むインパクトには欠けるし、何よりこの作品の予備知識として最も知っておくべき作品がシリーズ中おそらく一番知られていない「ザ・ブルークリスタルロッド」(SFC)だったりするので、あんまり意味が無いように思えるとか云って、何か初っ端(しょっぱな)から作品のマイナスイメージ植え込むような発言してて大丈夫かオレ!?

 

 

 

  カリア「イシター様から頂いたクリスタルオーブと、このスペルカードは絶対失くさない様にね。で、スペルカードの使い方は覚えた?」
  ギルス「ああ、教わった通りには出来ると思うよ。」
  カリア「じゃやって見せて」
  ギルス「うん。・・・・・・。光の戦士の名に於いて命ずる!出でよ、グリ・・・・・・・・・・」
  カリア「ん?続きは?」
  ギルス「なあ、やっぱカッコ悪いよ。仮にも
光の戦士(某大陸とかとは関係無いですよ!)が最弱モンスターのグリーンスライムなんて呼ぶのって・・・」
  カリア「仕方ないでしょ!あなたのジュエル(クリスタルオーブ)はそれ程強力なジュエルじゃないから強力なクリーチャーは呼べないし、
何より強力なクリーチャーが最初から使えたらゲームバランス滅茶苦茶じゃない!」

・・・・・・至極ごもっとも。

  ギルス「それじゃあ・・・。出でよ!グリーンスライム!!」

ギルスが宙にカードを放り投げた瞬間、カードからまばゆい光がほとばしり、グリーンスライムへと姿を変えた。召喚に成功したのである。

 

 ここでゲームシステムを大まかに説明する。本来はカリアがゲームの説明役であるが、ここでは文字数節約の為に筆者が地の文で書かせてもらう。
 このゲームはプレイヤー(ギルス)と各ステージのボスがお互いのダンジョンに攻め入り、ダンジョンの中枢に有るジュエルを奪い取る、というものである。
両者のダンジョンはワープホールによって連結されており、お互い自ダンジョンのワープホールから敵ダンジョンのワープホールへと侵入していく。ゲームはいわゆるターンバトルRPGに類し、ギルスと敵ボスは基本的に「移動」「攻撃」「カード召喚」「待機」から一手を選択し、それを交互に繰り返す流れになっている。お互いのダンジョンにはカギが3つ置かれており、このカギを3つ揃えないとジュエルの前の扉は開かない仕組みになっている。ギルスと敵ボスは配下のクリーチャー(モンスター)や武器防具、アイテムなどを「カード」と云う形で所持しており、必要に応じてMPを消費してカードからそれらを「召喚」する。カードの集まりを「デッキ」と呼び、予め自分の戦略や敵の傾向などからデッキを手持ちカードの内から構築する必要が有る。・・・ゲームシステムについても本編中で解説が入ったりするので、今回の説明はここまでにしておこう。

 

 

 

  カリア「あと注意点としては・・・、ああっ面倒だわ!あたしもバビリムまでついていくわ!
  ギルス「ええっ!?」
  カリア「大丈夫よ。この神殿だって何とかなると思うし。」

そりゃ何とかはなるだろうよ、「何とか」には。尤も、トレーニングすれば解る事だが、グリーンスライム如きに占拠される事も「何とか」と云うのならな。
それに、筆者じゃあるまいし
「面倒」の一言で済ますこのカリア、何考えてるのだろう。単に辺境の小島の生活に飽きて都会(?)で一旗上げたくなったのか、それとも・・・

  ギルス「もしかしてボクと離れたくないから?・・・ボクって、モテモテな奴だったのか」
  カリア「コラそこ!
セガサターン版「エヴァンゲリオン」のシンジ君みたいな勝手なモノローグやってんじゃないわよ。」
  ギルス「逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だQ熱リケッチアには浅田飴だ・・・」
  カリア「なんかさりげに最後の方意味不明よ!?」

 

 

 

 かくして二人はフェニク島を後には・・・しない。

  ギルス&カリア「何じゃそりゃ!」

 だって、次の目的地には今居るダンジョン(フェニクの神殿)から目的地のダンジョン繋げて行かないといけないし。いちいち建物や地下迷宮を通って行かないと目的地にも行けないなんて、なんて不便と云うか、お前らモグラかい。
 兎に角、その最初のバトルは次回で。

 

 

 

  カリア「・・・・・・良く考えたら、2回目の今回終わってもまだ戦闘行ってないじゃない。大丈夫なのこんないい加減な内容で?」

 

 

 今更それは云わないでよ。

 

 

 

☆つづく☆
 
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