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シリーズの黎明期PC-9800
シリーズとはNECが作ったコンピューターアーキテクチャーの1つで、20年近く日本のコンピューター市場をリードしました。PC−9801(初代)
1982
年秋、N5200シリーズに続く16bitパソコンとして初代PC-9801が発売となりました。N5200
シリーズは主にメインフレーム用のターミナルとしての用途で、旧国鉄の機械管理システムなどでも使用していました。メインとなるOSはPC-PTOSで、後にこれのPC-9800シリーズ版も登場します。これに対して
PC-9801は個人ユースを視野に入れたもので、値段も29万8000円(本体のみ)と当時としては破格でした。NECは
PC-9800シリーズのシェア拡大のために、ソフトメーカーにPC-9801を無償貸与しました。この頃既に、ソフトウェアがシェアを握る鍵であることを、NECは理解していたのです。スペックは
CPUがintel8086互換品(NEC製なのでμpd型番です)でクロック周波数が5MHz、メモリーは128kB(MBではありませんので念のため!)積んでいました。カラー8色表示のみですが、640×400の描画を1画面サポートしていました。しかも、テキスト画面で漢字が扱えることは当時としては驚きでした。しかし、漢字
ROMはオプションで、入力方法も16進コードと言う、FEPを当たり前とする今日では信じられない方式でした。フロッピードライヴは装備せず、
8inchFDDインターフェイスを持っていました。電源供給用の専用端子も備えていました。なお、
PC-9801(初代)だけはキーボードコネクターが違うため、他のPC-9800シリーズに流用ができません。PC−9801F
1983
年秋、PC-9801(初代)の上位機種として発売したのがPC-9801Fです。Fはフロッピードライヴと言う意味の型番です。CPU
はi8086互換でクロック周波数が8MHzになり、5inchFDD(2D)を装備しました。メモリーは128kBです。また、第1水準ながら漢字ROMを標準実装するようになりました。カラー8色表示のみですが、640×400の描画を2画面サポートするようになりました。このモデルから、キーボードコネクターが最終モデルまでと共通になります。ただ、初代
PC-9801もそうなのですが、NFERキーがありません。PC−9801E
1983
年秋、PC-9801Fより1ヶ月遅れで登場したのが、PC-9801Eです。エコノミータイプと言うことで型番の末尾にEがついています。これはPC-9801Fからフロッピードライヴと漢字ROMを省略した仕様で、価格は21万5000万円と当時としては安価でした。PC−9801M
1984
年秋、PC-9801Fの後継機種としてPC-9801Mが登場しました。Mは1メガフロッピードライヴと言う意味で、後年では5inch2HD対応の意味のサブ型番として残りました。CPU
はi8086互換でクロック周波数が8MHzです。5inchFDD(2HD専用)を装備しました。メモリーは128kBです。また、第1水準の漢字ROMを標準実装しています。カラー8色表示のみですが、640×400の描画を2画面サポートしています。標準価格は41万5000円でした。PC−9801U
1985
年、パーソナル市場を意識した新しいPC-9800シリーズが登場しました。これがPC-9801Uです。従来と違い、3.5inchFDD(2D)を装備しました。Uはウルトラマイクロフロッピー(3.5inchFD)の意味です。これも3.5inchFDD装備と言う意味で、後年までサブ型番として残りました。CPU
はNEC独自のV30で、これはi8086とピンアサイン互換でした。クロック周波数が8MHzです。メモリーはコストを抑えるため128kBに戻しました。また、第2水準の漢字ROMを標準実装しています。この時から4096色中16色をサポートするようになりました。(PC-9801Uではオプションを追加する必要があります。)640×400の描画ですが、コスト削減のため1画面サポートのみでした。標準価格は
29万8000円でした。同じ頃、PC-8801mkIISRが25万8000円でしたので、この価格はかなり安価だったようです。PC−9801VF
1985
年夏、従来モデルのフルモデルチェンジで登場したのがPC-9801VFです。同時にPC-9801VMも登場しました。CPU
はV30で、クロック周波数が8MHzです。メモリーは256kBです。5inchFDD(2DD専用)を装備しました。また、第2水準の漢字ROMを標準実装しています。4096色中16色をサポートしています。(ただしオプションを追加する必要があります。)640×400の描画、2画面サポートです。PC−9801VM
1985
年夏、従来モデルのフルモデルチェンジで登場したのPC-9801VMですが、これがPC-9800シリーズアーキテクチャの1つの到達点になりました。CPU
はV30で、クロック周波数が10MHzです。メモリーは384kBです。5inchFDD(2HD/2DD兼用)を装備しました。また、第2水準の漢字ROMを標準実装しています。4096色中16色をサポートし(オプションを追加する必要があります)640×400の描画、2画面です。また、フロッピードライヴなしの
PC-9801VM0や、20MB固定ディスク装備のPC-9801VM4などもありました。PC-9801VM
を最大拡張するとメモリーが640kB、グラフィックが4096色中16色表示で640×400の描画、2画面になり、これが1992年の98Mate出現までのPC-9800シリーズアーキテクチャの標準となりました。PC−9801UV
1986
年夏、PC-9801VMの3.5inchFDDモデルと言えるPC-9801UVが登場しました。CPU
はV30で、クロック周波数が10MHzです。メモリーは384kBです。3.5inchFDD(2HD/2DD兼用)を装備しました。また、第2水準の漢字ROMを標準実装しています。オプションを追加せずに4096色中16色をサポートし640×400の描画、2画面です。そして、このモデルで初めて標準でFM音源ボードを装備するようになりました。なお、このページを作成するに当たり、当時の資料を参考にいたしました。この場を借りて感謝いたします。
NEC各種カタログ(NEC)、ポプコム1986年8月号・9月号(小学館)、TheBASIC1986年7月号・8月号(技術評論社)、PCマガジン1986年2月号(新紀元社)
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