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メス! 国民年金特別会計(厚生労働省所管) 国民年金が蝕まれている!
1 国民健康保険法に基づき、基礎年金給付(=勘定)16兆、国民年金給付5兆、福祉年金給付2兆と事務(業務勘定)1兆の合計24兆を経理する.平成16年度予算を厚生年金同様に分析する.
(注:億以下の単位は切り捨てているので合計が合わない事がある.
赤字は借金.は問題点.は他会計へ資金提供).
1)業務勘定.
歳入(単位億円) 歳出(単位億円)
雑収入
一般会計から
国民年金勘定より

前年度余剰金
0
710
864
27
業務取扱費
施設設備費
福祉施設費
年金資金運用基金出資
予備費
1409
7
180
0
4
1601 1600
事務経費です.現在国民年金は13300円ですが、そのうち1077円は事務費で消えてしまいます.同額の厚生年金の事務費は13分の1.同額の所得税(国税)徴収にかかる費用は6分の1です.この会計の事務経費が異常に高いのは何故だろうか?世界レベルでも10倍は高くなっている.そして福祉施設費にも相当の資金を当てている.福祉施設の売上高人件費比率は民間の160%増しで、厚生年金の福祉施設費同様、高コストは批判の的.数字には表れていないが、年金資金運用基金出資5900万は止めるべき.余剰金が27億.
2)基礎年金勘定
歳入(単位億円) 歳出(単位億円)
拠出金等収入
運用収入
雑収入
余剰金
160289
82
65
7792
基礎年金給付費
基礎年金相当給付費繰越及び交付金
諸支出金
予備費
120943
41992
2
5291
168228 168228
3)国民年金勘定
歳入(単位億円) 歳出(単位億円)
保険料収入
運用収入
雑収入
年金資金運用基金納付金
一般会計より

基礎年金勘定より
22271
1162
32
98
15218
20093
国民年金給付費
基礎年金勘定へ繰入
福祉施設費等業務勘定へ繰入
諸支出金
予備費
21737
35465
864
295
330
58874 58691
基礎年金と国民年金とは別会計になっているが、お互いに繰入している.基礎年金勘定の拠出金の詳細が不明である.国民年金勘定は上乗せ部分の会計で保険料は「国民年金基金」で徴収されている.問題は福祉施設費等業務勘定へ繰入で864億、福祉施設関係に掛けられるだけコストを上乗せする姿勢が見え見えで官僚のおごりは止まるところを知らない.結局、この国民年金勘定は基礎年金の糧になっているだけなのである.国民年金は未納をなくさない限り、新たな制度を造っても意味がない.未納金額は、2000-01年度の2年分の保険料未納額が約1兆8800億円.滞納された国民年金保険料の徴収可能な期限は2年間で、2003年度の未納保険料の時効額は8475億とあるので、有効な徴収方法を社会保険庁は考えられないでいる訳である.無能な官僚に高給というのが厚労省特別会計の体質.社会保険庁自体を解体すべきではないか!国民年金給付が目減りするのであるから未納者が増えるのは仕方の無いこと.それか改定できないのは厚労省に危機感がないからに他ならない.詳細⇒国民の年金が蝕まれている.第三者機関で運営すべし!
2 4)福祉年金勘定
歳入(単位億円) 歳出(単位億円)
一般会計から
雑収入
余剰金
235
0
1
福祉年金給付費
諸支出金
予備費
236
0
1
236 237
この会計を別項にしたのは、特別会計としは意味がないから.全てを一般会計でまかなえる.そうすれば余剰金などは国庫に入るわけである.余剰金を貯蓄する為に存在する会計である.
参考 1)「特別会計への道案内」松浦武志著:創芸社出版
2)「誰も知らない日本国の裏帳簿」石井紘基著:道出版
3)「財務省ホームページ」
4)「特殊法人解体白書」堤 和馬著:中公新書ラクレ