女子高生だ!釧路だ。いきなり大都市が開けた。文明の証女子高生を見る。ホッとする。自然を楽しみに来たはずなのに文明の味が忘れられないのだ |
ろうか。サイクリストの方がよほど達観しているだろう。だが自分も観光に来たわけではないのだ。旅行じゃない。旅に出たのだ。車にキャンピシグ用 |
品を積んで北海道をまわる。それもありだろう。だがそれで自然を味わったなどと言わないで欲しい。ライダーは違う。雨が降れば濡れるし寒い。風が |
吹けばバイクにしがみつく。自然は常に服1枚隔てたすぐそこなのだ。自然をらしく楽に楽しむのではない。挑むのだ。ライダーとバイクはお互いの信 |
頼関係で成り立っている。どちらも平等。ドライバーは車に甘えている。過保護なのだ。バイクはバックが出来ない。自分はぞれが好きだ。ただ前へ進 |
むのだ。北海道に来てますますバイクが好きになった。今日はそんなことを感じて走っていた。7:45起床する。今日は北海道最東端の納沙布岬を目 |
指す。最○端という文字に弱い。1−Zは昨日からゼーゼー言いながら走っている。明らかにフィルターのつまりだ。朝いきなりフィルター交換を行う。 |
正直本当にするとは思っていなかった。だが2000kmなんてすぐ走ってしまうものだ。旅先と言えども万全を期す。と言うより交換しなければ |
れ走行不能となる。かなりゆっくりとした出発となる。キャンプ場を出るとエンジンのフィーリングが戻っているのが分かる。根室市に入った。天気は |
明るい曇り。10時前。営業車が出始めたのか、かなり渋滞だ。さすがに給油しなくては納沙布岬へは行けない。道からそれほど離れずに済むスタンド |
を探すが結構ない。もう市街地を抜ける寸前でやっと昭和シェルを発見。1−Zに来た女の子は器量で勝負。どこへ行くんですかと話しかけてきた。納 |
沙布までと答えると晴れるといいですねと言ってくれた。ダメでしょうと笑って答える。バイザーとライトを拭いてくれた。ついでに道を聞いてみた。 |
”納沙布に行くには裏街道、表街道2つあります。ここを出て右へまっすぐ行けば納沙布です。”と教えてくれた。裏街道と言う言葉に地元を感じる。 |
旅人気分を味わいうれしくなる。道は間違っていなかった。自信を持って進む。少し走ると市場だろうか。ものすごいカモメの大群だ。前が見えない。 |
道路上も屋根も空も目の前もカモメだらけだ。道端で力モメがひかれていた。それくらい多いのだ。何となく暖かさを感じる。もしかしたら晴れてくる |
かなと思っていた。ところが一面濃霧に変わる。何も見えない。いつものことか。途中あらゆる所で馬が草を食べている。霧の中にたたずむ馬は幻想的 |
だ。どの馬も静内辺りで見た馬とは違う。脚がたくましいのだ。サラブレッドではなく道産子か?その力強さに何となく見とれる。白馬が一匹でたたず |
む。1−Zと同じ白だ。親しみを感じる。霧は一向に晴れそうにない。目の前の霧の中に白い円柱が見えてきた。霧が低く立ちこめているので上は全く |
見えないが間違いなく灯台だ。納沙布岬到着。宗谷と違って人がまばらだ。何となく寂しい。アーチに炎が燃えている。これが納沙布岬?と思ったがこ |
れではなかった。奥に木の杭に納沙布岬と書かれたシンボルがあった。何ともシンプル。返せ北方領土の文字がうざい。ここでは北方領土返還が強くア |
ピールされていた。パネルを見てまわる。予備知識がないので分からないが条約に則った割譲ではないのだろうか。その辺がよく分からない。署名も受 |
け付けていた。怖くてやめる。納沙布でも北方領土は全く見えなかった。霧の岬だ。また旗を買う。これで岬の旗は2本となった。さっきのアーチは4 |
島のかけはしらしい。納沙布岬を出発する。すぐにあちこちに北方領土返還の看板が立つ。ほとんどバウネタだ。次はもちろん日本最東端の駅東根室を |
目指す。日本で一番東だ。島には鉄道はないからだ。根室へ帰る途中急に陽が射し始めた。上を見ると今まであった霧が全く見えず雲一つない青空が広 |
がっていた。左の海も青を取り戻し銀色に輝く。霧はどこに!?右を見れば地平線の上を灰色の霧が流れていく。圧倒的スケールだ。霧が晴れていくの |
がこんなにも劇的だとは。地平線が火事のようだ。烽火三月にわたりとはこのような光景だろうか。グレーの霧と空のブルーが対照的で緑に映える。陽 |
光の中東根室に向かうが見つからない。根室市内に入ってしまった。一旦根室駅で手がかりを探そうと寄る。しかし手がかりは見つからなかった。再度 |
チャレンジ。その前に駅の隣のそば屋に入る。ここでも親子丼を食べた。和食はうまい。店内で地図を見る。地図の見開き部で見にくい。とりあえず桂 |
木へ行く途中にありそうだ。再び東根室へ向かう。確かに桂木には来ているのだ。だが付近をぐるぐる回ってもある気配すらない。同じ様な平屋が無数 |
に並んでいるのが気になった。そのうちレーダー4基がものものしいフェンスで囲まれた施設の横を通る。どうやら自衛隊航空基地らしい。方向も分か |
らないまま走っていると線路を越えた。近くかと思って行ってみるが全然見あたらない。さすがに断念した。あまり時間をとられるわけにはいかないの |
だ。苦労してR44号に合流する。あとは釧路方面に向かう。途中昨日の食堂とキャンプ場をパスする。釧路根室間は見所がいっぱいだ。全て見ること |
はできない。ルート的に砂浜を走ることを避けたからだ。この辺で一番見たかったのは涙岬だ。果たして写真通りの場所かどうか楽しみだ。厚床を過ぎ |
る。ようやく新しいルートを走ることができる。無駄に走らないため茶内で左折して霧多布湿原を横断するルートを選ぶ。湿原の脇を走る。周りには何 |
もない。湿原と言ってもピンと来なかった。まあ |

乙女の横顔。穏やかな午後、旅情にひたる。
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水田地帯を走る感じだ。しかし展望台パーキング |
で振り返ると湿原は表情を変えた。川が蛇行して |
流れいかにも湿原という感じなのだ。広い。釧路 |
湿原はもっと広いだろうと期待する。そして一路 |
涙岬へ向かう。途中のワインディングはとにかく |
すばらしい。ステップ荷重の練習をする。本当に |
面白い。涙岬を思わず通り過ぎてしまった。Uタ |
ーンして戻る。北海道に来て一発で観光地に着け |
たのは何回ぐらいだろう。いつも通り過ぎる。涙 |
岬は予想と違っていた。すぐ目の前に乙女の横顔 |
があると思っていたのだ。だが広い砂利のパーキ |
ングで説明の看板が出ているだけ。向こうには草 |
原の中細い道が続く。遠くに歩いている人が見え |
る。涙岬の秘話が書かれてあった。よくある話で |
はある。だが男の姿をした岩もあるとは知らなか |
った。看板を見るとここから500mとある。草 |
原の中を歩き出す。晴れの昼下がり、てくてくと |
草原を歩く。海が見えてきた。展望台がある。そ |
こまで来ると見えた!乙女の横顔だ。ツーリング |
記事を書いた人は名前とは裏腹に荒々しい感じと |
書いてあったがそうでもない。ちゃんと横顔に見 |
えた。振り返り立岩を望む。遠い。歩いていく気 |
にはなれない。フル望遠で撮る。今まで見てきた |
岬は岩肌の露骨な岬ばかりだった。しかしこの涙 |
岬は緑にあふれ小さな花も海風に揺れていた。そ |
れが秘話と相まってさらに情緒を醸し出している |
ようだった。涙岬を出る。この頃からオイルラン |
プが点灯し始めた。入れるとすればこの先の道の |
駅しかない。道の駅までのルートもマイペースの |
ワインディングだ。道の駅厚岸グルメパークに到着。ここの道の駅は広い。久しぶりにスタンプが増える。駐輪してオイルを補充する。もう予補はない。 |
2ストだなぁと美感する。ついでにチェーンにルブも注す。使いきった。チャレンジャーだ。釧路で入手する予定だ。今日はタイミング的にも釧路とい |
う都市的にもビジネスホテルに泊まる予定だ。あとは釧路に着けばいい。道の駅を出発。道なりに釧路を目指す。釧路に入ったら電話帳でホテルを探す |
予定だ。道の彼方に街が見えてきた。デカイ!デカ過ぎる!ルブを求めてバイク屋を探したかったし、ビジネスホテルも探したかったがこれでは広すぎ |
る。あるにはあるだろう。だが住所が分からない。たどり着けない。釧路は却下になった。だがホーマックが見えてきた。一応入ってみる。やはりルブ |
はない。また道に戻る。意外にバイク屋はないのだ。今は下校時刻だろう。女子高生がうじゃうじゃいる。東京と違い頭悪そうじゃない。本当にみんな |
色白できれいだ。東京の女子高生は化け物だ。存在自体頭から離れていたのでインパクトはデカイ。ほんとかわいらしい。でももう冬服なのだ。しかし |
よそ見も怖い。これはさっさと抜けた方がいい。次の街らしい街は白糠町だ。ここから30kmだ。釧路市内を抜けるとやっと流れ出した。地名で大楽 |
毛と言うのがよく出てくる。これで”おたのしけ”と誌むらしい。釧路湿原はやはり明日だ。もう夕方だしゆっくりと見たい。大楽毛を抜けると海沿い |
になった。もう暗くなりかけている。道の駅しらぬか恋問が見えてきた。結構小さい。スタンプをゲット。何か温かいものが食べたいと思っていると寶 |
龍があった。のぞいてみるともう閉店していた。残念。しかし電話帳で白糠町のビジネスホテルを探す。あった!1軒だけ。理想的だ。ビジネスホテル |
洸洋だ。住所を覚える。北海道特有の座標みたいな住所で覚えやすい。道の駅を出て白糠を目指す。庶路を過ぎた。近くなっている。白糠町に入ってき |
た。手頃な街だ。道の両側だけ開けていて分かりやすい。信号で止まっていると右の建物の隙間に洸洋の文字!簡単に見つかつホッとする。何のこと |
はない。駅の真ん前だ。チェックインを済ませる。予約は入れてなかったが部屋はあった。9800円だ。部屋はいい感じだ。落ちついている。荷物を |
運び入れる。土足でもいいのか分からないホテルだ。落ちついて夕食を食べに街に出る。ちょうどいいラーメン屋があった。チャーシューメンを食べる。 |
サンクスも近い。買い物を済ませてホテルに帰る。ここはテレビもタダだ。思いっきり見る。また久しぶりに頭のてっぺんから爪先までさっぱりした。 |
湯上りにベッドに大の字で寝そべって日誌を書いている。本当に気持ちいい。釧路の女の子はとにかくかわいい。女の子は北海道!という神話が自分 |
の中に出来上がりつつある。そんな今日この頃だ。 |
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