今日は屈斜路湖まで来た。地図で見るとあまり進んでいない。クッシーのマスコットがほしかったが売っていなかった。意外にクッシーはアピールさ |
れていない。今朝のサロマ湖は寒かった。弟は一人で起きてコンロをつけていた。いつも弟のほうが先に寒さで目が覚める。これは今日の場合、弟のほ |
うが湖畔寄りで、湖からの冷えが直接当たったためと考えられる。逆に朝テントの中でいれるコーヒーがうまい。朝は曇りだった。重い腰を上げ撤収す |
る。キャンプ場内のライダーのぺ一スは様々だ。一般にオフ車のライダーは朝早い。キムアネップはほとんどサロマ湖の端だ。少し戻ってパーキングか |
らサロマ湖を見てみる。サロマ湖はエビで有名らしい。サロマ湖特有の海へ両側から突き出してきている浜が薄く地平線に伸びているのが見える。漁船 |
も走っている。天気が悪く絶景!とはいかなかったが十分地の果てを感じる。夕日は絶景らしい。まずは網走に向かう。昨日夜遅くまで走り回っていた |
ので常呂町のホクレンで給油する。なんと予想外にも旗をくれた。旗は何本でもあった方がいい。ロングツーリングの証だ。そういえば船長の家に今度 |
は来なくてはなるまい。カニが食い放題らしい。ただし2名一組とか。R238号を進む。左に海とも湖ともとれる水面が広がる。能取湖だ。パーキン |
グに入る。ツーリングコムのイヤホンを交換してみる。これで感度が少し良くなった。パーキングにはちょっと怖い女性ライダーがいた。こそこそトイ |
レを使う。パーキングの隣は食堂だ。ちょっと早かったが寄る。11時くらいだ。ホタテラーメンが強調されていた。北海の幸を何も味わっていないこ |
とに気付く。食を楽しみに来たわけではないがちょっと贅沢。ほんとに微々たる贅沢だ。テレビではチープな日本映画が流れていた。店を出ていよいよ |
網走に向かう。近づくにつれ盛んに網走監獄博物館の看板が目立つ。監獄が名物とは笑ってしまう。網走に入ったとき網走市の文字の下のマークはニポ |
ポ人形のようなマークだった。受刑衆が内職で彫っているあれだろうか。とことん監獄で成り立つ街なのか。右に網走湖が見えてきた。大きな湖だ。博 |
物館はもう近い。小さな道を昇って博物館に着いた。考えてみれば今まで峠や景色を楽しんできた。入場料を払って見学するなどと言うことは頭からす |
っかり消えていた。駐車場は無料だった。さすがに観光バスが多い。バスガイドさんはピンからキリまで。要は特徴がある方がいいのだろう。網走監獄 |
博物館へ向かう。橋が再現されていた。娑婆との三途の川的意味あいで両手を縛られ監獄へ向かう自分の姿を水面に見て悔い改めさせる目的があったと |
いう。ずいぶんディープだ。案の定入場券を買うらしい。目を凝らしてみると、なんと大入1050円!入るのをためらう。金がないわけではない。だ |
が監獄とロウ人形を見るのに支払う金額だろうか。入場をパス。貧乏を感じつつみやげ店でみやげを買うことにする。受刑者が作ったであろう人形が売 |
られている。マリモもあった。ラベンダー栽培缶も売られていた。なぜかセーラームーンもあった。商魂たくましい。そして網走を出発。国道39号を |
進む。女満別町を通過する。美幌町を目指している。美幌と言えば美幌航空隊だ。美幌航空公園という字に期待する。美幌に入ったが公園の文字は一向 |
に見えない。しかも町外れだ。適当に走り回る。農道らしきものに出くわす。周りは見晴らしのいい畑が広がる。ジャガイモだろうか。見晴らしはいい |
のに何も見えない。公園があれば分かりそうなものだが。一度国道に出てもう一度引き返す。やはりこの辺にあるはずだ。らしい付近でトイレ付き駐車 |
場に入る。川沿いの土手にあがってみる。右手になぜか自衛隊のヘリが一機見える。気になり一応向かっていくと、あった!航空機がいきなり鎮座して |
いるではないか。野ざらし。アクセルを開け一気に近づく。道端にバイクを駐輪する。ヘルメット、グラブを脱ぐのももどかしい。興奮気味に走り寄る。 |
美幌航空公園にて。迫力のレシプロ機。デカイ!
|
走っても結構距離がある。間近まで近づくと大き |
い!予想以上に大きいので遠くにあっても近くに |
見えたのだ。シルバーに輝く日の丸レシプロ機に |
目がいく。自衛隊練習機”まつかぜ”とある。鈍 |
重だが、空冷エンジンの迫力フロントビューだ。 |
フィンが無数に刻まれる。OHCのようだ。プラ |
グコードも見える。翼は長い。他にも旧型だがジ |
ゥット練習機、ヘリなどがあった。マーキングが |
何とも精悍だ。虚飾など一切なし。無邪気にシャ |
ッターを押しまくる。ついついバイクも並べで撮 |
る。迷っても来た甲斐があった。大満足で美幌町 |
を後にする。そしてR243号に入る。看板に美 |
幌峠と出る。目の前の観光バスが邪魔かと思って |
いたが直線では見えなくなった。北海道ではずい |
ぶんゆっくり走っている。70km程度だ。標高 |
が上がってきた。エンジンも苦しそうにまわって |
いる。空気も冷たい。前を自衛隊の車両が走って |
いる。遅い。抜きたいが迷う。軽自動車は果敢に |
抜いていった。抜こうかと思ったとき、前方のい |
ろは坂を他の自衛隊の車両や観光バスが走ってい |
るのを見て無理に抜くのをやめる。車両の後るに |
は隊員が乗り組んでいるようだ。周りの景色も幻 |
想的なものに変わっていた。木もまばらだ。周り |
の景色を見ながら走っていると峠の頂上にさしか |
かったらしい。パーキングが現れた。パーキング |
にはなぜか自衛隊が集まっていた。ものすごい数 |
だ。後ろの荷台から次から次へと隊員が降りてく |
る。みんなみやげ店のそばを食べに並ぶ。あっと |
言う間に行列が出来た。メットをかぶったミリタ |
リー色の集団がそばを食べに並ぶ光景は何とも滑 |
稽だった。展望台がはるか頂上に見える。遠いと思いながら少し歩き始めると目の前に大パノラマが広がった。屈斜路湖が一望できる。視界は緑で埋め |
尽くされた。その緑は今まで見てきたような緑、燃えるような緑ではない。鮮やかな緑。冷たい緑だ。そして発光するような緑だ。そう蛍の光のような |
緑なのだ。エメラルドとでも言おうか。木もちらほらと生えている程度。ツンドラの様な感じだ。その中をワインディングが伸びている。そして湖かど |
っしりと構える。日本一の絶景と謳われるだけのことはある。絶句する迫力だ。簡単な構図だが決して想像だけでは描けない自然の配色だ。美幌峠は鮮 |
烈な印象を残した。トイレの中も自衛隊であふれていた。さすがにここでは写真は撮れない。ホットのコーヒーを飲みながら休憩する。摩周湖もみたい |
が時間も押している。何より昨日の繰り返しにならないようにまずキャンプ場をキープしてから摩周湖へ行くことにした。あまり適当なキャシプ場はな |
さそうだ。砂場オートキャンプ場あたりか。まだ自衛隊の車両は増えている。タンデムツーリングのカップルもいる。そろそろ出発しようとしていると |
フロントから白煙を吹き出しながらパジェロ?が駐車場に入ってきた。停車するとさらに白煙に包まれる。はっきり言ってさらしている。同情の余地な |
し。パーキングを出発して峠を下る。ここの峠は |
天下の絶景美幌峠。幻想的な光景が広がる。
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道幅も広い。ステップ荷重で曲がる練習をしてみ |
る。バイクは平行移動でもするように切れ込んで |
いく。面白い。峠を降りるとほぼまっすぐな道と |
なった。もちろん屈斜路湖には寄りたい。なにせ |
今年クッシーが出たというワイドショーを見たか |
らだ。湖畔を走っている割りに、湖は見えず売店も |
ありそうにない。そうこうしていると屈斜路湖和 |
琴半島の文字。左折してみる。ストレートを走る |
と駐車場と売店が見えた。2軒並んでいる。どっ |
ちに入ろうかと迷ったがスタンプのあるほうにす |
る。店内ではばあさんが一人とその孫とでも言う |
歳の若者がいた。ばあさんは物怖じせず、何かみ |
やげ買ってけと言った。こっちもそのつもりだ。 |
しかし大きなものは入らない。記念品を一緒に選 |
んでもらう。エイリアンのキーホルダーを勧めら |
れたときにはまいった。クッシー関係のものが欲 |
しいんですよと尋ねると今年クッシーが出たと喜 |
んで話してくれた。前に出たのは10年前らしい。 |
さらにその10年くらい前にも出たという。新聞 |
に出ただのテレビ見たかだのはしゃいでいた。し |
かしクッシー関係のグッズはないようだ。思った |
よりクッシーは全面に出されていない。がっかり |
するとばあさんは来年はそういうものも考えなき |
ゃだめだねぇといった。ただキーホルダーでクッ |
シーの文字が刻印されていたものがあったのでそ |
れを買った。本当はぬいぐるみが欲しかったのだ。 |
店を出ようとすると店のオヤジにあった。少し立 |
ち話をする。この辺で無料のキャンプ場を聞いて |
みた、ほとんど有料だそうだ。この店の両脇にキ |
ャンプ場があるらしい。300円と400円だ。道内のキャンパーは昨日で帰ったらしい。キャンプ場は空いているとのことだった。摩周湖は見たかと |
聞かれた。まだと答えると2時間かかると教えてくれた。店の主人にあいさつを言って店のすぐ隣のキャンプ場へはいる。和琴国説キャンプ場だ。管理 |
人に申し出ると好きなところに張っていいですと言われた。さすが空いている。さっさとテントを張り中に荷物を押し込む。頭がいい。先にキャンプ場 |
をキープすればいいのだ。しかしこれではその日にぎりぎりまで進めないことになる。そこは微妙jなところだ。久しぶりに身軽なバイクで出発する。摩 |
周湖へは下側のルートから向かうことにした。まず道の駅摩周温泉へよることにする。街まで結構走らなければならなかった。遠い。道の駅も奥まった |
変なところに隠れていた。スタンプを押す。懸賞に送る気はないがそれでも楽しい。次はいよいよ摩周湖へ向かう。道道52号へはいる。いきなり対向 |
車のバイクがパッシングしてきた。ねずみ取りか?慎重に向かう。摩周湖へ近づくといきなり急勾配の峠となった。手が痛くなるほど寒くなる。本当に |
今年の北海道はどうかしている。パトカーはいなかった。第一展望台へ着いた。ここは有料だ。じいさんが誘導してくれた。100円らしい。硫黄山の |
券も明日の分あるとか無いとか言っている。硫黄山?意味不明だ。展望台に昇ると摩周湖だ。険しい。これが摩周湖の印象だ。急lこ落ち込んでいるのだ。 |
対面には背の高い山がそそり立ち雲がかかっている。屈斜路湖よりカルデラであることを実感させられた。霧の摩周湖と言うが霧はなかった。天気も悪 |
ければおまけに寒い。初冬を思わせる寒さだ。観光客もあきれるほど多い。神秘の湖とはおよそ思えなかった。だが道もそれほど整備されなっかた昔は |
人も少なくひっそりとたたずむ摩周湖はさぞ神秘的だろうと思った。摩周湖を去る。ここへ来る途中ドライブインがあったことを思い出す。この寒さ何 |
か食べなくては耐えられない。赤いかわいらしい店による。ミルクハウス?バイクが数台止まっていた。店内にはいると泊まりですかと聞いてきた。ど |
うやらライダーハウスだったらしい。ラーメンだけ頼む。すると店のオヤジはシャワーを浴びているので20分ぐらい待ってもいいですかとたずねられた。 |
急ぐ用事もない。中は温かいので待つことにする。お菓子をもらう。地図を見ながら待っているとオヤジが出てきた。シャツ1枚。いかにも風呂上がり |
だ。それで厨房に立っている。外でバイクをいじっていた若者が入ってきた。オヤジと何か話し込んでいる。やはり基本はライダーハウスなのだろう。 |
ラーメンを食べ体もすっかり暖まった。店の隣では乗馬させてくれるらしい。何となく馬に乗りたくなった。帰る前にコンビニによる。今日はタンクバ |
ックにも詰め込んだ。もう体が冷えてしまった。暗くなりかけた道をキャンプ場まで帰る。天気が怪しい。キャンプ場に戻ってきた途端に雨が降りだし |
た。慌ててシートをかける。何とか間にあった。今日は早めのテントだ。雨はすぐ止んだようだ。距離的にはあまり進めなかった。先にキャンプ場に入 |
るなら多和平キャンプ場まで行っても良かったと少し後悔する。夜荷物を送ったと姉に電話を入れる。配送してもらわねばならない。長電話の人がいた |
ので少しウロウロしてみる。隣のキャンプ場へ向かう途中に変な自販機が立っていた。記念スタンプが作れるとのことだ。夜で人目もないのでふざけて |
作ってみる。100円入れると台紙が出てくる。これをテレカのように差し込みレバーを下げると出来上がりだ。はっきり言って全く期待していなかっ |
た。暗闇にかざしてみると、ゴージャス!意外な出来だ。力ラーの立体プリント。自分も挑戦する。出来た。同じ出来栄えだ。帰ろうとすると台紙が2 |
枚出てきたことに気づく。1枚白紙だ。これはもう一枚スタンプしてみるしかない。100円入れないと紙が出てこないのか、レバーが押せないのか。 |
レバーを押してみる。レバーは動いた。いやまだだ。インクが出ないのかもしれない。引き出してみる。完成!一枚得した。電話も終わっていたのでか |
ける。屈斜路湖にいるとは予想外だった反応。そう観光バスに揺られる旅ではないのだ。気の向くまま放浪してきた。シャワーは時間外で使えなかった。 |
なぜか24時間コインランドリーがあった。今日テントの中で大失敗。ロウの加熱した台をグランドシートに落としてしまったのだ。見事な丸穴があい |
た。ビニールと接着剤とガムテープで補修する。まあ一つの思い出となる。明日もルートは複雑だ。クッシーの湖畔で眠りについた。 |
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