襟裳岬攻略失敗…編 8/12

 今日はまだ様似町にいる。アポイ山麓自然公園キャンプ場だ。地図で見ると同じページの中だ。今日1日で約100kmは走ったがトータルで前進し
た距離は10km程度だろうか。今日襟裳岬に2度挑戦し2度とも敗れた。風がとにかくすごいのだ。日高山脈から吹き下ろす風がすごい。転倒しそう
になる。午前午後チャレンジしたがダメだった。今日の収穫はホクレンの旗をゲットできたことか。起きてみると今日も雨だった。ラジオを聴きながら
コーヒーをわかす。昨日は緊急事態で野宿したのだがここははっきり言って不気味だ。事実弟は朝4時頃テントの周りを回る謎の足音を2回も聞いたとい
う。自分は全然気づかなかったが。トイレで歯磨きと洗顔をする。雨の中の撤収は気が重い。今日第一にすることは給油だ。幸いホクレンはすぐ降りた
ところにある。給油してもらうと店員が走ってホクレンの旗を持ってきてくれた。噂ではメジャーなホクレンでは旗が品切れになるという。あっけなく、
しかも唐突に手に入ったので思わずありがとうございますと叫んでしまった。さらにホクレンではスタンプラリーもしているらしく台帳をもらう。今日
の最大の目標は襟裳岬越え。襟裳岬を目指し出発。今日はフリースを中に着込んだため暖かい。路面は相変わらずウェットだ。自転車組も多い。手を挙
げると挙げ返してくれる。海沿いの道になる。岩が道路まで張り出している。カーブも連続だ。北海道ではコーナーにR100とか曲線半径が示されて
いる。それに何とか覆道という簡易トンネルみたいなものが次々と出てくる。しかもその中はほとんど工事中で仮設信号で規制している。岩肌から水が
にじみ出ている。笛舞辺りまで来ると襟裳岬が何となく見えてくる。襟裳岬へ行くための道道34号へはいる。路面はドライに変わった。ここに来て風の
強さが急変した。分岐する前も日高山脈から吹き降ろす風の強さは感じていたが岬が近いためか、突風に変わる。まっすぐに走れないのだ。左から強烈に
吹き降ろす。マシンがセンターラインの方へ寄せられる。気にしてラインばかり見るせいもあろうが止められない。岬まであと10数キロ。何度も転倒
しそうになっては路側帯に止まる。前方に見える岬からは白いジェットが吹き出しているのが分かる。雲か水蒸気か。海へ糸が紡ぎ出されているようだ。
ものすごい速さだ。遥か海上では雲が切れている。好天を苦々しく見つめる。今日の気圧配置でこれだけの強風なのかそれともいつもこうなのか、分か
らない。ただ今日の所は突破を断念することにした。後から来るバイクは風の中をカッ飛んでいく。車重のせいだろうか。よく怖くないものだと感心す
る。様似町市街に戻ってきた。様似町はずれのドライブインでラーメンを食べる。まだ正午だ。午後どうするか決まらない襟裳岬は帰りに寄るとして
もいずれ日高山脈は今日、明日には越さざるを得ない。どのみちあの風では今日は日高山脈手前にいるしかない。明日以降の好天を期待することにした。
店のおばさんが日高地方のパンフレットをくれた。大衆食堂の方が生の情報が得られると実感した。店の外でパンフをみる。今日のキャンプ場をアポイ
山麓自然公園キャンプ場に決めた。にしてもまだまだ時間がある。店からすぐの所にエンルム岬があるので行ってみたが漁港に出てしまった。漁船が多
い。カモメも多い。黒っぽい鳥はカモメの雛だろ


エンルム岬近くの漁港にて。難攻不落の襟裳岬…。

うか。雛と言っても親鳥よりでかい。写真を撮ろ
うと雛に近づくと親鳥がおとりとなって目を引こ
うとしているのが分かる。悲しいかな人間様には
お見通しなのだ。雛は無様な飛び方しかまだ出来
ないようだった。振り返ると高台に墓地が見えた。
どうやらあそこが観音山公園らしい。この辺一帯
の人の霊園なのだ。よくキャンプしたものだ。も
うすることがないので今日の食料を買い出しにい
く。襟裳岬へ分岐する手前のセイコマートだ。つ
いでにあわよくば襟裳岬まで行こうとしたのだ。
だが近づくにつれ風は相変わらず強い。ジェット
も吹き出している。やはり断念。コンビニで食料
を買い込みアポイを目指した。キャンプ場につい
てみると大きな駐車場がある。立派なキャンプ場
だ。注意書きを見てみると有料だ。210円。後
で係員が徴収に来るらしい。サイレンサーを見る
とビスが脱落していた。その場で予備のビスを使
いネジロック剤も出して応急修理する。川沿いに
テントを張った。まだまだ時間的には早い。昨日
の失敗もあるから今日は少しゆっくりしようとす
る。家族連れも多い。いかにもアウトドアを楽し
みに来ているようだ。CDまでかけだした。ライ
ダーの身上は走ってナンボ。キャンプは休めれば
それでいいのだ。5:30頃猛烈な豪雨に見舞わ
れた。今朝ラジオで言っていた南西部での雨がシ
フトしてきたようだ。テントは結露はするがこれ
だけの雨もしのげるのだ。感激する。係員が来る
まで完全には休めないのだ。うっとおしい。ロウ
ソクはすこぶる暗いが暖かい。ただし溶けたロウ
はこぼれまくるのだ。服もテント内もロウまみれとなった。研修C以来パラフィンとは仲がいいのか。コンロは絶好調だ。ホットのコーヒーがすぐ飲め
るのだ。人間は火というものに大きな安心感を抱くのだ。インスタントも家で食べるのと同じ味だ。シュラフの狭さもアパートと変わらない。何しろア
パートでもエンソライトを敷いてそのうえで寝ているくらいだ。俺の生活レベルなんてテント持参のツーリングとなんら変わらないと気づき苦笑した。
7時頃マスツーリングの一行がやって来たようだ。8:30頃係員が徴収に来た。明日の天気を何気なく尋ねると前線が居座って回復の見通しはないと
言われた。今日を一言で言えば自然のすごさを身にしみて感じた日だった。越すに越されぬ襟裳岬。しかし、どのルートを通るにしても前進する限り日
高山脈は突破せねばならない。風が収まるのを願うばかりだ。結局雨をかわす形となったが、後図を策すのも面白い。明日はお盆だ。
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本日の走行距離 121km
燃費      19.54km/l