蜘蛛の旋律



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 まだまだシーラに訊きたいことはあったのだけど、目的地が近づいていたから、オレはそれ以上シーラに話し掛けなかった。シーラも察したようで、足早に廊下を歩いて、病室のドアの前に立つ。そのドアを開けたのはオレだった。だから、中の様子を最初に見たのもオレだった。
 病室のベッドには野草が横たわっていた。だけど、そこにいたのは野草1人ではなかった。その男は、野草の眠るベッドに乗っかって、両手を野草の首にかけていたのだ。
「お前! いったいなにしてるんだ!」
 とっさに声を出せたのはほとんど奇跡だった。怖くて足がすくんでる。オレはスポーツも人並みに出来るし、それほど身体も小さな方ではないけど、腕っ節に自信が持てるほどケンカの経験はないんだ。もしも男が襲ってきたとしたら返り討ちにあう危険性の方が遥かに高い。
 オレの声を聞いて男は振り返った。その顔を見て、オレは背筋が凍るほどの衝撃を受けた。男は、信じられないのだけれど、オレだった。無表情に野草の首を締めているのは、まさしくオレだったのだ。
 息を呑むオレの隣で叫んだのはシーラだった。
「あなた、片桐信!」
 片桐信。これが片桐信? ……初めてシーラとオレが顔を合わせたとき、シーラが間違えたのも無理はない。そいつはオレにそっくりで、オレ自身でさえ自分と違う何かを見つけることはできなかったのだから。
 ……しいて言うなら、奴の髪型は少し前のオレの髪型で、着ている服がオレが休日に着るようなボタンダウンのシャツだ、というだけだった。
「信、そんなことをしても無駄だよ! 薫の心はそこにはないんだから」
 シーラが言った言葉の意味には、奴も気付いていたようだった。


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 片桐信は野草のベッドから降りて、オレたちに近づいてきた。オレが読んだ野草の小説の中には、片桐信という名前の登場人物はいない。たぶん野草はその物語を文芸部では披露しなかったんだ。その理由もなんとなく判る。片桐信は、オレをモデルに作られたキャラクターだったんだ。
 物語を知らないから、野草がどの程度片桐信にオレを反映させたのかも判らない。姿形だけなのか、性格や能力もオレそっくりに作ったのか。オレと同じ容姿だからそんなに強そうには見えないけど、もしかしたら武芸の達人なのかもしれない。自分とそっくりだからこそ余計に恐ろしくて不気味だった。
 なぜ、片桐信は野草の首を締めたのか。こいつは野草を殺そうとしたんだ。野草のキャラクターが、どうして野草を殺そうとするんだ?
「シーラ、薫がどこにいるのか知ってるのか?」
 片桐の声やしゃべり方には違和感があった。以前、初めて自分が映ったビデオテープを再生したときに感じた違和感、それと同じものだ。オレのしゃべり方の癖、仕草の癖、目の前の片桐はオレとそっくり同じ癖を持っている。オレは背筋が寒くて、がたがた震えながら2人を見守ることしかできなかった。
「あたしが知ってるのは、信が知ってることと同じだよ。薫がどこにいるのかなんか知らない。だけど、弥生は言ってた。薫の下位世界がこれだけしっかり存在してるって事は、薫の意識はこの世界のどこかにあるはずだ、って」
 片桐はほとんどオレを見なかった。
「それじゃ判らないだろ。どこに行ったら薫を殺せるんだよ」
「弥生は薫が死ぬのは明日の朝5時20分だとも言ってたよ。薫に死んで欲しいならそれまで待っててもいいんじゃない?」
「……こいつがいなければそうしてたよ」
 そう言って、片桐は結局オレを見ることはなく、病室を出て行った。


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 オレが期待していた小説の偶然性は、確かに偶然を運んできてくれた。オレの予想はある意味当たっていたんだ。だけど、それを素直に喜ぶ気にはなれなかった。
 片桐信が病室から出た後、シーラは一度野草の様子を見て、変わりないことを知ったのか、オレに椅子を勧めてくれた。
「少し落ち着いた方がいいみたいだね」
 シーラはそう言って、野草のベッドに腰掛けた。
 椅子に身体を落ち着けると、オレはしゃべる気力が戻ってくるのを待った。片桐信は、まさにオレそのものだった。容姿も、仕草も、声もしゃべり方も。野草はこれほどオレにそっくりなキャラクターを造ることができたんだ。野草は天才だ。そして野草は、こんなにもオレを観察して、オレを研究していたんだ。
 なぜ、そんなことをしたのか、本当の理由は判らないけれど。
「シーラ……君はあいつにいろいろ教えていたな。どうしてだ?」
 シーラはなぜオレがそう言ったのか判らないように首をかしげた。
「あの男は、どうして野草を殺そうとするんだ? そしてシーラ、君はどうしてそんな奴に荷担するんだ?」
 意味が判ったのだろう。シーラは少しオレを哀れんでいるように見えた。
「信はあたしたちと同じだよ。薫に愛されて、薫の感情に同調して、物語からはみ出す自我を持つことができた。あたしや弥生や、アフルなんかと同じくらい、薫のことを愛してる。……判らない? 薫は今、死にたがってるの。あたしは薫を好きだから、薫に生きる希望を持って欲しいと思う。だけど信は、薫のことが好きだから、薫の希望をかなえてあげたいと思っているの」


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 野草がなぜ死にたがっているのか、オレはなんとなく納得していた。野草は自分の下位世界が現実に影響を与えていることを知って、そのことに絶望したんだ。だけど、例えばオレが思った通りだとして、オレは野草に生きる希望を与えることができるのか? 野草が小説を書くことをやめない限り、野草の下位世界は現実に影響を与え続けるのではないのか?
 野草に書くことをやめろと言うのは、死ねと言っているのと同じ事じゃないか。
「……そうか、野草のキャラクターの中には、野草を助けたい奴と、野草を殺したい奴とがいるんだな」
 そして、そのどちらも、野草を好きな気持ちはまったく同じなんだ。
「信だって本当は薫に死んで欲しいなんて思ってないよ。だから、あたし達が薫を説得できる材料を持ってれば、必ず味方になってくれる。巳神が薫を説得してくれさえすれば」
「説得、ね。たとえ今オレが野草と話せても、説得するところまでは無理そうだな」
「諦めるつもり?」
 シーラの口調がきつくなって、オレが顔を上げると、シーラはまるで挑発するような目でオレを見つめていたのだ。
 すごく綺麗な瞳だった。完璧なまでに整った顔立ちの美人が、宝石のような瞳でオレを見つめていて、唇の端が微笑むように僅かにつり上がっている。野草が生み出したキャラクターは、オレの精神の核を貫くような魅力を持っている。
 彼女が存在するのは小説の中だ。だけどオレは、そんな小説の世界に魅了されてきた。子供の頃から、作者が描くフィクションの世界に入り込んで。
 シーラは存在している。現実に生きる誰よりも鮮明に、存在し、生きている。
「まだ諦めてないよ」
 オレはそう返答するのが精一杯だった。


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 1年半前、入学と同時に文芸部に入部したオレは初めて野草に会って、その数日後、初めて野草の短編小説を読んだ。毎月発行している文芸部の会誌にはすぐに野草の枠が作られて、6ページを割り当てられた野草は、毎月正確に6ページの短編を書き続けた。野草が長編小説の原稿を持ってきたのはそれから半年くらい経った頃だ。題名のついていないその小説で、オレは初めてシーラに出会った。
 小説の中のシーラは間違いなく生きていた。短編よりも遥かに詳細に人物設定されたその小説の中で、オレはシーラとタケシの生き方を追体験しながら、彼女に恋をしていた。オレはシーラにあこがれていた。シーラと一緒に生きることのできるタケシを羨ましく思った。
 オレは今野草の、黒澤弥生の小説の中にいる。オレは今、あの時羨んだタケシと同じ場所にいるんだ。
「巳神、9時を過ぎたよ。薫が死ぬ時刻まであと8時間しかない。これからどうするの?」
 シーラがオレを頼っているのは、黒澤弥生がオレをこの小説に招いた事実があるからだ。もしもオレに野草を救う力がなければ、彼女はあっさりこの場から去っていくだろう。
「シーラ、君は確か、自我を持ったキャラクターが誰なのか判る、って言ったよね。それを教えてくれるか?」
 シーラは少しだけ考えて、言った。
「あたしの小説のキャラではあたしだけだね。信の小説も信だけみたい。あと、『地這いの一族』って仮題のついた小説に出てくる巫女と武士でしょ、それから、アフルの小説ではアフルと葛城達也。それと、作者の黒澤弥生、かな」
 シーラが言った小説の中で、オレが知らないのは片桐信が出てくる小説だけだ。他の小説は全部読んだことがある。……そうだ、さっき空に舞っていたあの子供。シーラが言ったキャラクターの中に子供はいなかったし、子供と見間違うほど身体の小さな人間もいない。だいたい野草の小説に子供が出てきたことはないんだ。シーラの知り得た情報に間違いがないなら、あの子供はいったい誰だったんだろう。


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「さっき見た、あれは誰なんだ? 空中でアフルに追いかけられてたあいつは」
「はっきり見えなかったからあたしにも判らない。たぶん、今あたしが言ったうちの誰かだとは思うんだけど」
「野草本人てことは?」
「それはないよ。もしも薫だったら、どんな遠目だって、どれだけ姿形が変わってたって、ぜったい判ると思う」
 シーラの言うことが真実か否か、オレに確かめる術はない。だけど今のオレはシーラから情報を仕入れることしかできないんだ。もっと他のキャラクターとも話せたらいい。そうすれば、シーラの言葉の裏づけを取ることだってできるのだから。
 野草の長編小説には題名がついていないことが多い。シーラが言ったキャラの中で、オレが会っていないのは巫女と武士と葛城達也だ。
 まずは巫女に会いたいと思った。武士は必ず巫女と一緒にいる。『地這いの一族』という小説の中で、巫女は人の運命を過去も未来もすべて見通すことができるんだ。
 だけど、巫女と会うためには、オレはいったいどうすればいいだろう。
「なあ、シーラ、巫女は確か、仙台に住んでるんだよな」
 巫女の物語は、野草の小説にしては珍しく、舞台が関東じゃなかったんだよな。最初山口県から始まって、宮城県に飛んで、最後少し東京に来たあと宮城に戻って終わる。巫女が住んでいたのは最寄駅からバスで1時間、更に徒歩1時間もかかるような奥地だ。彼女はテレポテーションができるような超能力者ではなかったから、こちらに向かうとしてもおそらく自家用車で、急いでも4時間以上はかかるだろう。
「巫女に会いたいならこっちで動くことはないと思うよ。だって、巫女は人の運命を司っているんだから。必要だと思ったら、巫女の方から会いに来てくれると思う」
 シーラの指摘はもっともだった。オレは、そんなに簡単なことさえ見逃してしまっていたのだ。


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「巳神、ここにこうしてても仕方ないよ。あたしは薫を探しに行く。巳神はどうする?」
 シーラはもしかしたら、オレに失望しかけてるのかもしれない。いつもシーラの隣にいたのはタケシで、タケシはオレよりもずっと冷静で有能だったから、それと比べればオレはずいぶん頼りなく思えたことだろう。だけど、オレだって黒澤に召喚された勇者なんだ。シーラに失望されるのは悔しかったし、タケシよりも劣ると思われるのは無性に腹が立った。
 肉体的にはタケシにかなう訳がないけど、頭脳労働ならぜったいタケシには負けたくないんだ。
「オレはもう一度例の本屋に行ってみたいと思ってる。シーラは? つきあってくれる?」
 オレの言葉にシーラは子供のような笑顔を見せた。
「つきあうよ。巳神は足がないもんね。ここから本屋まで歩いたら20分近くかかりそうだし」
 果たしてシーラの信頼を繋ぎとめられたのかどうかは判らなかったけれど、オレたちはまたシーラの車で、野草が爆発事故に巻き込まれた、あの本屋に向かったのだ。
 本屋の周辺の道路は狭く、運転にあまり自信がないというシーラの言葉もあって、オレたちは手前の大通りに車を停めて歩いて本屋に向かった。
 ごちゃごちゃした本屋までの道のりをオレはあまり覚えてはいなかった。たぶん、野草が事故に遭ったショックで、前後の記憶が飛んじまったんだ。代わりにシーラが道案内をしてくれる。来たことがあるのかとのオレの問いに、シーラは答えた。
「この本屋も薫の下位世界が生み出したんだよ。たぶん薫自身は気付いてなかったと思うけどね。まだ中学生だった薫が、自分が欲しい本を何でも置いてくれる本屋を望んで、それで生まれたの。「蜘蛛の旋律」がここにあったのも、巳神が欲しいと思う本を、薫が望んだから。……気付いてなかったんだね」
 なるほど、それであの本屋の老人は、古本屋の主人をやるために生まれてきたような不思議な雰囲気があったのか。
 どうやら野草の古本屋に対するイメージは、オレ自身のイメージと多くの共通点を持っていたのだ。


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 爆発で炎に包まれた古本屋。
 オレはシーラと黒澤に、ここが野草の下位世界であると証明されたけれど、たとえそうじゃなくてもこの本屋を見た瞬間に信じただろう。
 古本屋は、何事もなかったかのように、その場所にあった。
「てことは、シーラ、ここの爺さんはタケシと同じで、今は自我を持ってないんだな?」
「たぶんね。……ただ、この人は薫の小説の登場人物じゃないから、あたしにもはっきりしたことは判らないよ」
 シーラは、本屋が爆発した瞬間に、野草の下位世界と現実世界が分離したのだと言った。正確には野草が意識を失った瞬間、ということになるだろう。あの時、一緒に爆発に巻き込まれたはずのあの老人は、既に現場には存在しなかったんだ。だから病院に運ばれた形跡もなかったし、死体も発見されなかった。
 古本屋がここに無傷で存在するということは、老人だって無傷で存在するはずだ。野草の下位世界の人間はタケシもシーラも区別なく存在している。存在しているか否かは、自我を持ったか否かとは無関係なんだ。
 オレは覚悟を決めて、その本屋の入口をくぐった。うしろからシーラもついてきている。薄暗い店内の、正面のレジのところに、あの老人は座っていた。
 オレが近づいて行くと、ゆっくりと顔を上げ、眼鏡をそっと押し上げた。非現実的な不思議な気分。オレを見て何故かにやっと笑った。同じだった。数時間前にオレがここを訪れたときと、まったく同じように老人は行動しているのだ。
「本をお求めかね?」
 同じセリフを言った老人に、オレは必死になってあのときの会話を思い出そうとした。確かあの時オレは ――
「ええ、そうです」
「じゃあ、これを持っていくといい」
 そして、老人が言ったセリフがその時のものとは違うことにオレが気付いた瞬間、老人はいきなり立ち上がって、手に持っていた包丁を振り上げてオレに襲い掛かってきたのだ!


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 最初の一撃を何とか避けることができたのは、オレと老人との間に約60年の年齢差があったからだ。バランスを崩して本棚に倒れ込んだ老人を避けて、オレは道路に飛び出した。シーラはオレより早く本屋から出て少し距離を置いたところで身構えてる。振り返って見ると既に老人は立ち上がっていて、開かれたままのドアを出てくるところだった。
 たぶん走ればぜったいオレたちのほうが速い。もしもシーラが駆け出していたのならオレの足も動いてくれてたのかもしれない。だけど、いったん振り返って包丁を振りかざした老人を目にしたら、それだけで足がすくんで動けなくなってしまったのだ。老人はちょっとぎこちない仕草で近づいてきて言った。
「……わしでない異質なものは排除せねばのお……」
 あたりは既に暗くてはっきりとは見えなかったのだけど、街灯の明かりに映し出される老人の様子は明らかに常軌を逸していた。オレを上目遣いに見つめて、意味の判らない薄笑いを浮かべている。オレは本当に恐ろしくて、心の中で見えない誰かに助けを呼びつづけた。ここは黒澤弥生の小説の中で野草薫の下位世界なんだ。誰でもいい、誰かオレを助けてくれる奴を小説に登場させてくれよ黒澤!
 完全に体勢を立て直した老人はもう目の前に迫っていた。包丁はオレの顔面に向かって振り下ろされようとしている。小さな痩せた老人はものすごく巨大な存在に見えた。何のことはない、いつの間にかオレは座り込んでしまっていたんだ。
 その時だった。
 なんだかすさまじく嫌な音がして、老人が苦悶の表情を浮かべて目の前に倒れこんだのは。
 その意味はすぐに判った。シーラがオレと老人との間に割り込んで、老人に当て身を喰らわせたのだ。
「……巳神、立ったら?」
 振り返ったシーラは、心底呆れたようにため息をついた。まだ膝も腰も怪しかったのだけど、これ以上恥をかくのも悔しかったから、何とか平静を装って立ち上がった。……たぶん、たいしたフォローにはならなかっただろうけど。
「……なんかすごい音がしたけど……」
「骨くらい折っとかないと危ないでしょ。しっかりしなよ。相手は普通の年寄りなんだよ」
 身体もそれほど小さくない男が、美人でたおやかな女性に救われたという事実は、それだけでかなり赤面モノだった。


50
 それにしても、この老人はどうしていきなり襲ってきたりしたのだろう。シーラによれば、自我を持たなかったキャラクターは小説の通りに行動していたはずだ。この老人が小説に書かれたことはなかったけれど、野草の持つ古本屋の主人のイメージが、突然包丁で襲い掛かるなどというものではないことくらいは想像できる。老人は明らかに様子がおかしかった。まるで誰かに操られてでもいるみたいに。
 倒れている老人から目を離して、少し遠くに立っているシーラに視線を戻した。その時シーラは目を伏せて、何かを考えているように見えた。
「シーラ、あの……」
 そして、オレは見たのだ。振り返ったシーラが、あの老人とまったく同じ雰囲気を醸し出している。上目遣いでオレを見据え、奇妙な薄笑いを浮かべているところを。
「シーラ……?」
 ぎこちない仕草で、シーラはオレに近づいてきた。心臓がドクドク鼓動を伝えてくる。まさか、シーラも老人と同じになってしまったのか? 見えない誰かに操られて、オレを殺そうとしているのか……?
 知らず知らずのうちに、オレはあとずさっていた。さっきまでオレの足元にあった、老人の包丁。距離を詰めてきたシーラは、ゆっくりとした動作で包丁を拾って、刃先を動かす。狙っているのは、オレの心臓。
「……あたしでない異質なものは、排除しないと……」
 にやりと笑って突っ込んでくる。包丁をオレの心臓に合わせて、機敏な動作で。
 逃げられる訳がない。彼女の方が動作も素早く、明らかにこういうシチュエーションに慣れているのだから。

 懐に飛び込んできたやわらかい身体に押されて、オレはうしろに倒れこんだ。
 オレは、殺されてしまった。


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