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第三幕 宮殿大舞踏会


王女との衝撃的な出会い、愛を誓いながら引き裂かれた王子、ジークフリート。
あくる夜の盛大な舞踏会ですが、心はすでにオデットのことばかり・・・。

盛大な舞踏会は、スペイン、ハンガリー、ポーランド、イタリアなどから大勢の
招待客で溢れていました。
もちろん、王子の結婚相手の候補の美しい姫君たちも、美しく着飾りワルツを踊って
王子の気を引こうとしますが、やはり王子の心はもうオデットのもの・・。
気もそぞろの王子は誰の誘いにも素っ気無い態度です。

「この中にお気に召した娘さんはいましたか?」

王妃の問いかけにも王子は首を横に振るばかりです。

王妃が花嫁候補にお詫びの言葉をかけようとしたその時・・・。
雷鳴が轟いたと思うと、突然二人の客人が現れました。

その名はフォン・ロットバルト。そして美しい娘オディール・・・。
それは貴族に化けた悪魔ロットバルト、そしてオデットそっくりに
変身した娘の姿でした・・・。

オディールの姿を見て王子は愕然とします。
王子の瞳に写った娘の姿はまさしくオデット・・・。
愛するオデットが自分に会いに来てくれた・・。そう信じ込んでしまいます。

王子はオディールに駆け寄り、抱きしめ、ダンスに誘います。
妖艶、情熱的な魔性の踊り・・・。オデットの持つ清純な踊りとは違います。

窓の外には白鳥の姿のオデットが、怯えながら見守っています。
何とか、王子に気付いてほしいと願っても、
すっかり妖しげな魔性の虜になってしまったジークフリートには
願いは届きません。

やがて情熱と魔性の踊りを終えると、王子は驚きの目でみつめる
広間の全員の前で宣言します。

「母上!この人こそ、私の花嫁になるべき人です」

貴族に身を変えたロットバルトが王子にこう尋ねます。

「ほう・・この娘と結婚すると言うのだね?神にかけて永遠の愛を誓うと・・」

窓の外では悲しく、祈るような瞳でオデットが見つめています・・・。

オディールに愛を誓ってしまったら、オデットは二度と元の人間の姿には
戻れません。二人で誓い合った愛もすべてかなわなくなってしまいます。

オデットの願いも空しく、ジークフリートはすべての人の前で
オディールと結婚すると誓ってしまいます。

その瞬間、辺りは暗闇に包まれます。窓の外・・・浮かび上がるオデットの姿。
悲しそうな瞳で王子を見つめます・・。

その姿で王子は自分が心を操られ騙されていたことに気付きますが、
時すでに遅く、暗闇で一人高らかに笑うロットバルトが叫びます。

「これでオデットは永遠に私のものだ!お前はオデットとの誓いを破った。
これで永遠に姫は人間の姿には戻れないのだ。」

笑い声と共に悪魔の姿に戻ったロットバルトはオディールと共に
忽然と消え去ってしまいました。

悲しげに羽ばたいて去ってしまうオデット・・・。

取り返しのつかない事をした王子ですが、何とかオデットの許しを得ようと
飛び去ったほうに向かって追いかけてゆくのでした・・・。(第3幕 終)




以上が第3幕です・・・。華やかな舞踏会、いろいろな招待者の踊り・・
見所はやはりの魔の手に騙されたジークフリートがオディールに魅せられてゆくところ。
悪魔の罠とは言え、永遠の愛を失ってしまったオデットとジークフリート。
いよいよ物語の終焉へと向かいます・・・。


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