工房作業




Fussen工房紹介

Fusessenの工房は薪で暖炉をとるのだ、理由は室内に穏やかな湿度がViolinに必要なことで、
450年の建物の中に優しい暖かさがこもる。   薪はお父さんの土地からもらって来るもので、
お父さんの土地は2山が 庭だそうで、Violin材料のスプルス・メイプルが樹生している。    
まさにすべてがViolin製作の環境といえるでしょう。                        

今日は弓のクサビとなる木材を頂くこととなり、全く驚きである。                  

 
暖炉                    工房の様子

 
屋上には材料と薪が保管されている






工房のTV撮影




Fuessenの工房にGerman Televisionが取材に入ることになった。5月24日に放送局の
Chistine Vossが事前打ち合わせに訪れた。
さすがに放送関係者明るい表情で会話を交わす。
取材日は5月26日でドイツでは休みだが取材にはいる。ドイツ全土に9月に放映されることにな
る。この放送局フランクフルトより遠くのKolnにあり何処からの情報でHofer工房の取材を決め
たのか小生にはよく分からないが大したものと関心しきりです。

5月26日Fuessenの工房前から撮影が始まった。3名のスタッフがやって来た。

  
女性スタッフがとカメラマンと音声さん揃って打ち合わせ中

   
木材の選定から機械加工
  
   
手作業                      裏板の選定
 
   
ニス塗りの説明
 









ナイフのハンドル製作

基礎的技術を学ぶためにミッテンバルトで購入してきたナイフのハンドル製作をすることにした
握り易いように中央が手にフイットするのがコツで、何度も基本的な磨きを繰り返し着色に入る
木目を浮き立たせるには基本的な段取りのミスが後で問題になるのでベースの加工が重要だ
ステインは好みの色を選んで乾燥を待つことにする。



乾燥が終わりニスを塗る作業に入るが色むらがあり表面のステインをお湯で軽く溶かし色を整
えるために拭き上げて色合いを見る。再度乾燥させてニスを塗り拭き上げて完成だ。    


このナイフを使ってバイオリンを作るぞ








修理作業

修理の作業だが基本は変らないが慣れるまでには少々時間が掛かりそうだ。所変れば品変る
で宿命である。                                               
特に鉋の使い方だが、頑なに日本式の鉋を使用していた小生にはかなりなものだ。      
他国のことは知りませんがドイツの加工は鉋の使い方で決まると言えそうだ。 
Very difficultだが、慣れればよけいな治具は必要なさそうだ。      
まさに職人技といえる細かく正確なテクニックを身に着ける必要がある。             
ヤスリの削り後、細かい凹凸を五感で感じ修正していく技は素晴らしいもので、作業の後どの
ような結果になるかを考慮しながら作業を進めている。                       

人により国により様々なViolinの修理や製作技術があり小生も自己流の作業をしていたが、 
少なくとも小生の知識より合理的で確りした作業方法を習得できそうだ。             

早速知ったのは簡単なようで難しい毛替え作業だが、へたな毛替えはすぐにピンが飛んでし
まうか゛ピンの押さえだけではなく毛の結び方と加工の仕方が最も重要であることを知った。 
きっと知り尽くしている方からすればお腹を抱え笑うことでしょうが。               

少々技術が必要だが、ポリッシングの仕方にも合理的な方法があり習得中だ。        

今日は指板とサドルの修理と交換作業に挑戦だが、これも鉋技術が光る。実に正確に作業
をするものだと感心する。                                         

ミュンヘンのお客様からの依頼でチェロの修理だ

1932年製作のチェロで、かなり修理した後が見られる。表板を取るのに意外と簡単だったが 
さすがにブロック部のリムーブは慎重であった。                            
修理の後が生々しく板も脆くなっているので状況確認のため、写真を撮っているところだ。  
この後1ヶ月になるが一向に修理は進んでいないが如何するのだろうか。

 







新作の製作

5月17日からViolinの製作を始めることになった。忙しい中突然のことで驚いたがMaisterが新
作の製作を始めた。Maisterの製作方法を忠実に実行できるか不安だが過去の自己の驕りは
全く無い修理仕事の一旦を教えて頂いたお陰でViolin製作テクニックの奥深さをつくづく知った
からです。
工具の違いもあるのだが論理的で実にシンプルな製作方法だが少々経験が必要である。

材木からの加工

作業は長いこと寝かせていたスプルスの加工から始まった。
 
木材は近くの山から伐採したもので当然のことですが節や松脂もがあります。幾つか加工し
木目の良い物を選ぶことにした。

作業は早い正確な加工ができれば無駄はない。
  
2ピースの材料を接合させるのにいとも簡単に作業は進む








マエストロの教え

マエストロが厳しく叱ってくれることは幾つかある。職人として長い修練の中から守らなければ
良い楽器ができないことをよく知っているからで、十分に説明を受けずに勝手に作業をすると
必ず失敗する。説明を受けても工具の扱い方や製作方法を体が憶えていないために無理な
のです。何れにしろ絶えずSimple & Fastを追求している。
最も大事にするのが職人の手足となる工具類の扱いで神経質な程に絶えず気を配っている。
同様に大事にしているのが五感で感じることで、これは小生の見たところ厳しい修行時期に
習得したものだと推察しておりますが、マエストロ自らも強調しています。
五感と簡単に言ってしまいましたが光を利用した平面の見方、曲面の見方、凹凸の見方は
経験が必要です。同時に加工技術は更に経験が必要となる。
Mittenwarldの修行は厳しいと聞きますがやはり不出来な物は捨ててしまいます。
根底に一貫して良い楽器を追求しょうとする姿勢を強く感じます。