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「りいちゃんぺいじ」トップPC-9800紹介PC-9800シリーズを導入しよう

PC-9800シリーズを導入しよう!?

新しい技術導入がないどころか生産中止になり、もはや入手も難しくなりつつあるPC-9800シリーズですが、PC/AT互換機にはないメリットがあります。

1.強力な安定性

PC-9800シリーズは同じWindowsでもPC/AT互換機よりもフリーズの回数が少ないのです。本当の理由は不明ですが、私は「部品同士の相性問題がない(PC-9800シリーズ対応と明言しているため)」、「ドライヴァーがPC-9800シリーズ専用」に理由があるのではないかと思っています。(かつてのNECはソフトウェア、ハードウェアとも過酷な業務に耐えうる最高水準のものを作っていました。およそ15年の使用に耐えるハードディスク、3000回を越えるリセットに耐えるマザーボードなどが最たる例です。)

ただし、最新のものでも製造完了から既に10年近くが経過しています。老朽化と言う観点からこの項目は近々削除しなければならないかも知れません。

2.マルティブートのサポート

PC-9800シリーズが世に出た時、WindowsがパソコンのOSの全てではありませんでした。そこでNECではハードウェアレヴェルでマルティブートをサポートしたのです。

これにより、末期の高性能仕様のPC-9800シリーズであれば、MS-DOS6.2Windows 9xWindows2000orNTFreeBSD(UNIX)Linuxなどを共存させることができます。これをPC/AT互換機で行おうとすると安定性に問題が出たり、設定にトリッキーな工夫が必要だったりします。また、Macintoshではマルティブートを望むのはなかなか困難です。(その後、Bootcampを搭載するようになり、マルティブートは楽になりました。)

3.SCSIIDEの共存(デスクトップ機のみ)

PC-9800シリーズではSCSIIDEの別なく、同時にブートメディアとして使うことができます。また、外付け、内蔵の違いを意識する必要もありません。

4.セキュアな環境

PC-9800シリーズのHDDはPC/AT互換機で読むことはできません。(制限つきながら逆はできます。)HDDが盗難の被害に遭っても、PC/AT互換機で中身を盗み見ることはできません。特に今後はPC-9800シリーズの入手、また使える人も減りますから、皮肉なことではあるのですが、よりセキュアになります。

ここまではいいことづくめなのですが、大きな問題があります。

1.新しいデヴァイスに非対応

PC-9800シリーズでは末期のものについてはUSBに対応していますが、iLinkeSATAには基本的に対応していません。また、高速な仕様のIDEについても同様です。

2.新しいOS・ドライヴァに非対応

PC-9800シリーズではWindowsXPが使えません。(実害はほとんどありませんが、WindowsMeも使えません。)もちろん、後継OSのWindowsVISTAWindows7も使えません。

Windows2000は使えますのでマシンパワーに余力があれば、NT系OSが必要であればその選択がベストでしょう。ただ、PC-9800シリーズはWindows9xの動作も安定しているので、無理にNTテクノロジーに依存しなくても良いでしょう。

また、DirectXVer8以降が使えません。これは美少女ゲーム生みの親であるPC-9800シリーズで、最新の美少女ゲームができないと言う事態を生んでいます。(DirectXはゲーム製作においてプログラマーの負担を大幅に軽減します。ヴァージョンが上がるほど、負担は軽減します。低予算で数を作ることを至上命題としている美少女ゲームメーカーにとって、プログラムの技巧に走る余裕はありません。技量不足を補う手段として新しいDirectXとマシンパワーに依存せざるを得ない事情があります。)

3.高性能のCPUを搭載したマシンが存在せず

PC-9800シリーズの最終モデルPC-9821Ra43Celeron 433MHzです。特殊な方法で差し替えてもPentium3 800MHz程度が限界です。これはFinalFantasyXIなどの3D映像を多用するゲームでは大きな足かせになります。また、AGPバスを搭載していませんから最新の高性能グラフィックカードを使用することもできません。ただ、この水準であればDVDの鑑賞やCD-Rの作成などはできます。

4.狭まりつつある周辺機器の選択肢

かつてはPC-9800シリーズ用の周辺機器は簡単に見つけることができました。しかし、生産中止になった今、サードパーティーがPC-9800シリーズ用の周辺機器を新規に作ることはまず、ありません。こうなると、中古市場かPC/AT互換機用の周辺機器の流用になります。前者の場合、希望する周辺機器が常に在庫があるとは限りません。後者の場合、安定した動作が期待できないなどの問題があります。

とは言え、AT互換機用のドライヴァーで大抵対応しますので、むしろこれから問題となるのがハードウェア側がWindows98対応を打ち切ってしまった場合です。そして、その問題は現実のものになりつつあります。

5.修理不能の懸念

PC-9800シリーズは生産中止であり、修理部品の入手も確実に難しくなっています。このため、PC-9800シリーズのみでシステムを組むのはメンテナンスで事業の中断が許されない部門には適しません。どうしてもと言う場合、自前で修理部品を一式以上持っている必要があります。

ただし、PC-9800シリーズを専門に修理する業者などもあり、いくらでもお金をかけても良いのでしたら、まだ何とかなります。

こうしたことを踏まえて、PC-9800シリーズをお勧めできるユーザーは以下のようになります。(マシン自体が老朽化しているため以前あった「堅牢」の項目は削除しました。)

3つ以上、いえ4つ全てが当てはまるのでしたら、PC-9800シリーズの導入をお勧めします。1つも当てはまらない方には、客観的に申し上げてお勧めできません。どうしてもの場合、エミュレーターの利用を考慮した方がいいかも知れません。

 

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