なでしこジャパン、すごかったですね。
私は、アラームを朝4時前にセットして、決勝戦を見させてもらいました。
初優勝という快挙に、思わず歓声を上げ、いっぱい元気をもらった気持ちです。
日本、アメリカという国を背負った感じがせず、ほんとにサッカーというゲームの楽しさを堪能させてもらったという喜びでした。
彼女達の、なんとさわやかなこと。こういう若い人たち、女性がいてくれることたのもしく、また嬉しく思います。
加古川北高校野球部も兵庫県大会決勝、再試合までよくがんばりました。お疲れさまでした。
東洋大姫路高校の
甲子園での健闘を祈っています。
「僕は、そして僕たちはどう生きるか」 梨木香歩さんの新刊です。
震災、原発事故、その後の混乱。また平和と思えた国でのテロ事件、人命軽視の鉄道事故、なんだか心晴れない
ニュースの多い日々です。
そんな中での梨木香歩さんの新刊です。
「本のタイトルがすごいなあ」など思いながら読み始めましたが、
これは
まさに、いつのまにか集団、群れのなかで“鈍感”になって生きてきた大人にも突きつけられた課題ではないか、
私は、そして私たちは「どう生きてきたのか」「どう生きるか」というテーマに引き込まれてしまった一冊でした。
「僕は、そして僕たちはどう生きるか」 梨木香歩 1680円
14歳の僕はみんなからコペルと呼ばれている。
(吉野源三郎 著「君たちはどう生きるか」のコペルくんを踏まえたものだと思います。)
連休初日の朝、土に住む小さな生物が好きな僕が、ルーペを片手に雑木林をうろついていた時、
染色家の叔父ノボちゃんに会う。
染色に使う排気ガスや除草剤のかかっていない清浄ヨモギのありかを聞かれたことから、
6年生から不登校を続けて会っていない親友だったユージンの住む広い敷地の古い農家を思い浮かべる。
そして彼の家を訪ねる事になり、そこから思いもかけない一日が展開する。
ぎこちなかったユージンと僕は一緒に過ごした屋根裏部屋の古い書物や、開発に反対していた亡くなったおばあちゃんの思い出、そして従妹のショウコとの再会などから、
お互い少しずつ心が開かれるようになるが、
そこで僕は、ユージンから不登校の原因となった学校での出来事を聞かされる。
知らなかった...。
いや、ユージンの気持ちをわかりながら集団の圧力に負けた自分を思い出し、僕は愕然とする。
人が生きる上で、家族、友人、学校、社会、時代、国家などいわゆる群れのなかで生きてくことは必然です。
しかし群れの多勢のなかで殺されていく思想もあります。
多勢によりかかることから無意識のうちに、それに加担してしまうことも...。
普通とか常識、数々の正論、公共の利益など、抗いにくい大きな流れの中で、
何かふに落ちないものを感じても、そういう自分の気持ちを大切にすることは難しい。
気がつくと大きな流れは、思いもかけない方向に人を連れて行ってしまう。
この物語の中にも戦争、環境の破壊の問題、そして大人の性に傷つけられる若者が登場します。
群れから一度、離れてみる事が必要な人もいる。
けれど、やはり人との関りがなければ人は生きてはいけない。
「そう、人が生きるために、群れは必要だ。強制のない、許し合える、ゆるやかで温かい絆の群れが。
人が一人になることも了解してくれる、けどいつでも迎えてくれる、
そんな「いい加減」の群れ。」
今、私たちが生きていくために必要なもの、それは集団の強いリーダーシップよりも、
しなやかで繊細な一人一人の
思想なのかもしれないと思います。
この本の中にも書かれているように「考え続けなくてはいけない」
自分を大切に
するためにも、他の人を受けとめるためにも。
若い人たち、大人の人にも、ぜひお勧めしたい本だと思っています。
節電の今、というわけでもないのですが...。
「昔のくらし道具事典」 上橋監修 江戸東京博物館 5250円
学校の選書会にも、よく持っていく本です。
私にとってはなつかしさも大きいのですが、
日々の暮らしの中に歴史を学ぶことは、今を考える上でとても役にも立ち、必要なことだと思います。
古い時代から人は暮らしに便利な道具を考えてきました。
その多くは木や竹や鉄、土などからできています。
プラスティックやステンレスが出来、今では道具からスィッチで動く機械となったものもたくさんあります。
死語になってしまった道具の名前も多い。羽釜、十能、蠅帳、五徳、五右衛門風呂、行李などなど。
かろうじて私世代の記憶にとどまっています。
この事典では、写真、イラストで、道具の説明、使い方、年代、そして現在はどのようなものになっているかなどが
わかりやすく説明されています。
でも蚊帳やうちわ、すだれ、湯たんぽなど最近、見直されてきたものもありますね。
昔の人々の心も感じられる楽しい事典です。
bookspace ジオジオ 夏休みをいただきます。8月13日〜8月19日 みなさまもいい休暇をお過ごし下さい。