★ジオジオからのメッセージ
私たちの星、地球は想像を超える壮大な宇宙のしくみの中で回り続けています。 慣れない環境で、緊張の4月を過ごされた方もいらっしゃると思います。連休はのんびりと骨休みができたでしょうか…。
← 5月刊行予定 「歳月」 900円+税
戦争とは何か、何だったのか。戦争は人々をどう変えるのか、どう変わったのか。
思えば戦後に生まれた私たちの世代は、親の戦争体験を耳にすることはあっても、一応の平和を享受しながら生きてきた戦争を知らない子どもたちでした。
今なお、戦火の止まないパレスチナ。ガザの人々の思いをつづった絵本。
■ ブックランド紙上で紹介した本をご希望の方は、
1985年2月 開店一ヵ月前 マイナス1号 から始まったジオジオのミニコミ from BOOKLAND です。
パソコンが苦手なジオジオのおじさんが、手書きで作っていました。
242号からは、サイズもA4になり、word を使ってのブックランドになりました。
ブッククラブの配本には、いつも同封させていただいています。お読みいただけたら嬉しく思います。
474号
ジオジオのケヤキやツタの柔らかな新緑も、日を追うごとに葉の色がたくましい緑色に変わっていきます。
時々、キジバトやスズメ、シジュウカラ、ヒヨドリ、メジロ、などがやってきては枝を行きかいます。
鳥たちの日常にジオジオのケヤキの木も入っているとしたら何だか嬉しいです。
5月の空気を思い切り深呼吸しながら、しばらくはこの季節を楽しみたいと思います。
その中にすべての生きものの命の営み、そして私たちの暮らしがあるのですね。ケヤキも鳥も私も…。
そして、それは未知なる風を起こし、未知なる明日をもたらしてくれます。
また、前に…です。
勉強も、部活も、仕事も、楽しい思いも、しんどい思いも、悔しい思いも、明日も、明後日も…どうか恐れずに…。
「自分の感受性くらい 」 茨木のり子 700円+税 【1977年 花神社より初版 この度、岩波現代文庫にて刊行されました。】
「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ—」をはじめとして茨木のり子さんの代表的な詩が20選 収録されています。
そのなかの「癖」は 「遅かった 菊ちゃん!」というフレーズと共に私の心に残り続けている詩です。
時として茨木のり子さんの詩が放つ "ブロウ"が必要になります。
「未来に残す・児童文学作家と画家が語る戦争体験 3 あの戦火を忘れない 選録」 2000円+税
この体験記は、太平洋戦争が終わって約三十年後に書かれたものです。
子どものころ戦争を体験した人たちが、記憶も鮮明で心の傷もまだ生々しいままにつづりました。現代の子どもたちに語り伝える、鮮烈な体験記録集です。
今西祐行、長崎源之助、斎藤博之、北畠八穂、さねとうあきら、早乙女勝元、漆原智良、上野瞭 (敬称略しました。すみません。)
児童文学、絵本でたくさんの作品を私たちに残してくださった方々の言葉で、戦争で目撃し、体験したことが語られています。
戦争に勝つため、お国のため、天皇陛下のため…そこにあったのは、人を人と思わない暴力でした。
今の子どもたちは事情が違います。
世界各地で起きている戦争の生々しさを、ニュースやSNSで目の当たりにしながら危うい時代の中を生きています。
私たち大人は、どのように子どもたちに戦争を語ればいいのか…。未来を見通せない状況の中で途方に暮れてしまうのが本音です。
過去の戦争も、今の戦争も、私たちと無関係ではありえないのにです。
戦争の加害者にも被害者にも犠牲者にもなりたくない、させたくない。その意志だけは持ち続けたい。そこにつきるのですが…。
「もし ぼくが 鳥だったら パレスチナとガザのものがたり」 ファーティマ・シャラフェッディーン 文 アマル 絵 片桐早織 訳 1800円+税
もし ぼくが鳥だったら このかべをこえて ぼくたちの家へ とんでいくのに ぼくたちの家は このかべのむこうがわにある。
80年前、ふるさとを追い出され、高いかべにかこまれたせまい場所でくらすことになったパレスチナの人々。
よそからきた人たちがそこにイスラエルという新しい国をつくった。
パレスチナの人々はこの悲しい出来事を「ナクバ」(大厄災)と呼ぶ。
とうさんは、いつか帰る日のために家のかぎを大切にもっている。
配本に追加する、あるいは配本に入れる、
という形でご注文くだされば、翌月、翌々月にはお送りできます。
不明の点は、TEL、FAX、Eメールでお問い合わせください。またブッククラブ以外の方のご注文もお受けします。 ★注文★
新刊より
小学館出ました!! 第3弾!! 「大ピンチずかん 3」 鈴木のりたけ
初登場のじぶんのうっかりぐあいをはかる「うっかりメーター」 そして大ピンチのレベルを表す数字も楽しい。
大ピンチをのりこえる方法も書かれていて心強い。
「ビニールぶくろがめくれない」「はなしを きいていなかった」
「いおうとしていたことをわすれた」「なまえがおもいだせない」
えっ!まるで私のあるある…。
裏表紙の見返しに書かれた「まだまだあるぞ!こんな大ピンチ」ほんとにネタがつきませんね。
みんな大ピンチの日々を生きてる。笑おう!
みんなにもあるのか…と、ちょっと安心も…。(笑)
既刊 「大ピンチずかん」 「大ピンチずかん2」 各1500円+税
偕成社「いろいろたべもの」 内田有美 作・絵
シルエットで、なんのたべものか、あてっこです。
それぞれのユニークな形から、食べ物を想像していきます。
しろいたべもの なーんだ?きいろいたべもの なーんだ? オレンジのたべもの なーんだ? あか みどり むらさき…。
手に取って食べてみたくなるほどリアル感あふれる緻密な美しい絵です。
美味しそう…です。
1300円+税
GAKKEN
「くらべるえほん いきもの」 ちかつたけお さく・え
どこがちがう?なにがちがう?
にている いきもの をくらべて、ちがいをかんがえる絵本。
右の絵と左の絵をよ~く見てください。似ているようでちがいます。
写実的な絵です。ちがうのはわかっても、えっなにが?
巻末に生きものの名前とちがいの解説もありますが、そこからもいろんな知識が広がっていきそうです。
1450円+税
絵本塾出版「にゅ~っ でたよでたよ」 長新太×荒井良二
残されていた長新太さんのラフに、荒井良二さんが絵を描きました。
ことば遊びを楽しみながらの奇想天外なおはなしはこび。長新太さん!ですね。
ダイナミックで思わず笑わせられる荒井良二さんの絵。
みごとなコラボです。
いろんなものから にゅ~っとでてくるものは…。
「でたよ でたよ パンから パンダ!」
「でたよ でたよ かばから かばんが にゅ~」などなど。
1500円+税
福音館書店「「わたしのちいさないきものえん」 大島加奈子 さく
キャベツにいたアオムシ。いちごのパックでアオムシのおうち。
おにわでみつけたダンゴムシ。おかしのケースに土と落ち葉を入れて、ダンゴムシのおうち。
雨の日にみつけたカタツムリ。やさいのケースに水でぬらして、しぼったティッシュと野菜の切れ端を入れてカタツムリのおうち。
テントウムシやオタマジャクシのおうちも…。
お家のちいさないきものえんです。世話の方法やいろんな約束ごとも書かれています。
観察して楽しみましょう。
1200円+税
のら書店「ちょっとだけ ともだち」 なかがわちひろ 作
「すてきなひとりぼっち」「ぼくはういている」の一平くんです。
ともだちってどうやってつくるのかな…。「ともだち100人できるかな♪」そんな歌があるけれど、無理に決まっている。
でも妹のみどりは保育園であっというまに友だちができたし、お母さんやおばあちゃんにもたくさんの友もだちがいる。
でも、おじいちゃんには、友だちがいないような気がする。
そんなおじいちゃんが話してくれたもう亡くなったブラジルの友だちホセのはなし。
時間的に短かかったし、気の合わないことも多かったちょっとだけ友だち。
でもおじいちゃんの心に残り続けている。
"ちょっとだけ ともだち"
おじいちゃんがくれた"ともだち"のたいせつなヒントです。
1500円+税
福音館書店「ゴロゴロ ヤマネコ不動産 なんだかあやしいおすすめ物件」 藤重ヒカル 作 樋口モエ 画
「あなたにぴったりな物件があります。家賃は格安。ただし条件あり。ヤマネコ不動産」
そんな手紙を受け取って見に行くと、あらわれたのは
あやしそうな猫山と名のる男。
確かにすてきなお店です。借りてみると、ふしぎなお客とふしぎなできごとが…。
やたらとネコが出入りしている傘屋。
謎のお客でにぎわう路地にあるレストラン。
真夜中にひみつの作業をしているぬいぐるみ工場。
ヤマネコ不動産が紹介した3つの物件のおはなしです。
どの物件も、貸す方も、借りる方も幸せそうなのです。
あやしくて おすすめ…いいかも…です。
1700円+税
童心社
「そうだったのか!カタツムリとナメクジ」 嶋田泰子 著 はたこうしろう絵
カタツムリとナメクジは、太古の昔、海にいたまき貝が先祖であり、陸に上がり、さらに進化して、殻が無くなったのがナメクジ。
愛されるキャラのカタツムリ。一方、嫌われもののナメクジ。
そのカタツムリとナメクジを捕まえてきて飼育して観察した記録です。
殻があるか、ないか以外に、同じ先祖を持つことでの共通点。殻がないことでの生態のちがいはどうなのか…。
著者が飼ったのは、ミスジマイマイとチャコウラナメクジ。
環境、食べ物、交尾、産卵、冬眠、夏眠、身を守る術、思わず、ナメクジにもカタツムリにも「すごいな、おまえたち」と声をあげたくなります。
が、何より著者のつきない好奇心と探求心、カタツムリ、ナメクジへの愛がすごい。
イラストの解説も楽しい。
1300円+税
福音館書店
「かずを はぐくむ」 森田真生 著 西 淑 絵
月刊誌「母の友」に5年にわたって連載されていた人気のエッセイが一冊の本になりました。
独立研究者で数学の本も出されている森田真生さんの、0歳と3歳の兄弟に向き合いながらの5年間。
言葉も、数の概念もなかった子どもたちは、いつのまにか数を数え、時間を理解し、長さを測り…二人の世界は、数のある世界へと変わっていく。
その道程は、どれほどの発見、驚き、学びに満ちていたことか、それぞれの子どもたちの日々の歩みを、あたたかく見守り、魅力的な文章でつづられています。
我が子のまっすぐな感性に驚かされ、感動し、教えられる日々。
それを受け止めていく森田さんの視点、そこから広がる思考。
これからの子どもたちへの思いに嬉しく共感します。
1800円+税
ポプラ社
「天までのぼれ」 中脇初枝
時代が明治になり、維新の政治が進む100年以上も前、まだまだ身分制度は残り、民衆には多くの権利が与えられていなかった。
そんな時代に高知で世界に先がけて女性参政権を申し立てた女性がいた。民権ばあさんと呼ばれた楠瀬喜多。
幼い頃から共に時代を見てきた後の板垣退助の人生と共に、激動の時代を生き抜いたその生涯を描いた物語。
「婦女は脳漿に乏しく、嫁して夫に従うもので、公の権利はない」とされた時代、喜多は夫亡き後、戸主として税金を払うのに投票させないというならと、税を納めるのを止めた。
やがて喜多たちの運動が実り、土佐州会では選挙資格の欠損事項から婦女が省かれた。
しかし、その後に制定された大日本帝国憲法は、板垣退助や喜多たちが望んだものとは違い主権は人民ではなく天皇であり、天賦権や自然権の概念もなく、また婦女の選挙権は認められなかった。
今、私たちが当たり前のように手にしている権利の重さを思い、当時の自由民権活動の命をかけた歴史をもっと知らなくてはと思わせられます。
当時の女性への世相、子どもの頃からの板垣退助との交流、喜多の結婚のいきさつ、恵まれない子どもたちへの喜多の活動など、興味深い評伝小説です。
2200円+税