★ジオジオからのメッセージ
307 号
新学期が始まって1ヶ月が経ちました。
新しい環境で、気疲れしている子どもたちもいることと思います。いや大人も...ですね。 東北大震災で被災した子ども達もなんとか新学期の形が整って、この季節を迎えられていること祈っています。
保育園や幼稚園である程度の集団生活は経験してきたにしても、小学校に入ると親も子どもたちも、何かと事情がちがい、
“一年生プロブレム“という言葉があるらしく
自由で慣れ親しんだ園での毎日から、
あまりにはやく他人とうまくやっていく必要などないのではないか...
「だめよ、デイビッド」「デイビッド、がっこうへいく」 (デイビッド・シャノン 作・絵 小川仁央 訳 各1365円)
“ジオジオ”という店名は岸田衿子さんの「ジオジオのかんむり」という絵本から
茨木のり子さんや谷川俊太朗さんと同じ詩の同人誌“櫂”のメンバーであり、谷川俊太郎さんとは幼なじみで夫婦であった時期もありました。
書かれた詩からは、軽やかで自由で、何か素足で思うがままに
“被災地の子ども達に絵本を送ろう”という活動に少しでもお手伝いできたらと
「3.11 絵本プロジェクトいわて」のHPによると絵本の受け入れは5月20日までとのことです。
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今月の新刊より
![]() 講談社 |
「りんごがコロコロコロリンコ」 三浦太郎 作 楽しい絵本です。声に出して読めば子ども達、喜ぶだろうなあ〜。 ぞうさんがとろうとしたりんご、手が、いや“はな”がすべって コロコロ コロリンコ。 そのりんごが後ろにいたきりんさん、かばさん…の背中を、コロコロと どこへいくの? 動物たちの背中の形状によってチクリンコになったりゴトリンコになったり...。 (1365円) |
![]() 小学館 |
「おめでとう おひさま」 中川ひろたか・作 片山 健 絵 暗闇からおひさまが登場するって、ほんとに嬉しくて「おめでとう」っていいたくなるね。 おひさまのほうも「おめでとう、みんな」と声をかける。 「あたらしい年、みんなどうしたい?」みんなの答えは...。 そしておひさまの答えは…。 片山健さんの絵がいい! (1365円) |
![]() 福音館 |
「ちいさな ちいさな おんなのこ」 フィリス・クラシロフスキー 文 二ノン 絵 福本友美子 訳 かわいい絵本です。 小さな小さな小さな女の子がいました。 ばらの木よりも小さくて、台所の椅子よりも小さくて、 お母さんのお針箱よりも小さいのです。 でもある日、金魚鉢に手が届き、猫をだっこでき、犬よりも大きく...。 女の子は少しずつ大きくなり始めました。 そしてとうとうお姉さんに。生まれた弟の小さなこと! (1155円) |
![]() アリス館 |
「串かつや よしこさん」 長谷川義文 長谷川義文ワールド全開!の絵本です。 串かつ名人のよしこさん。 一口たべれば、みんな「うまい!」とにこにこ 幸せに。 どろぼうだって“あわび”の串かつで 「もうしません。」とおわびを...。 例によって 例のごとくです。 絵のすみずみまでおもしろい。 長谷川さんの絵が幸せな気持ちになるんですよね。 (1365円) |
![]() 福音館書店 |
「ぼくとサンショウウオのへや」 アン・メイザー 作 スティーブ・ジョンソン/ルーファンチャー 絵 にしかわかんと 訳 森でみつけたサンショウウオに「いっしょにくらそうよ」と家に つれて帰りますが、 サンショウウオの寝るところ、食べるもの、遊ぶところ…と部屋の環境を変えていかなくてはなりません。 想像の世界ではありますが、 生き物と一緒にいたい子どもたちの夢ですね。 いつのまにか少年の部屋は屋根がなく、お月さまの明かりが入り、 木々がしげり、サンショウウオがそばに...。 (1260円) |
![]() ブロンズ新社 |
「しまめぐり」 桂 文我 文 スズキコージ 絵 落語の中でもかけられることが少なく珍品あつかいされるという 「しまめぐり」が 子ども寄席の桂文我さんとスズ キコージさんの絵で奇想天外な今までにない落語 絵本になりました。 おじいさんがあの世に行く前に 話してくれた遠い南の島の話。 大きい人、小さい人、 首がまわる人…。 おいらも行ってみようと船に…。 (1575円) |
![]() 福音館書店 |
「じめんのしたの小さなむし」 たしろちさと 作 昆虫の幼虫ってじっとしているように見えてずいぶん動いているんですね、と驚きの読み物科学絵本。 地面の断面が描かれていてとてもわかりやすい。 幼虫はおいしい土を求めてすすんで行きます。ふんもします。 もぐらから身を守り、ありとたたかい、とうとうおいしい腐葉土の場所に着きます。 やがてその日(!)がやってきます。 ハナムグリの生態が生き生きと描かれます。 (1260円) |
![]() ブロンズ新社 |
「あつまれ!全日本ごとうちグルメさん」 おおのこうへい 絵 ふくべあきひろ 文 北は北海道から、南は沖縄まで 「われこそが いちばんウマイ!」と年に一度の全国グルメ大会にやってきた“ごとうちグルメさん”達。 おいしいものが大好きな神様まんぷくさま が楽しい絵とコメントで紹介していきます。 テレビ番組などでずいぶんポピュラーになった 食べものもあります。 日本地図や県のかたち 方言なども同時に楽しめます。 (1575円) |
![]() あすなろ書房 |
「駅舎にて」」 ブーダディヴァ・ボース 飛田野裕子 訳 インドがまだ英国領だった頃、 北部の小さな駅の待合室で脱線事故のために一夜を明かさなくてはならなくなった4人の男たち。 それぞれに全く異なる環境で生きている、たまたま行き合わせただけの男たちだったが、 待合室をのぞいた若いカップルの事を話すうちに、それぞれの若い頃の恋の思い出を語ることになります。 身分制度が厳しい時代、片思いや憧れ、悲恋など、大切に胸に 秘めてきた4人の純愛が語られます。 朝が来て4人が 別れていく時の描写もとてもいいです。 児童書では ありませんが、心洗われた気持ちになる一冊です。 (1365円) |
![]() 岩波書店 |
「グロウブ号の冒険」 井上ひさし あ〜!未完なのです。 設定の面白さ、物語運びの面白さに思わず 引き込まれていきましたが、残念です。 でも充分に井上ひさしさんの世界が味わえます。 東大卒という元力士の山田山は親方の命を受け、はるかカリブ海まで新弟子のスカウトに出かけます。 カリブの島々では“ジュウ諸島の唄”というユートピアを唄った歌があちらこちらで聞こえてくる。 行方不明だった海賊船“グロウブ号”の突然の出現。 山田山の乗った船が大波にのまれ、浜辺に打ち上げられ、助けられた島とは…。 笑いの中に、リゾート開発、民営化の波、バブルなど、当時の社会世相が描 かれています。 “グロウブ(地球)号の謎とは...。 歌の意味は..。 構想の基になった「ユートピア諸島 航海記」(未完)も収録されています。 (1995円) |