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from bookland 199号  



 高畠純さんのカレンダーの6月はゴリラがサッカーをしているイラストです。なるほど、Wカップを意識 して描いたのだろうと納得。しかし、日本にこれほどサッカーファンがいるとはちょっと驚きです。4年前も こんな大さわぎをしていましたか。1/2開催国だからとはいえちょっと度が過ぎる... なんて言ったら 何を言われるかわからんから静観しとこ。Wカップが終わったら、日本にこんなに阪神タイガースファンが おったのかと言われるように、6月の阪神の活躍を祈ります。



 6月といえば「トライやるウィーク」。地域によっては秋に実施するところもあるようですが、当地では 10日〜14日です。中学2年生が二人やってきます。期間中に選書会の予定もあり、例年にない体験が 出来るかもしれません。



 そして6月といえば「父の日」。でも「母の日」に比べると影がうすい。子どもの本に登場するお父さんは ユーモラスに描かれていることが多いのですが、存在感のある「あこがれのお父さん」が描かれている絵本が あります。
 『ねぇ、とうさん』(佐野洋子 作)
 こぶしの花が咲いたら帰ってくる、子ぐまは 父さんの帰りを待ちわびています。そして春がきて父さんぐまが帰ってきました。大きな大きな父さんぐまと 一緒にいるのが嬉しくて仕方のない子ぐまはおねだりをします。「ねぇ、とうさん、さんぽにいこう。」「ねぇ、 とうさん、てをつないでもいい?」「ねぇ、とうさん、かたぐるましてくれる?」 そのたびに父さんぐまは 「よしよし」 と言って子ぐまの願いをかなえてくれます。
 橋が流された川では「バキッ」と大きな木を 折って橋を作ってくれるし、おいしいハチミツも取ってくれる。
 子ぐまは言います。「ぼく、とうさんの 子でうれしいよ」 言葉少ない父さんぐまも嬉しそうです。
 父と子の情愛を前面に押し出さずに、しかし 父と子の深い絆を描いた、いい作品だと思います。父さんぐまと子ぐまの短い対話があるのですが、これは 読んでのお楽しみとしましょう。(1,400円)
 子育て真最中のお父さんにおすすめします。



 5月には2つの小学校と1つの幼稚園で選書会を行いました。幼稚園で行うのは初めてです。文字を 書けないので、一人一冊という方法で選んでもらいました。幼稚園、保育園でも本選びを子どもにまかせ ても大丈夫という実感を得ました。
 6月には3つの小学校、7月には2つの小学校で予定されています。 また、PTAの参加する学校も増えてきました。回数を重ねると、子どもだちとも顔なじみになって会話も はずみます。
 先日も帰りぎわに声をかけてくれました。
 「もっちゃん、仕事がんばりよ」



2002年6月 もとはる