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from bookland 194号  



新年あけましておめでとうございます。 今年もよろしくお付き合いください。



正月早々、知人の葬儀がありました。小さい頃にかわいがってもらった兄貴のような人でした。 癌が見つかり、一年間の闘病生活でしたが、覚悟をしていたのでしょう。この正月に届いた年賀状にも 「いつ別れの日が来るかもしれません。」という一節がありました。
そして、その年賀状が届いた日に亡くなりました。故人の遺志で、宗教色の一切ない「お別れの会」と いう形でした。大変なジャズファンだったようで、参列者の献花の時は、トロンボーン、ドラム、 キーボードのトリオが静かなジャズの生演奏をしいました。簡素でしたが、故人が見えてくる”いい葬儀” でした。
一年の冒頭に持ち出す話ではないのですが、悲しい別れと同時に「どう生きていくのか」という重い 宿題を課せられたような気がします。
そんなこんなでオヤジの2002年はスタートしました。

さて、ジオジオの2002年は…といえば、これはもうたった一つ。”出会いの場”として 全力疾走するだけです。
その第一弾として2月から偶数月の第4土曜日に「絵本ライブ」をやっていこうと思っています。 8月は毎年恒例のしかけ絵本教室になります。毎回、新しいネタを加えて、いつも新鮮な「絵本ライブ」に 詳しくは年間予定のご案内を作りますので、それをごらんください。


今年は冬季オリンピックに、サッカーのワールドカップを世界を意識させられるイベントがあります。 昨年の事件以来、世界は今どうなっているのかが気になります。というよりも、自分がいかに知らない事が 多いかに恥ずかしくなります。 以前に朝日新聞の「天声人語」に”世界がもし100人の村だったら…”について書かれてあり、この 紙上でも紹介しましたが、それが一冊の本になりました。「世界がもし100人の村だったら」(838円)
数値が正しいかどうかはわかりませんが、およその世界の現状の把握は出来ます。六千万分の一に するのですから細かなことは表せないだろうとは思いますが、それでもこの本に示された数値は 驚くべきものです。世界を知ること、その中で自分たちがどういう位置にいるのかを知ること、これが 社会とつながる第一歩かもしれません。
今年の4月からは小、中学生の教育内容が大きく変わります。総合学習では「国際理解」というテーマも 当然出てくるでしょう。その中でどのような取り組みがされるのか気になります。偏狭な視野で 自国賛美に終わるような「国際理解」にならないことを願っています。


2001年は「ハリーポッター」に明け暮れましたが、その中でも「児童文学」という文字が輝いて見える 本に出会いました。カニグズバーグ作「十三歳の沈黙」。作品集の中の一冊で本邦初訳の本です。 カニグズバーグの作品は”本を読む”ということが、楽しく、充足感を与えてくれるのを実感します。 すでに紹介されているものも含めて全10巻の作品集となります。少し値段が高い(各巻2500円)の ですが、改めてカニグズバーグを読み直そうと思います。皆様もぜひ!


2002年1月 もとはる