先日不凍液(エチレングリコール)中毒を起こしたと思われる猫が運び込まれました。 来院時、体温は下がり神経症状を出し虚脱状態で動くことができませんでした。検査の結果急性腎不全を起こし尿が一滴も作られていないことがわかりました。 懸命の治療にもかかわらず病態はどんどん悪化し、翌日に死亡してしまいました。
この猫は近所に住み着いていた野良猫だったそうです。 傍にイチゴミルクのような物が置かれていてそれを飲んだ形跡があるとのお話から、猫を嫌う者が意図的にミルクに不凍液を混入させたのではないかと推測しました。
不凍液は車のエンジンを冷やすための冷却水のことで、赤または緑に着色されていて、カーショップやホームセンターなどで誰でも購入することができます。 ところがその成分であるエチレングリコールは非常に強い毒性があり、困ったことに甘味があるため犬や猫が容易に口にしてしまいます。 昔から管理の悪い修理工場の近くではよく発生する動物の中毒として獣医師には知られていました。
ところがインターネットの普及により、専門家しか知らないようなことが「猫の処分法教えます!」などとして誰の目にも容易に飛び込んでくる時代になり、心無い者がその不凍液を悪用したものと思われます。 不凍液を使用したと思われる都内公園の野良猫多数死亡事件が、つい最近報道された矢先の出来事でした。
自由に外に出ている猫は交通事故や感染症の危険性はもちろん、こうした中毒に対しても危険な時代となっていますので、完全室内飼育に切り換えましょう! また犬の散歩中は、絶対に拾い食いをしないように細心の注意を払いましょう!
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2012年11月27日(火)
No.179
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