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メス! 国有林野事業特別会計(農林水産省所管) 道路会計と同じ穴のむじな、こちらが先輩!
1 国有林野の管理経営と直轄治山の管理をする目的で計上されている会計で勘定は2つある。国有林野は日本の森林の1/3ほどある。廃藩置県で藩や寺社所有の森林を国有化したからである。平成16年度の予算は以下となっている.
(注:億以下の単位は切り捨てているので合計が合わない事がある.赤字は借金.は問題点.は他会計への資金提供
1)国有林野事業勘定
歳入(単位億円) 歳出(単位億円)
事業収入
林野等売払収入
雑収入
一般会計から
治山勘定から

借入金
314
310
80
1059
136
1715
国有林野管理経費
国有林野事業経費
林道施設等災害復旧費
森林災害復旧造林事業費
予備費
2966
612
29
0
10
3614 3617
歳入を見ればわかるように、林野収入は704億しかない。なのに支出は、その5倍ある。これば例年繰り返されているので、根っからの赤字体質である。民間管理なら、経費は多くとも7割どまりとなるので、民間委託しない政策そのものに誤りがあろう。公共の便宜性のみを強調するからであろう.林道施設等災害復旧費は林野庁でも道路を造っていると言うことである(既に2000kmは敷設され、計画では2100km延長すると言う.林道は一般道より赤字であるのに.).現代の林道に、伐採材運搬路の性格は無く、峠を貫く観光道路的要素が強い.狭い一般道を走ると突然、開けたスーパー林道に繋がったというる経験をされた方は多いだろうと思う.国有林野地に敷設されている一般道路と区別がつかないことも往々にある.縦割り行政の典型である.同じ道路なら管理は同じくすればよいし、土地の賃借を行えば収入が増える.利権関係は守りたい一心で保身を図るが、いかんせん赤字会計である.利権の構図は道路会計に準ずる訳であるが、歴史はこちらが10年早い.林野庁が道路を造るとは如何いうことか?考えてみる必要がある.
もう一つ、道路を造る為ではないが、赤字の解消には歳入を上げると言うことで伐採をして材木を売った.その後に植林をするのだが針葉樹の杉を植えた.広葉樹林を伐採する意味合いがわかっているのだろうか?
2 2)治山勘定
歳入(単位億円) 歳出(単位億円)
(改)事業資金貸付金償還金
雑収入
前年度余剰金
一般会計から
(改)事業償還金等財源より
地方公共団体工事費負担金
61
0
1
1347
80
32
治山事業費
治山事業費(北海道)
治山事業費(離島)
治山事業費(沖縄)
(改)治山事業資金貸付金償還字補助
(改)治山事業資金貸付金償還字補助
(改)治山事業資金貸付金償還字補助
(改)治山事業資金貸付金償還字補助
治山事業工事諸費
(改)事業費償還金財源へ繰入
予備費

*(改)改革推進公共投資の略
1088
123
21
7
55
5
0
0
140
80
1
1521 1520
*(改)改革推進公共投資の略:これについては国債整理基金特別会計を参照していただきたい.(改)事業費償還金財源へ繰入は経由しているだけのトンネル会計.こちらの会計も全くの赤字である.一般会計への依存度を考えれば、この会計は必要ないだろう.又、累積2.7兆の赤字がある.旧国鉄の債務同様、名目国債を発行して償還している.
3 林野庁の利権構造.林野庁は、その事業を特殊法人森林開発公団に委託する.林道は一般道路より基準が緩やかなので、林野庁管理地に敷設するなら、道路会計に係わらず造設できるわけである.これには予算が生まれ、補助金がつくことになる.足りなければ借入できる(財投対象会計でなくとも関係特別会計からトンネル会計を使えば借入できる).予算が取れれば、赤字には委細関知しない.つまり、傘下の特殊法人が潤えばよい.いずれは、そこに天下りして高給を蝕む.
参考 1)「特別会計への道案内」松浦武志著:創芸社出版
2)「日本国の研究」猪瀬直樹著:文春文庫
3)「財務省ホームページ」
4)「特殊法人解体白書」堤 和馬著:中公新書ラクレ