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貿易再保険特別会計(経済産業省所管) ⇒ 「特別会計は美味しい」という見本! |
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独立行政法人日本貿易保険は、外交貿易やその他の取引において生ずる為替取引の制限など、通常の保険では取扱わない保険を業務している.この特別会計は、この保険を相手として再保険を掛けている.この会計を、貿易再保険特別会計という.地震再保険と構造は同じである.地震では、民間会社が相手であったが、当会計は独立行政法人が相手であることである.ここが大きな違い.平成16年度の予算は以下となっている.
(注:億以下の単位は切り捨てているので合計が合わない事がある.赤字は借金.紫は問題点.緑は他会計への資金提供).
歳入(単位億円) |
歳出(単位億円) |
再保険料収入
回収金
雑収入
一般会計より
前年度余剰金 |
333
15
719
40
1186 |
再保険費
事務取扱費
予備費 |
1458
7
110 |
計 |
2293億円 |
計 |
1575億円 |
参考:地震再保険特別会計
歳入(単位億円) |
歳出(単位億円) |
再保険料収入
雑収入 |
371
127 |
再保険費
事務取扱費 |
497
1 |
計 |
498億円 |
計 |
498億円 |
参考に地震再保険特別会計を載せてみた.民間会社と独立行政法人との対応の違いが歴然とする.本来独立行政法人に出資できるのは、資本金のみで、運営費は独立採算制である.独立行政法人日本貿易保険は黒字法人.ここを相手に再保険を組む為の会計なのだが、前年度余剰金は1186億もあるにもかかわらず、一般会計より40億もの受入れ金があるのには唖然とする.しかも、歳出は歳入の7割しか消化し切れていないから、過剰請求である.高額の余剰金がありながら、国民の資金を搾取する構造がここにも見える.地震再保険特別会計の簡素さに比べてると、相手が傘下の独立行政法人ということで、傘下を潤わす構造も関係しているのだろう.が、一企業に対してわざわざ特別会計を組む必要もないのではないか.たとえ、重債務貧困国等の債務負担軽減措置という名目であっても、経済産業省管轄の特別会計は2つしかないから死守したいというところが本音だろう. |
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貿易保険とは(独立行政法人日本貿易保険HP) |
日本の企業が行う輸出、輸入、海外投資、あるいは海外融資といった対外取引に伴う危険をカバーする保険です。例えば、お客様がある取引先との間で輸出契約を結んだとしても、代金が完済されるまでは決して安心することはできません。契約後に何らかの理由で仕向け国が輸入規制を始めたために、貨物の船積みすら出来なくなってしまうかもしれませんし、貨物引渡後、取引先が資金繰りに困り、輸出代金の回収が不能になることもあるかもしれません。このような対外取引に潜む様々なリスク(輸入規制、外貨送金規制、戦争、内乱などの非常リスク、また輸出相手のバイヤーの不払いなどの信用リスク)を軽減し日本の企業が安心して対外取引を行えるようにお手伝いをするのが、貿易保険の役割です。 |
保険
趣旨: |
我が国企業が海外に有する資産(株式や不動産等の権利)を、外国政府による権利・利益侵害や戦争、テロ、天災といったリスクから保護する。 |
保険対象案件: |
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1.出資に対する保険:日本企業が外国に子会社を設立・外国のパートナーと合弁で外国に会社を設立・外国の既存企業に新たに行っ た出資等
2.権利等の取得に関する保険:日本企業が外国に会社を設立することなく直接事業を行う場合に、その事業用に供するために取得した 不動産、鉱業権等や外国に持ち込んだ設備等 |
・保険対象企業:出資を行ったり、不動産や鉱業権等の権利を取得したわが国の企業 |
・保険の内容:独立行政法人日本貿易保険HP |
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1.出資の場合 :(1)収用、権利侵害リスク (2)戦争リスク (3)不可抗力リスク (4)送金リスク
2.不動産の場合:(1)収用、権利侵害リスク (2)戦争リスク (3)不可抗力リスク (4)送金リスク |
保険期間:最低3年以上、最長15年以内(保険期間満了時は1年毎の延長可) |
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参考 |
1)「特別会計への道案内」松浦武志著:創芸社出版
2)「日本国の研究」猪瀬直樹著:文集文庫
3)「財務省ホームページ」「独立行政法人日本貿易保険ホームページ」 |