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メス! 郵政民営化 族議員が反対する理由は、結局利権がらみ!
1 2003年4月に日本郵政公社が誕生したが、それまでは下記の3事業を特別会計で行っていた
・郵政事業特別会計
・郵便貯金特別会計
・簡易生命保険特別会計
特別会計の諸問題は、もちろんそのまま持ち越されている政府もマスコミも、郵政事業民営化の問題を繰返し広報、報道すべきである.熱したときだけでは飽きっぽい国民性が直らないから、政治に関心を持つ人口は減る一方になる.政治不信といいながら、努力にかける.

日本で一番資金力のある会社が、日本郵政公社である職員数28万、郵便局数2万7800(下図参照).H16年5月末で、郵便貯金額226兆、簡易保険119兆を保有するこの資金を、貸付したり、株式運用したりしているわけである.民間銀行・生命保険会社の大手4社をあわせた規模となる.
2 先ず、郵便貯金と簡易生命保険を考えよう.合計資金345兆は、即ち国民が国に預けているお金である.郵便資金226兆は、どのように運用されているだろうか?H16年5月末.
区分 資金残高(単位億円)
国債(財投債)
地方債
公庫公団債
公庫公団債以外の社債
外国債
金銭信託(株式運用)
預金
地方公共団体貸付

預金者貸付等
預託金(財政融資資金)
郵便業務へ繰入れ
917,121
93,950
40,870
30,628
34,856
35,393
34,694
27,232
5,830
1,042,500
1,840
226兆4916億円
平成13年度の財投改革で、この資金を財政投融資に使うことを辞めるのだが、19年度まで経過措置があるので貸付は未だ行われている.新しくなった運用は下図となるが、簡易生命保険とてらい合わせた方が理解しやすいH16年5月末.
区分 資金残高(単位億円)
国債(財投債)
地方債
公庫公団債
公庫公団債以外の社債
外国債
金銭信託
預金
地方公共団体貸付

公庫公団等貸付
保険契約者への貸付
郵便業務へ繰入れ
520,810
70,951
183,002
31,521
16,461
97,148
11,122
201,004
31,644
21,744
1,926
118兆7338億円

驚くことに、両者の11区分の内、9区分までがまったく同じ使われである.地方公共団体に22.7兆を貸付.財投機関債(公庫公団債)に22兆更に、財政融資資金特別会計の発行する財投債に143.8兆.その預託金が104兆.他、地方債17兆等、大半は公共事業に利用されているということである.公共事業は、特殊法人や公益法人といった各省庁傘下の税率に特典のある会社を潤すだけである.この国営事業が民間事業であれば、両者の事業で平成14年度は1.5兆の税収が見込めるのである.定率減税がH18から1/2になるなら、その負担分は郵政公社完全民営化と消費税を3%に戻すべきだろう.消費税を下げた方が需要は伸びる.政府は国民の負担を減らす方向を考えないと、しっぺ返しを喰らうだろう.特別会計には、隠遁する余剰金が沢山あり、減税財源には困らないと考える.
3 郵政事業については、H16年度総売上げ2兆.利益は300億.民間最大手のヤマト運輸は、総売上げ1兆円、利益は500億.比べればコストの無駄がわかるだろう!しかも、郵政事業は、郵貯と簡易保険から3700億も融通してもらっているのだから唖然とせざるを得ない.郵便事業では60%は人件費であるから、公務員の高給ぶりも露呈する.ヤマトに委託しても、税収は300億前後は見込める.
*郵便局の種類は特定郵便局、普通郵便局、簡易郵便局の3種類集配の有無で下記となる.

特定郵便局は、私財を郵便公社に提供して地域密着型の郵政サービスを行っている郵便局をいう.局長は郵便局長待遇の国家公務員であり、役職は世襲でき、転勤は無い.この人件費が馬鹿ないならないようであるから、集配をしない特定郵便局は簡易郵便局にすれば良い.相当人件費が浮くであろうしかし、76.4%を占めるこの特定郵便局のパワーが選挙でものを言うので、族議員は選挙の時には顔色を伺わないといけない.
4 さて最後に、3つの(旧)郵政特別会計の債務を考えよう.当然、公社は債務も引受けているのである.その債務は48兆ほどあるらしい.傘下に簡易保険福祉事業団があるこの特殊法人は、いわゆる簡易保険の事務運用を行うわけであるが、簡保の宿とか施設設置や運営も行っているこういった傘下法人に5000億程度出資がなされているのが特別会計の特徴である.郵便事業は福祉と称しながらホテル業等も行っている.郵便貯金振興会(メルパルク系)や簡易保険福祉事業団(ゆうぽうと系)である.いずれも民間を圧迫しているのだが、旧郵政省傘下法人は228法人もあり、郵政互助会だ、弘済会だ、逓信協会だと、とにかく潤っているのであるから民間活力落ちるのは仕方の無いところだ.と書いているところで、H17/7/5、14時38分頃、郵政民営化法案が衆議院を通過した.5票差であった.特別会計は個々にでも良いから廃止して、国民の税負担を減らしていただきたい.それには、その先の特殊法人迄解体しないといけないのである.小泉首相は先鞭だけだから、誰が引継げるかが大きな問題だ.
参考 1)「特別会計への道案内」松浦武志著:創芸社出版
2)「続・日本国の研究」猪瀬直樹著:文春文庫
3)「日本郵政公社ホームページ」
4)「特殊法人解体白書」堤 和馬著:中公新書ラクレ