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特許の仕組みを考えて見ましょう.
特許権を取るためには特許庁に定められた費用を払う必要があります.さらに、特許事務所に依頼する場合は特許事務所への手数料も必要になります.全体としてかなりの高額の費用を支払っても特許権を取る価値があるのかどうかよく検討することが重要です. |
●特許庁に支払う費用 |
1)特許の場合
出願時 |
16,000円.(注)書面出願の場合は出願時にさらに電子化手数料として1,200円+書類枚数×700円 |
審査請求時 |
168,600円+請求項数×4,000円
平成16年3月31日以前の出願については、84,300円+請求項数×2,000円 |
登録時 |
(2,600円+請求項数×200円)×3 ←3年分の特許料.
平成16年3月31日以前に審査請求をした出願については、(13,000円+請求項数×1,100円)×3 |
登録後3年以降 |
4年〜 6年:毎年8,100円+請求項数×600円
7年〜 9年:毎年24,300円+請求項数×1,900円
10年〜25年※:毎年81,200円+請求項数×6,400円
(※)特定分野に関しては存続期間が5年延長される場合有り.
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2)実用新案の場合
出願時 |
14,000円+3年分の登録料[+(7,600円+700円×請求項数)×3]
※平成17年4月1より実用新案権の存続期間が10年になることにともない、
3年分の登録料は(2,100円+100円×請求項数)×3
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登録後3年以降 |
4年〜6年:毎年15,100円+1,400円×請求項数
※平成17年4月1より実用新案権の存続期間が10年になることにともない、
4年〜 6年:毎年6,100円+300円×請求項数
7年〜10年:毎年18,100円+900円×請求項数
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実用新案技術評価請求時 |
42,000円+1,000円×項数
実用新案技術評価の請求は特許庁に対して請求の範囲に記載された考案の有効性に関する技術評価を請求する手続きです.これは任意の手続きですのでこれが無くても実用新案権は発生します. |
備考 |
減免・猶予制度について:一定の条件を満たすと、審査請求料、特許料、登録料が減免もしくは猶予されます.
例えば、市町村民税非課税の人は審査請求料、1〜3年の特許料、1〜3年の実用新案登録料、実用新案技術評価の請求手数料が免除されます.また、資力に乏しい法人※は審査請求料が1/2に、1〜3年の特許料が3年間猶予されます.
(※)資本金3億以下、設立5年未満、他の会社に支配されていなこと、法人税が課されていないことの要件を満たす法人
家庭の主婦や大学生などは市町村民税は非課税の場合が多いですから利用することができます.
その他にも該当する場合がありますので、詳しくは特許庁のホームページを参照してください.
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●特許事務所に支払う費用 |
以前は弁理士会が標準料金表を出していましたが、現在は廃止されて各特許事務所が自由に料金設定を行うことができます.しかし、多くの特許事務所は標準料金表に準拠した料金設定をしていると思われます.ここでは廃止された標準料金表に基づいた金額を示しています.ホームページに料金を開示している事務所も多くありますので参考にするとよいでしょう.
1)特許の場合
出願時 |
基本手数料:180,000円 |
2項目以降の請求項1項毎に加算する額:10,000円./項 |
要約書作成代:4,2000円 |
文字情報入力費:3,800円/頁 (※1頁文字数29x36) |
イメージ情報作成代(図面代):実費(2,000円〜5,000円/枚 程度) |
電子情報処理組織の使用料1,500円+700円×頁数 但し、8,500円を上限 |
これに、特許庁へ支払う印紙代16,000円が必要になります.例えば、請求項が4つ、明細書枚数が5枚(1枚7,600円で計算)、図面枚数が4枚(1枚4,000円で計算)の場合、出願時に必要な費用は,
289,200円. |
審査請求時 |
手数料:10,000円 |
これに、特許庁へ支払う印紙代168,600円+4,000円×請求項数が必要になります.例えば、請求項が4つの場合、審査請求時に必要な費用は、184,600円
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とまあ、こんな具合で特許をとるにも相当の経費が掛かる.しかも、これは3年間のみ有効で、以後、更新費用が掛かるわけである. |