Gastric Cancer

40歳台から発症数が増える.男性にやや多いが、若年では女性の方が多い.H.ピロリー感染と関連が注目されている!
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症状・診断
治療・注目
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胃がん

がん死亡数では肺癌に首位の座を譲っており、近年は発生数・死亡数とも減少している.早期胃癌の発見例が増えて治療成績は向上している.塩分過剰摂取・ヘリコバクター・ピロリー感染が癌発生に関与している.

症状 早期のものは無症状.胃癌に特有の症状はない.進行ともに上部消化管不定愁訴が出現し、進行すると食欲低下・体重減少・貧血等をきたす.
当院 当院での発見の機会は、スクリーニング検査、がん検診後の精密検査、有症状者の内視鏡検査によるものです.超音波検査での幽門肥厚から発見されたケースもある.
診断 積極的に下記検査を行う.ハイリスク者には、定期的なスクリーニング検査が望まれる.
・上部消化管内視鏡検査
・上部消化管X線造影検査
[画像検査]:病型と進達度が重要である.両者を駆使する必要がある.肉眼分類は早期胃癌(浸潤がsm3までのがん.リンパ節転移の有無は問わない)と進行胃癌に分けている.発育部位は、中央のM部がん、次いでA部がんの順で、C部がんは少ない.組織形は、腺癌が99%である.
早期胃癌
T 隆起型 隆起の高さは、胃粘膜の2-3倍以上
U 平坦型 更に、Ua軽度隆起・Ub平坦・Uc軽度陥凹と3つに分ける
V 陥凹型 潰瘍形成があり、がんは周辺にのみ限局している.
進行型 ボルマン分類
1型 隆起型
2型 潰瘍限局型
3型 潰瘍浸潤型
4型 浸潤型
5型 分類不能
[進達度診断]:最も重要な要因である.肉眼型による進達度診断が研究されているが普及してるとは言い難い.そのため、色々な工夫がなされている.超音波内視鏡は有力だが精度は今一歩.
[組織型]:悪性度・リンパ節転移に大いに関与し、分化型と未分化型に分けられる.
早期癌

m 粘膜・粘膜固有層に止まる癌 リンパ節転移が稀で、内視鏡的粘膜切除術(EMR)が適応となる.(mがんであれば大きさに関係なし)
sm1 粘膜下組織1/3までの浸潤 食道がんほど厳密に区別されていない.2cm以内のT、Ua、Ucは分化型であればEMRが行われる.リンパ節転移(0-1)
sm2 粘膜下組織2/3までの浸潤
sm3 筋層へは深層浸潤していない EMR又は縮小手術・幽門保存胃切除
進行癌
mp 固有筋層浸潤 定形手術.
p 漿膜浸潤 拡大手術(遠隔転移ないこと)
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治療 確定診断後、専門医に紹介させていただいております.概要を説明します.
1) 確立された治療法はmに対するEMRで大きさは問わない.smに対してはリンパ節転移の有無に留意して、EMR・縮小手術が選択される.5年生存率は以下、
m 99.8%
sm 93-%
mp 7,80%
s 50%
s- -30%
2) 化学放射線療法は奏効率30%程度.胃癌は局所性が高く外科手術が第一選択であり、手術不能、再発例で実施され延命効果が認められる.
注目
・内視鏡診断 色素観察は必須(トルイジンブルー).拡大内視鏡、特殊光内視鏡で形態診断から癌診断・進達度診断を判定する方法が導入されている.
・内視鏡治療 EMRの成功率は外科手術に匹敵している.従って、リンパ節転移の有無を正確に診断することが求められる.手術合併症に関しても内科的対応が可能.
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