後期型タンク自家塗装と交換取り付け



 以前所有していた9Rは非常に燃費がよく、タンク容量の多さもあって航続距離も非常に長い
ものでした。VTRはクルマ並みの燃費、初期型のタンク容量の少なさもあって、下手をすると
9Rの半分くらいの航続距離でした。慣れるまでは恥ずかしながらガス欠を3回体験しました。
燃料計やガソリン携行缶を携帯するなどしてきましたが、容量の大きな後期型のタンクを入手した
ので交換しました。

庭先で給油する図。庭先でもガス欠したことがあります。

なかなか出品されない後期型のタンクを入手しました。おおきなへこみなどもなく
程度のよさそうなタンクです。小さな凹みや傷はどうせ塗り直すので問題ないですが。

ステッカーを剥がします。

どうせこんな色じゃ乗せれないので塗り直します。思い切ってペーパーをかけます。

ホンダロゴマークが平らにならされる程度に足付けを兼ねて180番で削りました。


小さな凹みを見つけたのでパテを盛っておきます。

さらに磨きこんでへこみの部分もならしました。


プラサフを塗ります。給油口はマスキングしておきます。

さっと塗ってみましたがパテの浮き上がりなどもなくまずまずの出来です。

ペーパーをかけて面をつるつるにします。エッジはペーパーが強くあたり
地が出やすいので注意が必要です。

いつものデイトナ純正カラーです。退色のせいだと思いますが少し色が違う気がします。

仕上がりなどあまり気にしないのでお気軽にスプレーします。

相変わらずせっかちなのでムラムラです。

もっとせっかちなので1時間位したらもうウレタンクリアを吹き付けました。
サラリーマンは時間が貴重です。このやり方で失敗したこともないので気にしません。

しかし、垂れるぎりぎりの厚塗り、というのが怖くてできません。いつもゆず肌です。
垂れた箇所、つまり厚塗りになっている部位は確かに見事な光沢で仕上げ不要といった感じです。

サラリーマンは時間が命。面倒なのでペーパー掛けをします。注意しながら
鬼畜の320番から800番まで順番にかけていきます。重ね塗りはしたので厚みは十分。
塗装面までは削らずにすみました。


ここからはコンパウンドで磨きます。手が荒れて嫌な作業です。かなりつるつるに
仕上げましたが顔が映る、ような仕上がりまでにはなりませんでした。タンクカバーを
装着して、羞恥の包茎タンクにする予定なので気にしません。

塗りあがったのでコックなどを組みつけていきます。前期型とはコックも燃料センサーも
異なるのでパーツリストで調べて用意しました。裏から中を見ると錆びてます。が、
あえて処理はしませんでした。ストレーナーの目が細かかったのでまぁ大丈夫と判断しました。
ガソリンでフラッシングはしましたが。結構錆び色のブツがたくさん出てきました。無視です。

久しぶりに対面した後期型の燃料センサー。今もむりやり前期型にこの後期型の
燃料センサーを仕込んでいるが、タンク内のパイプに干渉するらしく、可動範囲が正しくなく、
燃料計の表示がむちゃくちゃでした。少しでも補正するためにアームを曲げたので
今回は使えません。再取り寄せです。

燃料コックも前期型は1体ですが後期型は分離構造です。タンクにはホースのフィッティングのみ
つけます。ここにストレーナーがくるのですが目が細かかったので錆びは無視しました。

このフィッティングはかなり大きく手持ちのスパナでは適合しませんでした。
運良く捨てたと思っていたモンキが残っていたので作業ができました。

パーツリストや現物を組み合わせて取り付け姿を想像します。こんな感じになるのでしょうか。

雨が降っていますが、せっかちなので構わず作業開始です。

ホース類を外してタンクを外します。

噂では聞いていましたが、後期型のコックはポン付けできません。ボルトの加工が
フレームに必要とのことです。現物をあわせていくとこのあたりにタップ加工が必要そうです。

説明書があるわけでもないので想像でタップ加工をする場所を決めます。
フレームに穴あけです!傷物にしてしまいました。もうお嫁にいけません。が、
売るときは初期型に戻すつもりですし、タンクが被っていれば見えないでしょう。
金属パテもあるので埋めてもいいです。あほみたいに切粉がでました。ショートなどの
原因にならないといいですが・・・。

M6のタップを切ります。適切な下穴はφ5.2位のようですが。手持ちのドリルはφ4のみ。
ドリルで前後左右こじるように上下させて加工し穴を広げました。なんとか切れました。

ここで大誤算。前期のキャブまでの燃料ホースではコックまで届きません!

かなり引っ張ってテンションをかけて、ヘッドに触れるようなライン取りをすればなんとか
つなげます。断熱材が余っていたのでホースに巻きました。ヘッドはそこまで熱くない?
と、勝手に祈りながらこの処置で行くことにします。心配ではあります。

タンクキャップも移設します。パーツリストでは品番が前期と後期で異なるのですが
うまく装着できるのでしょうか。燃料ホースで失敗したので心配です。

 キャップは特に問題もなく移設できました。

楽しみにしていたロゴマークの貼り付けですが、後期型にシルバー系のカラーはなく、
祈っていたのですが無情にも縁は透明ではなくタンク設定色での縁取りです。これでは
浮きすぎて使えません・・・。

ロゴはとりあえずあきらめてタンクカバーだけつけました。タンクが増量しているので
ワイドなのでしょう。カバーの取り付けはかなりきついです。カントン包茎です。
あとはひどくなってきた雨の中ホース類をつなげてマウントして終了しました。

夜になってやっぱりホースのテンションが気になって来ました。ヘッドに触れるのも
嫌ですが引っ張りすぎて径が細くなるほどです。亀裂とかの進行が進みそうなので
急遽手元にあったステーで少し前にコックをオフセットしました。気休めです。

後日前期型のタンクロゴを取り寄せましたが、99年式のロゴは廃番になっていました。
初年度版はまだ入手できたので購入しました。同じシルバーでも違った色ですが
赤よりは増しですし、差異を気にしたところで缶スプレー塗装の素人塗りです。
気にする差異ではないでしょう。むしろホンダの赤字が目立ちます。

適当に貼ったら左右で位置、高さがずれました!が、左右同時に見ることが
できるのは乗車ライダーだけなので気にしません。

いろいろ問題はありますが何とか様になりました。

これまた大金を投入したにもかかわらずまったくルックスが変わらない
カスタムの完成です。このあと燃料計と残量の表示関係をチェックして終了しました。

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取り付け後の問題発覚
 タンクを取り付けた翌朝、試走に出かけようとバイクに近づくとなにやらガソリン臭く、しかも
地面が濡れています。臭いを確認すると間違いなくガソリンです。流れを辿るとタンク下部から
ドクドクと流れています。大穴でも開いている勢いです。漏れでた残量を確認しようとキャップを
開けると、ブシュッ!!という音ともにガソリンの水柱が立ちました。何かおかしい?急いで
原因を探り対策することにしました。

漏れはタンク裏の小さな錆びの箇所からでした。ペーパーで削るとやっと見えるような
錆び傷です。あんなに流量があるのは不自然です。高い内圧で錆び部に穴が開いたのでしょうか?
穴自体はGM-8300があるので手早く補修です。これで問題ありません。
 問題はなぜ、キャップを開けたときに炭酸飲料の蓋を開けたような音がしたのかです。
こんなことは初めてです。心当たりはキャップ自体です。後期と前期のキャップの品番が違う
ということは知っていましたが、高いので装着不能だったら調達しようと考えていました。装着も
開閉も問題なかったので気にしていなかったのですが、どうも機能差がありそうです。タンクの
呼吸、ブリーザー機能をキャップが果たしているようです。ブリーザーホースはタンク下部に
あるのですがキャップには必要なさそうですが?後期はホースとキャップでそれぞれワンウェイ
バルブにでもなっているのでしょうか?少なくても前期のキャップは内圧を逃がさないようです。
 少し実験してみました。前期のタンクのブリーザーホースから息を吹き込むとちゃんと呼吸が
できました。気道は大気と確保されているようです。ところが後期のタンクはホースから息を吹き
込んでも全く通気しません!これはおかしい。ちょっと後期のタンク内のパイプを調べました。

タンク下部からちゃんと2本のパイプが生えています。あふれたガソリンや雨水を
外へ流すドレンホース用とタンク内を大気圧に保つための気道確保、ブリーザーパイプと
思われるパイプが見えますが、パイプを追っていくと途中でつながっています?意味不明です。
つながって二股になっているならただドレンホースが2本あることになります。液中で
連結しているのでこの連結部分に外気と通じる穴はないはずです。ガソリンが漏れるので。
ということで、このブリーザーホース用と思われるパイプは全く意味がない、ダミーと判明です。
 これで後期型のキャップにはブリーザー穴があり、前期型にはないということが分りました。
純正のキャップは1万以上だったので、社外のキャップでブリーザー穴がある安いキャップを
探すことにしました。見つけたのが下のキャップです。もちろん軽量化の効果もあります。

とどいたキャップを恐る恐る検品です。ありました!穴が開いています。小さな穴ですが
純正のブリーザーホースも中間の連結コネクタのところはかなり小さな穴です。あまり
大きな穴だと転倒時にガソリンが漏れるからでしょうか。

ガソリンの内圧のつもりでキャップの裏から水をかけると、フランジ側へ出てきました。
フランジ側にはドレンホースもつながっていますし、タンクとの隙間もあるので間違いなく
気道は確保されそうです。9Rのときのタンク付近からの笛吹き音はこれだったのでしょう。

キャップを装着です。キーレスで開けられます。押して回すと抜けます。
キーは不要ですが給油口が狭くなり、油面が見えにくく確認が大変です。セルフなら
何度か確認できますが、入れてもらうには少し迷惑を掛ける仕様です。キャップを交換後、
日中にキャップをあけてもガスが抜ける音はしないのできちんと内圧は抜けているようです。
高速巡航を長距離こなしてもガス欠に似た症状もでないためタンク内が負圧に
なりすぎていることもなさそうです。タンクキャップ、地味ですが非常に重要な
機能部品であると悟りました。結果としてタンクの穴も見つけられたのでラッキーです。
最近では漏れもなく、穴の修理も大丈夫だったようです。

ついでに後期はキャブとコック間の燃料ホースも品番が違い、実際に前期の
ホースでは若干短く、無理な配管になっていました。亀裂や、抜けも怖いので後期用を
取り寄せました。

後期用ホースに換えましたが、やっぱりエンジンヘッドにホースが接触します。
仕様でしょうか。エンジンヘッドはホースを溶かすほど温度はあがらないと思うので
特にノーケアで行きます。正しい配管なのか確証はありません。
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