キャブレター洗浄



 プラグを交換直後は調子が良かったが、すぐにアイドリング不調に見舞われた。それほど重症とは
思わなかったが、明らかに吹けが悪くなったのでプラグを確認すると、フロントのプラグが真っ黒!
明らかにフロントの燃調が狂っている。燃費が悪くなっているのも納得です。たぶんキャブの洗浄を
しなければならないのですが、取り外しが面倒です。車載状態の小細工で直らないでしょうか。
(実は問題はチョークの破損だったのですが。)

左がフロントバンクのプラグ。柔らかい煤で真っ黒!右はリアバンク。差が歴然。フロントの
燃調が濃いと思われます。ジェット類の詰まりでしょうか。エアーの流路が詰まっている?

キャブの分解洗浄するには当然車体から取り外さないといけないのですが、
取り外し→洗浄→取り付けの作業は長くなりそうです。洗浄だけでも先行でできないかと、
詰まりがひどい場合の部品取りなどに使えるかと思い、4800円の格安で
キャブアッシーをオークションで用意してしまいました。

安い割りに程度はよさそうです。なかなか見ることができないのでジェット類、
フロート周りをみて勉強します。程度がよさそうなのでスワップでも良さそうな気がします。
が、中古なので新たな問題を抱えることになるかも知れないのでそれは断念。

現物をみながら車載状態でジェット類を洗浄できないか考えて見ました。
一応放置車両ではないのでそれほど頑固な汚れはないとすると、エアクリーナーの液を
ジェットの穴に強制的に流し込めば貫通できないか・・・?そのために小さな穴に差し込める
スポイト状のものは・・・。台所にありました。お弁当などに入れるソース瓶?タレビンに
液を詰めるためのスポイト。合わせてみるとサイズ的にピッタリです!

バリはとっておいたほうがより先端を差し込めそうです。現物に合わせて先端を少しだけ
細くなるように削りました。ツーリング用に給油毎分の燃料添加剤ナプロを携帯するために
100均で買ったタレビン。スポイトまで使えるとは。


キャブクリーナーはヤマハケミカルが秀逸と聞きました。買いに行くとヤマハはありました。
予想外にホンダ製も置いてました。同じ泡タイプ。100円くらい安いし、量も少ない。
そんなに使わないし、ホンダバイクなのでホンダにしました。成分は(比率は分かりませんが)
同じようでした。ほとんど要らないので、イストにでもぶち込んで使い切ってもいいです。
強力な溶剤なので悪さするかも・・・。
が、あとでその処分方法はできないことが判明します。

タンクをいつものように吊って、エアクリーナーボックスを開けます。
ここまではもう慣れた作業です。


以前内圧コントロールバルブを取り付けた際のエアクリーナーボックス内のブリーザータンクからの
流出跡。クランクケース内でミストとなったオイルと思われます。

オイルなどの流れはフロントキャブの各ポート上部を跨いで流れています。
これが詰まり、汚れの原因でしょうか?

作業しやすいようにファンネルを外します。これには合いマークがあるので
向きがあるようです。組み付けるときに注意が必要です。

キャブクリーナーを吹きかけても分解洗浄ではないので穴の内部まで洗浄できるか
疑問です。一度キャブクリーナーを容器に受け、直接スポイトに吸い込みます。
これなら泡タイプじゃなくても良かった?発泡が効くのか、成分の差なのか、
評判のよいキャブクリーナーには泡タイプが多い気がします。
相変わらず脳みそが溶解しそうな芳香です・・・。昔クレのキャブクリーナーが眼球に入ったなぁ。

ポートにスポイトを差し込みクリーナーを流し込みます。数回流し込んで、
弱いですがスポスポブローします。すると一番左の写真のポートは明らかに手応えが
軽くなりました。やはり詰まっていたのでしょうか。鼻づまりが解消した感じです。
差を見るために問題のないと思われるリアバンクもちょっとだけクリーナーを吹いて
ブローをしてみました。リアは特に手応えを感じるポートはなく、スポスポでした。
フロントも同じ手応えになりました。

エアクリーナーのフタをして、ひと段落。もうゴミは入らないので少し
屋内で休憩して戻ってくると・・・。

水の滴るような音。車体の下に広がる失禁あと!なんかピンクの液体がダダ漏れです!
止まらない。滲む、垂れるレベルではなく、夕立のような音です。写真なんか撮っている場合では
ないのですが、こんな状態です。
よくある、キャブを素人がいじって悪化させるパターンか!?今度はオーバーフローでも
引き起こしたのか!?

滴りのもとはこのあたり。ホースに液体の付着あとがありました。タンクのドレンホースか?

タンクはガソリンが満タンです。それでこの状態なので漏れたのでしょう。
危ない!というより
勿体ない!金銭的意味ではなくて、航続距離の意味で・・・。燃費の悪さが
身にしみている証拠です・・・。何km走行分漏れただろう、とか考えてしまいました。

気のせいかも知れませんが詰まりは消えたように感じました。固形物ならキャブの中に
残しておくのは気持ちが悪いので、本来は分解で確認するのでしょうが、何か出てくると
詰まっていた反証になるかと思い、紙コップをセットしてドレンを開けて見ました・・・。

実はジェット類の詰まりを疑う前にキャブのオーバーフローを疑っていて、
キャブ内に錆など混入していないか、先週もドレンからガソリンを抜いたのですが、
今日は明らかに濁っているし、底になんかゆらりとした卵の白味状のものがあります・・・。
さすがにこんな不純物が1週間で溜まったとは考えられません。
下が先週のドレンから抜いたガソリンの様子。透明です。


これが残留物。白味状?鼻水状?なんなんだ・・・。

リアのキャブも慌ててドレンからガソリンを抜いてみます。こちらは特に残留物はなし。

フロントだけに残留物。考えられるのは、ジェットに詰まっていたもの。もうひとつの差は
キャブクリーナー。フロート室に直接送り込んだものだし、リアにはほとんど使っていないので、
クリーナーが怪しい。ためしにガソリンをすくって、キャブクリーナーを噴射すると
同じものができた!イストに残りを投入するのは断念です!
でも色は濁った。半透明。一番最初にドレンから出てきたものは灰白色だったからクリーナーが
落とした汚れだろうか。洗浄の効果はあったということ?


キャブに詰まりが発生したらしいことは分かりました。今回の洗浄でどこまで除去できたか
不明ということと、今回のキャブクリーナーはガソリンに混ぜれそうもないので、
燃料系の洗浄、煤が溜まりまくっていると予想されるフロントの燃焼室の洗浄に
ガソリン添加型の洗浄剤を探してきました。GA-01が欲しいのですがこれは店頭では
見かけないので同じPEAと記載されているものを買いました。カストロールなら無難?

ここで意地悪を思いつきました。キャブクリーナーが固まった白味状の物体に
カストロールの洗浄剤を加えたらどうなるのか・・・。燃料系を洗浄すると謳うからには
こいつを分解して欲しいところです。逆にこの物体と反応などして固形物でも生成されたら
恐ろしいです。結果をみてからガソリンに添加するか決めることにしました。

添加して、ぐりぐりかき混ぜると濁ってきました。溶解してきている証拠でしょうか?

まだ疑ってみます。洗浄剤とガソリンが混ざれば濁りが生じるのかも知れません。
容器内に洗浄剤とガソリンを混ぜて見ます。

そうこうしているうちにまた濁りが進んだような?固形物はまだ認められますが、
小さくなってきている気もします。血尿ってこんな色?

こちらは洗浄剤+ガソリンのみ。濁りはないです。と言うことは不純物を溶解している、
と考えてよいでしょうか。ということでガソリンタンクに添加しました。

そうかと言って、フロート室に白味を残しておくことはできません。エンジンをかけ、
フロート室を満たしてはドレンから排出を繰り返し、ほとんど白味状のものが
出てこなくなるまで確認しました。あとは走行してみて、不純物が残っていないか、
新たに生成されていないか再度確認してみます。屋外作業でしたが、強烈な臭いです。
ハチが集まってくるのはこの臭いのせいでしょうか・・・。
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