1. 交通取締りの話
この話は長くなります。興味のある方はどうぞ。

※これは単なる違反逃れや悪質な運転を奨励するものではありません。あらかじめご了承下さい。

・ノルマは存在する?
恥ずかしながら、自分と交通違反は切っても切ることが出来ません。最近は多少マシになりましたが・・・(2004年4月現在、無事故無違反 約2年半)自分の周りでも度々捕まる人というのは大体決まっています。そして「あ〜、またやってもた」と思いながら、反則金を払いに行く・・・そんなことを一定の間隔で繰り返す、というのが多くの場合だと思います。私も昔そんな一人でした。
しかし、今から5年ほど前、ある道路で、人には言えないくらいのスピードで捕まって、その手続き(いわゆる切符を切る)が終わるまでの間、私は当局の対応にふとした疑問を持ちました。
反省と後悔に打ちひしがれる私とは裏腹に、小太りの、冴えないサラリーマン風の担当警官は、私の住所氏名を聞きながらもすごく満足げで、非常にのんびりと、世間話も織り交ぜながら(こっちは相手をする心境ではない)変に機嫌が良く、その表情は何か笑いが止まらないといった感じだったのです。私は当時気の狂うような忙しさの最中であったこともあり、この意識のギャップに相当な憤りを抑えながらこの警官と対応しました。
この件は然るべき制裁を受けて終わりましたが、その些細な疑問がきっかけとなり、私の交通取り締まりに対する認識は変化して行きました。そしてこのことに関する様々な情報を知ることになります。
交通事故による死者は、ここ数年、おおむね1万人前後を推移しています。3年ほど前から減少傾向をたどり始め、2003年度は7000人台まで減少しましたが、これは車の衝突安全性の向上などによるものと思われます(人身事故数そのものは減っていない)。事故が発生してから24時間以内に死亡した人の数ですから、実際にはもっと多くの犠牲者が存在します。現代は車社会の恩恵を避けて通ることは出来ませんが、同時に、車というものがこの世に存在するばっかりに、実に多くの数の不幸を生み出していることになります。
当然ながら取り締まりというのは、こういう不幸を未然に防ぐ為に、然るべき法の下、不特定多数のドライバーなり交通弱者なりが共存する中では欠かせないものです。その活動を成り立たせているのは税金であり、その恩恵に与るべきは交通社会に属する国民です。
しかし、何回かこれのお世話になっていると、だんだん見えてくるものがあります。
すでに多くの方がお気づきになられているとは思いますが、取締り件数には「ノルマ」があると言われています。
「まあ、警察も仕事でやってるんだし、悪いのは違反(事故)をした方だから」これが多くのドライバーの見解だと思います。
実際のところ、どうなんでしょうか。
結論から言うと、このような見解を隠れ蓑に、利権構造の基となるノルマは確実に存在します。
具体的には、反則金収入(青切符)で年間900億円前後が目安と言われています。
罰金(赤切符)については定かではありません。
確かに、取り締まられるべき悪質な運転者も多く存在します。取り締まりが必要なのも否定できません。
問題は何のために取り締まりをするかです。7000人の死者を5000人まで減らすことを本気で考えた場合と、「違反者がゼロになっては困る」という取締りをやっている場合では、その方向性はまったく違ったものになってきます。