ドル足掻記外伝・『だんぢょんえすけーぱー』
ぎゃりっぎゃりっぎゃりっ。
妙ちくりんな音と共に土管型ワープゾーンをくぐるボク。果たしてその先には・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・そこは先程と似たような小部屋だった。四方は壁に囲まれて扉の類は無く、北側に土管のワープゾーンが口を開いていた。
ただ先程と異なるのは、その土管が緑色をした一本だけで、更にその手前に小さな書棚を載せた机がある事だった。ボクは何の疑問も無くその書棚を調べてみる。
果たして、書棚の中には一冊の本と、栞(しおり)代わりに使っていたのか一枚のスペルカードが挟まれていた。
それはカギの絵が描かれており、下の説明文にはこう書かれていた。
『おっすオラなまりのカギ! いっちょヤってみるってばぞなもし!?』
・・・な、なんで説明文がこんなに訛ってるんだ? 若しかして「なまりのカギ」って、「鉛のカギ」じゃなくて「訛りのカギ」って意味なのかっ!?
★スペルカード 《なまりのカギ》 を手に入れた!★
ボクが 《なまりのカギ》 のカードをしまい込んだ(ボクは今裸なのでサークレットに挟み込んでるんだよ)瞬間、先程までこのカードを挟んでいた本が輝いたかと思うと、たちまち一枚のカードに変化した。
どうやらこの本も元々スペルカードだったのだけど、何らかの理由で 《なまりのカギ》 のカードを挟む(隠す?)為に実体化されていたようだ。取り敢えずこのカードも持っていく事にしよう。
★スペルカード 《マナ2のよのゆめ》 を手に入れた!★(←しかしなんて意味不明な名前だ)
用が取り敢えず済んだので、ボクは北側の緑色の土管の中に入る。ぎゃりっぎゃりっぎゃりっ。
・・・そこはボクが最初に入ってきた場所だった。スタート地点に戻ったのか?
いや違う、今ボクの手には新たに二枚のカードが存在している。
あんな仕掛けをしてあった以上、このカード・・・特に「カギ」は重要な意味を持つのだと思う。
ダンジョン脱出は近い(かもしれない)。コレまで以上に気を引き締めて掛かろう。