●回想的小話「みっしんぐ・りんく?」







  ???「・・・アンシャー様。この『塔』にイシターの巫女めが侵入した由に御座います。」

「闇の司祭」──当時はまだそう称ばれていなかったのだが──の背後から魔術師が音も無く現れ、そう告げた。

  アンシャー「ほう・・・我らが御統主の留守居を狙うとは、イシターの奴め見かけによらぬ女狐ぶりよの、ククク・・・」
  アーチ・メイジ「して、如何致しましょう。早速御統主様にご一報を・・・」
  アンシャー「いや、棄て措け。」
  アーチ・メイジ「は?いま何と仰せで!?」
  アンシャー「だから、
す・て・お・け、と云っておろうが。」
  アーチ・メイジ「
あのうここは全館禁煙なのですが。
  アンシャー「煙草を
『吸っておけ』と云ったのではない!」
  アーチ・メイジ「
よッ大将今日も妙に草臥(くたび)れたフードが似合ってるねコノ!!
  アンシャー「ゴマを
『擂(す)っておけ』とも云っておらぬ!ちゅか微妙に莫迦にしていないか!?」
  アーチ・メイジ「うーん、
迂闊に歌詞を載せるとJ△SR△Cに訴えられそうだし、無理がありますよこのネタ。
  アンシャー「若しかして
『カラオケ』てボケてるつもり?思いっきり語呂があってないだろう結局今回もこんなグダグダで押すつもりか筆者よ!?・・・・・・閑話休題(それはさておき)。この程度の事わざわざドルアーガ様に報告するまでもあるまいて。イシターの巫女めがどこまでやれるのか愉しみに見物と洒落こもうではないかクックック・・・」
  アーチ・メイジ「
『愉しみに見物』ってまさかあの巫女のスカートの中の事ですか?確かイシターより『勇気を身軽さに換えるティアラ』なるものを授かったとかで、ぴょんぴょん飛び跳ねてはヒラヒラしまくり僕らはウハウハともっぱらの噂ですぞやっぱりこーゆー路線で来ましたなアンシャー様!?」
  アンシャー「ナニが『こーゆー路線』なのだナニが?大体『見物』からこんなムチャ振りに近いネタに持っていくあたり、
貴様の方が斯様な趣味を持っていると考えるのが妥当ではないのか?」
  アーチ・メイジ「・・・・・・・・・」
  アンシャー「・・・・・・・・・」
  アーチ・メイジ「
うほぉぉぉおぉぉミニスカ萌え絶対領域萌え漏れ自重しるーーーっ!?
  アンシャー「
いきなり開き直ったかと思いきや何をトチ狂った発言をしておるのだ?今回は『100年前の出来事』を題材にしていることを少しは自覚して言葉を引用しろよ閑話休題!兎に角今暫く様子見と行こうではないか。それとも、よもや貴様らは主の力抜きでは侵入者に易々と狼藉を許すほどに無能揃いだと申すわけでもあるまい?」
  アーチ・メイジ「滅相も無いことを。では・・・」

そして、現れた時と同様に姿を消す。

  アンシャー「ふむ・・・しかし実に良いタイミングで現れたものよの。聞くところによると、あのイシターの巫女めはバビリムの王子と既に恋仲とのこと。・・・これは使えるかもな。あの目障りなドルアーガを追い落とし、私が天下を握るためにもな、ククク、ファッハハハハ!」
  アーチ・メイジ「あのうアンシャー様。」
  アンシャー「うおぉぉっ?ままま、まだ居たのかね!
若しかして今の聞いてた?て云うかさっき消えたはずなのに何故?」
  アーチ・メイジ「いやあ私良く考えたら
同じ場所に出たり消えたりしか出来ないんですよ。ホラ『カイの冒険』仕様だから?」
  アンシャー「ここにきて都合よく元ゲーの設定を持ち出したものよの・・・」
  アーチ・メイジ「なんだったら呪文も出しますよー。ていッ!!(スペルを放つ)」
  アンシャー「ぐわっ(←喰らった)!何をするかッ!?冒頭からこんなにトばしてどうするんだ
相変わらずペース配分を考えておらぬな筆者め!さっさと次のシーンに行くがよい!!」

***

  カイ「ここが、『ドルアーガの塔』なのね・・・。待っててギル、わたしが必ずクリスタルロッドを取り返してみせるから・・・」
  ???「やあ、キミがカイちゃんだね。」
  カイ「
きゃあああああっ!?

反射的に
巫女ヘッドバットが炸裂。

  ???「げぼはぁぁぁぁっ!?な、ナンなんだよこの
破壊的な衝撃はッ!死ぬかと思った!?」
  カイ「だ、誰なのあなた?」
  クオックス「ボ・・・、ボクはクオックス。この塔に棲むドラゴンなんだ。」
  カイ「この塔に棲む・・・・・・ドラゴン?」

  アンシャー「・・・・・・棲んでたの?」
  アーチ・メイジ「
いやあ全然気づきませんでしたよあっはっは。
  アンシャー「
笑い事ではない!不法侵入ではないか!!店子からはしっかりと家賃を請求せんか!だから100年後に私が資金難に苦しむ羽目に・・・
  アーチ・メイジ「大概メタな発言ですな。しかも『ドル足掻記』の二次設定だし。」
  アンシャー「貴様も先ほど『この場から動けない』とかメタな発言をしておったろうが!」
  オーグル「
オレサマモココカラウゴケナーイ、タスケテーー!?
  アンシャー「貴様も居たのかーーーっ!?
(駐:『カイの冒険』におけるオーグルは全く動かない障害物キャラとして登場します)
  アーチ・メイジ「いや実はバンパイヤさんも居るんですけどね。
(またまた註:バンパイヤもオーグル同様障害物として登場します)
  アンシャー「なにっ!?
こんな狭い部屋にそんなデカキャラ何体も詰め込むんじゃないわああ暑苦しい息苦しいあっ今なんか変なモン触ったようなうわああああ、」

・・・莫迦どもは放っておいてカイの方に戻ると。

  クオックス「イシターさまからキミの事は聞いているよ。ボクが使ってる
秘密の通路を使わせてあげるから、ガンバってね!」
  カイ「秘密の・・・・・・通路?」

そして、クオックスはとある扉の前にカイを誘導する。

  アンシャー「ま、まさかあの扉は!」
  アーチ・メイジ「知っているのかアンシャー!!」
  アンシャー「貴様タメ口とはいい度胸だな閑話休題!あれは我らが利用している
エレベータではないか!?彼奴めいつの間に!あれだって手下どもから利用料金徴収してるってのにまた無銭利用なのかーーーっ!!
  アーチ・メイジ「アンタ
金の亡者ですな・・・。まあ私ここから動けないから別に関係ないのですが。」
  オーグル「オレサマモウゴケナーイ!」
  バンパイヤ「ワシも動けんですとタイ!」
  バジリスク「ギギギギギ・・・
(しつこく註:バジリスクもまた動けないキャラです)
  アンシャー「
判ったからもうしつこくカブせてくるなーっ!?

  クオックス「さあここが秘密の通路へと通じる扉だよ・・・・・・って、カイちゃん?」
  カイ「(天井を見上げて)なるほど、確かにここは
天井も比較的薄くて通りやすそうね。・・・てやっ!!」

  カイは大きく跳躍して、そのまま
天井を突き破って消えていった。

  アンシャー「な、ななななななな・・・」
  アーチ・メイジ「す、スゲー!階段もエレベータも利用せずにこんな方法で上に登るなんてっ!?まさか
『ワープ』アイテムの実態がこんなだったとは、相変わらず筆者は一般人の理解に苦しむ解釈をしますなぁ!?」
  アンシャー「
こ・・・こんなエレベータの使い方も判らんようなガキにドルアーガの塔がやられてたまるかッ・・・・・・!
  アーチ・メイジ「ナンですかその
矮躯(わいく)に思い悩む非国籍軍隊総帥様みたいな言動は?・・・若しかして今回これを云いたいがためにこんな話になったんですかねぇ?」
  アンシャー「うるさい!うすらデカい貴様に私の気持ちが分かるかっ!?」
  オーグル「
オー、オレサマデカーイデカーイ。
  バンパイヤ「もっともアンシャーどん『カイの冒険』には登場しないから身長比較の仕様がないでごんすよ。」
  バジリスク「ギギギギギー。」
  アーチ・メイジ「ああ、やっぱりもう
グダグダだ・・・」
  アンシャー「
貴様が云うなあっ!?

***

  アンシャー「・・・・・・とまあ、そんな事があったのだよ。」
  ギルガメス「ふうむ私が負傷している間にも色々と
面白い事が起こっていたのだな。」
  カイ「もういいじゃない、昔の事は・・・」
  ドルアーガ「あらァん?でもあの後も大変だったのよ〜ン!?アナタを
要石にした後、塔を修復・改装しようとしたのだけど、アタシの力をもってしてもアナタのぶち破った穴を修復する事はできなくって結構難儀だったのよン?」
  カイ「わたしの破壊能力ってそんなにスゴかったって云うの?
て云うか要石云うな!
  サキュバス「あっははははは!何せ
全60フロア中51フロアをブチ抜くような真似をしでかしたんだからねぇ?よく塔が壊れず持っていたもんだよ!?」

因みに、『カイの冒険』におけるワープは
  
フロア1⇒6⇒11⇒19⇒28⇒37⇒44⇒51⇒58
の順に存在するので都合8ヶ所の縦穴をブチ抜いたコトになります。

  ギルガメス「確かに『ドルアーガの塔』は本来
円柱状の塔なのになんで横長の迷路形状だったのか気にはなっていたのだが、カイの開けた穴をそのまま手つかずにして残りの部分で迷路を構築したからそうなったと云うのか。うむ納得だ。」
  カイ「あっさり納得しないでよギル!?」
  女神イシター「
なお、若しもギルが神の意思に反する行為をしたのなら、私は罰としてその穴から投げ落とすつもりでいました。
  カイ「
わたしの開けた穴ってZAPに利用されていたのですかっ!?
  クオックス「今だから云うんだけど・・・
『イシターの復活』での秘密の抜け穴(シークレット・パッセージ:ルーム81及びルーム126)って落とし穴(つまり縦穴)だったでしょ?アレも本当は・・・カイちゃんの開けた穴だったんだよね・・・」
  カイ「ガーン!まさかそんな事実が・・・・・・ッ!?」
  アンシャー「一応
これは『ドルルル』の小話だから云わせてもらうが、『ドル足掻記』でも塔はフロア1・フロア19・フロア29・フロア39・フロア59・フロア60しか存在しておらず直通階段で通じてるってネタにされておったろう!?あれもドルアーガが塔を再建した際、何故か貴様の開けた穴はそのまま残ってしまったのでそのまま階段にしたと云う具合なのだよ。」
  カイ「もう勝手にしてよ・・・・・・大体
元々わたしが開けた穴と階に喰い違い出てるじゃない・・・」
  ドルアーガ「アタシも云わせてもらうわよン!?アタシが『魂の牢獄』の儀式で復活に成功したとき、ここ(黄泉の国)の天井(つまり地面)突き破って出たでしょ?
アレもアタシがアナタの能力に目を付けて得意の変身術でカイに化けて頭突きで突き破ったのよ〜ン?」
  カイ「ウソをつくなーーーーーっ!?」
  ドルアーガ「アラん本当よぉん?ソレにホントついでに云うと、アタシの変身能力を持ってしてもアナタの能力を完全コピー出来なかったので、
アタシはやむなく二体に分身・ジャンプ力2倍・回転速度3倍の2×2×3=12倍の1200万パワーにて漸く突破に成功した次第なんだから。」
  カイ「しかもよりによって何故そこに
機械超人理論まで持ち出すのよっ!?」
  サキュバス「しかし・・・まさか『カイの頭突き』ネタでここまでネタを展開できるとはねェ・・・」
  ギルガメス「しかも、バビロニアン・キャッスル・サーガ上のさまざまな事象と総て符合しているし。正に
作品間の謎を繋ぐミッシングリンク!
  カイ「イヤ
すっごい強引なコジ付けなんだけど・・・」
  ドルアーガ「
カイ・・・・・・・・・なんて恐ろしい子!(わなわな)」
  カイ「ナニが『わなわな』よぉっ!?いい加減にしなさーいっ!!」
  クオックス「わぁっカイちゃん跳び上がったよ!」
  ギルガメス「・・・・・・いつもの3倍高く上がっているな。」
  サキュバス「カイの奴、突然錐揉み回転しだしたよっ!?いつもの4倍の速度だ!」
  アンシャー「
『いつもの』っていつそんなの調べたのだ?て云うかカイの奴も結局機械超人理論なのかっ!?
  カイ「アンタらのお巫山戯に鉄槌を!カイの頭突きーーーーッ!!」
  カイを除く一同「
ぎゃああああああああああああッ!?
  ナーガル神「
ジブンらハシャぐんなら余所でやれやあああああああああっ!?

***

  ギルス「・・・なお、本文はフィクションを基にした二次創作の体を装った完全なる
妄言ですので実在の人物・団体および元ネタの作品の事象とは一切関係は御座いません。まる。」
  カリア「何を今更・・・・・・」




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