伊東悌次郎君、池上新太郎君、竹岡捨蔵君事蹟



白虎隊義少年中、伊東悌次郎氏は父左太夫の二男にして、家禄百三拾石、若松の城下米代四の丁の邸に住せり。

池上新太郎氏は、父与兵衛の長男なり。父は職を外様士に奉じ、累進して藩校日新館教職に転じ、後ち青龍隊半隊頭となり、食禄百石、若松の城下花畑に住せり。

竹岡捨蔵氏は、津田半蔵の子なり。父半蔵は江戸定居にして、芝會津藩邸に在り、職を新番組士に奉じて禄十三石三人口なり。

而して右三氏は、共に倶に飯盛山に退き、自刃せり。今、其の事蹟を詳にするを得ず、暫く氏名を存じて他日之を詳述せんことを期す。看客諸彦乞う之れを諒せよ。




『白虎隊事蹟』(中村謙著)より
原文に句読点を付け、旧仮名遣いの読み難い部分を現代仮名遣いにあらため、改行を入れるなどして出来るだけ読みやすくしました。



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